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G 0203 : 2009
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1110 キルド鋼 killed steel
フェロシリコン,アルミニウムなどで十分に脱酸を行った鋼。
鋼塊鋳造による場合は,鋼塊用鋳型(インゴットケース)内で
の凝固進行中に,一酸化炭素を発生せずに静かに凝固し,比較的
均質で偏析が少なく気泡もないが,上部中心に収縮孔ができ,歩
留りはよくない。連続鋳造による鋼は,キルド鋼であり,鋼塊鋳
造による鋼に比べ均質で歩留りもよい。キルド鋼は,更に結晶粒
度又は脱酸剤によって次のように分類される。
a) 結晶粒度による分類
粗粒キルド鋼 : オーステナイト結晶粒度で粒度番号5未満
のキルド鋼をいう。
細粒キルド鋼 : オーステナイト結晶粒度で粒度番号5以上
のキルド鋼をいう。
b) 脱酸剤による分類
シリコンキルド鋼
アルミ(ニウム)キルド鋼
シリコンアルミ(ニウム)キルド鋼
注記 連続鋳造によるリムド相当鋼については,“リムド相当鋼”
を参照。
1111 リムド相当鋼 rimmed substitute
リムド鋼の代替として連続鋳造で弱脱酸して製造される鋼。主
として,低炭素鋼線材に適用される。 steel
1112 鋳鉄 cast iron
鉄と炭素を主成分として,一般に約2 %を超える炭素と,その
他の成分を含むもの。
注記 脱酸(deoxidation) : けい素,マンガン,アルミニウムなどの元素を添加して溶鋼中に含まれている酸素を除去す
ること。鋼は,脱酸の程度によって,キルド鋼,セミキルド鋼,キャップド鋼,及びリムド鋼に分類される。
4.1.2 溶鋼,粗鋼及び鋼片
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1201 溶鋼 鋳造準備のできた液体状態の鋼。 liquid steel
溶鋼には,主に,鋼塊用鋳型(インゴットケース)ヘ注入する
か,連続鋳造するためのもの,及び鋳鋼品用のものがある。
1202 粗鋼 crude steel
鋼塊(連続鋳造鋼片又は鋳片を含む。)及び鋳鋼の総称。統計用
語として用いる。生産統計では,粗鋼は次のように表される。
圧延用鋼塊(インゴットケース及び連続鋳造によるもの)+鍛
鋼用鋼塊+鋳鋼鋳込
注記 ISO 6929の“Crude products”の定義では,溶鋼又は鋼塊の
いずれかの状態の製品としている。
1203 鋼塊 ingots
溶鋼を鋼塊用鋳型(インゴットケース)に鋳込み凝固させたも
の,又は連続鋳造された鋼片。通常は,熱間加工又は鍛造による
後工程で,半製品又は製品に加工される。
注記 真空アーク又はエレクトロガススラグ法で再溶解され,鋳造
された鋼塊を含む。
1204 鋼片 semi-finished
鋼塊を圧延若しくは鍛造することによって,又は連続鋳造によ
products
って得られる,長さ方向に一定の断面形状をもつ半製品。一般に
は,次の工程で熱間圧延又は熱間鍛造を行って,仕上げ製品に加
工することを意図したもの。断面の形状及び寸法によってスラブ,
ブルーム,ビレット,シートバーなどに分類される。
――――― [JIS G 0203 pdf 6] ―――――
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G 0203 : 2009
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1205 スラブ slabs
厚さが50 mm以上で,幅の厚さに対する比率が2以上の板状鋼
片。鋼板及び鋼帯の圧延素材として使用される。
注記 ISO 6929の定義では,幅の厚さに対する比率が4を超える
スラブは,“広幅スラブ”と呼ぶ。
1206 ブルーム blooms
断面が,角形(正方形及び長辺が短辺の2倍以下の長方形)又
は円形の一定サイズの鋼片。正方形ブルーム(square blooms),長方
形ブルーム(rectangular blooms)及び円形ブルーム(round blooms)が
あり,通常,一辺又は直径の寸法が200 mmを超える鋼片。
注記 ISO 6929では,正方形ブルームとして1辺が120 mmを超え
るもの,及び長方形ブルームとして14 400 mm2を超える断
