JIS E 6111:2012 鉄道車両―短一次形リニア誘導主電動機 | ページ 4

14
E 6111 : 2012 (IEC 62520 : 2011)
9.1.2.2 一次側巻線の抵抗測定
一次側の巻線抵抗は,任意の周囲温度でLIMの各端子の間で測定された抵抗値を用いて,次の式によっ
て計算する。
R1 235 150
r1
2 235 t
ここに, r1 : 150 ℃における,一次側巻線の一相当たりの抵抗値()
R1 : 一次側巻線の端子間の抵抗値の平均値()
t : 抵抗測定時の周囲温度(℃)
R1を電圧降下法によって測定する場合には,測定のための電流は連続定格電流の10 %20 %とする。
一次側巻線の標準抵抗値は,1台は形式試験が行われたものを含む4台のLIMの平均値とする。
注記 銅以外の材料の場合,上記の公式の中の値235は,材料の0 ℃での抵抗値の温度係数の逆数と
置き換えるのが望ましい。
9.1.2.2.1 裕度
一次側巻線の抵抗値は,9.1.2.1による測定によって得られた基準値から±5 %を超えてはならない。
9.1.2.3 インピーダンス測定
二次側が取り付けられていない状態で,インピーダンスは,商用周波数又は運転に使用される周波数の
正弦波電流を一次側の端子に与えて測定した電流,電圧及び力率から計算される。一旦使用した周波数及
び相数は,変更してはならない。
インピーダンスの標準値は,形式試験を行った1台を含む4台の平均値とする。
9.1.3 耐電圧試験
試験は,通常,ほぼ正弦波の交流電源で,25 Hzから100 Hzまでの間の周波数を使って実施するが,発
注前に受渡当事者間で合意されるなら直流で試験を行ってもよい。
試験電圧は,巻線とフレーム(一次側鉄心)との間に印加する。全電圧試験は,附属品が全て通常の動
作状態に取り付けられた新品のLIMに対してだけ適用する。この試験は,前記の受渡試験終了直後の高温
状態のLIMで実施する。
試験電圧は,表5に示す電圧のうち,最高値を選択して行う。また,電圧は最終値の1/3以下の値から
徐々に昇圧する。最終値に達したとき,1分間保持する。

――――― [JIS E 6111 pdf 16] ―――――

                                                                                             15
E 6111 : 2012 (IEC 62520 : 2011)
表5−耐電圧試験電圧
単位 V
巻線 試験電圧
全ての巻線 交流試験 2 × Udca) + 1 000
又は
Urp
2× b)
+1 000
2
又は
Urpb
c)
+1 000
2
直流試験 3.4 × Udca) + 1 700
又は
2.4 × Urpb) + 1 700
又は
1.2 × Urpbc) +1 700
注a) dc : 電車線システムが最高電圧で機器が運転しているときに,直流回路に印加さ
れる対地最高平均電圧。
b) rp : 電車線システムが最高電圧で,機器が力行運転しているときに,機器の巻線
に印加される対地最大繰返しピーク電圧(繰返しピーク電圧は,3.11に定義。)。
c) rpb : 機器が電気ブレーキ中に,巻線に印加される対地最大繰返しピーク電圧。
直流回路及び機器巻線は,Udc及びUrpがこれらの回路に現れる対地最高電圧となるように接地されてい
なければならない。
9.1.4 構造試験
9.1.4.1 寸法及び外観
構造検査は,受渡当事者間で合意した図面を用いて,寸法測定によって行う。合否判定基準は,受渡当
事者間の協定による。
9.1.4.2 平面度測定
LIMの一次側鉄心の,二次導体に対向する面の平面度を測定する。これは,受渡当事者間で合意した図
面に基づいた寸法公差の測定によって代えてもよい。

9.2 二次側の受渡試験

9.2.1  寸法試験
二次導体の厚さ,二次鉄心の厚さ及び幅,二次導体と鉄心とを組み合せたリアクションプレートの完成
品の高さ,長さ,長手方向の高さ,最大のそり,幅,平面度及び平衡度を測定する。これらは,受渡当事
者間で合意した図面に基づいた寸法公差の測定によって代えてもよい。
9.2.2 化学成分試験
二次導体及び二次側鉄心の化学成分試験を実施する。さらに,二次側支持構造及び締結システムは,十
分なたわみ及び耐疲労強度を確認するために材料強度解析を行う。この試験は,材料の認証文書の提出を
もって代えることができる。これらの手順は,二次側の材料が一次側の製造業者の要求を満たすことの確
認となる。
9.2.3 引張試験
二次側の強磁性材及び導体の引張強度を測定する。試験は,材料の認証文書又は解析文書の提出をもっ
て代用することができる。

