11
G 1218-1994
を加える。水酸化ナトリウム溶液 (200g/l) を水酸化鉄の沈殿が生じるまで加えた後,硫酸 (1+5) を
滴加して水酸化鉄の沈殿を溶解する。以下,4.1(3)(b)(9),4.2(3),4.3及び4.4の手順に従って試料と同
じ操作を試料と併行して行い,得た吸光度と呈色溶液中の標準モリブデン溶液として加えたモリブデ
ン量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
注(9) ただし,全量フラスコの体積は,200mlのものを使用する。
7. 計算 4.4及び5.で得た吸光度と6.で作成した検量線とからモリブデン量を求め,試料中のモリブデン
含有率 [Mo% (m/m) ] を,次の式によって算出する。
m1 m0
M0 %(m/ m)= 100 m2
m B/ A
ここに, m1 : 分取した試料溶液中のモリブデン検出量 (g)
m0 : 分取した空試験液中のモリブデン検出量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
B : 4.2の(1),(2),(3)又は(4)で分取した試料溶液及び空試験液
の分取量 (ml)
A : 4.1の(1)(c),(2)(b),(3)(b)又は(4)(c)で用いた全量フラスコの
体積 (ml)
m2 : 空試験で用いた鉄[2.(8) ]中のモリブデン含有率 [% (m/m) ]
8. 許容差 許容差(10)は,附属書2表4による。
附属書2表4 許容差(10)
単位% (m/m)
モリブデン含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
0.02以上 9.0未満 D[0.003 9× (Mo) 十0.004 6] D[0.004 9× (Mo) 十0.007 6]
注(10) 許容差計算式中のDは,D (n, 0.95) を意味し,その値は,JIS Z 8402の表4によ
る。nの値は,室内再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再
現許容差の場合は分析に関与した分析室数である。
また, (Mo) は,許容差を求めるモリブデン含有率 [% (m/m) ] である。
参考 この許容差は,モリブデン含有率0.18% (m/m) 以上8.9% (m/m) 以下の試料を用い,共同実験
した結果から求めたものである。
――――― [JIS G 1218 pdf 11] ―――――
12
G 1218-1994
附属書3 チオシアン酸塩抽出吸光光度法
1. 要旨 試料を過塩素酸で分解し,過塩素酸の白煙を発生させた後,硫酸,チオシアン酸ナトリウム及
び塩化すず(II)を加え,生成するモリブデンのチオシアン酸錯体を酢酸ブチルに抽出し,光度計を用いて,
その吸光度を測定する。
2. 試薬 試薬は,次による。
(1) 過塩素酸
(2) 硫酸 (1+1)
(3) 水酸化ナトリウム溶液 (500g/l)
(4) 鉄 できるだけ純度の高い鉄で,モリブデンを含有しないか,又はモリブデン含有率ができるだけ低
く,既知であるもの。
(5) 過酸化水素
(6) チオシアン酸ナトリウム溶液 (100g/l)
(7) 塩化すず(II)溶液 塩化すず(II)二水和物360gを塩酸 (1+4) 500mlに加熱して溶解し,室温まで冷却し
た後,水で液量を1 000mlとする。この溶液は,約2gの粒状すずを加えて褐色瓶中に保存する。
(8) 酒石酸溶液 (500g/ml)
(9) 酢酸ブチル
(10) 標準モリブデン溶液 (5 最 一 リブデン酸六アンモニウム四水和物 [(NH4) 6Mo7O24・4H2O]
0.920gをはかり採り,温水に溶解した後,常温まで冷却し,溶液を1 000mlの全量フラスコに水を用
いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (0.5mgMo/ml) とする。原液のモリブデン濃度は,ベンゾイ
ン- 愀 オキシム沈殿分離酸化モリブデン(VI)重量法によって求め,必要があれば,ファクターを計算し
て補正する。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正しく100倍に薄めて標準モリブデン溶液とす
る。
(11) 標準タングステン溶液 (10mgW/ml) タングステン酸ナトリウム二水和物 (Na2WO4・2H2O) 1.794gを
はかり採り,温水に溶解した後,常温まで冷却し,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入
れ,水で標線まで薄める。
3. 試料はかり採り量 試料はかり採り量は,0.25gとする。
4. 操作