面積をもち,幅の厚さに対する比率が1を超え2未満のもの,
として定義される。
1207 ビレット billets
断面が,角形(正方形及び長辺が短辺の2倍以下の長方形)又
は円形の一定サイズの鋼片。正方形ビレット(square billets),長方
形ビレット(rectangular billets)及び円形ビレット(round billets)があ
り,通常,一辺又は直径の寸法が50 mm以上で200 mm以下の鋼
片。
注記 ISO 6929では,正方形ビレットとして1辺が一般に50 mm
以上で200 mm以下のもの,及び長方形ビレットとして断面
積が2 500 mm2以上,14 400 mm2以下の断面積をもち,幅の
厚さに対する比率が1を超え2未満のもの,として定義され
る。
1208 シートバー 断面が長方形で,通常,厚さが50 mm以下で,幅250 mm程度sheet bars
の短冊状の鋼片。
注記1 プルオーバ圧延機によって製造する鋼板の素材として使
用される。
注記2 ISO 6929の定義では,幅が150 mm以上で厚さが6 mmを
超え50 mm未満の板状鋼片としている。
1209 形鋼用ブランク blanks for sections
特に大形の形鋼,シートパイルなどの製造を意図した鋼片。
目的の形状を得るためにあらかじめ成形されており,鋼片の断
面積は,一般に2 500 mm2を超える。粗形鋼片(shaped blooms)又は
ビームブランク(beam blank)とも呼ぶ。
1210 鋳鋼鋳込み 鋳型に溶鋼を注入して凝固させた形のままのもの。 steel castings as
最終製品部分の外に湯口,押湯,せきなどがついている。 poured
1211 鋳鋼鋳放し steel castings
鋳鋼鋳込み品から湯口,押湯など製品としての不要部分を除去
し,機械加工前の状態にあるもの。 unmachined
鋳放品はそのままで出荷又は自家用となるものもあり,更に機
械加工を行う場合もある。
1212 鍛鋼打放し steel forgings
鋼塊又は鋼片から,所要の形状に鍛造し,機械加工前の状態に
あるもの。 unmachined
――――― [JIS G 0203 pdf 7] ―――――
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G 0203 : 2009
4.2 鋼材(形状別・製造法別)
4.2.1 鋼材
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2001 鋼材 steel products
圧延,鍛造,引抜き,鋳造など各種の方法で所要の形状に加工さ
れた鋼の総称。鋼塊及び鋼片は含まない。
2002 圧延鋼材 rolled steel products
圧延機によって棒鋼,線材,形鋼,鋼板,鋼帯,平鋼などの形状
に成形加工した鋼材。通常,製造業者にて更に熱間圧延されること
がないもの。
2003 再生鋼材 rerolled steels
再生用鋼くず及び鋼材製造途上に発生する鋼くずの再圧延によ
って製造された鋼材。
4.2.2 鋼板及び鋼帯
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2101 鋼板 steel plates,
平らに熱間圧延又は冷間圧延した鋼で,平板状に切断した鋼材。
鋼帯からの切板も含む。ただし,平鋼は,含まない。 steel sheets
2102 厚鋼板 steel plates
熱間圧延によって製造した鋼板で,統計を目的とした分類では,
厚さ3.0 mm以上のもの。3.0 mm以上6.0 mm未満のものを中板,
6.0 mm以上のものを厚板ということもある。
注記 ISO 6929では,統計を目的とした分類では,厚さ3 mm以上
を厚鋼板と区分することを推奨し,これには冷間圧延によっ
て製造された鋼板も含むとしている。
2103 薄鋼板 steel sheets
熱間又は冷間圧延によって製造した鋼板で,通常,厚さ3.0 mm
未満のもの。薄板ともいう。
2104 鋼帯 平らに熱間圧延又は冷間圧延した鋼で,コイル状に巻いた鋼材。 steel strip in coil,
steel sheet in coil,
steel plate in coil
2105 熱間圧延鋼板 hot rolled steel
