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かつ,電圧降下測定値の精度は±1 %以内でなければならない。
注記2 ヒューズリンクが,定格電圧よりもかなり低い電圧回路に使われたときに,特に定格電流が
小さい場合,問題が起こることがある。ヒューズリンクのヒューズエレメントがその融点に
近づくと電圧降下が増大するので,電気的な故障が起こったときに,ヒューズリンクがその
電流を遮断するのに十分な回路電圧であるかに注意すべきである。さらに,同一形式であり,
かつ,同じ定格のヒューズリンクであっても,設計及びヒューズエレメントの材質の相違に
よっては異なった電圧降下をもつことがあるので,低電圧回路に用いたとき,特に定格電流
の小さいヒューズリンクを低電圧回路に用いたときに,現実には互換性がないことがある。
9.2 時間-電流特性
9.2.1 常温における時間−電流特性
時間−電流特性は,当該スタンダードシートの規定範囲内になければならない。
7.1に規定されている大気条件の下で溶断時間を測定し,適否を判定する。
ヒューズリンクへの通電電流は,規定値の±1 %以内に調節しなければならない。試験中の電流値は,
その調節値の±1 %以内になるよう保持しなければならない。電源電圧は,試験中のヒューズリンクの定
格電圧以下でなければならない。溶断時間の測定精度は,10秒未満において±5 %以内,10秒以上におい
て±2 %以内としなければならない。
一定電流を維持できないような大きな電流範囲において,非常に短い溶断時間の場合には,I2t値を測定
し,バーチャル時間を計算によって求めることとする。
9.2.2 常温より高い温度での試験
スタンダードシートに規定されている場合には,当該スタンダードシートに規定する周囲温度及び定格
電流の倍数の電流で,1時間の試験を行わなければならない。
試験中の通電電流の安定性は,調節電流値に対し±2.5 %以内に保持しなければならない。ヒューズリ
ンクは,この試験で溶断してはならない。
9.2.3 試験手順
試験は,JIS C 6575シリーズの後続の部に特に規定のない限り,直流で行わなければならない。
注記1 投入位相角に起因する交流に特有の直流分による溶断時間への影響を削除するため直流を使
用する。
注記2 測定時間にアーク時間が含まれないことに注意する。
電流源の出力電圧は,溶断時間中の電流変動を制限するのに十分高い値でなければならない。さらに,
その出力電圧は,IEC 60038の表6の直流電圧のリストから製造業者によって宣言された値を超えてはな
らない。
試験回路の時定数は,溶断時間の3 %以下でなければならない。
ペルチェ効果の影響が考えられる場合には,ヒューズリンクへの通電電流の方向を1個ごとに反対にな
るように注意を払わなければならない。
注記3 構造によってペルチェ効果の影響が顕著な場合には,時間−電流特性を2.0 IN又は2.1 INでヒ
ューズリンクの数を2倍にして試験することが望ましい。追加のヒューズリンクは,予備の
ヒューズリンクから抜き取ってもよい。
ある種のヒューズリンクでは,交流における時間−電流特性が,直流によって求めた特性に比較して著
しく異なることがあり,特に協約不溶断電流よりわずかに大きい電流値において,この事実が起こること
に注意しなければならない。
――――― [JIS C 6575-1 pdf 11] ―――――
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なお,小電流では,ヒューズエレメントの小さい熱慣性のために周波数が非常に低くなると,特性がか
なり変化することがあるので注意しなければならない。
9.2.4 結果の表示
時間−電流特性を,電流値を独立変数として表示する場合には,両対数グラフを用いることが望ましい。
10倍ごとの目盛間隔の比率を,横軸と縦軸とで2 : 1とする。
定格電流の倍数を独立変数にとるときは,その比率を3 : 1とする。
注記 このような形式の例を,附属書Bに示す。
9.3 遮断容量
9.3.1 試験方法
ヒューズリンクは,後続の部の当該スタンダードシートに規定する定格遮断容量と協約不溶断電流との
間の固有電流を遮断したときに,周囲に危険を及ぼすことなく動作しなければならない。
ヒューズリンクの定格電圧の1.021.05倍1)の回復電圧を,ヒューズリンクの動作後30秒間印加する。
注1) この許容値の上限は,製造業者の同意によって超えてもよい。
