この規格ページの目次
4
C 9300-11 : 2015
8 電撃の防護
8.1 直接接触に対する防護
ホルダは,溶接棒を取り付けずに,製造業者が指定する最小断面積の溶接ケーブルを装着した状態にお
いて,充電部への故意でない接触に対して保護する構造とする。
A形ホルダは,ホルダに挿入する溶接棒の部分(溶接棒のつかみしろ)にも適用する。製造業者が指定
する溶接棒の最小及び最大径で試験する。
合否判定は,次による。
a) IS C 0920の関節付きテストフィンガを,ホルダの次の箇所に押し当てる。
1) 形ホルダの全部位。
2) 形ホルダの頭部を除いた部分。
3) タイプJの頭部を除いた部分。
b) 形ホルダの頭部には,鋼球を30 N±3 Nの力で開口部に押し当てる。
1) 棒径6.3 mm以下の溶接棒用は,JIS C 0920による直径12.5 mmの鋼球とする。
2) 棒径6.3 mmを超える溶接棒用は,直径d 005.0
mmの鋼球とする。ここで,dは製造業者が指定する
溶接棒の最大径の2倍とする。
c) タイプJの頭部には,鋼球を30 N±3 Nの力で開口部に押し当てる。
1) 棒径6.4 mm以下の溶接棒用に対しては,JIS C 0920による直径12.5 mmの鋼球とする。
2) 棒径6.4 mmを超える溶接棒用に対しては,直径d 005.0
mmの鋼球。ここで,dは製造業者が指定す
る溶接棒の最大径の2倍とする。
溶接電流を通電しないスプリングは,ホルダの他の金属部分から絶縁する。
合否判定は,目視検査による。
8.2 絶縁抵抗
絶縁抵抗は,湿度処理後1 MΩ以上なければならない。
合否判定は,次の試験による。
a) 湿度処理 恒温恒湿槽は,温度(t)を20 ℃30 ℃,相対湿度を91 %95 %に維持する。ホルダは
溶接ケーブルを取り外し,温度をt ℃(t+4)℃の間に保持した後,恒温恒湿槽に48時間放置する。
b) 絶縁抵抗測定 湿度処理の後すぐにホルダをきれいにふき,絶縁物の外部表面を金属はくでしっかり
と包む。絶縁抵抗は,充電部と金属はくとの間に,直流電圧500 Vを印加し,測定値が安定した後測
定する。
8.3 絶縁耐力
ホルダは,どのようなフラッシュオーバ又は絶縁破壊も生じることなく,交流1 000 V(実効値)の試験
電圧に耐えなければならない。電圧低下を伴わない放電(コロナ)は,無視する。
合否判定は,次の試験による。
交流試験電圧は,周波数がほぼ50 Hz又は60 Hzで,最大値がその実効値の1.45倍を超えない適正な正
弦波電圧で,これを充電部と金属はくとの間に1分間印加する。
代替試験の試験電圧は,実効値の1.4倍の直流電圧を使用してもよい。
9 温度定格
9.1 温度上昇
ホルダの温度上昇は,表1又は表JA.1に示す最大径の溶接棒に相当する丸鋼棒及び最大断面積のすずめ
――――― [JIS C 9300-11 pdf 6] ―――――
5
C 9300-11 : 2015
っきなしの銅線の溶接ケーブルを取り付けた状態で,連続通電したとき,ハンドル外部表面の最も熱い箇
所が40 Kを超えてはならない。
合否判定は,次の試験による(図1参照)。
1 ホルダ 2 丸鋼棒 3 溶接ケーブル 4 木片
図1−温度試験における配置
二つの独立したホルダに互いに溶接ケーブルを取り付ける(最小長2 m)。清浄で酸化していない丸鋼棒
を挟み込み,2組のホルダをクランプ装置の金属部で50 mmの距離に保って,頭部の角度を180°にセッ
トする。ホルダと丸鋼棒との角度は異なってもよい。
ホルダは,1 m離れた二つの木片の間に,溶接ケーブルで水平につり下げる。丸鋼棒は,隙間風のない
地上200 mmの高さに保持し,二つの木片の間につり下げる。
定格電流の75 %の電流を,ホルダの温度上昇が2 K/hを超えなくなるまで連続通電する。温度上昇値は,
2組のホルダから得られる平均値によって決定する。全ての試験期間の間,通電電流の許容差は定格電流
の75 %の電流に対して±2 %以下とする。
試験は5回行う。各々の試験において,それぞれ新しいホルダと丸鋼棒との組合せを使用する。
注記 定格電流の75 %の電流値は,約60 %の使用率における温度上昇に相当する。
9.2 耐熱性
9.1による温度試験の後,ホルダの頭部は絶縁物,特に溶接棒を挟む部分において,火ぶくれ,深い炭化,
単純な又は星形のクラック(亀裂)などの損傷があってはならない。この部分の絶縁物の表面的な火ぶく
れ又は材料の変色は,許容する。
合否判定は,目視検査による。
9.3 高温物体への耐力
ハンドルの絶縁物は,発火したり不安全になることなく,高温物体及び通常の溶接で発生する溶接スパ
ッタの影響に耐える能力をもっていなければならない。
ホルダのどのような構成品も通常の操作状態において,燃焼の危険を生じてはならない。すなわち,自
己消火性の材料を使用しなければならない。
合否判定は,図2に従った装置を用いて行う。
――――― [JIS C 9300-11 pdf 7] ―――――
6
C 9300-11 : 2015
単位 mm
1 18/8クロムニッケル鋼線 θ=試験温度
2 ホルダのハンドル
注記 鋼線のφ2.5±0.05が手に入らない場合は,φ2.6±0.05を使用してもよい。
図2−高温物体に対する耐力試験装置
‡湛 態に達するまで電流(約23 A)を流す。試験の間,加熱した鋼線の
鋼線の温度θが,250 05
温度を維持する。この温度は,接触温度計又は熱電対によって測定する。
