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C 8930 : 2017
電流を流した1時間後,バイパスダイオードが運転可能な状態を維持していることを確認する。
例えば,PVモジュールの,それぞれのダイオード(ストリング当たり1個,順番に)で保護された太
陽電池セルを光源から遮り,バイパスダイオードが正常に機能するかどうか確認するため,(STCに近い
光源下で)I-V曲線の特性を検証する。
5 試験前処理
全ての試験試料は,それぞれのPVモジュール技術に適用される設計適格性及び形式承認のためのJIS
又はIEC規格,すなわち,結晶シリコンに対するJIS C 8990,薄膜に対するJIS C 8991及び集光形太陽電
池(CPV)に対するIEC 62108で規定された方法に基づき,全天又は直達日射(自然光又は模擬太陽光)
で試験前処理を行う。この規格の作成時には,JIS C 8991における薄膜に対する試験前処理は規定されて
いない。
6 初期測定
6.1 一般
供試品は,それぞれのPVモジュール技術に合わせて次の初期測定を行う。
6.2 結晶シリコン
試験は,次の全ての事項を行う。試験シーケンスを,図1に示す。
− JIS C 8990に基づく試験
a) 10.2 : 最大出力の決定
b) 10.15 : 湿潤漏れ電流試験
− JIS C 8992-2に基づく試験
c) ST 01 : 目視検査
d) ST 13 : 接地連続性試験
e) ST 16 : (直流)耐電圧試験
注記 試験項目名の識別番号は,引用するJISにおける識別に対応する。
6.3 薄膜
試験は,次の全ての事項を行う。試験シーケンスを,図2に示す。
− JIS C 8991に基づく試験
a) 10.2 : 最大出力の決定
注記 この試験は,シーケンス試験を行う前に,PVモジュールが運転可能であることを検証する
ことを目的としている。
b) 10.15 : 湿潤漏れ電流試験
− JIS C 8992-2に基づく試験
c) ST 01 : 目視検査
d) ST 13 : 接地連続性試験
e) ST 16 : (直流)耐電圧試験
注記 試験項目名の識別番号は,引用するJISにおける識別に対応する。
6.4 集光形太陽電池(CPV)モジュール
試験は,IEC 62108に基づく次の全ての事項を行う。試験シーケンスを,図3に示す。
a) 10.1 : 目視検査(Visual inspection)
――――― [JIS C 8930 pdf 6] ―――――
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b) 10.2 : 電気特性測定(Electrical performance measurement)
c) 10.3 : 接地回路連続性試験(Ground path continuity test)
d) 10.4 : 電気絶縁試験(Electrical insulation test)
e) 10.5 : 湿潤絶縁試験(Wet insulation test)
注記 試験項目名の識別番号は,IEC 62108における識別に対応する。
7 塩水噴霧試験方法
一般条件,装置,食塩水の特性,厳しさ及びその他の仕様を含むJIS C 60068-2-52に規定する塩水噴霧
試験の対象となる供試品に適用する。塩水噴霧試験の厳しさは,PVモジュールの設置が計画されている
場所の大気条件に従って選択する。厳しさ(2)は,試験条件が弱すぎるためPVモジュールには適さない
ため,この規格では適用しない。試験中,PVモジュールの受光面は,塩水噴霧試験装置内の垂直線から
15°30°傾斜させる。試験中,湿度槽内に放置する場合は,PVモジュールを垂直に設置してもよい。
8 洗浄及び回復
塩水噴霧試験後,全ての供試品は,供試品面積の1 m2当たり最大5分間,(人為的に加圧したものでは
ない)水道水を流して洗浄し,付着した塩分を除去する。洗浄後は,蒸留水又は脱イオン水で供試品を洗
い流し,室温で完全乾燥させる。迅速に乾燥を行う場合,手で供試品を振ったり,エアーブラストを用い
たりしてもよい。洗浄水の温度は,35 ℃以下とする。洗浄中又は乾燥中は,布,ガーゼ,その他の織物素
材を用いず,擦るようなこともしない。乾燥後の回復時間は最小限とし,塩の堆積によって生成されたさ
らなる損傷を避けるため,速やかに適用される試験シーケンスを継続する。
9 最終測定
9.1 一般
塩水噴霧試験後,供試品はPVモジュール技術に合わせて,次の試験を行う。
9.2 結晶シリコン