圧延機によって,熱間で圧延した鋼板。熱間圧延鋼帯からの切板
及び熱加工制御を行った鋼板も含む。 plates and strip in
注記 熱加工制御は,TMCPと呼ぶことがある。 cut length
2106 熱間圧延鋼帯 hot rolled steel
圧延機によって,熱間で圧延した鋼帯。熱加工制御を行った鋼帯
も含む。 plates sheet and
注記 熱加工制御は,TMCPと呼ぶことがある。 strip in coil
2107 冷間圧延鋼板 冷間圧延機で圧延した鋼板。 cold rolled steel
注記 ISO 6929では,冷間圧延で断面積を少なくとも25 %減少しsheet and strip in
た鋼板。 cut length
2108 冷間圧延鋼帯 cold rolled steel
冷間圧延機で圧延した鋼帯。600 mm以上の幅の鋼帯を冷間圧延
広幅鋼帯,600 mm未満の幅の鋼帯を冷間圧延狭幅鋼帯(せん断さsheet and strip in
れた切板も含めてみがき帯鋼とも呼ばれる。)という。 coil
注記 ISO 6929では,冷間圧延で断面積を少なくとも25 %減少し
た鋼帯。
2109 しま(縞)鋼板 checkered plates,
圧延ロールの表面に刻み目を入れて鋼板の片面にすべり止めな
どの模様を規則的に浮き出させた鋼板。床用鋼板ともいう。 floor steel plates
2110 みがき特殊帯鋼 cold rolled special
機械構造用炭素鋼,機械構造用合金鋼,工具鋼,ばね鋼などを用
いたみがき帯鋼。みがき帯鋼とは,幅600 mm未満の冷間圧延鋼帯steel strip
及びそれからせん断された鋼板の総称。
2111 波板 corrugated steel
主に,溶融めっき鋼板又は塗装溶融めっき鋼板に波状の成形を施
した鋼板。 sheets
――――― [JIS G 0203 pdf 8] ―――――
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G 0203 : 2009
4.2.3 表面処理鋼板及び鋼帯
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2201 表面処理鋼板 surface treated steel
表面に金属又は非金属を被覆した鋼板及び鋼帯。被覆方法及び被
及び鋼帯 sheets and strip
覆材の種類によって溶融めっき,電気めっき,塗装などに分けられ
る。
2202 溶融めっき鋼板 溶融した金属の中に浸して金属被覆した鋼板及び鋼帯。 hot-dip coated steel
及び鋼帯 sheets and strip
2203 電気めっき鋼板 電気化学的に析出(電着)する方法で金属被覆した鋼板及び鋼帯。 electrolytic coated
及び鋼帯 steel sheets and
strip
2204 塗装鋼板及び鋼帯 有機塗料を焼き付けて仕上げた鋼板及び鋼帯。 prepainted steel
sheets and strip
2205 有機被覆鋼板 organic coated steel
有機塗料を塗布した又はプラスチックフィルムをは(貼)り合わ
及び鋼帯 せた鋼板及び鋼帯。 sheets and strip
4.2.4 鋼管
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2301 鋼管 steel tubes
筒状に成形加工された鋼材。継目なしのものと,溶接又は鍛接し
たものとがある。
注記 慣用として,英語用語は基本的には“tube”を使用し,ライ
ンパイプなどの輸送用に限って“pipe”を用いる。
2302 継目無鋼管 seamless steel tubes
鋼塊又は鋼片から熱間で圧延,押出し若しくは押抜きによって製
造されるか,又はせん孔後機械仕上げによって製造される継目のな
い鋼管。
なお,継目無鋼管を冷間引抜き又は冷間圧延したものを冷間仕上
継目無鋼管という。
2303 溶接鋼管 welded steel tubes
熱間又は冷間圧延された厚鋼板,薄鋼板又は鋼帯を成形し,突き
合わせた端部を溶接した鋼管。
溶接は,長手方向平行とらせん状とがある。
2304 電気抵抗溶接鋼管 electric resistance
鋼帯又は鋼板を筒状に成形した後,電気抵抗溶接法によって継目
