JIS G 0203:2009 鉄鋼用語(製品及び品質) | ページ 6

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
4118 引抜加工性 drawability
線,棒及び管を,ダイス穴を通して引抜加工するときの加工さ
れやすさ。一般に,所定の断面形状に引抜加工するときに表面割
れ,内部割れを発生することなく,また,表面の潤滑が良好でダ
イスきずなどを生じない場合に引抜加工性がよいという。
4119 へん平性 flattening property
鋼管が外面から圧縮加工された場合,きず,割れを生ずること
なくこれに耐える性質。管の端から一定長さの管状試験片を採取
し,2枚の平板間に挟んで直径方向に一定距離を圧縮し,へん平
にしたとき,試験片にきずなどの欠点が生じたかを調べる(JIS G
3445など参照)。
4120 押し広げ性 ring expanding
鋼管が内面から押し広げ加工された場合,きず,割れを生ずる
property
ことなくこれに耐える性質。管の端から一定長さの管状試験片を
採取し,一定の角度(例えば60度)の円すい形の工具で,一定
の距離をラッパ形に押し広げたとき,試験片に,きずなどの欠点
が生じたかを調べる(JIS G 3463など参照)。
4121 展開性 溶接鋼管を展開して平板に加工した後の溶接部の健全性を表 −
す性質。溶接線の反対側を管軸の方向に切断し,展開して平板に
したとき,内面溶接部にきずなどの欠点が生じたかどうかを調べ
る(JIS G 3463など参照)。
4122 縦圧性 toughness for hot
熱間圧延で製造したリベット用丸鋼について,その軸部のじん
headed rivet bar
性を縦圧試験で評価するもの。試験片を約950 ℃に加熱し,直ち
に縦方向に長さの1/3まで圧縮した後に,外側の面にき裂の有無
を調べて評価する(JIS G 3104参照)。
4123 被削性 切削加工するときの削りやすさ。 machinability
切削抵抗,使用工具の寿命,切削仕上げ面の性状,切削くずの
形状,処理の容易さなどの特性で表される。
4124 生引性 drawability of as
あらかじめ熱処理を施すことなく,圧延のまま線材を引抜加工
(なまびきせい) するときの引抜加工性又は伸線性。 rolled wire rods
〔伸線性〕 一般に,
原断面積 伸線後の断面積
100
原断面積
の大小などで表される。
伸線するときの伸線されやすさ,線の引抜加工性を伸線性とい
う。
4125 冷間圧造性 冷間圧造するときの加工されやすさ。 cold headability
〔冷圧性〕 一般に定められた形状に冷間加工するとき,応力割れのない,
表面形状のよいものなどは冷圧性がよいという。
4126 耐食性 ある環境における腐食作用に耐える性能。 corrosion resistance
4127 耐候性 低合金鋼などが自然環境の大気中での腐食に耐える性質。 weathering resistance
塗装鋼板及び塩化ビニル被覆鋼板では樹脂の劣化に耐える性
質も含む。
4128 耐海水性 海水と接触する環境における腐食作用に耐える性質。 corrosion resistance
in sea water
4129 耐酸性 酸による腐食作用に耐える性質。 acid resistance
4130 耐酸化性 高温で酸化に耐える性質。 oxidation resistance
4131 耐熱性 heat resistance
高温において耐酸化性に優れ,又は高温強度に優れている性
質。
4132 耐クリープ性 creep resistance
高温において一定の応力のもとでひずみが時間とともに増加
する現象を高温クリープといい,これに耐える性質。
4133 耐摩耗性 wear resistance
相対運動する金属面の機械的引っかき,金属的粘着などが総合
abrasion resistance
されてその面が損耗する現象を摩耗といい,これに耐える性質。