次に,水平状態の加熱した鋼線を2分間,ホルダの絶縁の最も弱い箇所に当てる(例えば,絶縁最小肉
厚部と充電部との最短距離部)。加熱した鋼線が絶縁体を貫通して充電部に接触してはならない。
ハンドルは,内部充電部に最も接近している最小壁肉厚部分及びハンドル表面に加熱した鋼線を当てる。
加熱した鋼線の接触領域において発生する可能性があるガスに,電気スパーク又は小さい火炎によって
引火を試みる。そのガスが可燃性である場合,加熱した鋼線を取り除いたら直ちに燃焼が止まらなければ
ならない。
10 機械的要求事項
10.1 溶接ケーブルの入り口
ホルダの溶接ケーブルの入り口は,曲げによって溶接ケーブルに損傷を与えないように設計しなければ
ならない。
合否判定は,目視検査による。
10.2 ハンドルへの溶接ケーブルの絶縁の入り込み
ホルダは,溶接ケーブルの絶縁が溶接ケーブルの外径の2倍以上,すなわち,最小でも30 mmの深さま
で入り込むよう設計しなければならない。
合否判定は,製造業者が指定する最大断面積の溶接ケーブルを用いて測定による。
10.3 溶接ケーブルの接続
ホルダは,製造業者が指定する溶接ケーブル断面積の範囲内で取替えができるよう設計しなければなら
ない。接続部は,分離することなく機械的引張試験に耐えなければならない。
合否判定は,目視検査及び次の試験による。
ホルダは,製造業者が指定する最大断面積の溶接ケーブルを用い,製造業者の指示に従って接続する。
接続部は,溶接ケーブルの断面積当たり40 N/mm2,最大2 000 Nの引張力を10回加える。引張力は,1秒
間で0から指定した値まで増やし,その後1秒間維持する。
――――― [JIS C 9300-11 pdf 8] ―――――
7
C 9300-11 : 2015
試験の後で,溶接ケーブルは,著しいずれがあってはならない。
この試験は,製造業者が指定する最小断面積の溶接ケーブルでも繰り返す。
溶接ケーブルの固定箇所が一つ以上ある場合は,全ての箇所で試験する。
10.4 耐衝撃性
ホルダは,溶接棒のクランプ装置又はこの装置のレバーにおいて,外観又は機械的損傷なしで,衝撃試
験の機械的ストレスに耐えなければならない。
試験後,小さな破損及び表面上のへこみ跡は許容する。絶縁不良は生じてはならない。
合否判定は,次の試験による。
a) 垂直落下(落下試験) ホルダに長さ2 mの適合最大断面積の溶接ケーブルを取り付け,頭部の端を
衝撃平板の1 m上につり下げる。衝撃平板は,最小肉厚9 mmの軟鋼板で,床面に接しておく。
ホルダは,溶接ケーブルを取り付けた状態で自然落下させる。同一ホルダで3回試験する。
b) 振り子試験 この試験には,図3に示す装置を使用する。ホルダに取り付けた溶接ケーブルによって,
ホルダをつり下げ,壁に対して,平板の垂直面から離す。
− 衝撃片は40 mm×40 mm×5 mmの軟鋼製等辺山形鋼で,外側の曲率半径は5 mmとする。
− 溶接ケーブルの支持位置は,等辺山形鋼の中心(A)から1 mの高さとし,ホルダを自然落下させ
たとき,ホルダの衝撃を受ける部分が等辺山形鋼の中心に当たるようにする。
− 試験において,ホルダの握り位置を400 mmの高さ(A′)に置く。
ホルダは等辺山形鋼に対して,次の試験を行う(合計6回)。
1) 頭部に対して2回。
2) ハンドルの中心部に対して2回。
3) レバーに対して2回。
ホルダがレバーをもたない場合,他の弱い部分に2回。
単位 mm
1 ホルダ 2 溶接ケーブル 3 等辺山形鋼
図3−振り子振動試験装置
――――― [JIS C 9300-11 pdf 9] ―――――
8
C 9300-11 : 2015
11 表示
各ホルダに次の項目を明瞭に,かつ,容易に消えないように表示しなければならない。
a) 製造業者,販売業者又は輸入業者の名称又は略号
b) 製造業者による形式(識別)
c) 定格電流
d) 規格番号(JIS C 9300-11)
e) タイプJの場合,ホルダの種類
合否判定は,目視検査及び表示を乾燥した布で15秒間,手でこすることによって行う。試験後において
も,表示は容易に読み取れることが必要である。
12 取扱説明書
各ホルダには,次の項目を含む取扱説明書を附属しなければならない。
a) つかみ得る溶接棒径の範囲。
b) 溶接ケーブルの正しい接続。
c) 溶接ケーブルの種類及びサイズ(断面積)の選択。
d) 許容電流と使用率との関係。
e) 主な補修部品リスト。
合否判定は,説明書の記載内容による。
――――― [JIS C 9300-11 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS C 9300-11:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60974-11:2010(MOD)
JIS C 9300-11:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.30 : 溶接設備
JIS C 9300-11:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC1102-2:1997
- 直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
- JISC1302:2018
- 絶縁抵抗計
- JISC9300-1:2020
- アーク溶接装置―第1部:アーク溶接電源