この規格ページの目次
2
C 9311 : 2011
3.2
防止装置の主回路
防止装置の電磁接触器又は電力用半導体素子を含む回路。これらに接続される主回路ケーブルを含む。
3.3
防止装置の入力回路
防止装置の入力電源回路。
3.4
防止装置の出力回路
溶接棒と母材との間に安全電圧を供給する回路。
3.5
防止装置の制御回路
防止装置の動作を制御する回路。入力回路及び出力回路を含む。
3.6
定格電流
定格周波数及び定格入力電圧において,防止装置の主回路に定格使用率で流すことのできる電流値。
3.7
定格使用率
定格周波数及び定格入力電圧において,防止装置の主回路に定格電流を流し,断続負荷した場合の負荷
時間と全時間との比の百分率。
3.8
溶接電源無負荷電圧
溶接電源の主回路が形成された状態で,溶接棒と母材との間に発生する無負荷電圧。
3.9
安全電圧
溶接電源の主回路が形成されない状態で,溶接棒と母材との間に発生する電撃の危険が少ない低い電圧。
3.10
始動時間
溶接棒が母材に接触してから溶接電源無負荷電圧が発生するまでの時間。
3.11
遅動時間
溶接電源無負荷電圧が発生してから安全電圧になるまでの時間。
3.12
始動感度
溶接電源の主回路を形成することができる最大抵抗値。
3.13
標準始動感度
定格入力電圧(ただし,入力電源が溶接電源の出力側の場合には,溶接電源無負荷電圧の下限値の入力
電圧を含む。)において,定格銘板に表示した製造業者が指定した始動感度。
――――― [JIS C 9311 pdf 6] ―――――
3
C 9311 : 2011
4 環境条件
防止装置は,特に規定がない場合,次の環境条件で用いることができる。
a) 周囲大気の温度範囲 溶接時 : −10+40 ℃
運搬及び保管時 : −20+55 ℃
b) 空気中の相対湿度が,40 ℃で50 %以下,20 ℃で90 %以下。
c) 周囲の空気は,過度の粉じん,酸性物,腐食性ガス又は物質,塩水,塩分を含む水滴などを含まない。
ただし,溶接作業によって発生したものは除く。
d) 標高が1 000 m以下。
e) 鉛直又は水平に対して,防止装置の傾斜は20°以下。
f) 異常な振動又は衝撃を受けない。
注記 受渡当事者間で,別の厳しい環境条件を取り決めた場合の定格銘板への表示に関しては,箇
条13に規定している。別の厳しい環境条件としては,高湿度,著しい腐食性ヒューム,水蒸
気,過度の油蒸気,異常な振動又は衝撃,過度の粉じん,厳しい気象条件,海岸又は船上で
の異常な条件,害虫が群がる所,かびが発生する雰囲気などである。
5 種類
防止装置の種類は,取付方式及び始動感度によって表1に規定するとおり区分し,次による。
a) 取付方式による区分
1) 外付け形 外付け形は,専用の外箱をもち,溶接電源に外付けして用いる防止装置であり,その記
号は,SPとする。
2) 内蔵形 内蔵形は,溶接電源の外箱に内蔵して用いる防止装置であり,その記号は,SPBとする。
b) 始動感度による区分
1) 低抵抗始動形 低抵抗始動形は,始動感度が表1に規定する値のものであり,その記号は,Lとす
る。
2) 高抵抗始動形 高抵抗始動形は,始動感度が表1に規定する値のものであり,その記号は,Hとす
る。
――――― [JIS C 9311 pdf 7] ―――――
4
C 9311 : 2011
表1−防止装置の種類及び特性
種類の区分 特性
取付方式によ 始動感度によ 種類の記号 始動感度 安全電圧 始動時間 遅動時間
る区分 る区分 Ω V 秒 秒
SP-3A4-L
SP-5A6-L
SP-3B4-L
低抵抗始動形 2未満
SP-5B6-L
SP-3C4-L
SP-5C6-L
外付け形
SP-3A4-H
SP-5A6-H
SP-3B4-H
高抵抗始動形 2260 25以下 0.06以下 1.0±0.3
SP-5B6-H
SP-3C4-H
SP-5C6-H
SPB-□A□-L
