JIS G 1213:2001 鉄及び鋼―マンガン定量方法 | ページ 2

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た結果から求めたものである。

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附属書2(規定) 過マンガン酸吸光光度法
序文 この附属書は,1982年に第1版として発行されたISO 629, Steel and cast iron−Determination of
manganese content−Spectrophotometric methodを基に作成した国際規格であるが,規格で規定されている試
薬が適切でなく操作が煩雑であることから,技術的内容を変更して作成している。
なお,この規格で点線の下線を施している箇所は原国際規格の内容を変更して規定した事項である。
1. 要旨 試料を適切な酸で分解し,過よう素酸ナトリウムでマンガンをマンガン (VII) に酸化して呈色
させ,光度計を用いてその吸光度を測定する。次に,呈色液に尿素及び亜硝酸ナトリウムを加えてマンガ
ン (VII) をマンガン (II) に還元して呈色を消失させた後,再び吸光度を測定する。
2. 試薬 試薬は,次による。
a) 硝酸
b) 硫酸 (1+5,1+100)
c) りん酸
d) 王水(塩酸3,硝酸1)
e) 混酸A(硝酸10,硫酸6,りん酸7,水37)
f) 混酸B(硫酸6,りん酸7,水37)
g) 鉄 できるだけ純度の高い鉄で,マンガンを含有しないか又はマンガン含有率ができるだけ低く既知
であるもの。
h) 過よう素酸ナトリウム溶液 (50g/l)
i) 亜硝酸ナトリウム溶液 (100g/l)
j) 尿素溶液 (100g/l)
k) 標準マンガン溶液A (2mgMn/ml) マンガン[99.9% (m/m) 以上]1.000gをはかりとってビーカー
(300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 30mlを加え,加熱して分解する。常温まで放冷した
後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500mlの全量フラスコに水を用いて移し入
れ,水で標線まで薄める。
l) 標準マンガン溶液B (100 最 一 準マンガン溶液Aを水で正確に20倍に薄める。
3. 試料はかりとり量 試料はかりとり量は,附属書2表1による。
附属書2表1 試料はかりとり量
マンガン含有率 試料はかりとり量
% (m/m) g
0.01以上 0.10未満 1.0
0.10以上 1.0 未満 0.25
1.0 以上 2.0 未満 0.10
2.0 以上 5.0 未満 0.50
5.0 以上 20 以下 0.20
4. 操作

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4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 混酸で分解容易な試料
1) 試料をはかりとってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,混酸A30mlを加え,緩やかに加
熱して分解する。加熱を続け,溶液を煮沸して窒素酸化物などを除去する。
2) 試料中のマンガン含有率に応じて附属書2表2に従って水を加える。
附属書2表2 水の添加量
マンガン含有率 水の添加量
% (m/m) ml
0.01以上 0.10未満 30
0.10以上 20 以下 80
b) クロムを多量に含む試料
1) 試料をはかりとってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,混酸B25mlを加え,緩やかに加
熱して分解する。硝酸5mlを加えて鉄などを酸化し,加熱を続け,溶液を煮沸して窒素酸化物など
を除去する。
2) 試料中のマンガン含有率に応じて附属書2表2に従って水を加える。
c) 銑鉄などの試料
1) )1)の操作を行う。
2) 放冷した後,時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿を取り除き,溶液をろ紙(5種A)を用いて
ろ過し,少量の温めた硫酸 (1+100) で洗浄する。ろ液及び洗液は,ビーカー (300ml) に集め,時
計皿で覆い,加熱して液量を約30mlに濃縮する。
3) 試料中のマンガン含有率に応じて附属書2表2に従って水を加える。
d) クロム又はタングステンを含み混酸で分解困難な試料
1) 試料をはかりとってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,硫酸 (1+5) 20ml及びりん酸5ml
を加え,緩やかに加熱し,更に王水10mlを加え,加熱して分解する。
2) 時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,加熱して硫酸の白煙を発生させた後,放冷する。
3) 時計皿で覆い,水約30mlを加え,加熱して塩類を溶解した後,試料中のマンガン含有率に応じて
附属書2表2に従って水を加える。
4.2 呈色 呈色は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 試料中のマンガン含有率が2.0% (m/m) 未満の場合
1) 4.1のa),b),c)又はd)で得た溶液に過よう素酸ナトリウム溶液10mlを加える。
2) 加熱して煮沸し,溶液が赤紫に呈色し始めてから5分間煮沸を続けた後,試料中のマンガン含有率
に応じて附属書2表3に従って水を加える。常温まで冷却した後,時計皿の下面を少量の水で洗っ
て時計皿を取り除き,尿素溶液10mlを加え,溶液を試料中のマンガン含有率に応じて附属書2表3
に示す全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
附属書2表3 水の添加量及び使用する全量フラスコ
マンガン含有率 水の添加量 使用する全量フラスコ
% (m/m) ml ml
0.01以上 0.10 未満 0 100
0.10以上 2.0 未満 約30 250
b) 試料中のマンガン含有率が2.0% (m/m) 以上の場合
1) 4.1のa),b),c)又はd)で得た溶液を常温まで冷却した後,時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿

