JIS C 6575-1:2009 ミニチュアヒューズ―第1部:ミニチュアヒューズに関する用語及びミニチュアヒューズリンクに対する通則 | ページ 2

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C 6575-1 : 2009
3.16
定格 (rating)
試験の基礎となり,かつ,ヒューズの設計の基礎となる動作条件を定めている特性値を示すための一般
用語。
注記 ヒューズについて通常用いる定格値の例
− 電圧 (UN)
− 電流 (IN)
− 遮断容量
3.17
時間−電流特性(ヒューズリンクの)[time/current characteristics (of a fuse-link)]
a) 交流に関して 所定の動作条件において,実効値で示される固有正弦波電流の関数としてバーチャル
時間をカーブに示したもの。
b) 直流に関して 所定の動作条件において,直流の固有電流の関数として実時間をカーブとして示した
もの。
注記 ヒューズリンクについての時間−電流特性は,通常,溶断時間及び動作時間について表す。
3.18
協約不溶断電流 (conventional non-fusing current)
ヒューズリンクが,ある規定された時間(協約時間)溶断せずに通電し得る電流値。
3.19
固有電流(ヒューズに関する回路の)[prospective current (of a circuit and with respect to a fuse)]
回路中のヒューズを,無視できる程度に小さいインピーダンスの導体で置き換えたときに,回路に流れ
る電流。
3.20
溶断時間[pre-arcing time (melting time)]
ヒューズエレメントが溶断するのに十分な大きさの電流が流れ始めてから,アークが発生する瞬間まで
の時間。
3.21
アーク時間 (arcing time)
アークが発生した瞬間から,アークが消滅する瞬間までの時間。
3.22
動作時間[operating time (total clearing time)]
溶断時間とアーク時間との和。
3.23
バーチャル時間 (virtual time)
I2tを固有電流値の2乗で除した値。
注記 通常,ヒューズリンクに関して示されるバーチャル時間の値は,溶断時間の値又は動作時間の
値である。
3.24
I2t(ジュール積分) (joule integral)
与えられた時間にわたって,電流の2乗の値を積分したもの。

――――― [JIS C 6575-1 pdf 6] ―――――

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t
I 2=
t i2 dt
t 0
注記1 溶断I2tは,ヒューズの溶断時間にわたって積分したI2t値。
注記2 動作I2tは,ヒューズの動作時間にわたって積分したI2t値。
注記3 ヒューズによって保護される回路において1 Ωの抵抗に発生するジュールエネルギーは,A2 s
で示される動作I2tの値に等しい。
3.25
ヒューズリンクの遮断容量 (breaking capacity of a fuse-link)
用途及び動作に関して指示された条件で,ヒューズリンクが所定の電圧で遮断に耐える固有電流の値(交
流では実効値)。
3.26
回復電圧 (recovery voltage)
電流の遮断後に,ヒューズの端子間に発生する電圧。
注記 この電圧は,二つの連続した時間帯に分けて考えることができる。その第一は過渡電圧の存在
する時間,第二は電源周波数又は定常状態の回復電圧の存在する時間。
3.27
最大継続ワット損 (maximum sustained dissipation)
1時間以上継続可能な最大電流レベルにおいて測定するように指示された条件下で測定されたヒューズ
リンクのワット損。
注記1 最大継続ワット損の値は,IEC 60127-6に基づくミニチュアヒューズに用いるヒューズホル
ダの最大受容ワットと関連して用いる。
注記2 これらの値は,ヒューズエレメントが溶断する直前の短時間にはしばしば規定値を超えるこ
とがある。最大継続ワット損の2倍高い値を今までに記録している。

4 一般要求事項

  ヒューズリンクは,この規格の適用範囲内において用いる限り,その動作は信頼性及び安全性をもち,
定格電圧以下の任意の電圧で,かつ,定格遮断容量以下の任意の電流において,規定の性能を満足するよ
うな構造でなければならない。
ヒューズリンクを正常に,かつ,この規格の適用範囲内において用いる限り,連続的アークの発生,外
部へのアークの放出又は周囲に危険を及ぼすいかなる火炎の発生などがあってはならない。ヒューズリン
クは,最大継続ワット損を決定する試験中及び動作後に,その交換を妨害するほど破損してはならないし,
また,表示は読みやすい状態でなければならない。
適否は,通常,この規格及び後続の部に規定する,該当するすべての試験項目を実施することによって
判定する。
注記 ヒューズリンクを機器に用いる場合,ヒューズリンクに流れる短絡電流などの故障電流をその
ヒューズリンクが安全に遮断できることを確認しない限り,そのヒューズリンクの定格遮断容
量を超える短絡電流が流れる回路には,そのヒューズリンクを使用しないほうがよい。

