JIS C 7030:1993 トランジスタ測定方法 | ページ 2

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また,静電気の発生を防ぐためには,測定者,工具及び測定機器類の電位と被測定トランジスタを
取扱う場所を同電位にすることが望ましい。

5.4 温度安定(熱的平衡)条件

 供試トランジスタの発熱によって,測定値が時間の経過とともに変化
する場合は,温度安定に達してから測定するか,あらかじめ測定時間を決めておく。
参考 測定時間を2倍しても,測定値が予定された誤差以上の変化を生じないならば,温度安定に達
していると考えられる。

5.5 パルス測定

 供試トランジスタの発熱による測定誤差を避けるためには,パルスによる測定が望ま
しい。

5.6 測定回路

 この規格で図示した測定回路は,測定に用いる回路の一例を示している。したがって,
同様の結果が得られる限り代替回路が使用できる。
バイポーラトランジスタの測定回路は,npn形トランジスタの場合を示しているが,pnp形トランジスタ
の場合にも電源,計器などの極性を変更することで,同じ回路を用いることができる。
また,電界効果トランジスタの測定回路は,nチャネル,絶縁ゲート・ディプレション形又は接合形電
界効果トランジスタの場合を示しているが,pチャネルデバイスの場合にも,計器及び電源の極性を変え
ることによって,同じ回路を用いることができ,各測定方法の見出しに用いる記号は,表2による。
表2 種別を表す記号
記号 種別
A 接合形又はショットキ障壁ゲート形
B 絶縁ゲート・ディプレション形
C 絶縁ゲート・エンハンスメント形
なお,測定回路図に示してある式は,測定回路に必要な条件である。

6. 測定方法

6.1 バイポーラトランジスタの測定方法

6.1.1 コレクタ電流測定(直流方法)

 コレクタ電流測定(直流方法)は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試トランジスタのコレクタ電流を測定することを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図1に示す。
図1 コレクタ電流測定回路(直流方法)
(3) 手順 規定のエミッタ電流 (IE) を流し,コレクタ・ベース間に規定の電圧 (VCB) を印加して,コレク
タ電流 (Ic) を測定する。
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) エミッタ電流
(b) コレクタ・ベース間電圧

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(c) 周囲温度又は基準点温度

6.1.2 コレクタ電流測定(パルス方法)

 コレクタ電流測定(パルス方法)は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試トランジスタのコレクタ電流を測定することを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図2に示す。
図2 コレクタ電流測定回路(パルス方法)
(3) 手順 規定のエミッタ電流 (IE) を流し,オシロスコープO1を見ながら,コレクタ・ベース間に規定
のパルス幅及びデューティサイクルの定電圧 (VCB) パルスを印加して,オシロスコープO2でコレク
タ電流 (Ic) を測定する。
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) エミッタ電流
(b) コレクタ・ベース間電圧
(c) コレクタ・ベース間電圧のパルス幅及びデューティサイクル
(d) 周囲温度又は基準点温度

6.1.3 エミッタ電流測定(直流方法)

 エミッタ電流測定(直流方法)は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試トランジスタのエミッタ電流を測定することを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図3に示す。
図3 エミッタ電流測定回路(直流方法)
(3) 手順 コレクタ・ベース間及びエミッタ・ベース間に,それぞれ規定の電圧(VCB及びVEB)を印加し
て,エミッタ電流 (IE) を測定する。
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) コレクタ・ベース間電圧
(b) エミッタ・ベース間電圧
(c) 周囲温度又は基準点温度

6.1.4 エミッタ電流測定(パルス方法)

 エミッタ電流測定(パルス方法)は,次による。

――――― [JIS C 7030 pdf 7] ―――――

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(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試トランジスタのエミッタ電流を測定することを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図4に示す。
図4 エミッタ電流測定回路(パルス方法)
(3) 手順 コレクタ・ベース間に規定の電圧 (VCB) を印加し,オシロスコープO1を見ながらエミッタ・
ベース間に規定のパルス幅及びデューティサイクルの定電圧 (VEB) パルスを印加して,オシロスコー
プO2でエミッタ電流 (IE) を測定する。
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) コレクタ・ベース間電圧
(b) エミッタ・ベース間電圧
(c) エミッタ・ベース間電圧のパルス幅及びデューティサイクル
(d) 周囲温度又は基準点温度

