25
F 0090 : 1999
附属書5(参考) 取扱注意標識
この附属書(参考)は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
1. 物的損害に対する取扱注意標識 人身障害には直接的にはつながらないが,船舶の重大な損傷や故障
など,物的損害が予測される場合の取扱上の注意事項については,“通告 (NOTICE)”,“取扱注意
(NOTICE)”,及び“/”又は“△”を用いた標識を使用して注意を喚起することが望ましい。この場合,“△”
の内部には,感嘆符“!”,又は,図記号を記入してはならない。
2. 全般的注意標識 製品には,次の内容を含む取扱いに関する全般的な注意事項を一括して表示した,
恒久的な取扱注意標識を取り付けることが望ましい。
a) 取扱いは,専門技術者によらなければならない。
b) 取扱説明書に従って,正しく取り扱わなければならない。
c) 取扱説明書及び安全標識は,保全・維持しなければならない。
――――― [JIS F 0090 pdf 26] ―――――
26
F 0090 : 1999
附属書6(参考) 船舶の安全性評価及び安全対策
この附属書(参考)は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
船舶は,本来,安全に使用できることが基本である。したがって,船舶の安全性確保は,まず,設計的
な検討・対策を優先し,警告表示は設計的な対応が困難な場合,又は,設計的な対応だけでは安全性確保
が困難な場合に限定する。特に船舶の警告(警告ラベルのはり付け)は,極力少なくすることが望ましい。
船舶の安全性評価及び安全対策は,次の手順で行う。
1. 船舶の安全性評価(危険性の分析)
a) 船舶に存在する危険性(物的要素)のチェック 船舶に存在する危険性(潜在的なものも含む)及び
取扱いに関して予見できる危険性(ヒューマンエラーも含む)を検出し,附属書6付表1によってチ
ェックする。
b) 取扱い面での不安全行動(人的要素)のチェック 危険の判断基準は,対象者,環境条件などによっ
て変わるが,船舶の特殊性も考慮して,附属書6付表2の値を一応の目安とする。
2. 設計面での安全性改良
a) 船舶の本質安全化 船舶の本質的な危険性を設計的に排除し,船舶の安全性を確保することを第一と
する。
b) 保護・安全装置の付加 船舶の本質的な安全性確保が困難な場合は,保護・安全装置を設ける。
3. 警告表示 設計的な対応だけでは排除しきれない危険,及び取扱い面での危険について,船舶への警
告ラベルの取付け並びに取扱説明書での警告記事の記載によって,注意を喚起する。
4. 船舶の安全性評価及び安全対策の例 船舶の安全性評価及び安全対策の例(ディーゼル機関の例)を
附属書6付表3に示す。
――――― [JIS F 0090 pdf 27] ―――――
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F 0090 : 1999
附属書6付表1 安全性評価チェック項目
1 船舶の状態 1 梱包・輸送・積下ろし及び据付け時
2 運転時(停止直後を含む)
3 点検・整備時
4 廃却時
2 部位 危険が存在(又は潜在)する部位
3 危険の内容 1 回転・作動→挟まれ,巻込まれ
(危険要素と結果)2 温度(高温)→火傷,火災
3 圧力(高圧)噴出→火災,爆発,外傷
4 電気(高電圧)→感電
5 可燃性(液体,ガス)→火災,爆発
6 毒物・劇物→中毒,腐食
7 重量物→負傷
8 作業環境(足場,騒音など)→外傷,疾病
9 誤操作→機器の損傷
4 危険の度合い, 1 人体の危険 : 死亡又は重傷/中又は軽傷
被害の大きさ 2 船舶の破損/故障
5 発生確率 回避しない場合の発生の可能性 : 大/中/小
附属書6付表2 危険の判断基準
危険要素 判断基準値 被害 警告レベル
回転 全域 重傷・死亡 警告
温度 1 55100℃ 火傷(軽) 注意
2 100℃を超え 火傷(中)
3 220℃を超え 火災
圧力 1 燃料油 火災 注意
2 潤滑油 火傷
漏れ・噴出
3 燃焼ガス 外傷
4 高圧空気
電気 1 AC(実効値)50Vを超え 感電 注意又は警告
(電圧) 2 DC50Vを超え
質量 20kgを超え 外傷 注意
騒音 85dBを超え 難聴 通告
――――― [JIS F 0090 pdf 28] ―――――
F0
28
09
附属書6付表3 船用ディーゼル機関の安全性評価及び安全対策
0:1
No 部位 機関の状態 危険要素 警告レベル PL対応 摘要
999
運 点 そ 回 温 圧 電 そ 危 警 注 通 設 安 取 そ 危険を生じる原因 危険を回避する手段
転 検 の 転 度 力 気 の 険 告 意 告 計 全 扱 の
時 ・ 他 ・ 他 対 標 説 他 →予想される危険・障害 A : 設計対応
/ 整 作 応 識 明 の種類 B : 安全標識(取扱説明書にも記載)
停 備 動 書
止 時 C : 取扱説明書
直
後
1 機関 ○ ○ ○ ○ 騒音→難聴 C [機関室内では耳栓を使用]
2 機関つり上げ装置 ○* ○ ○ △ ○ 落下→死亡・重傷 C 1) つり上げ要領を記載する。
2) 質量を記載する。
