この規格ページの目次
- 3. FRP艇の製造
- 3.1 製造所の条件
- 3.2 材料の保管方法及び取扱い方法
- pdf 目次
- 3.3 型
- 3.4 樹脂の準備
- 3.5 積層工程
- 3.6 表面コーティング
- 3.7 製造要件,サンドイッチ構造
- 3.8 積層硬化
- 4. 金属製舟艇製造,鋼及びアルミニウム
- 4.1 保管方法及び取扱い方法
- 4.2 製造所の条件
- 4.3 建造
- 4.4 鋼/アルミニウムトランジションジョイント
- 4.5 構造部の接着接合
- 4.6 鋼/木材及びアルミニウム/木材の接合
- 4.7 表面コーティング
- 5. アルミニウム艇製造,特殊要件
- JIS F 1034-4:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS F 1034-4:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS F 1034-4:2006の関連規格と引用規格一覧
F 1034-4 : 2006 (ISO 12215-4 : 2002)
JIS F 1034-3 舟艇−船体構造−スカントリング−第3部 : 材料 : 鋼,アルミニウム合金,木材及びそ
の他の材料
備考 ISO 12215-3:2002 Small craft−Hull construction and scantlings−Part 3: Materials: Steel,
aluminium alloys, wood, other materialsが,この規格と一致している。
3. FRP艇の製造
3.1 製造所の条件
3.1.1 一般 製造及び保管に使用する建物は,適切な構造にしなければならない。また,材料製造業者及
び材料供給者によって特定された環境が与えられるよう装備しなければならない。
積層材への異物の混入及び損傷を最小限にするために製造区域は,保管区域と区分しなければならない。
また,できる限り各製造工程は独立した区域内で構成しなければならない。
製造所及び設備は,適切に保守し,不要なもの,すなわち,破片,余剰材料及び製造工程には必要でな
い設備などが取り除かれた状態でなければならない。
3.1.2 温度及び湿度 従来からのハンドレイアップ法又はスプレーアップ法が行われる場合,積層中及び
硬化中の成形作業所の温度は,樹脂製造業者が指定する範囲内に維持しなければならない。
温度が変化して指定した範囲を外れた場合,ボート建造者は樹脂製造業者とともに成形した積層材が,
スカントリング及び設計の基盤となる要件を満たすことを立証しなければならない。
成形作業所の相対湿度は,材料製造業者が推奨する範囲内に維持しなければならない。
材料は,使用する前には製造所の温度に達するようにしなければならない。
温度及び湿度は,適切な位置で計測しなければならない。また,記録を残さなければならない。
3.1.3 換気 積層区域では,型内にたい(堆)積するモノマー量を最小限にするため,適切な換気装置を
設けなければならない。換気によって,型又は積層材の表面温度に著しい低下があってはならない。
換気システムの設計に当たっては,成形作業所の大きさ,再分割の可能性及び硬化中の樹脂量を考慮し
なければならない。
換気設備の配置は,樹脂モノマーの過剰な気化を引き起こすものであってはならない。通風がないよう
に予防策を取らなければならない。
3.1.4 粉じん管理 型及び積層材への粉じんのたい(堆)積による悪影響を最小限にするように対策を取
らなければならない。
3.1.5 照明 太陽光又は人工照明の直射による樹脂硬化への悪影響がないように対策を取らなければな
らない。
3.2 材料の保管方法及び取扱い方法
3.2.1 一般要求事項 保管区域は,次に示す材料製造業者の保管方法及び取扱い方法に関する要求事項に
沿って,配置し,装備しなければならない。
受入手順,適合証明書の確認,材料の保管方法及び取扱い方法については,ボート建造者が定める品質
保証手順に詳しく記載し(10.参照),常に,材料が汚染されない,又は品質低下を受けないことを保証し,
さらに適切な証明書が付いていることを保証しなければならない。
保管場所を整理し,可能な限り,材料を受領した順番に使用できるようにしなければならない。
構造部品は,材料製造業者が示す有効期限を過ぎていない材料で製造しなければならない。
欠陥を発見した材料,又は生材料供給者の仕様に従っていない材料は,取り除かなければならない。た
だし,ボート建造者が定めた品質保証手順に従って処理する場合はこの限りでない。
――――― [JIS F 1034-4 pdf 6] ―――――
F 1034-4 : 2006 (ISO 12215-4 : 2002)
pdf 目次