代表的な試験回路は,JIS C 6575シリーズの後続の部に規定する。
定格遮断容量より小さい固有電流での試験の場合,直列抵抗を変化させて電流調節を行わなければなら
ない。
交流電源のインピーダンスは,試験回路の全インピーダンスの調整値の10 %未満でなければならない。
適否は,JIS C 6575シリーズの後続の部に特に規定がない限り,次の方法A又はBのいずれかによって
判定する。
a) 方法A(個々の定格)
1) 定格遮断容量
2) 定格電流の約5,10,50,250倍であって,当該スタンダードシートに規定する定格遮断容量以下の
固有電流
回路の投入角は,電圧0点通過後30±5゜としなければならない。
b) 方法B(同形シリーズ)
1) ランダム投入角で定格遮断容量
2) ヒューズリンクを定格遮断容量で試験する。
注記1 直流の場合の遮断容量は,交流の場合の遮断容量より低くなることがある。これは回路
のインダクタンスに影響され,更に交流の場合は投入位相角の影響も受けるからである。
注記2 購買者又は使用者から要求があった場合には,製造業者が直流値を規定する。
ミニチュアヒューズの各タイプの適切な遮断容量試験の詳細は,JIS C 6575シリーズの後続の部に規定
する。
9.3.2 合格判定基準
ヒューズリンクは,各試験において,次のような現象を生じることなく動作しなければならない。
− アークの持続
− 発火
− ヒューズリンクの破裂
ミニチュアヒューズリンクの個々の形式について追加の合格判定基準は,JIS C 6575シリーズの後続の
部に適宜規定する。
注記 変色は,不良とみなさない。
――――― [JIS C 6575-1 pdf 12] ―――――
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9.3.3 絶縁抵抗
遮断試験後のヒューズリンクの両端子間の絶縁抵抗は,ヒューズリンクの定格電圧の2倍,ただし,250
V以上の直流電圧で測定した場合,0.1 MΩ以上なければならない。
9.3.4 同形シリーズのヒューズリンクの形式試験
最大定格電流のヒューズリンクを,JIS C 6575シリーズの後続の部に規定する同形シリーズの最大定格
電流に対する試験手順に従って試験しなければならない。
最小定格電流のヒューズリンクを,JIS C 6575シリーズの後続の部に規定する同形シリーズの最小定格
電流に対する試験手順に従って試験しなければならない。
9.4 耐久試験
ヒューズリンクは,通常の使用範囲を超えて用いる場合でも,この規格の規定を満足しない電気的又は
機械的な欠陥を生じることのないような構造のものでなければならない。
次の試験によって適否を判定する。
この試験は,JIS C 6575シリーズの後続の部に特に規定のない限り,直流で行わなければならない。
a) 当該スタンダードシートに規定する電流を1時間通電し,15分間電流を停止する。このサイクルを100
回繰り返す。
試験中の通電電流は,調節値の±1 %以内に維持しなければならない。
試験は連続して行うが,やむを得ない場合には1回だけ中断してもよい。
b) その後,当該スタンダードシートに規定する電流を1時間通電する。この試験の最後に電圧降下を測
定し,JIS C 6575シリーズの後続の部に規定がある場合には,その測定値を最大継続ワット損値の計
算に用いる。
c) 最後に,再度9.1によってヒューズリンクの両端子間の電圧降下を測定する。試験後の測定値は,試
験前の測定値に比較して10 %を超えて増加してはならない。
d) 表示は,試験後,明確に読み取れなければならない。また,例えば,キャップのはんだ接合部は,目
視で分かる程度の損傷があってはならない。
注記 変色は,不良とみなさない。
9.5 最大継続ワット損
9.4 b) に従って得られた測定値から計算した値は,当該スタンダードシートに規定する範囲内になけれ
ばならない。
9.6 パルス試験
パルス試験を,JIS C 6575シリーズの後続の部で規定する場合には,次のとおり行う。
ここでは,常温におけるパルス試験について規定する。
ヒューズリンクは,一般の使用状態において通常経験するような電流サージを受けても,規格を満足し
ないようないかなる電気的不良又は機械的不良も生じないような構造でなければならない。
適否は,次の試験によって判定する。
a) 当該スタンダードシートに規定されているパルス電流を,そのスタンダードシートに規定されている
