JIS C 7031:1993 小信号用半導体ダイオード測定方法 | ページ 6

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C 7031-1993
X
Ls
2 f
備考 測定周波数は,順バイアスされた供試ダイオードの端子間インピーダンスに比べて端子ケース
間静電容量の影響が無視できるような値に選ぶ。
(b) 透過電力方法 供試ダイオードを測定マウントに装着し,逆バイアス又はゼロバイアスにする。信
号周波数を変化させ,透過損失が最大となる周波数[直列共振周波数 (fs)]を測定する。別に同一
バイアス条件での接合部静電容量 (Cj) (6.4参照)を求めておき,直列リアクタンス (Ls) を,次の
式によって算出する。
1
Ls
2( f 2) Cj
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) 測定方法
(b) 測定周波数
(c) 周囲温度又は基準点温度

6.21 熱抵抗測定

 熱抵抗測定は,次による。
(1) 目的 この測定方法は,規定条件で,供試ダイオードの熱抵抗を測定することを目的とする。
(2) 測定回路 測定回路の一例を,図29に示す。
図29 熱抵抗測定回路
(3) 手順 スイッチ (S) を開放し,規定の測定電流 (IM) を流し,そのときの順電圧 (VF1) をオシロスコ
ープOで観測する。次に,スイッチ (S) を短絡し,規定時間 (tp) だけ接合加熱電流 (IH) を流した後,
直ちにスイッチを開放する。この間の順電流 (IF) 及び順電圧 (VF) の動きを二現象オシロスコープO
で観測すると図30のようになる。すなわち,一定時間加熱電流 (IH) を流したところで急速にスイッ
チ (S) を開放すると,測定電流 (IM) に対する順電圧は瞬時的に加熱前の値 (VF1) よりも低い値 (VF2)
を示し,その後接合温度の冷却に伴って加熱前の値に戻る。このとき,接合からある点Xまでの熱抵
抗 (Rth (j−x)) を,次の式によって算出する。
Tjx VF / b
Rth( j
x) ≒ (IM ≪ IH )
PT IHVF
ここに, X点を基点とした接合温度
加熱前後の接合部での消費電力差
|VF1−VF2|
b : 順電圧の温度係数

――――― [JIS C 7031 pdf 26] ―――――

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図30 パルス波形
備考1. 測定電流IMは,接合加熱電流IHに比べ十分小さく,接合温度上昇への寄与が無視できる程度
とする。
2. 順電圧の温度係数 (b) は,次のようにしてあらかじめ求めておく。
規定の測定電流 (IM) を流し,供試ダイオードの周囲温度を恒温槽などで十分定常状態とし
てその温度での順電圧 (VF) を測定する。以下,周囲温度を変えて順電圧の変化(温度特性)
を調べる。
3. 熱抵抗 [Rth (j−x) ] は,加熱時間 (tp) に応じて図31のような変化を示す。すなわち,点Xの熱
抵抗はtpによって決まるので,目的に応じてtpの値を選ばなければならない。例えば,半導
体チップ自身の熱抵抗を知るにはtpをチップの熱時定数以下としなければならないし,接
合・ケース間の熱抵抗 [Rth (j−c) ] ならばケースの熱時定数を考慮しなければならない。
また,接合・周囲雰囲気間熱抵抗 [Rth (j−a) ] を求めるには,熱的に飽和するに十分な加熱時
間を選ぶ必要がある。

――――― [JIS C 7031 pdf 27] ―――――

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図31 熱抵抗の加熱時間変化(両対数目盛の場合)
(4) 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(a) 測定電流
(b) 接合加熱電流
(c) 加熱時間
(d) 取付方法
(e) 周囲温度又は基準点温度

――――― [JIS C 7031 pdf 28] ―――――

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附属書 降伏電圧測定

1. 適用範囲

 この附属書は,最大定格を超える可能性がある降伏電圧の測定について規定する。
備考 この測定で,最大定格を超える電圧を印加した場合は,供試ダイオードの電気的特性の劣化又
は破壊を生じる危険性がある。
2. 目的 この測定は,規定条件で,供試ダイオードの降伏電圧を測定することを目的とする。
3. 試験回路 試験回路の一例を,附属書図1に示す。
附属書図1 降伏電圧測定回路
4. 手順 供試ダイオードに逆電圧を低い値から徐々に増加していき,逆電流〔降伏電流 [I (BR) ]〕が規定
値に達したときの逆電圧〔降伏電圧 [V (BR) ]〕を測定する。
この試験は,電圧及び電流計を使用する方法又は1kHz以下の交流電源を用いてオシロスコープ上に電
流波形・電圧波形を描かす方法による。
供試ダイオードで相当程度の電力消費があるときは,それに伴う接合温度上昇が測定値に大きな影響を
与える。その場合には,次のいずれかの方法による。
(1) 直流を用い,温度安定(熱平衡)に達した後測定する。又は規定の電流を流して後定められた時間後
に測定を行う。
(2) パルスを用いるか又は接合温度上昇が無視できるような短い時間で測定を行う。
備考 電流計は電流を測定する端子間を実質的に短絡するものか,又は電圧計の読みを電流計の電圧
降下分だけ補正しなければならない。
5. 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(1) 逆電流(降伏電流)
(2) 電流通電後の測定までの時間(必要な場合)
(3) パルス幅及びデューティサイクル(パルスを用いる場合)
(4) 周囲温度又は基準点温度

――――― [JIS C 7031 pdf 29] ―――――

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参考 パルス電力試験
序文 この参考は,パルス電力試験について記述するものであり,これはあくまでも参考であって,規定
の一部ではない。
1. 目的 この試験は,規定条件で,供試ダイオードの高周波パルスエネルギー又は単一パルスエネルギ
ーに対する耐性を判定するものである。
備考 この試験では供試ダイオードの電気的特性の劣化又は破壊を生じる危険性がある。
2. 試験回路 試験回路の一例を,参考図1に示す。
参考図1 パルス電力試験回路
3. 手順 供試ダイオードは,次のいずれかの方法で試験した後,規定の条件で特性変動の有無を確認す
る。
(1) 繰返しパルスによる方法 規定の幅(供試ダイオードの熱時定数より短い)及びデューティサイクル
をもつパルスを規定数供試ダイオードに印加する。パルス極性は,最も厳しい効果を与える方向とす
る。
(2) 単一パルスによる方法 規定の幅(供試ダイオードの熱時定数よりは短い)及びエネルギーをもつ単
一パルスを供試ダイオードに印加する。パルス極性は,最も厳しい効果を与える方向とする。
(3) 正弦波又は高周波パルスによる方法 供試ダイオードを規定の測定マウントに装着し,規定の条件で
C.W.又はR.F.パルスを規定時間印加する。
4. 個別規格に規定する事項 個別規格には,次の事項を規定する。
(1) 試験方法[3.(1),(2)又は3.(3)から選択]
(2) パルス条件(幅,デューティサイクル又は周波数)
(3) パルス電圧又はエネルギー
(4) パルス極性
(5) 特性項目及び判定基準
(6) 周囲温度又は基準点温度

――――― [JIS C 7031 pdf 30] ―――――

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JIS C 7031:1993の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60747-3:1985(MOD)

JIS C 7031:1993の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 7031:1993の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC0301:1990
電気用図記号
JISC1102:1981
指示電気計器