製造所の環境にさらされた未使用の樹脂及び補助材料は,もとのストック又はバルク保管所に戻しては
ならない。
3.2.2 樹脂 樹脂は,樹脂製造業者の要求に合致した管理状態のもとで保管しなければならない。
樹脂が,配管や容器の中で分離するような成分を含んでいる場合,ボート建造者の責任で,使用前のか
くはん又は状態調節に関する樹脂製造業者の推奨を遵守していることを保証しなければならない。
3.2.3 触媒及び促進剤 触媒及び促進剤は,材料製造業者の要求に従って保管しなければならない。
3.2.4 充てん材及び添加剤 成形工程で使用する充てん材及び添加剤は,ほこり及び湿気から守るために,
閉容器に保存しなければならない。
3.2.5 補強材及び心材 補強材及び心材は,材料製造業者の推奨に従って,汚れのない乾燥した状態で保
管しなければならない。
3.3 型
3.3.1 建造 型は,形状及び外観の美しさを維持するために適切な材料で建造し,十分な剛性をもたせな
ければならない。
型の建造で使用する材料は,樹脂の硬化に悪影響を与えるものであってはならない。
3.3.2 準備 型は汚れのない乾いた状態にしなければならない。また,製造所の温度で安定させるために,
離型剤を塗布する前に適切な場所に置かなければならない。
離型剤は,型の表面,積層工程で加えられた樹脂及び前に使われた離型フィルムとの適合性がよいもの
にしなければならない。
シリコンを含む離型剤を用いてはならない。
備考 一般的な樹脂を使用する場合,シリコンオイルを含む離型剤は,粘着性又は2次結合を妨げる。
参考 このような離型剤を使用する場合は,製造業者の指示に従わなければならない。
3.4 樹脂の準備
樹脂製造業者の要求に従わなければならない。
調合した樹脂を使用する場合,それが積層工程に適しているかどうかを保証するために試験片を造らな
ければならない。
ボート建造者が樹脂製造業者の仕様を外れて添加物で樹脂を変更しようとする場合,ボート建造者は,
JIS F 1034-1の表3に従っていることを証明するための試験を行わなければならない。
3.5 積層工程
3.5.1 ハンドレイアップ 第1層の繊維強化層の材料の種類及び単位質量は,使用する樹脂によって繊維
強化層に適切な浸透が得られるようなもの及び加水分解の影響が減るようなものを選定しなければならな
い。
積層手順及び各層間での樹脂硬化の度合は,樹脂製造業者の推奨値によらなければならない。硬化の度
合がそれらの推奨値を外れる場合には,必ず表面を処理しなければならない。
積層中に積層材の圧着及び脱泡を確実にするために使われる工具が型各部に届くように型を配置する又
は足場を準備しなければならない。
3.5.2 スプレーアップ 樹脂及び/又は強化繊維のスプレーアップは,一般にスプレーによる積層材が規
定の厚さで均一に得られる部位だけに限って適用しなければならない。
その際には,次の事項を考慮しなければならない。
− 含浸による積層材の過度の厚さによる発熱。
− 積層材のたれさがり又は流れ落ち。
− 脱泡。
――――― [JIS F 1034-4 pdf 7] ―――――
F 1034-4 : 2006 (ISO 12215-4 : 2002)
樹脂及びガラスの結合に必要とされるガラスの質量は,型の複雑さによって決まる。
一般的には,ガラス繊維の質量は,1 150 g/m2を超えてはならない。ただし,それを超えても満足な積
層材が得られることが証明できる場合は,この限りでない。
積層材及びガラス含有量の均一性は,一定の間隔で確認しなければならない。
ゲルコートの裏側にバックアップ層をスプレーアップする場合,繊維の種類及び長さがウィッキングを
起こさないものにしなければならない。
スプレー装置は,稼働日ごとに始業時に調整し,樹脂/触媒及び樹脂/強化繊維の比率が要求された設
定値かどうかを確認しなければならない。積層材が許容範囲内であることを保証するために設定値を監視
しなければならない。
3.5.3 密閉型 密閉型成形を適用する場合,積層材中の樹脂の分布が正しいことを保証できるようシステ
ムを設計しなければならない。
3.5.4 プリプレグ積層材 プリプレグ積層材は,材料製造業者の要求に従って,保管,使用し及び硬化さ
せなければならない。
3.6 表面コーティング
3.6.1 コーティング材 ゲルコート又はその他の適切なコーティング材,例えば,この目的のために設計
された場合の積層樹脂などは,太陽ふく射,加水分解作用及びはく離などからの保護材として適用しなけ
ればならない。ゲルコートを使用する部位では,強化材の第1層は,樹脂製造業者の仕様に従い,ゲルコ
ートが適切に硬化した後にすぐに積層しなければならない。
3.6.2 スプレーによる表面コーティング スプレー装置は,塗布量が安定していることを保証するために
