JIS D 9111:2016 自転車―分類,用語及び諸元 | ページ 3

                                                                                              9
D 9111 : 2016
図9−電動アシスト自転車のシティ車の例
図10−幼児二人同乗用自転車の例

――――― [JIS D 9111 pdf 11] ―――――

10
D 9111 : 2016

3 用語及び定義

  自転車に関する主な用語及びその定義は,次による。
なお,一つの用語欄に二つ以上の用語が併記されている場合には,記載してある順位に従って,優先使
用する。また,用語及び対応英語の一部に括弧を付けてあるものは,紛らわしくない場合は,この括弧内
の文字を省略してもよい。
注記1 対応英語を参考として示す。
注記2 用語の下の括弧内のかな書きは,読み方を示す。
注記3 定義欄で,用語の後の括弧内の番号は,この規格の用語番号を示す。
なお,図の中に示した番号も,この規格の用語番号を示す。
注記4 対応英語の中で太字によって示したものは,ISO 4210-1及びISO 8090に規定されていること
を示す。
a) 自転車の名称
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1001 自転車 cycle
ペダル又はハンドクランクを用い,主に乗員の人力で駆動操縦され,
かつ,駆動車輪をもち,地上を走行する車両の総称。
1002 一般用自転車 bicycle for general
一般道路において,日常の交通手段,スポーツ,レジャーなどの用に
供される一人乗り用の2輪の自転車で,表1の車種に分類し,表3 use
の諸元に適合するもの。
1003 スポーティ車 sporty bicycle
主に一般道路における交通手段,中長距離の快適走行などを目的と
し,チェンジギヤ装置を備えたものの総称。マウンテンバイク及び
BMX車に外観の似たマウンテンバイク類形車(ルック車),BMX類
形車及びクロスバイクを含む(図1参照)。
注記 クロスバイクとは,マウンテンバイク及びレーシングバイクを
一般道路での走行に適するよう設計(マウンテンバイクの場合
はタイヤを細くし,レーシングバイクの場合はハンドルをフラ
ット形バーにするなど)した自転車。よって,マウンテンバイ
クとレーシングバイクとを組み合わせた(クロス)自転車と呼
ばれている。
1004 シティ車 city bicycle
日常の交通手段又はレジャー用に用いる短中距離の低中速走行用の
自転車(図2参照)。
1005 小径車 compact bicycle
室内での保管,自動車トランクへの収納又は公共交通機関への持ち込
みを意図し,軽量化及びコンパクト化を図った自転車(図3参照)。
1006 実用車 roadster
日常の交通・運搬手段に用いる短中距離の低速走行用の自転車(図4
参照)。
1007 子供車 young adult
主に小学校の児童が,日常の遊戯又は交通手段に用いる自転車の総称
(図5参照)。 bicycle
1008 幼児用自転車 young children
主に学齢前の幼児一人が日常の遊戯用として用いる2輪の自転車で,
表3の諸元に適合するもの(図6参照)。 bicycle
1009 スポーツ専用自 bicycles for
オフロード若しくは起伏の多い地形における使用,高速走行用などに
転車 限定した使用,又は特別の設計仕様に基づく自転車の総称で,表1exclusive sports
の車種に分類し,表3の諸元に適合するもの。 usage