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を取り除き,溶液を250mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
2) この溶液25mlをビーカー (300ml) に分取し,時計皿で覆い,混酸A27mlを加え,加熱してしばら
く煮沸した後,温水約60mlを加える。過よう素酸ナトリウム溶液10mlを加え,加熱して煮沸し,
溶液が赤紫に呈色しはじめてから5分間煮沸を続けた後,水約30mlを加える。常温まで冷却した
後,時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿を取り除き,尿素溶液10mlを加え,溶液を250mlの
全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
4.3 吸光度の測定 吸光度の測定は,次の手順によって行う。
a) 4.2のa)又はb)で得た呈色液の一部を光度計の吸収セル (1cm) に取り,水を対照液として波長530nm
付近の吸光度を測定する。
b) 全量フラスコ中に残っている呈色液に亜塩酸ナトリウム溶液14滴を加え(1),緩やかに振り混ぜて溶
液の赤紫を消した後,その一部を光度計の吸収セル (1cm) に取り,水を対照液として波長530nm付
近の吸光度を測定する。
注(1) 亜硝酸ナトリウム溶液は,1滴ずつ添加し,添加量を最少限にとどめる。亜硝酸ナトリウム溶液
14滴の添加による液量の増加は無視する。
c) )で得た吸光度からb)で得た吸光度を差し引く。
5. 空試験 試料の代わりに試料と同量の鉄[2.g) ]をはかりとり,4.14.3の手順に従って試料と同じ操作
を試料と併行して行う。
6. 検量線の作成 検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 試料中のマンガン含有率が2.0% (m/m) 未満の場合
1) 附属書2表1のマンガン含有率の範囲ごとに6個のビーカー (300ml) を準備し,それぞれに附属書
2表1に従ってはかりとった鉄[2.g) ]を移し入れ,時計皿で覆い,混酸A30mlを加え,緩やかに加熱
して分解した後,煮沸して窒素酸化物などを除去する。
2) 1)で得た溶液のそれぞれに,マンガン含有率の範囲ごとに,附属書2表4に従って標準マンガン溶
液を段階的に正確に加え,さらに附属書2表4に従って水を段階的に加える。
3) 過よう素酸ナトリウム溶液10mlを加えた後,4.2a)2)及び4.3の手順に従って試料と同じ操作を試料
と併行して行い,得た吸光度と標準マンガン溶液として加えたマンガン量との関係線を作成し,そ
の関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
附属書2表4 検量線溶液の調製
マンガン含有率 使用する標準マンガン 標準マンガン溶液添加量 水添加量
% (m/m) 溶液の種類 ml ml
0.01以上 0.10 未満 B[2.1) ] 0,2,4,6,8,10 30,28,26,24,20,18
0.10以上 2.0 未満 B[2.1) ] 0,5,10,15,20,25 80,75,70,65,60,55
2.0 以上 20 以下 A[2.k) ] 0,4,8,12,16,20 それぞれ約80
b) 試料中のマンガン含有率が2.0% (m/m) 以上の場合
1) )の1)及び2)の手順に従って操作する。
2) 常温まで冷却した後,時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿を取り除き,溶液を250mlの全量フ
ラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
3) 4.2b)2)及び4.3の手順に従って試料と同じ操作を試料と併行して行い,得た吸光度と標準マンガン

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溶液として加えたマンガン量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検
量線とする。
7. 計算 4.3及び5.で得た吸光度と6.で作成した検量線とからマンガン量を求め,試料中のマンガン含有
率を次のいずれかの式によって算出する。
a) 試料中のマンガン含有率が2.0% (m/m) 未満の場合
A1 A2 A3
Mn
m
ここに, Mn : 試料中のマンガン含有率 [% (m/m) ]
A1 : 試料溶液中のマンガン検出量 (g)
A2 : 空試験液中のマンガン検出量 (g)
A3 : 5.ではかりとった鉄[2.g) ]中に含まれるマンガンの量 (g)
m : 試料はかりとり量 (g)
b) 試料中のマンガン含有率が2.0% (m/m) 以上の場合
25
A1 A2 A3
250
Mn 100
25
m
250
ここに, Mn : 試料中のマンガン含有率 [% (m/m) ]
A1 : 分取した試料溶液中のマンガン検出量 (g)
A2 : 分取した空試験液中のマンガン検出量 (g)
A3 : 5.ではかりとった鉄[2.g) ]中に含まれるマンガンの量 (g)
m : 試料はかりとり量 (g)
8. 許容差 許容差(2)は,附属書2表5による。
附属書2表5 許容差
単位 % (m/m)
マンガン含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
0.01以上 2.0未満 f(n)×[0.013 9×(Mn)+
f(n)×[0.004 4×(Mn)+
0.002 5] 0.000 2]
2.0 以上 20 以下 f(n)×[0.006 9×(Mn)+
f(n)×[0.003 2×(Mn)+
0.004 1] 0.003 4]
注(2) 許容差計算式中のf (n) の値は,JIS Z 8402-6の表1による。nの値は,室内再現許容差の場合は
同一室内における分析回数[n=2のとき,f (n) =2.8である],室間再現許容差の場合は分析に
関与した分析室数である。また, (Mn) は,許容差を求める試料中のマンガン含有率 [% (m/m) ]
である。
参考 この許容差は,マンガン含有率0.022% (m/m) 以上19.9% (m/m) 以下の試料を用いて共同実験
した結果から求めたものである。

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