――――― [JIS E 6111 pdf 17] ―――――

16
E 6111 : 2012 (IEC 62520 : 2011)
9.2.4 曲げ試験
二次側のリアクションプレートの強磁性材及び母材の曲げ強度を測定する。試験は,材料の認証文書又
は解析文書の提出をもって代用することができる。
9.2.5 せん断試験
リアクションプレートが,導体と強磁性体とのクラッド材で構成されているならば,二次導体及び二次
側鉄心のせん断強度を測定する。リアクションプレートが機械的に接続されているならば,締結材料の強
度を測定する。この試験は,解析によって代えることができる。
9.2.6 超音波探傷試験
二次導体と鉄心との間の結合状態は,超音波探傷機によって検査する。この試験は,クラッド・リアク
ションプレートに適用する。
9.2.7 摩擦力試験
二次側鉄心又は架台を固定した状態で二次導体を引っ張り,二次導体が滑り出す力(最大静止摩擦力)
を測定して,二次導体と二次側鉄心との接合強度を確認する。この試験は機械的に結合されたリアクショ
ンプレートに適用する。摩擦力の許容値は,解析によっても決定することができる。
9.2.8 導電率試験
二次導体の導電率を測定し,その結果は,システムインテグレータと一次側の設計者とによって合意さ
れた範囲内になければならない。

10 調査試験

10.1 一般

  7.1.4で規定するように,調査試験は追加情報を得るために行われる任意の特別な試験である。

10.2 騒音試験

  基本的に,LIMの一次側の騒音試験は必要ない。もし,騒音試験を必要とする具体的な技術的理由があ
るならば,測定方法は受渡当事者間で協定する。詳細な参考説明は,回転形主電動機及び基本的理論に関
するIEC 60349-2:2010の附属書Cにある。システムの騒音試験の基本的理論は,JIS E 4041の8.19[騒音
試験及び振動試験(任意の形式試験)]に記載されている。

――――― [JIS E 6111 pdf 18] ―――――

                                                                                             17
E 6111 : 2012 (IEC 62520 : 2011)
附属書A
(規定)
温度測定
A.1 LIM部品の温度
絶縁巻線の温度は,抵抗法によって測定する。
試験中の冷却風の温度が,10 ℃40 ℃の範囲にあれば,測定された温度上昇は補正してはならない。
もし,形式試験中の冷却風温度がこの範囲外の場合には,測定した温度上昇の補正について受渡当事者
間で協定してもよい。
短時間温度上昇試験を開始する前に,温度計法又は抵抗法によって,巻線と冷却空気との温度差が,4 K
以内にあることを確認する。巻線の温度上昇を計算するときに,初期温度における4 Kまでの差異は,巻
線が冷却空気より高温な場合には結果から差し引き,低温な場合には加えて補正する。
抵抗法
抵抗法では,巻線の温度上昇は試験中の抵抗値の増加によって決定される。
銅の巻線の場合には,試験終了時の温度上昇は,次の式によって決定する。
R2
tr t2 ta 235 t1 235 ta
R1
ここに, tr : 温度上昇(K)
t1 : 試験開始時の巻線温度(℃)
R1 : 温度t1における巻線抵抗値(Ω)
t2 : 試験終了時の巻線温度(℃)
R2 : 試験終了時の巻線抵抗値(Ω)
ta : 試験終了時の冷却風温度(℃)
注記 銅以外の材料については,上記の公式の中の値235を,その材料の0 ℃における抵抗温度係数
に置き換える。
A.2 冷却風温度
強制通風の場合には,冷却空気の温度はLIMへの入気位置で測定し,複数の入気位置がある場合には各
位置の測定値の平均値とする。
温度計は,真の温度が記録されるように,ふく(輻)射熱及び隙間風のような空気の流れから保護する。
冷却風温度の変化による誤差を回避するために,その温度変化を最小限に押さえるためのあらゆる必要な
処置をとらなければならない。
試験終了時の冷却風温度は,連続定格試験の最後の1時間又は短時間試験の全期間にわたって約15分間
隔で測定を行い,この平均値とする。
A.3 抵抗の測定
A.3.1 初期抵抗値
初期の冷温時の抵抗値の測定は,その後の高温時の測定と同じ計器を用いて行うが,測定は,各試験の
最初に繰り返す必要はない。巻線温度は,抵抗測定の際の温度計による巻線表面温度とし,そのときの周

――――― [JIS E 6111 pdf 19] ―――――

18
E 6111 : 2012 (IEC 62520 : 2011)
囲温度と,4 Kを超える差があってはならない。
A.3.2 高温時の抵抗値
高温時の抵抗値は,試験の終了時にLIMを停止した後に,可能な限り速やかに測定する。測定は,電圧
電流計法(電圧−電流法),ブリッジ法,又は他の適切な手法を用いてもよい。初期測定を含め,対象とす
る巻線の全ての測定に同一の方法を用いなければならない。
電圧電流計法による場合は,電流自体が温度上昇に影響しない範囲で必要な精度を得られる十分に大き
な電流とする(通常,定格電流の10 %を超えない値がよい。)。
A.4 一次側温度の評価
A.4.1 “冷却開始”時間
試験の終了時に,主回路を直ちに開放し,同時に全ての個別の通風装置を遮断する。
A.4.2 高温時の抵抗測定並びに冷却及び加熱曲線の外挿
各巻線の抵抗値測定は,“冷却開始”後,45秒間以内で開始し,少なくとも5分間継続する。
各巻線の連続した抵抗測定の間隔は,最初の3分間は,20秒間以内とし,その後は30秒間以内とする。
これらの測定値から計算した温度上昇は,温度を対数目盛,時間を線形目盛とした時間の関数としてプ
ロットする。このようにして得られた結果を“冷却開始”時点まで外挿し,試験終了時の温度上昇値を求
める。

――――― [JIS E 6111 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS E 6111:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62520:2011(IDT)

JIS E 6111:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS E 6111:2012の関連規格と引用規格一覧