JIS G 1213:2001 鉄及び鋼―マンガン定量方法

JIS G 1213:2001 規格概要

この規格 G1213は、鉄及び鋼中のマンガン定量方法について規定。

JISG1213 規格全文情報

規格番号
JIS G1213 
規格名称
鉄及び鋼―マンガン定量方法
規格名称英語訳
Iron and steel -- Methods for determination of manganese content
制定年月日
1953年3月28日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

77.080.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属分析 I 2019, 金属分析 II 2019
改訂:履歴
1953-03-28 制定日, 1956-03-20 確認日, 1958-04-26 改正日, 1961-03-29 確認日, 1963-03-01 改正日, 1966-04-01 確認日, 1969-05-01 改正日, 1972-07-01 確認日, 1975-07-01 確認日, 1978-04-01 確認日, 1981-03-01 改正日, 1986-06-01 確認日, 1992-02-01 確認日, 1997-04-20 確認日, 2001-04-20 改正日, 2006-01-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS G 1213:2001 PDF [14]
G 1213 : 2001

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS G 1213 : 1981は改正され,この規格に置き換えられる。
JIS C 1213には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化しゅう酸ナトリウム・過マンガン酸カリウム
逆滴定法
附属書2(規定) 過マンガン酸吸光光度法
附属書3(参考) JISと対応する国際規格との対比表
この規格の附属書2は,1982年に制定されたISO 629, Steel and cast iron−Determination of manganese
content−Spectrophotometric methodが対応する国際規格である。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS G 1213 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
G 1213 : 2001

鉄及び鋼−マンガン定量方法

Iron and steel−Methods for determination of manganese content

1. 適用範囲 この規格は,鉄及び鋼中のマンガン定量方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 1201 鉄及び鋼の分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部 : 精確さに関する値の実用的
な使い方
3. 一般事項 定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1201による。
4. 定量方法の区分 マンガンの定量方法は,次のいずれかによる。
a) ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化しゅう酸ナトリウム・過マンガン酸カリウム逆滴定法 この方法
は,マンガン含有率0.1% (m/m) 以上30% (m/m) 以下の試料に適用し,その定量方法は附属書1(規
定)による。
b) 過マンガン酸吸光光度法 この方法は,マンガン含有率0.01% (m/m) 以上20% (m/m) 以下の試料に適
用し,その定量方法は附属書2(規定)による。

――――― [JIS G 1213 pdf 2] ―――――

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G 1213 : 2001
附属書1(規定) ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化しゅう酸
ナトリウム・過マンガン酸カリウム逆滴定法
1. 要旨 試料を適切な酸で分解し,硝酸銀を触媒としてペルオキソ二硫酸アンモニウムでマンガンをマ
ンガン (VII) に酸化する。一定量のしゅう酸ナトリウム標準溶液を加えてマンガン (VII) をマンガン (II)
に還元した後,過剰のしゅう酸ナトリウムを過マンガン酸カリウム標準溶液で滴定する。
2. 試薬 試薬は,次による。
a) 硝酸 (1+1)
b) 過塩素酸
c) ふっ化水素酸
d) 硫酸 (1+1,1+10,1+100)
e) 王水(塩酸3,硝酸1)
f) 混酸(硫酸3,りん酸10,水17)
g) 塩化ナトリウム
h) 二硫酸カリウム
i) コバルト溶液 (0・02gCo/ml) 硝酸コバルト (II) 六水和物10gを水約70mlに溶解し,水で液量を
100mlとする。
j) ニッケル溶液 (0.02gNi/ml) 硫酸ニッケル (II) 六水和物9gを水約70mlに溶解し,水で液量を100ml
とする。
k) 硝酸銀溶液 (10g/l)
l) ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液 (200g/l) この溶液は,使用の都度,調製する。
m) 硫酸マンガン (II) 溶液 硫酸マンガン (II) 五水和物10gを水200mlに溶解し,硫酸 (1+1) 50mlを
加える。冷却した後,振り混ぜながら0.02mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液を溶液の赤紫が約1分
間消えなくなるまで滴加し,水で液量を1 000mlとする。
n) 0.05mol/lしゅう酸ナトリウム標準溶液 JIS K 8005で規定するしゅう酸ナトリウムを,JIS K 8005の
表1の乾燥条件に従って乾燥し,その6.700gをはかりとってビーカー (300ml) に移し入れ,水500ml
を加えて溶解し,硫酸 (1+1) 50mlを少量ずつ加え,常温まで冷却した後,溶液を1 000mlの全量フ
ラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この標準溶液1mlは,マンガン0.001 009gに相
当する。
o) 0.02mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液 調製及び標定方法は,JIS K 8001の4.5[滴定用溶液(7)]
による。
3. 試料はかりとり量 試料はかりとり量は,附属書1表1による。