3 重量物 ○ ○ ○ ○ ○ 落下→負傷 A つり上げ用具を準備する。
C 質量を記載する。
4 踏板(機関付き) ○○ ○ ○ ○ ○ 1) 転落→負傷 B 1) [滑らないよう注意]
2) 物の落下→負傷 2) [踏板上に物を載せない]
5 シリンダヘッド, ○ ○ ○ ○** ○ 高温 (80150℃) →火傷 B [保守・点検時には手袋を着用]
ヘッドカバー ○ ○ ○** ○ 物の落下→負傷 B [ヘッドカバー上に物を載せない]
6 シリンダ安全弁 ○ ○ ○ ○** ○ ガス噴出の可能性→火傷B [ガス噴出孔の方向に近づかない]
7 指圧器弁 ○ ○ ○ ○** ○ 高温 (200250℃) →火傷B [圧力採取時には手袋を着用]
○ ○ ○ C 1) [ガス噴出孔に顔を近づけない]
弁開放時,ガス噴出→火傷
2) [スタート時には“閉”とする]
3) [エアランニング時には“開”とする]
8 クランク室ドア ○○ ○○ ○ ○○ ○ B [停止後冷却するまで(最低10分間)開放
可燃性ミストの滞留···焼損
発生の場合,新気の流入に禁止]
よる爆発の誘発
9 クランク室安全弁 ○ ○○ ○ ○ ガス噴出→火傷 C [噴出方向に近づかないこと]
10 ギヤ,カムローラ ○ ○ ○ ○ 挟まれ→負傷 C [開放・作業時には,他の作業者に注意を払
う]
11 ○○
はずみ車,駆動軸, ○ ○ ○○ ○ A 保護カバーを装備する。
回転→巻込まれ,接触物の
駆動プーリ,回転部 飛散 B 1) [運転中はカバーを外さない]
分のカバー 2) [運転中,触ってはならない]
C [整備後,必ずカバーを復旧する]
――――― [JIS F 0090 pdf 29] ―――――
No 部位 機関の状態 危険要素 警告レベル PL対応 摘要
運 点 そ 回 温 圧 電 そ 危 警 注 通 設 安 取 そ 危険を生じる原因 危険を回避する手段
転 検 の 転 度 力 気 の 険 告 意 告 計 全 扱 の
時 ・ 他 ・ 他 対 標 説 他 →予想される危険・障害 A : 設計対応
/ 整 作 応 識 明 の種類 B : 安全標識(取扱説明書にも記載)
停 備 動 書
止 時 C : 取扱説明書
直
後
12 ターニング装置,タ ○ ○ ○ ○○ ○ A 始動インターロックにターニングバー“脱”
回転→巻込まれ,接触物の
ーニングバー 飛散 を入れる。
B 1) [ターニング時,クランク室や周辺に危
険のないことを確認]
2) [ターニング時以外は,バーを所定の場
所に格納]
13 動弁腕,動弁腕カバ○ ○ ○ ○ ○ B 1) [運転中,触ってはならない]
作動部分→挟まれ,接触物
ー,プッシュロッド の飛散 2) [点検時,手を挟まれないよう注意]
14 操縦装置 ○○ ○ ○ △○ ○ 不測の回転→巻込まれ A 保護装置の装備,指示銘板の取付け
(始動押しボタン, C 1) [停止時,“STOP”位置の厳守]
操縦ハンドルなど) 2) [遠隔始動時及び自動始動時,機関への
接触禁止]
15 排気管系統 ○○ ○ ○ ○○ ○ 高温 (300450℃) →火傷A 防熱カバーの装備→表面100℃以下
(過給機出口管,ベロ B 1) [保守点検時には保護手袋を着用]
ーズ継手含む) 2) [開放整備後には必ずカバーを復旧]
16 過給機(本体) ○○ ○ ○ ○○ ○ 高温 (300450℃) →火傷A 防熱カバーの装備
− メーカーにPL対応を要求
17 空気冷却器入口金物○○ ○ ○ ○○ ○ 高温 (100150℃) →火傷A 防熱カバーの装備→表面100℃以下
(高温吸気系) B 1) [保守点検時には保護手袋を着用]
2) [開放整備後には必ずカバーを復旧]
18 燃料油管系統 ○ ○○ ○ ○○ ○ 高温 (100150℃) →火傷A 防熱カバー又はラギング装備
(高粘度油···加熱) 油漏れ,噴出→火災 B 1) [保守点検時には保護手袋を着用]
(燃料噴射管含む) 2) [開放整備後には必ずカバーを復旧]
3) [高温,圧力注意]
F0
19 燃料油こし ○ ○○ ○ ○○ ○ 油漏れ,噴出→火災 A 防熱カバー又はラギング装備
09
(高粘度油···加熱) − メーカーにPL対応を要求
0:
20 潤滑油こし ○ ○ ○ ○ ○ 油漏れ,噴出→火災 − メーカーにPL対応を要求
19
2
9
21 潤滑油タンク ○ ○ ○ ○ ○ 可燃物→火災 A ミスト抜き管の設置
9
9
――――― [JIS F 0090 pdf 30] ―――――
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JIS F 0090:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般 > 47.020.01 : 造船及び海洋構造物一般
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.100 : 職業安全.産業衛生
JIS F 0090:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ9101:2018
- 図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則