――――― [JIS D 9111 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
D 9111 : 2016
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1010 マウンテンバイ mountain bicycle
ダウンヒル,スラローム,クロスカントリー,フリースタイルなどの
ク 競技,荒野,山岳地帯などでの高速走行,急坂登降,段差越えなどを
含む広範囲の使用に対応して,軽量化,耐衝撃性,走行性能,乗車姿
勢の自由度などの向上を図った構造の専用自転車(図7参照)。
注記 サスペンション機構,フラット形ハンドル,高い性能をもつブ
レーキ,ワイドレンジチェンジギヤ及び呼び(幅)1.5以上の
ブロックパターンタイヤを装備している。
1011 レーシングバイ racing bicycle
高速走行用で,フリーホイール及び制動装置を備え,競技条件に合わ
ク せて設計された専用自転車(図8参照)。
注記 ロードレーサともいう。一般にディレーラ,足固定装置付きペ
ダル及びクイックレリーズハブを装備し,タイヤ幅が28 mm
以下で,どろよけ,キャリヤ及びスタンドは装備しない。トラ
イアスロンに使用することを目的に製作されたトライアスロ
ン車もある。
1012 電動アシスト自 electric power
自転車に電動機を備え,その電動機は,乗員のペダリングと独立して
転車 assisted cycle
出力を発生させることなく,人力によって発生するクランク回転出力
が電動機の駆動出力を比例的に発生させる構造(駆動補助機能)の自
転車の総称(図9参照)で,表1の車種に分類し,表3の諸元に適合
するもの。
1013 三輪自転車 tricycle
後車輪又は前車輪を2個並列に装備した3輪の自転車。一人乗り用の
三輪自転車で,道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号)第
9条の2に定められた車体の大きさ(長さ190 cm,幅60 cm)を超え
ないものを三輪車(駆動補助機能付を含む)という。
なお,幼児用三輪車は,玩具の範ちゅう(疇)とし,三輪自転車に含
まない。
1014 特殊自転車 special purpose
特定の目的,限定された用途,又は特別の仕様に基づく自転車で,表
1の車種に分類する。 cycle
1015 幼児二人同乗用 bicycle which
幼児二人が同乗できる座席を備えた又は備えることができるよう設
自転車 equipped the
計された自転車。車輪の数が2輪以上4輪以下,自転車の長さが2 300
mm以下,幅が900 mm以下で,発進時及び走行時の走行性,停止時 seats for two
children
の安定性,乗降の容易さなど幼児を二人乗せて安全に走行ができるも
の(駆動補助機能付を含む)(図10参照)。
1016 トラックレーサ track racing
専ら自転車競技場内における競走用として,競技種目に合わせて設計
された2輪の特殊自転車。 bicycle
注記1 一般に前傾乗車姿勢用ハンドル,足固定装置付きペダル及び
チューブラタイヤを装備する。
注記2 競技規則によって,仕様上の基準及び制約があり,基本的に
は手による推進機構,空気抵抗軽減装置の付加並びにフリー
ホイール及びチェンジギヤ装置の使用が禁止されている。
1017 BMX車 BMX bike
凹凸及びヘアピンカーブがあるコースを競走する自転車,フラットな
グランドで高く飛びながら技を競う自転車,ジャンプ台を高く飛びな
がら技を競う自転車,街中の階段又は手すり,木製のハーフパイプ,
傾斜路,段差のある平行路などを使用して技を競う自転車,小川,岩
山などの人工地形又は人工の障害物の安定走行を競う自転車などの
総称。一般に車輪の径の呼び20で,特にフレーム,前ホーク,ハン
ドル,車輪,チェーン,ブレーキ,ギヤクランク,ペダルなどの部品
は,悪路でのジャンプ,ウイリー走行などの使用に耐えられるよう,
軽量化及び耐衝撃性を重視して設計された自転車。
1018 シクロクロス車 cyclo-cross bicycle
レーシングバイクを元にオフロードで行われる自転車競技用に設計
された自転車。

――――― [JIS D 9111 pdf 13] ―――――

12
D 9111 : 2016
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1019 タンデム車 tandem bicycle
複数の座席をもち,複数の乗員が前後一列に乗って同時に駆動できる
2輪の特殊自転車。
1020 リカンベント車 仰向け形乗車姿勢の自転車。 recumbent bicycle
1021 キャンピング車 camping bicycle
サイクリングでのキャンプ旅行に適した仕様で,重い荷物に備え,太
いタイヤ及び大形の前後キャリヤが装備されている自転車。
1022 その他の特殊自 special purpose
サイクルサッカー,サイクルポロ,トライアルなどの各種競技用自転
転車 cycle (the
車,ファニーバイク,三人乗り自転車(トリプレット車),数十人乗
others)
りといった多座自転車,変わり種自転車(ホビーサイクル),空気抵
抗軽減のフェアリング付きの流線形自転車,配達用自転車,一輪車,
ハンドクランク付き自転車,特殊三輪車など,限定された用途又は特
殊な仕様の自転車。
b) 一般
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2001 供用状態 乗用できる自転車の状態。 service condition
注記 タイヤ空気圧は,表示空気圧(2038)又は標準空気圧(2039)
である。
2002 正常な乗車姿勢 normal riding
一般的な走行状態で,操だ(舵),制動などの操作が円滑にできる乗
員の姿勢。 posture
2003 適応乗員 appropriate rider
ハンドル,サドルなどの位置を調節することによって,正常な乗車姿
勢がとれる体格の乗員。
2004 (自転車の)右 right side (of
正常な乗車姿勢をとったとき,自転車の基準中心面に対する乗員の右
側 手側。 cycle)
注記 例えば,自転車の右側に付けるクランク及びペダルを,それぞ
れ右クランク及び右ペダルという。
2005 (自転車の)左 left side (of cycle)
正常な乗車姿勢をとったとき,自転車の基準中心面に対する乗員の左
側 手側。
2006 サドル最大高さ サドルを水平の状態にして,シートポストをはめ合せ限界標識(2008) maximum saddle
height
にセットし,地上面からサドル座面の上部のシートポスト軸と交差す
る点までの垂直距離(図11)。
2007 サドル最小高さ minimum saddle
サドルを水平の状態にして,製造業者の指示によってサドルを最も下
height
げ,地上面からサドル座面の上部のシートポスト軸と交差する点まで
の垂直距離。
2008 はめ合せ限界標 minimum
ハンドルステムにホークステムとの,又はシートポストにフレームと
識 の最小はめ合せ長さを示す目印(図11)。 insertion mark
2009 (自転車の)基 central reference
自転車のフレーム体の中心面で,ヘッドパイプ,上パイプ,立パイプ
準中心面 plane (of cycle)
及び下パイプ,又はこれらに相当する部材の中心線によって作られる
平面(図12のP)。
2010 チェーンライン chain line
フリーホイール(又は小ギヤ)の歯厚又は組立幅の中心とギヤ板の歯
厚又は組立幅の中心とをつなぐ線(図12のL)。
2011 前チェーンライ chain wheel chain
クランク軸の中心線上で,チェーンラインから自転車の基準中心面ま
ン寸法 での距離(図12のb1)。 line distance
2012 後チェーンライ rear sprocket chain
後車輪軸の中心線上でチェーンラインから自転車の基準中心面まで
ン寸法 の距離(図12のb2)。 line distance
2013 フレームサイズ frame size
クランク軸の中心から,立パイプ又は立パイプに相当する部材の上端
までの距離(図13のh1)。
2014 ハンガ下り bottom bracket
自転車を平たんな地上面に供用状態で直立させたとき,後車輪軸の中
displacement
(はんがさがり) 心線を通り地上面に平行な面からクランク軸の中心線までの距離(図
13のh2)。