稼働日ごとの始業時又は単品部品作業の開始時に調整し,樹脂/触媒比率及びスプレーパターンが要求さ
れた設定のものかどうかを確認しなければならない。
3.7 製造要件,サンドイッチ構造
3.7.1 雌型を用いたサンドイッチ構造
3.7.1.1 心材表面の穴又は凹凸は,材料製造業者の仕様に従い,次に行う表面層に応じて,充てん材,樹
脂又はサンドイッチ接着剤で埋めるか,又は上塗りしなければならない。切り目の入った心材を使用する
場合は,すき間を埋めるために,十分な量の樹脂や接着剤を接合部に使用しなければならない。
3.7.1.2 心材を硬化まえ積層材に接着する場合は,積層材での樹脂不足を生じることなく,積層材と心材
の接着が得られるよう,十分な量の樹脂を積層材の中又は積層材の上に塗布しなければならない。
3.7.1.3 心材は,構造的に十分な結合性を確保し,空気の混入を避けるために,硬化中は常に接触させて
いなければならない。
3.7.1.4 ISO 12215-5の構造要件に合っていれば,これらの方法からは外れていてもよい。
3.7.2 雄型でのサンドイッチ構造
3.7.2.1 心材の接続部,切り目及び割れ目は,表面層が施される前に,それぞれ埋めるか又は補修しなけ
ればならない。
3.7.2.2 心材を置くときに,心材の特性値に悪影響を及ぼすような曲げ又は変形を加えてはならない。
3.7.2.3 心材表面及び接続部の凹凸は取り除かなければならない。
3.7.2.4 心材表面の下塗りの要求があれば,積層を始める前に実施しなければならない。
3.8 積層硬化
3.8.1 開放型の工程 積層材の硬化スケジュールは,樹脂製造業者の要求に従い記録しなければならない。
サンドイッチ積層材の硬化スケジュールは,心材の熱影響及び薄い積層による硬化開始の遅れを考慮し
――――― [JIS F 1034-4 pdf 8] ―――――
F 1034-4 : 2006 (ISO 12215-4 : 2002)
pdf 目次
なければならない。
樹脂が,周囲温度より高いあと硬化温度を必要とする場合,この工程は記録しなければならない。
積層材が安定するまでは,周囲温度より高いあと硬化をさせてはならない。
あと硬化温度は,離型剤の限界温度と矛盾したものであってはならず,また,ゲルコート,単層部及び
サンドイッチ積層に悪影響を及ぼすものであってはならない。
3.8.2 密閉型の工程 密閉型手法の硬化スケジュールは,材料への熱影響,型の質量及び構造を考慮しな
ければならない。
4. 金属製舟艇製造,鋼及びアルミニウム
4.1 保管方法及び取扱い方法
4.1.1 適合 鋼又はアルミニウム合金製の舟艇の製造に使用される材料は,JIS F 1034-3の要求に合致し
ていなければならない。
4.1.2 識別及び表示
4.1.2.1 材料は,保管から製造工程に至るまで完全に識別できる状態でなければならない。
4.1.2.2 建造者は,材料の納入には適切な書類が添付されていることを確認しなければならない。建造者
は,さらに,入荷した材料の荷印が購入注文書と一致していることを確認しなければならない。
建造者は,適切な基準や仕様をもとに船体建造のために発注した材料については,それらの明確な詳細
を含んだ購入書類を保存しなければならない。
4.1.2.3 合格していない材料は,受け入れた材料と区別しなければならない。
4.1.2.4 材料に欠陥が見つかった場合,建造者の品質保証手順に従って,処理しなければならない。
4.1.2.5 建造者は,建造工程で使用される材料及び副資材について,それらが構内に到着してから組立ま
での間,その種類及び等級が容易に認識できる方法(カラーコーディング及び/又は表示,又はその他ふ
さわしい方法)を確実にするような手順を,確立し,維持しなければならない。
4.1.3 保管方法
4.1.3.1 材料は,材料製造業者の要求に合うよう,保管しなければならない。保管場所の配置は,周囲の
悪条件又は粗雑な取扱いから受ける劣化を防ぐようなものにしなければならない。
4.1.3.2 溶接消耗材は,材料製造業者の推奨に従って保存できるよう,適切な条件で保管しなければなら
ない。
4.2 製造所の条件
建造中は,完成艇の品質に悪影響を及ぼすような天候及び気候上の影響から,舟艇
を適切に保護しなければならない。
4.3 建造
4.3.1 準備 鋼は,舟艇を組み立てている期間中は,汚れのない状態にし,ミルスケール及びさびを取り
除かなければならない。材料の準備(例えば,切断,曲げ,成形)は認定された工業的手法で行わなけれ
ばならない。また,材料の機械的性質が,それらによって悪影響を受けないようにしなければならない。
4.3.2 溶接建造の手順
4.3.2.1 一般 この項の要件は,適切な溶接工程を用いる鋼及びアルミニウム合金に適用する。