――――― [JIS G 0203 pdf 26] ―――――

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
4134 疲れ強さ 反復する応力によって生じる破壊に耐える性質。 fatigue strength
4135 熱疲れ thermal fatigue
温度変化に起因して発生する熱応力の繰返しによって生ずる
破壊を熱疲れといい,これに耐える性質。 strength
4136 焼入性 hardenability
鋼材を焼入硬化させた場合の焼きの入りやすさ,すなわち焼き
の入る深さと硬さの分布を支配する性能。
焼入性は通常,焼きの入る深さの大小で比較するが,それには
焼入性試験方法(一端焼入方法)を用いるのが便利である(JIS G
0561参照)。ほかにもシェファードP−F試験,SAC焼入性試験
などがある。
4137 標準調質 冷間圧延鋼板及び鋼帯の調質区分の一つで焼なまし後,形状, −
表面仕上げ,機械的性質及び加工性を用途に応じて適切なものと
するため軽度の冷間圧延を行って得られるもの。
4138 硬質 full hard
冷間圧延鋼板及び鋼帯の調質区分で,焼なまし後,冷間圧延(調
質圧延ということもある)によって硬さ調整を行ったもの。又は,
調質圧延で硬さを高める代わりに,化学成分の調整によって,硬
さを確保するものもある。
硬さ,引張強さなどの区分によって1/8硬質,1/4硬質(quarter
hard),1/2硬質(half hard)及び硬質(full hard)がある。
4139 浸出性能 水道用配管などから管内の水へ物質が溶け出し,水がにおった −
り,水に汚れが生じたり,有害物質が含まれたりすることを基準
値内に抑える目的で規定する性能(JIS G 3448及びJIS S 3200-7
参照)。
4140 厚さ方向特性 through-thickness
鋼材の板厚方向の変形特性。通常,鋼板,平鋼などの厚さ方向
の引張試験による絞り値を規定する(JIS G 3199参照)。 characteristics
4141 磁気特性 magnetic properties
磁性材料が磁化された場合にその材料が示す磁気的な諸特性。
一般的には鉄損,磁束密度,透磁率,保磁力,残留磁束密度な
どがあげられる。
4142 曲げ戻し性 rebending properties
曲げ加工を行った棒鋼の時効特性を評価するもの。所定の角度
after ageing
に曲げ加工を行った試験片を加熱し人工的に時効させた後に,試
験片を所定の角度まで曲げ戻して,その表面にき裂の有無を調べ
て評価する(JIS G 3112参照)。

4.4.2 表面処理・表面仕上げ

 番号        用語                                定義                          対応英語(参考)
4201 スパングル spangle
溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯の表面に現れる亜鉛の結晶模様。
スパングルは,溶融亜鉛が凝固する過程で発生し,その大きさに
よってレギュラスパングル(通常の凝固過程において生成するも
の)とミニマイズドスパングル(結晶模様を極力微細化したもの)
とがある(JIS G 3302参照)。
4202 合金化めっき zinc-iron alloy
溶融亜鉛めっき後に加熱することによって,亜鉛めっき層が亜
鉛と鉄との合金層となるように処理して得られるめっき(JIS Gcoating
3302参照)。
4203 スキンパス処理 skin pass
鋼板及び鋼帯の外観,形状,機械的性質などの向上を目的とし
て行う,軽圧下による冷間圧延処理。めっき鋼板及び鋼帯では,
スキンパス処理は表面を滑らかにするために行うとしている
(JIS G 3302参照)。
4204 化成処理 chemical conversion
化学薬液を用いて金属表面に酸化膜又は無機塩の薄い皮膜を
化学的に作り,金属の防さび皮膜,塗装下地などを作る処理。
化成処理には,薬液の種類に応じてクロム酸処理(クロメート
処理),りん酸塩処理,クロメートフリー処理などがある。

