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JIS G 0553:2019 規格概要
この規格 G0553は、鋼材1)の表面を,温間エッチング,常温エッチング又は電解エッチングによってマクロ組織を試験する方法について規定。
JISG0553 規格全文情報
- 規格番号
- JIS G0553
- 規格名称
- 鋼のマクロ組織試験方法
- 規格名称英語訳
- Steel -- Macroscopic examination by etching
- 制定年月日
- 1958年4月26日
- 最新改正日
- 2019年11月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 4969:2015(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 77.040.99, 77.080.20
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 鉄鋼 I 2021, 鉄鋼 II 2021
- 改訂:履歴
- 1958-04-26 制定日, 1961-04-26 確認日, 1964-05-01 確認日, 1968-02-01 確認日, 1971-01-01 確認日, 1974-04-01 確認日, 1977-08-01 改正日, 1983-02-01 確認日, 1983-11-01 改正日, 1988-11-01 確認日, 1994-06-01 確認日, 1996-10-20 改正日, 2001-12-20 確認日, 2008-03-20 改正日, 2012-04-20 改正日, 2017-10-20 確認日, 2019-11-20 改正
- ページ
- JIS G 0553:2019 PDF [21]
G 0553 : 2019
pdf 目 次
ページ
- 序文・・・・[1]
- 1 適用範囲・・・・[1]
- 2 引用規格・・・・[1]
- 3 用語及び定義・・・・[1]
- 4 原理・・・・[3]
- 5 試験片の採取・・・・[3]
- 6 試験片の加工・調製・・・・[4]
- 7 溶液・・・・[4]
- 8 試験・・・・[5]
- 8.1 温間エッチング及び常温エッチング・・・・[5]
- 8.2 電解エッチング・・・・[7]
- 9 試験片の保管・・・・[8]
- 10 報告・・・・[9]
- 附属書JA(規定)ISO 4969に規定された腐食液,エッチング時間及びエッチング温度・・・・[15]
- 附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[18]
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――――― [JIS G 0553 pdf 1] ―――――
G 0553 : 2019
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本鉄鋼連盟(JISF)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS G 0553:2012
は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法
等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準
調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。
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――――― [JIS G 0553 pdf 2] ―――――
日本産業規格 JIS
G 0553 : 2019
鋼のマクロ組織試験方法
Steel-Macroscopic examination by etching
序文
この規格は,2015年に第2版として発行されたISO 4969を基とし,技術的内容を変更して作成した日
本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。
1 適用範囲
この規格は,鋼材1)の表面を,温間エッチング,常温エッチング又は電解エッチングによってマクロ組
織を試験する方法について規定する。
この試験方法は,要求される目的を満たすことができるように,次のような条件を選択することによっ
て,広範囲に適用される。
− 腐食液の種類,濃度及び温度
− エッチング装置
− 試験片表面の調製条件
注記1 マクロ組織試験では,細かい空隙及び ひび を観察してそれらを識別し,更にはそれらの性
質を明らかにすることは,難しい。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 4969:2015,Steel−Etching method for macroscopic examination(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
注1) 鋼材には,鋼片を含む。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状 : 輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。ただし,次の用語及び括弧内に示す表示記号は,組