4.3.2.2 書類 構造計画(図)及び/又はその詳細には,主構造物の溶接接合部詳細を,含めなければな
らない。
4.3.2.3 溶接設備 溶接工場設備及び装置は,計画した目的に適したものでなければならない。
――――― [JIS F 1034-4 pdf 9] ―――――
F 1034-4 : 2006 (ISO 12215-4 : 2002)
4.3.2.4 溶接者の資格 建造者は,溶接作業者が,従事する作業に適応できるようにしなければならない。
溶接作業者の選定,訓練及び試験の責任は建造者にかかっており,建造業者が,適切な基準又は十分な訓
練を通じて,作業者に資格を与えなければならない。
4.3.2.5 溶接環境 雨天時や強風時,又は寒冷時に溶接を行うような場合には,仕切り材などのような適
切な保護材を設置しなければならない。寒い状態,又は非常に湿気の多い状態では,溶接部の急冷を防ぐ
ため,材料の予熱が必要となる。
4.3.2.6 溶接準備 板材端部の端部処理は正確に行い,有害な欠陥を取り除かなければならない。接合部
は,溶接前に,過度の力を加えずに正確に合わせる,又は配置させなければならない。
収縮応力が最小限になるように,部品の配置及び溶接を行わなければならない。
4.3.2.7 清浄度 溶接部の表面は汚れがないようにし,乾燥させなければならない。また,溶接品質に悪
影響を及ぼすようなグリス及びその他の汚染物質は取り除かなければならない。
表面処理後及び組立前にプライマーを使用する場合,プライマーの組成は,次の溶接作業に有害な影響
を及ぼすものであってはならない。
4.3.2.8 合否基準 最終溶接部は,健全で,き裂のない状態にしなければならない。また,特に他の有害
な欠陥がない状態にしなければならない。
作業終了後,すべての溶接部について目視検査をしなければならない。
重要な部位及び接続部は,更に別の検査を必要とする。溶接欠陥は取り除き,修復しなければならない。
4.4 鋼/アルミニウムトランジションジョイント
4.4.1 爆発接合による複合トランジションジョイントは,アルミニウム及び鋼の接合に用いる。これらの
組立部品は,接合業者の仕様に厳格に一致させて,使用しなければならない。
4.4.2 海水にさらされたり,内部のぬれた場所で使用されるバイメタル接合部は,異種金属接触腐食を防
ぐための適切な保護を講じなければならない。
4.5 構造部の接着接合
4.5.1 表面の前準備,接着剤,接合方法及び硬化過程を含む接合システムや環境条件に関する接着剤製造
業者の推奨には,確実に従わなければならない。
4.5.2 構造部の接着接合が荷重を受ける方向に使われる場合,試験試料を製造所の条件下で造り,接合部
が計画強度をもっていることを実証しなければならない。
4.5.3 接合継手に適用した手法は,手順が確立された後も,その工程が繰り返し使えるように記録しなけ
ればならない。
4.5.4 試験及び計算によってその接合継手が十分な強さをもつことが示されない限り,その継手は,継手
の引きはがし方向,すなわち継手を開く方向に働く力を避けるよう,設計しなければならない。
4.5.5 接着継手は,製造中又は舟艇の使用中,通常,遭遇する太陽光(紫外線,熱,その他)及び周囲の
影響,洗浄剤に対して耐久性があるものであるか,又はそれらから保護しなければならない。
4.6 鋼/木材及びアルミニウム/木材の接合
湿気や海洋環境下で木材と接触している鋼又はアルミニ
ウムの腐食を最小限にするため,接触表面は有効な方法で保護しなければならない。接触表面はプライマ
ー処理及び塗装処理,又は十分な厚さの適切なシーリング材でコーティングしなければならない。
4.7 表面コーティング
金属は,計画された使用方法のため,必要に応じて,適切な表面処理,及び/
又はコーティングによって,適切に保護されなければならない。
5. アルミニウム艇製造,特殊要件
――――― [JIS F 1034-4 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS F 1034-4:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 12215-4:2002(IDT)
JIS F 1034-4:2006の国際規格 ICS 分類一覧
JIS F 1034-4:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISF0081:2005
- 舟艇―主要データ
- JISF1034-1:2002
- 舟艇―船体構造―スカントリング 第1部:材料:熱硬化性樹脂,ガラス繊維強化材,基準積層材
- JISF1034-3:2006
- 舟艇―船体構造―スカントリング―第3部:材料:鋼,アルミニウム合金,木材及びその他の材料