低抵抗始動形 SPB-□B□-L 3未満
SPB-□C□-L
内蔵形
SPB-□A□-H
高抵抗始動形 SPB-□B□-H 3260
SPB-□C□-H
種類の記号は,次による。
a) 記号SPの次の数字,又は記号SPBの次の“□”は,出力側の定格電流の百の位の値を示す。例えば,3は300 A,
5は500 Aを示し,250 Aの場合は,2.5と示す。
b) 次の記号Aは,溶接電源に内蔵されている力率改善用コンデンサの有無に関係なく用いる防止装置,記号Bはコ
ンデンサを内蔵しない溶接電源に用いる防止装置,記号Cはコンデンサ内蔵形溶接電源に用いる防止装置を示す。
c) ,B及びCの次の数字又は“□”は,定格使用率(%)の十の位の値を示す。
6 定格
6.1 定格周波数
定格周波数は,50 Hz専用,60 Hz専用,又は50 Hzと60 Hzとの共用とする。
6.2 定格入力電圧
定格入力電圧は,表2に規定するとおりとする。
表2−定格入力電圧
単位 V
防止装置の入力電源の区分 定格入力電圧
入力電源を溶接電源の入力側から定格周波数が50 Hzの防止装置 100又は200
得る防止装置 定格周波数が60 Hzの防止装置 100,200又は220
入力電源を溶接電源の出力側から得る防止装置 適用溶接電源の無負荷電圧の上限値
入力電源を溶接電源の入力側から得る防止装置は,この表に規定する定格入力電圧を組み合わせることができる。
6.3 定格電流及び定格使用率
定格電流及び定格使用率は,次による。
――――― [JIS C 9311 pdf 8] ―――――
5
C 9311 : 2011
a) 外付け形 外付け形防止装置は,表3に規定する。定格電流は,防止装置の主回路を溶接電源の入力
側に設けるものは,入力側の電流,防止装置の主回路を溶接電源の出力側に設けるものは,出力側の
電流で規定する。
表3−外付け形防止装置の定格電流及び定格使用率
主回路の位置 定格電流の規定位置 定格使用率 適用溶接電源の無負荷電圧の範囲
A V
入力 出力 % 下限 上限
130 (110) − 60 85
入力側 40
220 (180) − 70 95
− 300 60 85
出力側 60
− 500 70 95
括弧内の数字は,コンデンサ内蔵形溶接電源に用いる防止装置(C形)の入力側定格電流を示す。
b) 内蔵形 内蔵形防止装置は,次による。
1) 定格電流は,防止装置の主回路を溶接電源の入力側に設けるものは,溶接電源の定格出力時の入力
側電流以上とし,防止装置の主回路を溶接電源の出力側に設けるものは,溶接電源の定格出力時の
電流以上とする。
2) 定格使用率は,内蔵する溶接電源の定格銘板に表示された定格使用率以上とする。ただし,その値
は,30 %以上とする。
7 試験
7.1 試験条件
試験は,新品で乾燥し,完全に組み立てた防止装置で,周囲温度−10+40 ℃の間で行うものとする。
測定器の接続は,製品に組み付けているカバープレート,点検用扉又は簡単に取外しできるパネルの付い
た開口部を通してだけ許される。測定器によって防止装置の通常の通気を妨げたり,熱を授受する原因と
なってはならない。特に規定がない場合,通電用導体の材質は,銅とする。
特に規定がない場合,形式検査は,この規格に規定している全ての試験を行わなければならない。
形式検査における試験の順序は,7.4による。また,定常検査は,7.5による。
7.2 測定器
この試験で用いる測定器の精度は,次による。
a) 指示電気計器 JIS C 1102-2の階級0.5又はそれ以上。ただし,耐電圧試験の電圧の測定は,JIS C 1102-2
の階級2.5又はそれ以上の精度の電圧計による。絶縁抵抗の測定は,8.1.4の規定による。
b) 温度計 ±2 K
c) 時間計 規定された時間の±5 %又はそれ以上の精度。
7.3 構成部材の要求事項
JIS C 9300-1の5.3(構成部材の要求事項)による。