5 標準定格

  次の値を,当該スタンダードシートに規定する。

――――― [JIS C 6575-1 pdf 7] ―――――

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C 6575-1 : 2009
− 定格電圧
− 定格電流
− 定格遮断容量

6 表示

  表示の要求事項は,JIS C 6575シリーズの後続の部に特に規定のない限り,次による。
6.1 各ヒューズリンクには,次のように表示する。
a) 1 A未満ではmA単位又はA単位の定格電流,1 A以上ではA単位の定格電流。定格電流の表示位置
は,定格電圧の表示の直前としなければならない。
一部の国で実施されている方法に適応するため,当分の間,分数による電流表示も認める。
b) ボルト (V) 単位の定格電圧。
c) 製造業者名又は商標。
d) 該当スタンダードシートに規定する溶断時間−電流特性の記号。この記号は,定格電流値の直前に表
示しなければならない。
これらの記号は,次による。
FF : 超速動
F : 速動
M : ミディアムタイムラグ
T : タイムラグ
TT : 超タイムラグ
6.2 表示は,消えにくく,かつ,読みやすいものでなければならない。
適否は,目視検査で判定し,かつ,水に浸した布で軽く15秒間こすり,更に石油エーテルに浸した布で
再び15秒間軽くこすって判定する。
注記1 使用する石油エーテルは,ヘキサン溶剤で芳香族成分最大0.1体積比,カウリブタノール値
29,初期沸騰点約65 ℃,乾燥点約69 ℃で密度約0.68 g/cm3からなるものとする。
注記2 カラーコードの場合は,この試験を行う必要はない。
6.3 6.1による表示事項は,包装容器にも表示し,かつ,この規格の番号及び当該スタンダードシートの
番号も付記しなければならない。
なお,この包装容器に表示する場合には,定格電流値にA又はmA表示を付けなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
6.4 定格電流及び時間−電流特性の付加的識別方法としてカラーバンドを用いてもよい。
この付加的な表示方法は,附属書Aに従わなければならない。

7 試験に関する一般事項

  この規格に規定する試験は,形式試験である。
受入検査が要求される場合,この規格の形式試験の中から選択することが望ましい。

7.1 試験の大気条件

7.1.1  すべての試験は,JIS C 6575シリーズの後続の部に特に規定のない限り,次の大気条件で行わなけ
ればならない。
− 温度 : 15 ℃35 ℃

――――― [JIS C 6575-1 pdf 8] ―――――

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− 相対湿度 : 45 %75 %
− 気圧 : 8.6×104 Pa1.06×105 Pa
上記の条件が特に影響を与える場合には,試験中十分に一定の条件に保って試験を行う。
ヒューズリンクは,空気中で規定のヒューズベースに取り付けて試験をするものとし,通風及び直接の
熱放射を避けなければならない。ヒューズホルダは,水平状態でなければならない。
温度が試験結果に著しく影響する場合には,試験を23±1 ℃で実施しなければならない。
7.1.2 各試験報告には周囲温度を記入しなければならない。試験中に相対湿度又は気圧が標準条件を守
れなかったときには,そのことを報告に付記しなければならない。
常温より高い温度での試験が要求される場合,特に規定のない限り,周囲温度70±2 ℃で行う。