――――― [JIS G 0203 pdf 27] ―――――

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
4205 クロメート処理 chromate treatment
クロム酸又は二クロム酸を主成分とする溶液(薬液)を用い,
金属表面に化学的に防食皮膜を作成する化成処理。主に,亜鉛め
っきの後処理として行われるもので,この処理によって耐白さび
(錆)性は著しく向上する。化成処理方法には,浸せき法,電解
法及び塗布法がある。
4206 りん酸塩処理 phosphating
金属の表面に,水不溶性りん酸塩皮膜を生成させる化成処理。
主に,塗装下地用として用いる。
4207 クロメートフリー 六価クロムを含まない化成処理。 chromate free
処理 treatment
4208 塗装焼付硬化 bake hardening
鋼板にひずみを与えた後,塗装の焼付けを行う温度で熱処理を
行ったとき,降伏点又は耐力が上昇すること(JIS G 3135参照)。
4209 塗油 鋼材に防せい(錆)を目的として油を塗ること。 oiling
4210 相当めっき厚さ equivalent coating
めっきの付着量表示記号に対して得られる代表的なめっき付
着量の厚さ。 thickness
4211 めっき量定数 coating mass constant
めっきの付着量表示記号に対して得られる代表的なめっき付
着量。
4212 差厚めっき differential coating
公称のめっきの付着量が鋼板及び鋼帯の表裏面で異なるめっ
き。
4213 粗面仕上げ stone finish
一定方向のと(砥)石目が見られることを特徴とするぶりき原
〔ぶりき〕 板にすずめっきを施し溶融処理操作を行って得られる光沢のあ
るもの(JIS G 3303参照)。
4214 シルバー仕上げ silver finish
粗いダル状表面をもつぶりき原板にすずめっきを施し溶融処
〔ぶりき〕 理操作を行って得られる光沢のあるもの(JIS G 3303参照)。
4215 マット仕上げ matte finish
通常ダル状表面をもつぶりき原板にすずめっきを施し溶融処
〔ぶりき〕 理操作を行わないつや消しのもの(JIS G 3303参照)。
4216 ショットブラスト shot blasted surface
鋼材の表面状態を示し,高速でショットを投射し,表面のミル
仕上げ スケール,さびなどを除去したもの。
4217 酸洗仕上げ pickled surface
鋼材の表面状態を示し,硫酸,塩酸又はその他の酸溶液に浸せ
きして,表面のスケール,さびなどを除去したもの。
4218 ダル仕上げ dull finish
冷間圧延鋼板及び鋼帯の表面状態を示し,冷間圧延ロールのは
だを一様に粗くし,鋼板の表面をなし(梨)地状の光沢のない状
態に仕上げたもの。なし(梨)地仕上げ又はつや消し仕上げとも
いう。
4219 ブライト仕上げ bright finish
冷間圧延鋼板及び鋼帯の表面状態を示し,研磨した冷間圧延ロ
ールで圧延し,鋼板の表面を平滑で光沢のある状態に仕上げたも
の。
4220 NO.1仕上げ No.1 finish
熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯の表面仕上げ状態を示し,熱
間圧延後,熱処理,酸洗又はこれに準ずる処理を行って仕上げた
もの。
4221 NO.2D仕上げ No.2D finish
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯の表面仕上げ状態を示し,冷
間圧延後,熱処理,酸洗又はこれに準ずる処理を行って仕上げた
もの。また,つや消しロールによって最後に軽く冷間圧延したも
のもこれに含める。
4222 NO.2B仕上げ No.2B finish
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯の表面仕上げ状態を示し,冷
間圧延後熱処理,酸洗又はこれに準ずる処理を行った後,適切な
光沢を得る程度に冷間圧延して仕上げたもの。
4223 NO.3仕上げ No.3 finish
熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯,並びに冷間圧延ステンレス
鋼板及び鋼帯の表面仕上げ状態を示し,JIS R 6010の規定による
P100P120番に研磨して仕上げたもの。

――――― [JIS G 0203 pdf 28] ―――――

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
4224 NO.4仕上げ No.4 finish
熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯,並びに冷間圧延ステンレス
鋼板及び鋼帯の表面仕上げ状態を示し,JIS R 6010の規定による
P150P180番に研磨して仕上げたもの。
4225 BA仕上げ bright annealed finish
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯の表面仕上げ状態を示し,冷
間圧延後,光輝熱処理を行って仕上げたもの。
4226 HL仕上げ hair line finish
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯の表面仕上げ状態を示し,適
切な粒度の研磨材を用いて連続した磨き目をつけるように研磨
して仕上げたもの。
4227 鋳はだ(肌) 鋳放し状態の表面。 casting surface
黒皮ともいう。