7.4 形式検査
防止装置は,試験の結果に最も影響することが予測される溶接電源を組み合わせて,同時に試験しなけ
ればならない。全ての形式検査は,別の防止装置で行ってもよいと規定している試験の項目を除いて,同
一の防止装置で行う。
――――― [JIS C 9311 pdf 9] ―――――
6
C 9311 : 2011
形式検査は,次の順序で行う。
a) 構造(箇条11)
b) 絶縁抵抗(8.1.4)(予備検査)
c) 動作性能(箇条10)。試験は,10.2,10.3,10.4,10.5及び10.6の順序で行う。
d) 機械的要求事項(箇条12)
e) 絶縁抵抗(8.1.4)
f) 絶縁耐力(8.1.5)
g) 総合目視検査[JIS C 9300-1の3.7(目視検査)]
この規格の上記以外の試験は,任意の順序で行ってもよい。また,10.7に規定する耐久試験は,別の防
止装置で行ってもよい。
7.5 定常検査
防止装置の定常検査は,次の項目を満足しなければならない。
a) 総合目視検査[JIS C 9300-1の3.7]
b) 絶縁抵抗(8.1.4)
c) 絶縁耐力(8.1.5)
d) 動作性能
1) 安全電圧(10.2)
2) 開閉動作及び遅動時間(10.4)
3) 始動感度(10.5)
4) 始動感度に対する安全性(10.6)
8 電撃の防護
8.1 絶縁
8.1.1 一般
防止装置の過電圧カテゴリは,JIS C 60664-1に規定する過電圧カテゴリIIIとする。また,最低限,汚
損度(汚染度)3の環境状態で使用できるよう設計しなければならない。
8.1.2 空間距離
空間距離は,次による。
a) 基礎絶縁又は補助絶縁(保護絶縁・付加絶縁),及び強化絶縁に対する最小空間距離は,過電圧カテゴ
リIIIとし,表4による。空間距離を決めるに当たって,絶縁材料の接近可能な全ての表面,すなわち,
JIS C 0922に規定する検査プローブBで触れることができる全ての部分は,金属はく(箔)によって
覆われているものと考える。
b) 溶接電源の入力回路に直接接続する防止装置の主回路及び制御回路の端子の間隔は,JIS C 9300-1の
E.2(端子の間隔)による。
c) 過電圧制限素子(例えば,金属酸化バリスタ)で保護されている防止装置の部品(例えば,電子回路
又は部材)の空間距離は,表5に従って定めることができる。
合否判定は,次のいずれかによる。
1) IS C 60664-1の6.2(沿面距離及び空間距離の測定)に規定する測定方法によって行う。
2) 表4及び表5に規定する電圧を用いたインパルス試験によって行う。
インパルス試験は,1.2/50 sの出力波形及び500 Ω未満の出力インピーダンスをもつ試験電源を
――――― [JIS C 9311 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS C 9311:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.30 : 溶接設備
JIS C 9311:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC0922:2002
- 電気機械器具の外郭による人体及び内部機器の保護―検査プローブ
- JISC1102-2:1997
- 直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
- JISC1302:2018
- 絶縁抵抗計
- JISC60664-1:2009
- 低圧系統内機器の絶縁協調―第1部:基本原則,要求事項及び試験
- JISC8201-4-1:2020
- 低圧開閉装置及び制御装置―第4-1部:接触器及びモータスタータ:電気機械式接触器及びモータスタータ
- JISC9300-1:2020
- アーク溶接装置―第1部:アーク溶接電源