反復率で,1 000回ヒューズリンクに通電する。その後,ヒューズリンクは,室内温度で少なくとも1
時間冷却する。
b) その後,当該スタンダードシートに規定する電流値に等しい電流を,そのスタンダードシートで推奨
する時間ヒューズリンクに通電する。
c) 最後に,再度9.1に従ってヒューズリンクの両端子間の電圧降下を測定する。
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試験後の測定値は,試験前の測定値と比較して10 %を超えて増加してはならない。
d) 表示は,試験後,なお正確に読み取れなければならない。また,例えば,キャップのはんだ接合部は,
目視できる程度の損傷があってはならない。
注記 変色は,不良とみなさない。
9.7 ヒューズリンクの温度
温度試験を,JIS C 6575シリーズの後続の部で規定する場合には,次のとおり行う。
ヒューズリンクを次によって試験する場合,ヒューズリンクの容器又は端子のどの位置で測定しても,
その温度上昇は135 K以下でなければならない。
− 初期電流は,当該スタンダードシートに規定する値とする。
− 初期電流を15分間通電する。
− 最初の15分後に,15分ごとに電流をヒューズリンクが切れるまで0.1 INずつ増加させる。
− ヒューズリンクの温度は,連続して測定する。
− 温度測定点は,最高温度点とする。
注記1 最高温度点をあらかじめ規定することは困難なので,最初の15分間に最高温度点を決め
ておくのがよい。
注記2 温度上昇測定には,測定温度に著しい影響を与えない熱電対,又は他の温度測定方法を用
いるのがよい。
ヒューズリンクの取付け及び接続のための試験用ベースは,7.3に従わなければならない。
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附属書A
(参考)
ミニチュアヒューズリンクのカラーコード付け
定格電流及び時間−電流特性の識別方法として付加的にカラーバンドを用いる場合には,次の方式によ
らなければならない。
a) 関連するスタンダードシートに規定されているミニチュアヒューズリンクには,4本のカラーバンド
を用いる。初めの3本のバンドはmAの単位で表した定格電流の値を示し,最後の広幅のバンドは時
間−電流特性を示すものとする。
b) カラーバンドの長さは,ヒューズ筒の少なくとも円周半分以上あるものとし,かつ,図A.1に示すよ
うに等間隔で明確に区分されていなければならない。
注記1 ミニチュアヒューズリンクが透明の場合,バンドの間からヒューズエレメントが見えるよ
うにする。
c) カラーコードに関する規格,すなわち,JIS C 5062及びIEC 60425をできる限り用いなければならな
い。
d) 表A.1に示すカラーコード方式を用いなければならない。
注記2 表A.1にR10,R20の数値に対応したカラーコードを示す。
カラーバンドの数を最小限に保つため,最初の2けたの数字を表示するために2本のカ
ラーバンドだけを用いることにした。
e) 6.3に示す要求事項に加えて,包装容器にも内容物の関連するカラーコードを表示することが望ましい。
注記 d及びsの値は,JIS C 6575シリーズ中に規定されている。
図A.1−カラーバンドの配置
――――― [JIS C 6575-1 pdf 15] ―――――
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JIS C 6575-1:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60127-1:2006(MOD)
JIS C 6575-1:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.120 : 電気付属部品 > 29.120.50 : ヒューズ及びその他過電流保護装備
JIS C 6575-1:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC6575-2:2016
- ミニチュアヒューズ―第2部:管形ヒューズリンク
- JISC6575-3:2016
- ミニチュアヒューズ―第3部:サブミニチュアヒューズリンク
- JISC6575-4:2009
- ミニチュアヒューズ―第4部:UMヒューズリンク(UMF)並びにその他の端子挿入形及び表面実装形ヒューズリンク