JIS G 0203:2009 鉄鋼用語(製品及び品質) | ページ 3

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G 0203 : 2009
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2410 軽量形鋼 light gauge sections
鋼板又は鋼帯から冷間成形法によって,溝形,Z形,山形,リッ
プ溝形などの断面に形成された形鋼。
注記 H形の場合は,鋼帯から連続的に溶接して成形され,溶接軽
量形鋼と呼ばれている。また,通常,簡易鋼矢板は,軽量形
鋼に含めない。
2411 鋼矢板 sheet piling
両縁に水密性の継手をもち,水,土壌などの仕切り壁を構成する
ために用いられる形鋼。
断面の形状によって,U形,Z形,直線形,H形,ハット形など
の種類がある。熱間圧延による鋼矢板のほか,鋼管に継手部材をつ
けた鋼管矢板,鋼板を冷間加工した簡易鋼矢板などもある。
注記 ISO 6929では,ほかに組立矢板及び箱形矢板がある。
2412 坑枠鋼 sections for colliery
Iの字又はΩの字に似た断面をもち,坑道の支保に用いるため土
arches
圧の偏荷重に耐えるよう厚肉になっている形鋼。通常,坑道の断面
に合わせてアーチ形に曲げて用いる。
注記 ISO 6929では,I形鋼と区別するため,“フランジ内面の大
きなこう配(約30 %)をもち,呼称高さの0.70倍を超える
幅をもつ場合がある。”としている。

4.2.6 棒鋼・線材

 番号        用語                                定義                           対応英語(参考)
2501 棒鋼 bars
棒状に熱間圧延又は鍛造した鋼で所定の長さに切断した鋼材。断
面の形状によって,丸鋼(円形),角鋼(正方形),平鋼(長方形),
六角鋼(六角形),八角鋼(八角形),異形棒鋼(特殊形状)などが
ある。
なお,コイル状に巻いたバーインコイルは,製造工程から統計上
線材に含められるが,本来の用途は棒鋼である。
2502 熱間圧延棒鋼 hot rolled steel bars
圧延機によって,熱間で圧延した棒鋼。熱加工制御を行った棒鋼
も含む。バーインコイルも含めていうことがある。
2503 バーインコイル 熱間圧延した比較的小径(通常,径が5 mm以上50 mm以下)bar in coil
の棒鋼を長尺のままコイル状に巻いた鋼材。断面の形状は円形,正
方形,六角形などを含む。
注記 バーインコイルは,棒鋼用途であり,線材とは材質及び用途
が異なるが,外観上は線材と区別できないため,線材と呼ぶ
ことがある。また,線材と同じ圧延ラインで製造されるため,
統計上は,線材として扱われる。
なお,狭義には,バーインコイルは,普通鋼の場合だけを
指し,特殊鋼の場合は線材と呼び,区別することがある。
2504 丸鋼 round bars
棒状に圧延又は鍛造した鋼で,断面が円形をしており,直径が一
般には8 mm以上の棒鋼。
2505 角鋼 square bars
棒状に圧延又は鍛造した鋼で,断面が正方形をしており,対辺距
離が一般には少なくとも8 mmの棒鋼。
断面の角に丸みをつけたものもある。
2506 平鋼 flat bars
棒状に圧延した鋼で,断面が長方形をしており,断面の四つの面
とも圧延した面をもち,厚さ(t)は一般に5 mm以上,幅は500 mm
を超えない板状の棒鋼。
ばね鋼では平鋼の相対する短辺が円弧状(円弧Rが約0.5 t)の
ものを丸こば(平鋼)と呼ぶ。熱間圧延した平鋼を特に熱間圧延平
鋼,冷間圧延した平鋼を冷間圧延平鋼と呼ぶ。
注記 ISO 6929では,幅は150 mmを超えないとしている。