――――― [JIS G 1213 pdf 3] ―――――

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G 1213 : 2001
附属書1表1 試料はかりとり量
マンガン含有率 試料はかりとり量
% (m/m) g
0.1以上 0.3未満 2.0
0.3以上 1.5未満 1.0
1.5以上 2 未満 0.50
2 以上 5 未満 0.25
5 以上 30 以下 0.10
4. 操作
参考 警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険があ
る。過塩素酸の蒸発処理は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で行わ
なければならない。
4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかによる。
a) 混酸と硝酸で分解容易な試料 試料をはかりとって三角フラスコ (500ml) に移し入れ,混酸30ml及
び硝酸 (1+1) 10ml加え,加熱して分解し,引き続き加熱して窒素酸化物などを除去する(1)(2)。
注(1) 遊離炭素などの残さを認めた場合には,水約50mlを加えた後,溶液をろ紙(5種B)及びろ紙
パルプを用いてろ過し,ろ紙を硫酸 (1+100) で4,5回洗浄し,ろ液及び洗液を三角フラスコ
(500ml) に集める。
(2) タングステンを含む試料の場合には,引き続き加熱して硫酸の白煙を発生させ,放冷した後,
水約50mlを加えて可溶性塩類を溶解する。
b) はかりとった試料中にクロム15mg以上を含む試料 試料をはかりとって三角フラスコ (500ml) に移
し入れ,王水30mlを加え,加熱して分解する。過塩素酸20mlを加えて引き続き加熱し,過塩素酸白
煙の発生の直前にふっ化水素酸数滴を加え,引き続き加熱してクロムを二クロム酸に酸化する。加熱
しながら塩化ナトリウム12gを数回に分けて加え,かっ色の煙の発生がなくなるまで塩化ナトリウ
ムを加える操作を繰り返す。引き続き加熱して液量を5ml以下とし,放冷した後,水約50mlを加え
て可溶性塩類を溶解し(3),混酸30mlを加える。
注(3) タングステン酸,けい酸などの沈殿を認めた場合には,溶液をろ紙(5種B)及びろ紙パルプを
用いてろ過し,ろ紙を硫酸 (1+100) で4,5回洗浄し,ろ液及び洗液を三角フラスコ (500ml) に
集める。
c) 酸で分解困難な試料 試料をはかりとってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,混酸30ml
及び硝酸 (1+1) を加え,加熱して分解し,引き続き加熱して窒素酸化物などを除去する。時計皿の
下面を少量の水で洗って時計皿を取り除き,水約50mlを加え,溶液をろ紙(5種B)でろ過し,ろ紙
を硫酸 (1+100) で4,5回,次に温水で2,3回洗浄し,ろ液及び洗液を三角フラスコ (500ml) に集
めて主液として保存する。不溶解残さをろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,ろ紙を低温で
乾燥し,さらに約800℃に加熱してろ紙を灰化した後,放冷する。二硫酸カリウム12gを加えて残
さを融解し,放冷した後,少量の温水と硫酸 (1+10) 1mlを加えて融成物を溶解する。溶液をろ紙(5
種B)でろ過し,ろ紙を温水で洗浄し,ろ液及び洗液を先に保存した主液に合わせる。

――――― [JIS G 1213 pdf 4] ―――――

4
G 1213 : 2001
4.2 マンガンの酸化 4.1のa),b)又はc)で得た溶液に硝酸銀溶液10mlを加え,熱水で約200mlに薄め
る。ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液[2.1) ]10mlを加え,加熱して煮沸する。ペルオキソ二硫酸アンモ
ニウムの分解による小さい気泡が大きい気泡に変わり,液面が静止状態になってから更に3060秒間加熱
する。
4.3 滴定 4.2で得た溶液に直ちに水約50ml及び硫酸マンガン溶液[2.m) ]1.01.5ml加え(4)(5),ビュレッ
トを用いて0.05mol/lしゅう酸ナトリウム標準溶液[2.n) ]を溶液の赤紫を消し(6),さらに2mlを過剰に加え
た後,0.05mol/lしゅう酸ナトリウム標準溶液[2.n) ]の使用量を正確に読み取る。直ちに0.02mol/l過マンガ
ン酸カリウム標準溶液[2.o) ]で過剰のしゅう酸ナトリウムを滴定し,溶液がわずかに赤紫を呈する点を終点
とし(7),0.02mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液[2.o) ]の使用量を求める。
注(4) 試料中に多量のニッケルを含む場合には,試料溶液中のニッケル量と添加したコバルト量との
比が4 : 1となるようにコバルト溶液[2.i) ]を加える。
(5) 試料中に多量のコバルトを含む場合には,試料溶液中のコバルト量と添加したニッケル量との
比が1 : 4となるようにニッケル溶液[2.j) ]を加える。
(6) 試料中にバナジウムを含む場合には,しゅう酸ナトリウム標準溶液[2.n) ]をゆっくり添加する。
(7) 試料中にバナジウムを含む場合には,赤紫色が約1分間持続する点を終点とする。
5. 空試験 試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と併行して行う。ただし,0.05mol/lしゅう酸ナト
リウム標準溶液[2.n) ]の使用量は,2.00mlとする。
6. 計算 試料中のマンガン含有率を,次の式によって算出する。
V1 F V2 .200 F V3 .0001 099
Mn 100
m
ここに, Mn : 試料中のマンガン含有率 [% (m/m) ]
F : 0.02mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液[2.o) ]のファクター
V1 : 試料溶液の滴定における0.05mol/lしゅう酸ナトリウム標準溶
液[2.n) ]の使用量 (ml)
V2 : 試料溶液の滴定における0.02mol/l過マンガン酸カリウム標準
溶液[2.o) ]の使用量 (ml)
V3 : 空試験の滴定における0.02mol/l過マンガン酸カリウム標準溶
液[2.o) ]の使用量 (ml)
m : 試料はかりとり量 (g)
7. 許容差 許容差(8)は,附属書1表2による。
附属書1表2 許容差
単位 % (m/m)
マンガン含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
0.50以上 20以下 f(n)×[0.008 4×(Mn)+
f(n)×[0.006 4×(Mn)−
0.001 9] 0.006 2]
注(8) 許容差計算式中のf (n) は,JIS Z 8402-6の表1による。nの値は,室内再現許容差の場合は同一
室内における分析回数,室間許容差の場合は分析に関与した分析室数である[n=2のとき,f (n)
=2.8である]。また, (Mn) は,許容差を求める試料中のマンガン含有率 [% (m/m) ] である。
参考 この許容差は,マンガン含有率0.71% (m/m) 以上19.9% (m/m) 以下の試料を用いて共同実験し

――――― [JIS G 1213 pdf 5] ―――――

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