参考 警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険があ
る。
4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかによる。
(1) クロム,タングステン及びニオブを含まない試料
(a) 試料をはかり採ってビーカー (200ml) に移し入れる。
(b) 時計皿で覆い,過塩素酸10mlを加え,加熱して分解し,引き続き加熱濃縮して過塩素酸の濃厚な
白煙を1分間発生させる。
――――― [JIS G 1218 pdf 12] ―――――
13
G 1218-1994
(c) 室温まで放冷した後,少量の水で塩類を溶解する。時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,
溶液を分液漏斗 (100ml) に水を用いて移し入れ,水を加えて液量を約30mlとする。
(2) クロム含有率が2% (m/m) 以上の試料 試料をはかり採ってビーカー (200ml) に移し入れ,(1)(b)の
操作を行う。室温まで放冷した後,水約15mlを加えて塩類を溶解し,過酸化水素を滴加して二クロ
ム酸を還元する。時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を分液漏斗 (100ml) に水を用い
て移し入れ,水で液量を約30mlとする。
(3) タングステン又はニオブを含む試料
(a) 試料をはかり採ってビーカー (200ml) に移し入れ,(1)(b)の操作を行う。
(b) 室温まで放冷した後,水約15mlを加えて塩類を溶解し,加熱して煮沸する。この熱い溶液に酒石
酸溶液10mlを加え,水酸化ナトリウム溶液を加えてわずかにアルカリ性として析出物を溶解する。
過塩素酸を滴加して中和した後,更に10ml過剰に加える。室温まで冷却した後,時計皿の下面を
水で洗って時計皿を取り除き,分液漏斗 (200ml) に水を用いて移し入れ,水を加えて液量を約80ml
とする。
4.2 呈色及び抽出 4.1の(1)(c),(2)又は(3)(b)で得た溶液に硫酸 (1+1) 5mlを加えて振り混ぜる。常温ま
で冷却した後,チオシアン酸ナトリウム溶液10mlを加えて振り混ぜ,流水で十分に冷却しながら塩化す
ず(II)溶液[2.(7) ]10mlを正確に徐々に加え,約2分間振り混ぜた後,酢酸ブチルを正確に20m1加え,1分
間激しく振り混ぜる。静置して二層に分離した後,下層の水相を捨てる。さらに,塩化すず(II)溶液[2.(7) ]5ml
を正確に加え,流水で冷却した後,1分間振り混ぜる。静置して二層に分離した後,下層の水相を捨てる。
4.3 吸光度の測定 吸光度の測定は,次のいずれかによる。
(1) タングステンを含まない試料 4.2で得た有機相を乾いたろ紙(5種A)を用いてろ過し,最初のろ液
を捨て,次のろ液を光度計の吸収セル (10mm) に取り,酢酸ブチルを対照液として波長470nm付近に
おける吸光度を測定する。
(2) タングステンを含む試料
(a) (1)の操作を行う。
(b) 7個のビーカー (200ml) を準備し,それぞれに,鉄[2.(4) ]0.250gをはかり採って移し入れ,標準タ
ングステン溶液[2.(11) ]を正確に,0,0.5,1,2,3,4,5ml(タングステンとして050mg)を加え,
時計皿で覆う。過塩素酸10mlを加え,加熱して鉄を分解する。引き続き加熱濃縮して過塩素酸の
濃厚な白煙を発生させる。以下,4.1(3)(b),4.2及び(1)の手順に従って試料と同じ操作を試料と併行
して行い,得た吸光度とタングステンの量との関係線を作成し,この関係線を原点を通るように平
行移動してタングステンの補正線とする。
(c) 試料中のタングステン含有率をあらかじめ定量しておき,はかり採った試料中のタングステンの量
に相当する吸光度を(b)で作成したタングステンの補正線から求める。
(d) (a)で得た吸光度から(c)で得た吸光度を差し引く。
5. 空試験 試料の代わりに鉄[2.(4) ]0.250gをはかり採り,試料と同じ操作を試料と併行して行う。
――――― [JIS G 1218 pdf 13] ―――――
14
G 1218-1994
6. 検量線の作成 7個のビーカー (200ml) を準備し,それぞれに,鉄[2.(4) ]0.250gをはかり採って移し
入れ,標準モリブデン溶液[2.(10) ]を正確に,0,1,2,4,6,8,10ml(モリブデンとして050 柿 加え
る。時計皿で覆い,過塩素酸10mlを加えて加熱して分解し,引き続き加熱して濃縮し,過塩素酸の濃厚
な白煙を1分間発生させる。以下,4.1(1)(c),4.2及び4.3(1)の手順に従って試料と同じ操作を試料と併行
して行い,得た吸光度と呈色溶液中の標準モリブデン溶液として加えたモリブデンの量との関係線を作成