――――― [JIS G 0203 pdf 11] ―――――

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G 0203 : 2009
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2507 異形平鋼 deformed steel flats,
平鋼の相対する短辺が平行でないもの。相対する短辺が両方とも
弧状のものを丸こば平鋼と呼ぶ。 round edged steel
flats
2508 六角鋼 hexagon bars
棒状に圧延又は鍛造した鋼で,断面が六角形をしており,対辺距
離が一般には14 mm以上の棒鋼。
2509 八角鋼 octagon bars
棒状に圧延又は鍛造した鋼で,断面が八角形をしており,対辺距
離が一般には14 mm以上の棒鋼。
2510 異形棒鋼 deformed bars
棒状に圧延した鋼で,断面が一般に円形,ときには角の丸い正方
形で,4 mm以上の直径又は辺をもち,表面に,はざ間模様,突起
などをもつ棒鋼。
表面の凹凸は,コンクリートとの付着力を増すためのものであ
る。鋼材円周表面にふし・その他の突起をつけたものと,冷間ねじ
り加工でらせん状にしたものとがある。軸線方向の突起をリブ,軸
線方向以外の突起を節という。
注記 ISO 6929では,直径又は対辺距離が少なくとも5 mmと定義
している。
2511 みがき棒鋼 cold finished steel
鋼材を冷間引抜き,研削,切削,冷間圧延又はこれらの組合せに
よって仕上げ,表面品質及び寸法精度を向上させた棒鋼。 bars
断面の形状によって,丸(材),角(材),六角(材),平(材)
などがある。
2512 線材 rod,
棒状に圧延した鋼で,断面が円,だ(楕)円,正方形,長方形,
wire rod
六角形,八角形,半円形などで,コイル状に巻いた鋼材。一般に呼
称径が5 mm以上で平滑な表面をもち,後続の加工を意図したもの
である。
なお,線材と同じ工程で製造される棒鋼用途のバーインコイルを
製造工程で棒鋼と区別するために線材と呼ぶことがあり,統計上も
線材として扱われている。
注記 線材は伸線加工を行って線(wire)にするもとの鋼材であり,
線と区別するために,ワイヤーロッド(wire rod)とも呼ぶ。
2513 線 wires
線材を,主として伸線など冷間加工しコイル状に巻いたもの。
断面は一般には円形であるが,だ(楕)円,正方形,長方形,六
角形,八角形又はその他の形状(ただし,鋼帯以外)もある。一般
に全長にわたって一定の断面をもち,断面寸法が長さに比べて非常
に小さい。

4.2.7 鋳鍛造品

 番号        用語                                定義                           対応英語(参考)
2601 鋳鋼品 鋼を鋳型に鋳込んで所要形状の製品としたもの。 steel castings
鋳型としては,砂型,金型,耐火粘土製のもの,黒鉛製のもの
などがある。
2602 遠心鋳鋼品 遠心力鋳造法によって製造した鋳鋼品。 centrifugal steel
castings
回転の軸方向によって縦型と水平型があり,鋳型としては金型
及び砂型がある。
2603 シェルモールド シェルモールド鋳造法によって製造した鋳鋼品。 shell molded steel
鋳鋼品 castings
2604 精密鋳鋼品 precision steel
インベストメント法(ロストワックス法),ショープロセスなど
によって製造した寸法精度の極めて高い鋳鋼品。 castings
2605 鍛鋼品 steel forgings
適切な鍛錬成形比を与えるように鋼塊又は鋼片を鍛錬成形し,
通常,所定の機械的性質を与えるために熱処理を施したもの。

――――― [JIS G 0203 pdf 12] ―――――

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G 0203 : 2009
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2606 自由鍛造品 open die forgings
特別な金型を使用せず,上下金敷だけで火造りによって製造し
た鍛造品。一般に火造品ともいう。自由鍛造にはハンマ又はプレ
スを使用する。
注記 ISO 6929では,鍛造品(自由品)[forged products (open die) ]
として,“適切な温度で圧力をかけて鋼を自由鍛造で成形し
て得た製品。一般に機械加工で最終の形にする。”と定義さ
れる。
2607 型鍛造品 drop forgings
製品に要求される形状及び体積を決定する金型を使って,適切
〔型打鍛造品〕 な温度で圧力を加えて鋼を成形して得た鍛造品。 (closed die
forgings)
2608 中空鍛造品 hollow forgings
鋼塊から心金を用いてせん孔若しくは押し抜きした素材又は中
〔中打鍛造品〕 空鋼塊を用いて中空鍛錬又は穴ひろげ鍛錬によって中空の形状に
鍛錬成形した鍛造品。
2609 熱間鍛造品 再結晶温度以上の適切な温度で鍛錬成形した鍛造品。 hot forgings
2610 温間鍛造品 warm forgings
通常,400 ℃以上で再結晶温度付近までの適切な温度で鍛錬成
形した鍛造品。
2611 冷間鍛造品 冷間で鍛錬成形した鍛造品。 cold forgings

4.3 鋼材(用途別)

