JIS E 5051:2009 鉄道車両―電気的危険性に関する防護通則 | ページ 4

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走行レールを流れる電流にも配慮する。
軸受は,帰線経路の一部として使用してはならない。
帰線経路の一部が,何らかの形で車両の防護ボンディングとして組み込まれている場合には,箇条6の
要求事項を適用する。
外部電源から直接給電される回路からの感電による損傷及び危険を防止するために,帰線経路上の故障
は,適切な手段,例えば,マニュアルで規定された手順又は監視装置で検知できるようにする。
列車内又は車両内にある給電回路は,極間又は露出導電部に関係する箇所でも,正常又は故障の状態と
は関係なく,設計条件より高い電圧が加わらないようにする。
帰線回路は,次のいずれかの方法によってもよい。ただし,方法の選択は,7.2又は7.3のいずれかを鉄
道事業者が決める。

7.2 車体及び台車から絶縁されている電力回路

  車上の電力装置の帰線から,変電所システム・電車線システムの帰線導体へ確実に電流を流すように,
車体及び/又は台車の露出導電部から絶縁された1経路又は複数の経路を設ける。

7.3 車体又は台車を使用した電力回路

  帰線回路が,車体に接続されている場合,次の要求事項を満足する十分な断面積をもつ金属製の強度部
材に接続する。
構造材又は機械的部材は,車体又は台車枠の一部を経路として流れる帰線電流で,損傷又は劣化を生じ
てはならない。
車体又は台車の異なる2か所間の電圧差は,正常及び故障のいかなる条件のもとであっても,感電事故
を生じないように十分に小さくする。
外部からの供給電源及び車体との間に,万一,接触事故が起きた場合,6.4.4を適用する。

8 追加要求事項

8.0A 一般

  供給電源を遮断した後も,感電事故を生じるほどの蓄積エネルギーが残留している可能性のある充電部
は,安全に対する防護処置を設ける。

8.1 集電装置及び接地装置

8.1.1  パンタグラフ式集電方式の場合
箇条5の規定に加えて,トロリ線からパンタグラフを隔離する手段を設け,隔離後にパンタグラフがト
ロリ線に誤って接触する不具合を起こさないようにする。
パンタグラフ及び,通常,電圧区分IVの電圧が加えられる充電部の防護処置については,更に,5.2.2.1
を参照する。
8.1.2 サードレールの集電方式の場合
サードレール集電装置付きの車両が,車庫の電源設備から給電されるか又は給電コネクタによって給電
される場合,例えば,マニュアルで規定した手順又はインタロック装置による適切な方法で,電圧が加え
られているサードレール集電装置に対する防護処置を設ける。
8.1.3 地上電源を切り離すときの車両の防護ボンディング回路の処理
車両への供給電源を切り離す前に,車両の防護ボンディング専用の接続装置を,地上設備の防護導体か
ら切り離してはならない。この作業は,マニュアルで規定された手順又はインタロック装置によって行う。

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8.1.4 駅プラットホーム前縁に近い位置に集電装置がある場合
駅プラットホーム前縁に近い位置に集電装置がある場合には,5.2の要求事項を満足しなければならない。
この条件を満足できない例外的な場所においては,直線的にアクセスをできないようにする防護板を設け
る(IEC 62128-1及び IEC 62128-2参照)。
注記 “直線的にアクセスできる”の規定内容については,5.2.1.3の注記を参照。

8.2 コンデンサ

  直接接触が可能な状態となったときに,放電されていないおそれのあるコンデンサに対しては,確実に
感電の危険性がなくなるような手段を設ける。この手段としては,放電回路の組込み,回路の追加又はマ
ニュアルで規定した手順の方法でもよいが,留意事項は,次による。
8.2.1 放電回路一般
放電回路を組み込む場合には,信頼性が高く,必要に応じて冗長性をもつコンデンサの両極間に直接接
続して,確実な放電回路を構成するような放電システムとする。ただし,電気装置内に,別の適切な放電
回路が,コンデンサの両極間に直接接続されている場合は,追加の放電システムを設ける必要はない。放
電回路は,コンデンサ及び充電回路へ接続して機能する用品だけとし,放電回路を自動的に切り離すこと
のできる用品(例えば,ヒューズなど。)を含んでいてはならない。
8.2.2 保守作業の着手
装置の電源を切ってから,放電システムによって残留電圧が,確実に60 V以下になる適切な時間が経過
してから,保守作業を始めるようにする。
8.2.3 アクセス防止を解除するときの放電回路
8.2の要求事項は,5.2に規定するアクセス防止装置の開錠操作によって追加の放電回路のスイッチを自
動的に作動させる方法,又は別置きの放電用品を接続する方法で満足させることができる。また,放電時
間を短くするために,これらの方法を併用してもよい。
8.2.4 別置きの放電用品
別置きの放電用品を接続して行う場合,装置には,放電していることを確認でき,かつ,必要な場合に
は,装置を放電できる適切な接続端子を設ける。
8.2.5 注意銘板
8.2.18.2.4に加えて,電気的危険性を識別でき,かつ,適切な手順をマニュアルで規定した明りょう(瞭)
で見やすい注意銘板を,装置又はそのカバーに簡単に外せないように取り付ける。