織の不均一性を表すもので,必ずしも欠点を意味するものではない。
――――― [JIS G 0553 pdf 3] ―――――
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G 0553 : 2019
なお,図1にキルド鋼鋼塊によって製造した鋼材のマクロ組織を例示する。また,図2に連続鋳造によ
って得られた鋼片から製造した鋼材のマクロ組織を例示する。
3.3及び3.6は,鋼塊から製造した鋼材に対してだけに適用し,3.16は連続鋳造によって得られた鋼片か
ら製造した鋼材に対してだけ適用する。その他は,鋼塊及び連続鋳造によって得られた鋼片から製造した
鋼材に対して適用する。
3.1
多孔質(L又はLc)
エッチングが短時間に進行して鋼材断面全体が海綿状になったもの(L),又は鋼材断面中心部だけが海
綿状になったもの(Lc)。
3.2
もめ割れ(F)
不適切な鍛造又は圧延作業によって,中心部に生じた割れ。
3.3
斑点(SP)
周囲とは異なるエッチングコントラストを呈する箇所が存在する斑点模様などの不均一な(異常な)エ
ッチングパターン。
3.4
皮下割れ(Cb,Cd又はCs)
鋼塊の鋳型表面下に発生し,通常,鋼材表面に平行な割れ(Cb)。連続鋳造によって得られた鋼片の表
層近傍の対角線部分の割れ(Cd)。さらに,チル層の直下にあるチル層に平行な割れ(Cs)。
注記 対角線部分とは,柱状晶又は樹枝状晶の成長の交わる部分をいう。
3.5
樹枝状晶(D)
凝固中に発生する樹枝状の結晶が,鋼材内部にその痕跡をとどめたもの。
3.6
インゴットパターン(I)
鋼の凝固過程における結晶状態の変化又は成分の偏りのため,輪郭状に黒色,白色などのエッチングの
濃度差が現れたもの。
3.7
中心部偏析(Sc)
鋼の凝固過程における成分の偏りのため,中心部にエッチングの濃度差が現れたもの。
3.8
等軸晶(E)
鋼材断面の外層部のチル晶・柱状晶とは異なる,特定の方向性をもたない結晶組織がエッチングによっ
て断面の中央部に現れたもの。
3.9
ピット(T又はTc)
エッチングによって,肉眼で見える大きさに点状の孔が鋼材断面全体に生じたもの(T),又は鋼材断面
中心部に生じたもの(Tc)。
――――― [JIS G 0553 pdf 4] ―――――
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G 0553 : 2019
3.10
気泡(B)
ブローホール又はピンホールが完全に圧着されず,鋼材断面に斑点状にその痕跡をとどめたもの。
3.11
介在物(N)
肉眼で認められる非金属介在物。マクロ組織を現出させる腐食液によって,介在物が溶解し,気泡とな
る場合がある。鋼材の表面又は表面直下に存在するが,内部にも存在する場合がある。
3.12
パイプ(P)
鋼の凝固収縮工程で発生する収縮孔又は熱間加工時に発生した割れが完全に圧着されず,内部にその痕
跡をとどめたもの。
3.13
毛割れ(H)
通常,鋼材断面の中心部と表面との中間に現れる毛状の割れ。
3.14
周辺きず(K,Kb又はKr)
周辺気泡によるきず(Kb),圧延若しくは鍛造によるきず(Kr),又はその他鋼材の外周部に生じたきず
(K)。
3.15
内部割れ(CM)
鋼材の内部から表面方向に発生し,鋼材断面のほぼ中間に現れる割れ又は割れ模様。
3.16
ホワイトバンド(W)
連続鋳造で電磁かくはん(攪拌)を行った場合の痕跡として,通常,鋼材の中心部と表層の中間とに発
生する白色の帯状模様。
4 原理
4.1 マクロエッチングによって,金属試験片のマクロ組織及び全体的な物理的又は化学的不均一性を現
出する。
4.2 試薬が,金属表面の異なる部位を固有の速さで溶かし,観察可能なレベルの差異ができる。
試験の詳細及び特別な状況で観察された結果の解釈のための条件の詳細は,製品規格又は受渡当事者間の
協定で定める。
4.3 エッチング後にマクロ組織を観察すると,化学的な不均一(成分の偏析),物理的な不均一(割れ又
は多孔質部),例えば,硬化,脱炭及び肌焼入れによって引き起こされる意図した又は偶発的な組織上の変
化が明らかになる。
4.4 試験片の調製及び/又はエッチングの条件を変えることで感度を上げることができる。例えば,金
属のデンドライト組織を明らかにしたり,介在物又は微小な欠点を明らかにすることが可能になる。
5 試験片の採取
5.1 試験片の採取位置及び数は,製品規格,仕様書,契約書又は注文書の要求による。特に要求がない
――――― [JIS G 0553 pdf 5] ―――――
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JIS G 0553:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4969:2015(MOD)
JIS G 0553:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.040 : 金属の試験 > 77.040.99 : その他の金属試験方法
JIS G 0553:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0601:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