6.1.5 ベース電流測定(直流方法)

 ベース電流測定(直流方法)は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試トランジスタのベース電流を測定することを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図5に示す。
図5 ベース電流測定回路(直流方法)
(3) 手順 コレクタ・エミッタ間及びベース・エミッタ間に,それぞれ規定の電圧(VCE及びVBE)を印加
して,ベース電流 (IB) を測定する。
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) コレクタ・エミッタ間電圧
(b) ベース・エミッタ間電圧
(c) 周囲温度又は基準点温度

6.1.6 ベース電流測定(パルス方法)

 ベース電流測定(パルス方法)は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試トランジスタのベース電流を測定することを目的とする。

――――― [JIS C 7030 pdf 8] ―――――

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(2) 測定回路 測定回路の一例を,図6に示す。
図6 ベース電流測定回路(パルス方法)
(3) 手順 コレクタ・エミッタ間に規定の電圧 (VCE) を印加し,オシロスコープO1を見ながらベース・
エミッタ間に規定のパルス幅及びデューティサイクルの定電圧 (VBE) パルスを印加して,オシロスコ
ープO2でベース電流 (IB) を測定する。
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) コレクタ・エミッタ間電圧
(b) ベース・エミッタ間電圧
(c) ベース・エミッタ間電圧のパルス幅及びデューティサイクル
(d) 周囲温度又は基準点温度

6.1.7 コレクタ・エミッタ間遮断電流測定

 コレクタ・エミッタ間遮断電流測定は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試トランジスタのコレクタ・エミッタ間遮断電流を測定する
ことを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図7に示す。
図7 コレクタ・エミッタ間遮断電流測定回路
(3) 手順 ベース・エミッタ間を規定の状態とし,コレクタ・エミッタ間に規定の電圧 (VCE) を印加して,
コレクタ電流 (Ic) [コレクタ・エミッタ間遮断電流 (ICE)]を測定する。
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(4.1) ベース・エミッタ間のバイアス条件
(a) CEXの場合はベース・エミッタ間電圧

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(b) CERの場合はベース・エミッタ間に接続するRBEの抵抗値
(c) CESの場合はベース・エミッタ間を短絡すること。
(d) CEOの場合はベース・エミッタ間を開放すること。
(4.2) コレクタ・エミッタ間電圧
(4.3) 周囲温度又は基準点温度

6.1.8 コレクタ・ベース間遮断電流測定

 コレクタ・ベース間遮断電流測定は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試トランジスタのコレクタ・ベース間遮断電流を測定するこ
とを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図8に示す。
図8 コレクタ・ベース間遮断電流測定回路
(3) 手順 エミッタ・ベース間を規定の状態とし,コレクタ・ベース間に規定の電圧 (VCB) を印加して,
コレクタ電流 (Ic) [コクレタ・ベース間遮断電流 (ICB)]を測定する。
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(4.1) エミッタ・ベース間のバイアス条件
(a) CBXの場合はエミッタ・ベース間電圧
(b) CBRの場合はエミッタ・ベース間に接続するRBEの抵抗値
(c) CBSの場合はエミッタ・ベース間を短絡すること。
(d) CBOの場合はエミッタ・ベース間を開放すること。
(4.2) コレクタ・ベース間電圧
(4.3) 周囲温度又は基準点温度

6.1.9 エミッタ・ベース間遮断電流測定

 エミッタ・ベース間遮断電流測定は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試トランジスタのエミッタ・ベース間遮断電流を測定するこ
とを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図9に示す。

――――― [JIS C 7030 pdf 10] ―――――

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JIS C 7030:1993の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60747-7:1988(NEQ)
  • IEC 60747-8:1984(NEQ)

JIS C 7030:1993の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 7030:1993の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC0301:1990
電気用図記号
JISC1102:1981
指示電気計器