7.2 形式試験

7.2.1  試験に必要なヒューズリンクの数は,JIS C 6575シリーズの後続の部に規定する。
ヒューズリンクは,次の項目による試験又は検査を行わなければならない。
a) 表示 (6.1)
b) 寸法 (8.1)
c) 構造 (8.2)
d) 電圧降下 (9.1)
追加試験などは,JIS C 6575シリーズの後続の部に規定する。
7.2.2 7.2.1 d) の結果に基づいて,ヒューズリンクに,電圧降下の大きいものから順次一連番号を付けな
ければならない。すなわち,小さい番号のものが最も大きな電圧降下をもつことになる。これらのヒュー
ズリンクの試験は,当該試験手順に従わなければならない。
ある試験を再度行う場合には,もとのヒューズリンクとほぼ同じ電圧降下値をもつ予備のヒューズリン
クを再試験用として用いなければならない。
7.2.3
a) 箇条6,箇条8,9.1,9.2.2,9.7及びJIS C 6575シリーズの後続の部の追加条項の,いずれの試験にお
いても不良が出てはならない。
b) 9.2.1及び9.3の試験で,ある一つの試験電流において2個不良が出た場合には,そのヒューズリンク
はこの規格に適合しないとみなす。1個だけ不良が出た場合には,規定の試験個数の2倍のヒューズ
リンクを同一試験電流で再試験を行い,更に第2の不良が出た場合には不合格とする。
2個の不良が,別々の試験電流において発生した場合には,それぞれ2倍の数のヒューズリンクで
実施した再試験において,1個も不良が出なければ合格とみなす。
不良が3個以上の場合には,そのヒューズリンクはこの規格に適合しないとみなす。
c) 9.4,9.5及び9.6の各試験においては,不良が1個なら合格とする。ある一つの試験で2個以上の不良
が出た場合には,JIS C 6575シリーズの後続の部に特に規定のない限り,この規格に適合しないとみ
なす。

7.3 試験用ヒューズベース

  ヒューズリンク取付けのためのヒューズベースを必要とする試験においては,JIS C 6575シリーズの後
続の部の要求事項に適合するヒューズベースを用いなければならない。

7.4 電源

  電気的な試験に用いる電源は,JIS C 6575シリーズの後続の部の当該項目,又は当該スタンダードシー
トに規定する。

――――― [JIS C 6575-1 pdf 9] ―――――

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C 6575-1 : 2009
交流の場合の試験電圧は,実質的に4562 Hzの周波数の正弦波形とする。

8 寸法及び構造

8.1 寸法

  ヒューズリンクの寸法は,JIS C 6575シリーズの後続の部の当該スタンダードシートに適合しなければ
ならない。
適否は,寸法測定によって判定する。

8.2 構造

  ヒューズエレメントは,完全に内包されていなければならない。構造に関する詳細は,JIS C 6575シリ
ーズの後続の部に適宜規定する。

8.3 端子

  ヒューズリンク接触部は,非腐食性の材料,又は適切な防せい処理を施した材料からなり,フラックス
又は非導電性物質がその外面に付着していてはならない。
ニッケルめっき又は銀めっきは,黄銅製キャップの防せい処理として適切なものとみなす。
接着強度の試験は,JIS C 6575シリーズの後続の部に適宜規定する。

8.4 端子のアライメント及び形状

  アライメント,ピン位置などのための適切な試験は,JIS C 6575シリーズの後続の部に必要に応じて適
宜規定する。

8.5 はんだ接合部

  外から見えるはんだ接合部(例えば,キャップ上の)は,通常の使用状態及び動作中に溶融してはなら
ない。
適否は,9.2.1,9.2.2,9.4,9.5及び9.6の試験後に,はんだ接合部の検査によって判定する。

9 電気的要求事項

9.1 電圧降下

  定格電流を通電したときのヒューズリンクの電圧降下は,当該スタンダードシートに規定する最大値以
下でなければならない。
個々の測定値は,形式試験におけるサンプル平均値から15 %を超えて,外れてはならない。
注記1 測定値が,形式試験におけるサンプルの平均値から15 %を超えて外れてはならないとする
規定は,形式試験に提供されるヒューズリンクが,同一の製造ロットからとったものである
という前提に基づいていることに注意する。ヒューズリンクをランダムにとったときは,平
均値からのずれの範囲を考慮する必要はない。ヒューズリンクへの通電電流の方向を逆にし
たときに,ペルチェ効果によって異なった電圧降下が測定されたときには,最高値をとらな
ければならない。
適否は,ヒューズリンクの温度が一定となるまで,定格電流を十分な時間通電した時点で測定した電圧
降下によって判定する。
この試験は,直流で行わなければならない。また,試験結果に大きく影響しない機器を用いなければな
らない。
温度が一定となった時点とは,1分ごとに測定した電圧降下が,直前の測定値に比較して2 %未満の変
化になった時点をいう。この試験中,ヒューズリンクへの通電電流は,定格電流値の±1 %以内であり,

――――― [JIS C 6575-1 pdf 10] ―――――

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JIS C 6575-1:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60127-1:2006(MOD)

JIS C 6575-1:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6575-1:2009の関連規格と引用規格一覧