し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線(1)とする。
注(1) 試料溶液の吸光度測定時と検量線作成の吸光度測定時との温度差が±3℃を超える場合には,検
量線を作成し直す必要がある。
7. 計算 4.3の(1)又は(2)(d)及び5.で得た吸光度と6.で作成した検量線とからモリブデン量を求め,試料
中のモリブデン含有率 [Mo% (m/m) ] を,次の式によって算出する。
m1 (m0 m)2
M0 %(m/ m)= 100
m
ここに, m1 : 試料溶液中のモリブデン検出量 (g)
m0 : 空試験液中のモリブデン検出量 (g)
m2 : 鉄[2.(4) ]0.250g中に含まれるモリブデン量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
8. 許容差 許容差(2)は,附属書3表1による。
附属書3表1 許容差(2)
単位% (m/m)
モリブデン含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
0.001以上 0.020以下 D [0.015 5× (Mo) +0.000 5]
D [0.009 3× (Mo) +0.000 1]
注(2) 許容差計算式中のDは,D (n, 0.95) を意味し,その値は,JIS Z 8402の表4によ
る。nの値は,室内再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再
現許容差の場合は分析に関与した分析室数である。
また, (Mo) は,許容差を求めるモリブデン含有率 [% (m/m) ] である。
参考 この許容差は,モリブデン含有率0.001% (m/m) 以上0.02% (m/m) 以下の試料を用い,共同実
験した結果から求めたものである。
――――― [JIS G 1218 pdf 14] ―――――
15
G 1218-1994
原案作成委員会 構成表
(1) 社団法人日本鉄鋼協会標準化委員会JE4分科会
社団法人日本鉄鋼協会標準化委員会JE4分科会
氏名 所属
(主査) 佐 伯 正 夫 新日本製鐵株式会社
(委員) 大 磯 義 和 工業技術院標準部
大 野 義 信 新日本製鐵株式会社
土 屋 武 久 新日本製鐵株式会社
船 曳 佳 弘 日本鋼管株式会社
磯 部 健 日本鋼管株式会社
岡 野 輝 雄 川崎製鉄株式会社(編集WG兼務)
滝 沢 佳 郎 川鉄テクノリサーチ株式会社
蔵 保 浩 文 住友金属工業株式会社
山 下 良 一 住友金属工業株式会社
金 子 晃 司 株式会社神戸製鋼所
河 村 恒 夫 株式会社コベルコ科研
伊 藤 清 孝 大同特殊鋼株式会社
藤 田 昇 平 日新製鋼株式会社
余 語 英 俊 愛知製鋼株式会社
永 井 宣太郎 日本冶金工業株式会社
(編集WG) 稲 本 勇 新日本製鐵株式会社
吉 川 裕 泰 日本鋼管株式会社
(幹事) 小 野 昭 紘 新日本製鐵株式会社(編集WG兼務)
柿 田 和 俊 社団法人日本鉄鋼協会(編集WG兼務)
大 槻 孝 社団法人日本鉄鋼協会(編集WG兼務)
(2) 社団法人日本鉄鋼協会鉄鋼JIS三者委員会鉄鋼分析JIS三者小委員会
社団法人日本鉄鋼協会鉄鋼JIS三者委員会鉄鋼分析JIS三者小委員会
氏名 所属
(委員長) 大河内 春 乃 科学技術庁金属材料技術研究所
(委員) 青 柳 挂 一 通商産業省基礎産業局
服 部 幹 雄 工業技術院標準部
加 山 英 男 財団法人日本規格協会
藤 貫 正 社団法人日本分析化学会
広 川 吉之助 東北大学金属材料研究所
永 山 宏 日立マテリアルエンジニアリング株式会社
束 原 巌 古河電気工業株式会社
橋 本 勝 株式会社日産アーク
岩 田 英 夫 日本鋼管株式会社
岡 野 輝 雄 川崎製鉄株式会社
蔵 保 浩 文 住友金属工業株式会社
河 村 恒 夫 株式会社コベルコ科研
成 田 正 尚 大同特殊鋼株式会社
藤 田 昇 平 日新製鋼株式会社
(幹事) 佐 伯 正 夫 新日本製鐵株式会社
(事務局) 柿 田 和 俊 社団法人日本鉄鋼協会
大 槻 孝 社団法人日本鉄鋼協会
――――― [JIS G 1218 pdf 15] ―――――
次のページ PDF 16
JIS G 1218:1994の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 1218:1994の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG1201:2014
- 鉄及び鋼―分析方法通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISZ8402:1991
- 分析・試験の許容差通則