――――― [JIS D 9111 pdf 14] ―――――

                                                                                             13
D 9111 : 2016
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2015 ハンガ地上高さ bottom bracket
自転車を平たんな地上面に供用状態で直立させたとき,クランク軸の
中心線から地上面までの距離(図13のh3)。 height
2016 ヘッド角 head angle
自転車を平たんな地上面に供用状態で直立させたとき,地上面とヘッ
ドパイプの中心線又は操だ(舵)軸の中心線とがなす角度(図13の

注記 地上面と操だ(舵)軸の中心線とがなす角度をキャスタ角とも
いう。
2017 シート角 seat angle
自転車を平たんな地上面に供用状態で直立させたとき,地上面と立パ
イプ又は立パイプに相当する部材の中心線とがなす角度(図13の

2018 ホイールベース wheel base
自転車を平たんな地上面に供用状態で直立させたとき,前車輪軸の中
心線及び後車輪軸の中心線をそれぞれ地上面に投影したときの両中
心線間の距離(図13のl1)。
2019 ホークオフセッ ホークステム中心線と前車輪軸中心線との距離(図13のl2)。offset

2020 フロントセンタ front center
自転車を平たんな地上面に供用状態で直立させたとき,クランク軸中
心線から前車輪軸中心線までの距離(図13のl3)。
2021 リヤセンタ rear center
自転車を平たんな地上面に供用状態で直立させたとき,クランク軸中
心線から後車輪軸中心線までの距離(図13のl4)。
2022 トレール trail
自転車を平たんな地上面に供用状態で直立させたとき,前車輪軸中心
線の地上面に投影した線から操だ(舵)軸の地上面との交点までの距
離(図13のl5)。交点が前車輪軸中心線の投影した線の前方にある場
合を正,後方にある場合を負とする。
2023 クランク長さ クランク軸中心線とペダル軸中心線との距離(図12のl6)。 crank length
2024 突出し長さ handlebar stem
ハンドルステムの操だ(舵)軸中心線とハンドルバークランプ部の中
心線との距離(図14のl7)。 extension length
2025 ペダルクリアラ pedal clearance
ペダル接地角(2026)とトウクリアランス(2027)とを組み合わせた
ンス 総称。
2026 ペダル接地角 ground clearance
自転車を供用状態で平たんな地上面に直立させ,一方のペダルを最下
(ぺだるせっち 位にして踏面を地上面と平行にした状態から,そのまま最下位にした
かく) ペダル側に傾け,ペダルが地上面に接したときの自転車の基準中心面
(2009)が,最初に直立させたときの基準中心面に対してなす角度(図
15参照)。
2027 トウクリアラン toe clearance
ペダル踏面の中心からペダル軸に直角方向に測った,前タイヤ又は前
ス どろよけまでの最短距離(図16参照)。
2028 タイヤクリアラ wheel/tyre assembly
タイヤとフレーム体若しくは前ホーク各部,又はどろよけ及びその取
ンス 付けねじとの隙間。 clearance
2029 滑り止め踏面 駆動するとき,足裏に接するペダルの滑り止め面。 pedal
(すべりどめと tread-surface,
うめん) tread surfaces (of
pedal)
2030 ギヤ比 ギヤ板の歯数をフリーホイール又は小ギヤの歯数で除した値。gear ratio
2031 最大ギヤ比 クランク軸が1回転するときに走行する最大距離を生み出すギヤ比。 highest gear ratio
2032 最小ギヤ比 クランク軸が1回転するときに走行する最小距離を生み出すギヤ比。 lowest gear ratio
2033 gear development
ギヤ比距離,GD ギヤクランクを1回転させることによって自転車が進む距離。車輪の
外周長にギヤ比を乗じた数値で表す。
2034 ブレーキレバー brake lever grip
操作力を加えないときのブレーキレバーの外側とハンドルにぎり部
の開き の外側との最短距離(図17参照)。 dimension
2035 制動距離 braking distance
乗員がブレーキを操作してから停止するまでに自転車が移動する距
離。

――――― [JIS D 9111 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS D 9111:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4210-1:2014(MOD)
  • ISO 8090:1990(MOD)

JIS D 9111:2016の国際規格 ICS 分類一覧