8.3 電源プラグ及び電源ソケット

8.3.1  可はん(搬)形機器
次の事項は,車上において電圧区分IIIまでの電源から,可はん(搬)形機器に電源を供給する電源プラ
グ及び電源ソケット類に関して規定する。
8.3.1.1 車体に取り付ける電源ソケット
列車の走行中に使用する各種機器(例えば,オーブン,キャッシュレジスタ,ボトルヒータなど。)及び
整備用用品(例えば,掃除機など。)へ電源を供給する電源ソケット又はカプラは,防護ボンディング用接
地端子付きとする。また,電源ソケットの近傍に防護ボンディング用接地端子を設けることでもよい。
これらの電源ソケットは,追加の防護処置として,JIS C 60364-4-41の412.5(漏電遮断器による追加保
護)で推奨する漏電保護機器によって防護することが望ましい。
電源から,変圧器などで電気的に絶縁されている単相交流の公称電圧100 Vの電源で,片側が接地され
ている方式の場合に限り,接地端子なしのソケットで,一般市販の可搬形電気機器などを使用することが

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できる。
客室内に設けた整備用用品の電源ソケットは,外ふた,シャッタなどによって防護処置を行う。
8.3.1.2 洗面所の電源ソケット
電気シェーバの電源ソケットは,絶縁トランス又はその他の手段で一次側回路と二次側回路とを絶縁し
て防護処置する。
単相交流の公称電圧100 Vの電源ソケットの場合は,8.3.1.1の規定によることができる。
8.3.1.3 車外に取り付ける電源ソケット
車外でも使用する電動工具のソケットは,次のいずれかを採用して保護する。
a) 5.3.1で規定した非接地回路(SELV)による。
b) 漏電保護機器による方法又はプラグ取外しに連動したインタロック装置による方法のいずれかによっ
て供給電源を自動開放する。
c) 安全のため,絶縁トランスによる電気回路の分離を行う。
8.3.2 車両内及び車両間の電気回路用コネクタ
車庫電源用,ケーブル式駆動電源用又は列車補助電源用のプラグ及びソケットで,通電状態で外すと感
電又はアーク発生の危険があるものは,通電状態では外せないようにする。これは,インタロック装置又
はマニュアルで規定した手順による。

8.4 特殊電源

  次の事項は,箇条5の規定では,不合理であるか又は不適切である電源から給電される充電部への直接
接触防止についての要求事項を規定する。この具体例として,蓄電池,電子機器の高電圧電源,大電流リ
アクトルなどがある。
8.4.1 防護処置を必要としない充電部
電圧区分Iを超える電圧が加えられる充電部であるが,その電源が安全な隔離条件を満足しており,か
つ,電流及び蓄積エネルギーとも,IEC 60479-1で規定された安全値の限度以内である場合には,防護処
置は必要ない。
8.4.2 防護処置が必要な充電部
8.4.2.1 大容量コンデンサがある場合
電圧区分II又はその電圧以下の電圧が加わる充電部は,その電源に大容量コンデンサなどの蓄積エネル
ギーがあり,感電の危険性が存在する場合には,防護処置が必要である。
8.4.2.2 配線用遮断器(MCB)又はヒューズによる保護処置がない場合
電圧区分II又はそれ以下の電圧が加わる充電部で,配線用遮断器(MCB)又はヒューズで保護されてい
ない場合,回路(例えば,蓄電池回路。)が物体に接触して燃える危険性を生じる可能性のある場合には,
防護処置が必要である。

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附属書A
(規定)
マニュアルで規定された手順又は装置のいずれかを選択する
受渡当事者間で協定する事項

序文

  この附属書は,マニュアルで規定された手順又は装置のいずれかを選択する受渡当事者間で協定する事
項について規定する。
A.1 協定事項
マニュアルで規定された手順又は装置のいずれかを選択する受渡当事者間の協定事項は,次による。
該当箇条 内容
5.2.1.4 給電母線からの電気的危険性に対する防護処置(電圧区分III)
5.2.2.1 閉鎖形電気品区画を採用した防護処置(電圧区分IV)
5.2.2.1 d) アクセス防止の方法
5.2.2.3 給電母線からの電気的危険性に対する防護処置(電圧区分IV)
6.2.1 等電位接続−色彩による識別法
6.4 車両の防護ボンディング(規定によらない別の安全を確保するシステム)
6.5.5.1 車両に対する防護処置
7.1 電力回路−一般
8.1.2 サードレールの集電方式の場合
8.1.3 地上電源を切り離すときの車両の防護ボンディング回路の処理
8.2 コンデンサ
8.3.2 車両内及び車両間の電気回路用コネクタ

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附属書JA
(参考)
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)

序文

  この附属書は,電気機械器具の外郭による保護等級について記載するものであって,規定の一部ではな
い。また,IEC 60529:2001, Degrees of protection provided by enclosures(IP Code)から,IPコードの保護等
級の分類と表示されている記号の意味に関する部分とを抜粋したものである。試験方法などについては,
JIS C 0920による。
JA.1 IPコードの構成
保護を示す文字の区分は,次による。
IP 2 3 C H
a) コード文字
b) 第一特性数字(06の数字又はXの文字)
c) 第二特性数字(08の数字又はXの文字)
d) 付加文字(オプション)(A,B,C,Dの文字)(省略できる)
e) 補助文字(オプション)(H,M,S,Wの文字)(省略できる)
JA.2 特殊な表記例
IPX1C 垂直に滴下する水に対する保護及び直径が2.5 mm以上,長さが100 mm以内の工具をもつ人の
危険な部分への接近に対する保護。
IPX5/IPX7 多用途形外郭の例で,噴流に対する保護及び一時的潜水に対する保護の両用。

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JIS E 5051:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61991:2000(MOD)

JIS E 5051:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS E 5051:2009の関連規格と引用規格一覧