試験は,次の全ての事項を行う。試験シーケンスを,図1に示す。
− JIS C 8990に基づく試験
a) 10.2 : 最大出力の決定
b) 10.15 : 湿潤漏れ電流試験
− JIS C 8992-2に基づく試験
c) ST 01 : 目視検査
d) ST 13 : 接地連続性試験
e) ST 16 : (直流)耐電圧試験
注記 試験項目名の識別番号は,引用するJISにおける識別に対応する。
− この規格に規定する試験
f) バイパスダイオード機能性試験
9.3 薄膜
試験は,次の全ての事項を行う。試験シーケンスを,図2に示す。
− JIS C 8991に基づく試験
a) 10.6 : 基準状態(STC)における特性試験(NOCTにおける特性試験は行わない)
――――― [JIS C 8930 pdf 7] ―――――
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b) 10.15 : 湿潤漏れ電流試験
c) 10.19 : 光照射試験
− JIS C 8992-2に基づく試験
d) ST 01 : 目視検査
e) ST 13 : 接地連続性試験
f) MST 16 : (直流)耐電圧試験
注記 試験項目名の識別番号は,引用するJISにおける識別に対応する。
− この規格に規定する試験
g) バイパスダイオード機能性試験
9.4 集光形太陽電池(CPV)モジュール
試験は,次の全ての事項を行う。試験シーケンスを,図3に示す。
− IEC 62108に基づく試験
a) 10.1 : 目視検査(Visual inspection)
b) 10.2 : 電気特性測定(Electrical performance measurement)
c) 10.3 : 接地回路連続性試験(Ground path continuity test)
d) 10.4 : 電気絶縁試験(Electrical insulation test)
e) 10.5 : 湿潤絶縁試験(Wet insulation test)
注記 試験項目名の識別番号は,IEC 62108における識別に対応する。
− この規格に規定する試験
f) バイパスダイオード機能性試験
10 要求事項
10.1 一般
図1,図2又は図3に示す試験シーケンスを実施した結果,二つの供試品が次の要求事項を満足しなけ
ればならない。
10.2 結晶シリコン
結晶シリコンの場合,次の要求事項を満足しなければならない。
− 塩水噴霧試験後に,JIS C 8992-2に規定するような目に見える大きな欠陥の兆候がない。
− 塩水噴霧試験後,最大出力が初期値の5 %を超えて低下しない。
注記 合否基準は,測定の不確かさを考慮することが望ましい。
− JIS C 8990の10.15(湿潤漏れ電流試験),並びにJIS C 8992-2のMST 13及びMST 16の合否基準は,
これらの試験に関する要求事項による。
− バイパスダイオード機能性試験に対する要求事項を満たす。
10.3 薄膜
薄膜の場合,次の要求事項を満足しなければならない。
− 塩水噴霧試験後に,JIS C 8992-2に規定するような目に見える大きな欠陥の兆候がない。
− 光照射試験後,標準状態(STC)における最大電力が,PVモジュールの製造業者が貼付する銘板に記
載の最大値の90 %を下回らない。
注記1 合否基準は,測定の不確かさを考慮することが望ましい。
− JIS C 8991の10.15(湿潤漏れ電流試験)及び10.19(光照射試験),並びにJIS C 8992-2のMST 13及
――――― [JIS C 8930 pdf 8] ―――――
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びMST 16の合否基準は,これらの試験に関する要求事項による。
注記2 JIS C 8991の10.19の要求事項は,JIS C 8991の10.1(目視検査)の代わりにJIS C 8992-2
のMST 01の要求事項を,JIS C 8991の10.3(絶縁試験)の代わりにJIS C 8992-2のMST 16
の要求事項を,それぞれ適用することが望ましい。
− バイパスダイオード機能性試験に対する要求事項を満たす。
10.4 集光形太陽電池(CPV)モジュール
集光形太陽電池(CPV)モジュールの場合,次の要求事項を満足しなければならない。
− 塩水噴霧試験後に,IEC 62108に規定するような目に見える大きな欠陥の兆候がない。塩水噴霧試験
後,試験試料中に多量の水分が残っていない(残留水分の深さは,電動部品に触れる可能性のある位
置に達していない)。