welded steel tubes
部を溶接して製造され,管の長手方向に平行な1本の溶接線をもっ
ている鋼管。
電気抵抗溶接鋼管を熱間絞り圧延したもの及び熱間での電気抵
抗溶接法において製造されたものを熱間仕上電気抵抗溶接鋼管と
いい,冷間引抜き又は冷間圧延したものを冷間仕上電気抵抗溶接鋼
管という。
2305 サブマージアーク submerged arc
鋼板又は鋼帯を筒状に成形した後,継目部をサブマージアーク溶
溶接鋼管 接法によって溶接して製造された鋼管。 welded steel tubes
管の長手方向に平行な溶接線をもつ場合をストレートシーム溶
接鋼管といい,らせん状の溶接線をもつ場合をスパイラルシーム溶
接鋼管という。
2306 自動アーク溶接 automatic arc
溶接ワイヤの送りが自動的にでき,連続的に溶接が進行する装置
鋼管 によって溶接された鋼管。 welded steel tubes
普通鋼の場合は,サブマージアーク溶接法が一般的であり,ステ
ンレス鋼管の場合は,TIG溶接法,プラズマアーク溶接法又はMIG
溶接法がある。
2307 鍛接鋼管 butt-welded steel
鋼帯を加熱し,円筒状に成形した後,加熱圧接法によって継目部
tubes
を圧着して製造され,管の長手方向に平行な1本のストレートシー
ムをもっている鋼管。
――――― [JIS G 0203 pdf 9] ―――――
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G 0203 : 2009
4.2.5 形鋼・鋼矢板
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2401 条鋼 long products
形鋼,鋼矢板,平鋼,棒鋼などの形状に成形加工した鋼材。一般
に,箱形のカリバー圧延機又はユニバーサル圧延機で熱間にて圧延
する。
2402 形鋼 山形,溝形,I形,H形などの断面形状に圧延した鋼材。 sections
注記 ISO 6929では,山形をL形,溝形をU形という。
2403 熱間圧延形鋼 hot rolled sections
圧延機によって,熱間で圧延した形鋼。熱加工制御を行った形鋼
も含む。
注記 熱加工制御は,TMCPと呼ぶことがある。
2404 H形鋼 H sections
Hの字に似た断面をもった形鋼。通常,ユニバーサル圧延機によ
って製造し,平行する各々の二辺が等厚であり,辺の内面の傾斜は
ない。高さと辺の関係によって細幅(beam),中幅(beam)及び広幅
(column)に区分される。
注記 ISO 6929では,フランジの幅が呼び高さの0.66倍を超える
か,又は300 mm以上のものとし,フランジの幅が呼称高さ
の0.8倍を超えるものを,“コラム(column)”と呼ぶことがあ
る。
2405 I形鋼 Iの字に似た断面をもった形鋼。 I sections
注記 ISO 6929では,I形鋼とH形鋼の更なる区分として,フラン
ジの幅が呼び高さの0.66倍以下で,かつ,300 mm未満のも
のをI形鋼としている。
2406 T形鋼 Tの字に似た断面をもった形鋼。 T sections
注記 I形鋼又はH形鋼のウェブを切断して得られたT形鋼をCT
形鋼という。
2407 溝形鋼 Uの字に似た断面をもった形鋼。 U sections
2408 山形鋼 Lの字に似た断面をもった形鋼。 angles
二辺の長さ及び厚さが各々等しいか又は異なるかによって等辺
山形鋼,不等辺山形鋼,又は不等辺不等厚山形鋼という。
2409 球平形鋼 bulb flats
平鋼の幅方向の一方の縁に,全長にわたって片側に突き出た突起
が付いている形鋼。
注記 ISO 6929では,幅は一般的に430 mm未満である。
――――― [JIS G 0203 pdf 10] ―――――
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JIS G 0203:2009の国際規格 ICS 分類一覧
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JIS G 0203:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISR6010:2000
- 研磨布紙用研磨材の粒度