4.4.3 形状・寸法

 番号        用語                                定義                          対応英語(参考)
4301 標準寸法 preferred size
使用実績,標準数列などを考慮してある程度集約化した鋼材の
寸法。
製品規格において標準寸法が示された場合,それは,通常,そ
の寸法で取引することを推奨していることを意味している。
4302 定尺 標準寸法と同義語であるが,通常標準寸法よりも更に集約化さ −
(ていじゃく) れた寸法。
なお,鋼管,棒鋼,形鋼などは長さに対してだけ用いる。
4303 公称寸法 商取引上用いられる鋼材の寸法。呼び寸法ともいう。 nominal size
4304 呼び寸法 nominal size
商取引上用いられる鋼材の寸法。単に寸法ともいう。通常,規
〔呼称寸法〕 格では“呼び”を省略し,単に厚さ,幅,外径などで表す。実際
の寸法の許容差の基準値となる。
4305 呼び名 アルファベット及び/又は数字で表した寸法の呼称(JIS Gnominal designation
〔呼び〕 3112,JIS G 3350など参照)。呼び方ともいう(JIS G 3452,JIS G
3448など参照)。
4306 表示厚さ めっき鋼板及び鋼帯における,めっき前の原板厚さ(JIS Gthickness of base
3312,JIS G 3313など参照)。 metal prior to
coating
4307 製品厚さ product thickness
めっき鋼板及び鋼帯,並びに塗装鋼板及び鋼帯における,原板
にめっき及び塗装を施した後の厚さ(JIS G 3312,JIS G 3313な
ど参照)。
4308 ミルエッジ mill edge
鋼板,鋼帯のエッジの一種で,圧延によって自然に生じたエッ
ジそのままで,切断されていないもの。
4309 カットエッジ cut edge
鋼板,鋼帯のエッジの一種で,圧延によって自然に生じたエッ
ジを切断したもの。
切断の方法によって,トリムドエッジ,スリットエッジ,シャ
ードエッジなどと区分していうことがある。
4310 反り bow,
鋼板全体がわん曲したもの。圧延方向にわん曲した反り,及び
圧延方向に直角にわん曲した反りがある。 warpage
4311 波 鋼板の圧延方向に波打ったような状態。 wave
4312 耳のび edge wave
鋼板の幅方向端部に波が現れ,中央部は平たんであるもの。
4313 中のび center buckle
鋼板の中央部に波が現れ,幅方向端部は平たんであるもの。

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
4314 平たん度 flatness
鋼材の面のわん曲又は波状ひずみ。通常,鋼材を平たんな平面
状においた場合の,基準平面からの最大偏差の程度。鋼板の場合
は,直尺又は水糸を任意の波の頂点に置いたとき,測定される最
大偏差(形鋼 : JIS G 3192,鋼板及び鋼帯 : JIS G 3193,平鋼 : JIS
G 3194参照)。
鋼板の例
1 直尺又は水糸
2 鋼板
a 波のピッチ
b 平たん度
4315 横曲がり camber
鋼板,鋼帯又は平鋼のエッジが,製品の両端を結ぶ直線又は任
意の2点を結ぶ直線からはずれる最大距離(JIS G 3193及びJIS G
3194参照)。
4316 直角度 squareness
鋼板の端部,又は形鋼,鋼管などの端面が,製品の長辺を基準
とした直角面から偏る最大値。
鋼板の端部の直角度は,通常,1隅点において,長辺に対して
垂線を立てたとき,反対の隅点との距離(A)と幅(B)との比(A/B)
で表す(JIS G 3141など参照)。
形鋼,鋼管などの端面の直角度は,通常,最大距離で表す(JIS
G 3192,JIS A 5530など参照)。
4317 真直度 鋼材の長手方向の基準直線からのずれの大きさ。 straightness
PC鋼棒では,長さ1 mに対する弧の最大高さをいう(JIS G 3137
参照)。
4318 計算質量 calculated weight
計算によって求められる鋼材の質量。基本質量,単位質量,一
つの製品の質量,総質量の順序で計算する(JIS G 3191,JIS G
3192,JIS G 3193,JIS G 3194など参照)。通常,鋼板,形鋼,棒
鋼及び平鋼の質量に用いる。
4319 質量の許容差 permissabale
計算質量と実測質量との差を計算質量で除して百分率で表し
たもの(JIS G 3192,JIS G 3194など参照)。 variation of weight

――――― [JIS G 0203 pdf 30] ―――――

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JIS G 0203:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 0203:2009の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISR6010:2000
研磨布紙用研磨材の粒度