JIS C 7031:1993 小信号用半導体ダイオード測定方法 | ページ 2

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(2) 測定回路 測定回路の一例を,図2に示す。
図2 順電圧測定回路
(3) 手順 供試ダイオードに規定の順電流 (IF) を流し,そのときの順電圧 (VF) を測定する。
この測定は,電圧計及び電流計を使用する方法又は1kHz以下の交流電源を用いてオシロスコープ
上に電流波形・電圧波形を描かす方法によってもよい。
供試ダイオードで相当程度の電力消費があるときは,それに伴う接合温度上昇が測定値に大きな影
響を与える。この場合には,次のいずれかの方法による。
(a) 直流を用い,温度が安定した熱平衡に達した後測定を行う。ただし,温度安定に達しない場合は,
規定電圧印加後又は規定の電流を流し始めた後,定められた時刻において測定を行う。
(b) パルスを用いるか又は接合温度上昇が無視できるような短い時間で測定を行う。
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) 順電流
(b) 順電流印加後の測定までの時間(必要な場合)
(c) パルス幅及びデューティサイクル(パルスを用いる場合)
(d) 周囲温度又は基準点温度

6.3 逆電流測定

 逆電流測定は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試ダイオードの逆電流を測定することを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図3に示す。
図3 逆電流測定回路
(3) 手順 供試ダイオードの電極端子間に印加する逆電圧を徐々に増加して規定の値とし,そのときの逆
電流 (IR) を測定する。ただし,印加する逆電圧は,降伏電圧の最大規格値を超えないこと。
この測定は,電圧計及び電流計を使用する方法又は1kHz以下の交流電源を用いてオシロスコープ
上に電流波形・電圧波形を描かす方法によってもよい。
供試ダイオードで相当程度の電力消費があるときは,それに伴う接合温度上昇が測定値に大きな影
響を与える。その場合には,次のいずれかの方法による。
(a) 直流を用い,温度が安定した熱平衡に達した後測定する。又は,規定の電圧印加後,定められた時
間後に測定を行う。

――――― [JIS C 7031 pdf 6] ―――――

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(b) パルスを用いるか又は接合温度上昇が無視できるような短い時間で測定を行う。
備考1. 電流計による電圧降下分が測定電圧条件に比べて無視できない場合は,電圧計の読みを電圧
降下分だけ補正する。
2. 規定の逆電圧が最大直流逆電圧より高く,最大ピーク逆電圧より低い場合は,上記(b)の方法
だけを用いる。
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) 逆電圧(ただし,最大定格を超えてはならない。)
(b) 電圧印加後の測定までの時間(必要な場合)
(c) パルス幅及びデューティサイクル(パルスを用いる場合)
(d) 周囲温度又は基準点温度

6.4 端子間静電容量測定

 端子間静電容量測定は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試ダイオードの端子間静電容量を測定することを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図4に示す。
図4 端子間静電容量測定回路
(3) 手順 供試ダイオードに規定の電圧を印加した後,電圧計を切り離し,キャパシタンスブリッジで供
試ダイオード両端の静電容量を測定する。この静電容量値から供試ダイオードを取り除いたときの静
電容量値を差し引いた値が端子間静電容量 (Ctot) である。
備考1. キャパシタンスブリッジには,測定精度を落すことなくダイオードをバイアスする回路を附
属させる。測定信号電圧はバイアス電圧に比べ十分小信号とする。
2. 測定静電容量値が小さく,マウント条件が精度に影響するような場合には,その条件を規定
しなければならない。
3. 端子ケース間静電容量 (Cc) が別に求まっているならば,接合静電容量 (Cj) は,Cj=Ctot−Cc
として求められる。
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) 測定電圧
(b) 測定周波数(通常1MHz)
(c) マウント条件(必要な場合)
(d) 周囲温度又は基準点温度

6.5 順回復時間測定

 順回復時間測定は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試ダイオードの順回復時間を測定することを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図5に示す。

――――― [JIS C 7031 pdf 7] ―――――

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図5 順回復時間測定回路
(3) 手順 供試ダイオードの順電流が規定値 (IFM) となるようにパルス電圧 (Vg) を設定する。印加パル
ス電圧及び供試ダイオードの端子間電圧をオシロスコープOで観測する(図6)。
順回復時間 (tfrv) は,印加電圧がその定常値 (Vg) の10%になるときから,ダイオードの端子間電圧
がピーク値 (VFSM) から減少して規定値 (Vf) になるときまでの時間である。
図6 パルス波形
備考1. 印加パルスの条件 :
tfrv
立ち上がり時間 t≦
gr
10
パルス幅 tgp≧10tfrv
1
繰返し周波数 fp≦
10tgp
2. オシロスコープ条件 :
tfrv
立ち上がり時間 t≦
dr
4
VFM
入力抵抗値 R≧100
IFM
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。

――――― [JIS C 7031 pdf 8] ―――――

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(a) 順電流
(b) 順電圧(通常1.1VFM)
(c) パルスの幅及び繰返し周波数
(d) 周囲温度又は基準点温度

6.6 逆回復時間測定

 逆回復時間測定は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試ダイオードの逆回復時間を測定することを自的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図7に示す。
図7 逆回復時間測定回路
(3) 手順 オシロスコープOで観測しながら供試ダイオードにまず規定の順電流 (IF) を流し,次にピー
ク逆電流 (IRM) が規定値となるようにパルス発生器Gを調整する。
逆回復時間 (trr) は,ダイオードの電流がゼロとなるときから電流がピーク値 (IRM) から減じて規定
値[逆回復電流 (irr)]になるときまでの時間である(図8)。
図8 電流波形
備考1. 印加パルスの条件 :
trr
立ち上がり時間 t≦
gr
10
R1C1
パルス幅 tgp≦
10
1
繰返し周波数 fp≦
10trr

――――― [JIS C 7031 pdf 9] ―――――

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2. オシロスコープの条件 :
trr
立ち上がり時間 t≦
dr
4
入力抵抗値 R≫R2
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) 順電流
(b) ピーク逆電流
(c) 逆回復電流
(d) 立ち上がり時間パルスの幅及び繰返し周波数
(e) 周囲温度又は基準点温度

6.7 蓄積電荷測定

 蓄積電荷測定は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試ダイオードの蓄積電荷を測定することを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図9に示す。
図9 蓄積電荷測定回路
備考 ダイオードD1は供試ダイオードよりも十分小さい蓄積電荷をもち,また,順方向電圧が低いこ
と。
(3) 手順 供試ダイオードを接続し,規定の順電流 (IF) が流れるように定電圧源を調整する。パルス発生
器Gの出力を規定のパルス幅 (tgp) 及び繰返し周波数 (fp) に調整する。
まず,順電流を流さない状態で規定のパルスを印加し,そのときの電流 (I1) を電流計Aで読み取
る。次に,順電流 (IF) 及びパルスを共に印加し,そのときの電流 (I2) を電流計Aで読み取る。その
ときの蓄積電荷 (QS) を,次の式によって算出する。
I2 I1
QS
fp
備考1. 印加パルスの条件 :
trr
立ち上がり時間 t≦
gr
10
R1C1
パルス幅 tgp≦
10
1
繰返し周波数 fp≦
10R1C1
2. ダイオードD2は,ターンオン時間が短く,大電流での直列抵抗が小さく,逆漏れ電流が少な

――――― [JIS C 7031 pdf 10] ―――――

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JIS C 7031:1993の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60747-3:1985(MOD)

JIS C 7031:1993の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 7031:1993の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC0301:1990
電気用図記号
JISC1102:1981
指示電気計器