4.3.1 一般加工用

 番号        用語                                定義                           対応英語(参考)
3101 絞り用鋼板 steel sheets for
自動車部品,電気機械部品,車両部材,建築部材などに用いる
冷間成形性を重視して製造した薄鋼板。 drawing
3102 深絞り用鋼板 steel sheets for deep
自動車部品,電気機械部品などに用いる冷間での良好な深絞り
drawing
加工性及び絞り加工後の表面の肌荒れ防止を重視して製造した薄
鋼板。
3103 非時効性 non-ageing steel
通常アルミ(ニウム)キルド処理などによって,6か月程度の非
深絞り用鋼板 時効性を保証した冷間圧延深絞り用鋼板。 sheets for deep
drawing
3104 非時効性 non-ageing steel
通常IF鋼によって製造する,6か月程度の非時効性を保証した
超深絞り用鋼板 冷間圧延超深絞り用鋼板。 sheets for extra
deep drawing
3105 IF鋼 interstitial free
固溶するC及びNが極力少なくなる方法で製造した鋼。通常,
超深絞り用に用いる。 steels
3106 熱間圧延 hot rolled high
比較的良好な加工性を維持しつつ,引張強さを高めた熱間圧延
高張力鋼板 鋼板。 tensile strength
通常,引張強さ490 N/mm2以上のものをいう。 steel sheets
3107 冷間圧延 cold rolled high
比較的良好な加工性を維持しつつ,引張強さを高めた冷間圧延
高張力鋼板 鋼板。 tensile strength
通常,引張強さ340 N/mm2以上のものをいう。 steel sheets
なお,降伏点を低くしたもの,加工ひずみ付与後の塗装焼付温
度で硬化するものもある。

――――― [JIS G 0203 pdf 13] ―――――

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G 0203 : 2009
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3108 溶融亜鉛めっき hot-dip zinc-coated
建材用,家電用,自動車用などの防せい(錆)性を高めるため,
鋼板及び鋼帯 steel sheets/strip
溶融亜鉛めっきを行った鋼板及び鋼帯。溶融亜鉛めっきの付着量
は,一般に両面合わせて60800 g/m2の間である。
〔通称 : 亜鉛鉄板〕
板には平板と波板とがある。表面は通常,スパングルと称する
花のような模様があるが,これを小さくしたもの又は消したもの
もある。また,再加熱して亜鉛層を十分に鉄と合金化させたもの
(ガルバニール,主に塗装用)がある。
注記 ISO 6929では,溶融亜鉛めっきの付着量は,一般に両面合
わせて100700 g/m2と規定している。
3109 電気亜鉛めっき electrolytic
家電製品用などの防せい(錆)性を高めるため,両面又は片面
鋼板及び鋼帯 zinc-coated steel
に電気亜鉛めっきを行った鋼板及び鋼帯。電気亜鉛めっきの付着
量は,一般に片面当たり350 g/m2の間であり,これは,片面 sheets/strip
0.000 40.007 mmのめっき厚さに相当する。
注記 ISO 6929では,電気亜鉛めっきの付着量は,一般に片面当
たり7107 g/m2と規定している。
3110 塗装溶融亜鉛 prepainted hot-dip
主に建材用として,溶融亜鉛めっき鋼板の両面又は片面に耐食
めっき鋼板及び zinc coated steel
性・耐候性のある着色塗料を塗装し,焼き付けた鋼板及び鋼帯。
鋼帯 sheets/strip
〔通称 : 着色亜鉛
鉄板〕
3111 溶融アルミニウム hot-dip aluminium-
主に建材用の高防せい(錆)性をもち,溶融アルミニウム−亜
−亜鉛合金めっ zinc alloy coated
鉛合金めっきを行った鋼板及び鋼帯。約5 %アルミニウムと亜鉛
き鋼板及び鋼帯 との合金めっきを行ったもの及び約55 %アルミニウムと亜鉛とsteel sheets/strip
の合金めっきを行ったものがある。
3112 塗装溶融アルミニ prepainted hot-dip
主に建材用として,溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の
ウム−亜鉛合金 aluminium-zinc
両面又は片面に耐食性・耐候性のある着色塗料を塗装し,焼き付
めっき鋼板及び けた鋼板及び鋼帯。 alloy coated steel
鋼帯 sheets/strip
3113 ぶりき原板 black plate
ぶりきに適するように製造された厚さ0.6 mm未満の低炭素鋼の
製品で,鋼板又は鋼帯で供給され,その表面はすずめっき,ラッ
カー処理又は印刷に適しているもの。ぶりき原板には,1回目の冷
間圧延後に焼きなましを行い,更に調質圧延を行った1回冷間圧
延のぶりき原板と,1回目の冷間圧延後に焼きなましを行い,更に
2回目の冷間圧延を行った2回冷間圧延のぶりき原板とがある。
注記1 ぶりき原板は,通常,JIS G 3303の鋼種,MR(残留微量
元素が少ないもので,優れた耐食性をもち,容器その他広
く一般的用途に用いる。),L(Cu,Ni,Cr,Mo及びその
他の残留微量成分が特に少ないもので,極めて優れた耐食
性をもつ容器材料)及びD(Alキルド鋼であって,深絞
り加工及びリューダス模様の発生しやすい加工を行う用
途に用いる。)が用いられる。
注記2 ISO 6929では,厚さ0.50 mm未満と規定している。
3114 ぶりき tinplate
食缶用,飲料缶用などに用いるときの耐食性を高めるため,冷
間圧延によって製造したぶりき原板に,すずめっきを行った鋼板
又は鋼帯。
めっきの方法によって電気めっきぶりきと熱せきぶりきとがあ
る。電気めっきぶりきには1回冷間圧延のぶりき原板を用いた1
回冷間圧延製品と2回冷間圧延のぶりき原板を用いた2回冷間圧
延製品とがある。