− 塩水噴霧試験後の相対的な電力の低下は,I-V測定を自然光で行う場合には7 %,I-V測定を太陽シミ
ュレータで行う場合には5 %を超えない。
注記 合否基準は,測定の不確かさを考慮することが望ましい。
− IEC 62108の10.3,10.4及び10.5の合否基準は,これらの試験に関する要求事項による。
− バイパスダイオード機能性試験に対する要求事項を満たす。
11 試験報告書
測定した性能特性及び試験結果の試験報告書は,JIS Q 17025に基づき試験所が作成する。試験報告書に
は,次の情報を記載する。
a) 表題
b) 試験所の名称及び所在地,並びに試験が行われた場所
c) 証明書又は報告書及び各ページの識別,並びに試験報告書の目的の明示
d) 適切な場合,顧客の名前及び所在地
e) 関連する場合,サンプリング手順への言及
f) 適切な場合,試験品目の受理日及び試験日
g) 試験品目の説明及び特定。試験を代表供試品で,実物大の供試品で行っていない場合は,その旨を明
示する。
h) 試験項目の特性評価及び条件
i) 用いた試験方法の特定
j) 用いた食塩水の特性
k) 塩水噴霧試験に適用したJIS C 60068-2-52に規定する厳しさ
l) 試験方法に対する逸脱,追加又は除外項目,及び環境条件など特定の試験に関するその他の情報
m) 必要に応じて,表,グラフ,略図及び写真によってサポートされた不具合を含めた,測定,試験及び
観測結果
n) 試験結果の不確かさの記述(関連する場合)
o) 証明書又は報告書の内容に対して責任者の署名及び役職又は識別,並びに発行日
p) 関連する場合,結果は試験品目だけに関連しているという旨の記述
q) 試験所の書面による承認なしの場合,報告書を部分的に複製してはならないという旨の記述
この報告書の写しは,参考のために,試験所及び製造業者によって,保管する。
――――― [JIS C 8930 pdf 9] ―――――
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3モジュール
プレコンディショニング試験
MST 01
目視検査
10.2
最大出力の決定
MST 16
(直流)耐電圧試験
MST 13
接地連続性試験
2モジュール
1モジュール JIS C 60068-2-52の厳しさ(2)を除いた
いずれかの厳しさによる塩水噴霧試験
洗浄及び回復
MST 01
目視検査
コ 10.2
ン
ト 最大出力の決定
ロ
ー MST 16
ル
モ (直流)耐電圧試験
ジ
ュ 10.15
ー
ル 湿潤漏れ電流試験
MST 13
接地連続性試験
バイパスダイオード機能性試験
注記1 プレコンディショニング並びに10.2及び10.15の試験はJIS C 8990によって行う。MST 01,MST 13及びMST
16はJIS C 8992-2によって行う。
注記2 コントロールモジュールは,塩水噴霧試験による影響評価のため,測定ごとに基準として用いる。
図1−結晶系シリコンPVモジュールの塩水噴霧試験シーケンス
――――― [JIS C 8930 pdf 10] ―――――
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JIS C 8930:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61701:2011(MOD)
JIS C 8930:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.160 : 太陽エネルギー工学
JIS C 8930:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-2-52:2020
- 環境試験方法―電気・電子―第2-52部:塩水噴霧サイクル試験方法(塩化ナトリウム水溶液)(試験記号:Kb)
- JISC8990:2009
- 地上設置の結晶シリコン太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認及び形式認証のための要求事項
- JISC8991:2011
- 地上設置の薄膜太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認試験及び形式認証のための要求事項
- JISC8992-2:2010
- 太陽電池モジュールの安全適格性確認―第2部:試験に関する要求事項
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項