――――― [JIS G 0203 pdf 14] ―――――

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G 0203 : 2009
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3115 ティンフリー chromium plated
食缶用,飲料缶用などに用いるときの耐食性を高めるため,冷
スチール tinfree steel
間圧延によって製造したぶりき原板に,電解クロム酸処理などを
行った鋼板又は鋼帯。
製品には1回冷間圧延のぶりき原板を用いた1回冷間圧延製品
と2回冷間圧延のぶりき原板を用いた2回冷間圧延製品とがある。
3116 溶融アルミニウム hot-dip aluminium-
溶融アルミニウムめっきを行った鋼板及び鋼帯。耐熱性及び耐
めっき鋼板及び 候性に優れている。 coated steel
鋼帯 sheets/strip
3117 ターンめっき鋼板 terne-coated sheets/
自動車用,電気製品用などとして,溶融合金浴に浸せきするか
及び鋼帯 又は電解で,鉛−すず合金のめっきを行った鋼板及び鋼帯。 plate and strip
注記1 めっきの付着量は,一般に,両面合わせて60130 g/m2
の間で使用される。
注記2 ISO 6929では,一般にめっきを規定できる限界の呼称付
着量は,両面で最低120 g/m2に相当すると規定している。
3118 塩化ビニル鋼板 polyvinyl chloride-
主に建材用として,冷間圧延鋼板又は亜鉛めっき鋼板の両面又
は片面に塩化ビニル樹脂を塗装又は被覆した鋼板。 coated steel
sheets
3119 ほうろう用鋼板 ほうろうがけに適するように製造した鋼板又は鋼帯。 cold rolled carbon
通常,脱炭鋼板が用いられる。 steel sheets for
vitreous
enameling
3120 デッキプレート deck plate
鋼板又は鋼帯から冷間成形法によって,波形の断面に成形した
もの。断面形状は,上フランジ,下フランジ及びウェブで構成さ
れ,建築,土木,車両,及びその他の構造物の床用に用いる。

4.3.2 構造用・圧力容器用

 番号        用語                                定義                           対応英語(参考)
3201 構造用鋼材 steel for structure
建築,橋,船舶,車両,及びその他の構造物用として強度及び
必要に応じて溶接性を重視して製造された鋼材。
注記 機械構造用鋼材については“機械構造用炭素鋼鋼材”,“機械
構造用合金鋼鋼材”を参照。
3202 耐候性圧延鋼材 rolled steels with
大気中において通常の鋼に比べてちみつなさびを形成しやす
く,腐食速度を低減することができる圧延鋼材。 improved
atmospheric
corrosion
resistance
3203 ボイラ用鋼材 steel for boilers
ボイラ及び圧力容器用として高温強度及び溶接性を重視して製
造された鋼材。
通常,ボイラ及び圧力容器の主要部分に使用される。
3204 圧力容器用鋼材 steels for pressure
圧力容器及び高圧設備用として,強度,溶接性及び主として常
温でのじん(靭)性を重視して製造された鋼材。 vessels
通常,圧力容器の主要部分に使用される。
3205 低温用鋼材 steels for low
低温下で使用される容器設備及び構造用として,低温じん性及
び溶接性を重視して製造された鋼材。 temperature
service
使用温度によって炭素鋼,低合金鋼,2.5 %Ni鋼,3.5 %Ni鋼,
9 %Ni鋼,オーステナイト系ステンレス鋼などがある。

――――― [JIS G 0203 pdf 15] ―――――

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JIS G 0203:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 0203:2009の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISR6010:2000
研磨布紙用研磨材の粒度