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A2 : 5.7 a)によってはかりとった銅(5.2.10)中のジルコニウム量(g)
ただし,銅(5.2.10)中のジルコニウム含有率(質量分率)が
0.001 %未満であることが保証されている場合は,ジルコニウ
ム量を0とする。
m : 試料はかりとり量(g)
6 ICP発光分光分析法
6.1 要旨
ICP発光分光分析法の要旨は,次による。
a) 耐ふっ化水素酸試料導入系をもたないICP発光分光分析装置を使用する場合 試料に塩酸と硝酸との
混酸及びふっ化水素酸を加えて分解した後,硫酸を加え,硫酸白煙を発生させる。溶液をICP発光分
光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。
b) 耐ふっ化水素酸試料導入系をもつICP発光分光分析装置を使用する場合 試料に塩酸と硝酸との混酸
及びふっ化水素酸を加えて分解した後,溶液を耐ふっ化水素酸試料導入系をもつICP発光分光分析装
置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。
6.2 試薬
6.2.1 混酸(塩酸2,硝酸1,水2) 使用の都度,調製する。
6.2.2 塩酸(1+1)
6.2.3 硫酸(1+1)
6.2.4 ふっ化水素酸
6.2.5 銅 5.2.10による。
6.2.6 ジルコニウム標準液(Zr : 100 μg/mL) 5.2.12による。
6.3 装置
装置は,次のいずれかを用いる。
− 耐ふっ化水素酸試料導入系をもたないICP発光分光分析装置
− 耐ふっ化水素酸試料導入系をもつICP発光分光分析装置
6.4 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,0.50 gとする。
6.5 操作
6.5.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順による。
a) 耐ふっ化水素酸試料導入系をもたないICP発光分光分析装置を用いる場合 耐ふっ化水素酸試料導入
系をもたないICP発光分光分析装置を用いる場合の手順は,次による。
1) 試料をはかりとって,ふっ素樹脂製ビーカー(200 mL)に移し入れる。
2) 混酸(6.2.1)30 mL及びふっ化水素酸2 mLを加え,ふっ素樹脂製時計皿で覆い,穏やかに加熱して
分解する。室温まで放冷した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を少量の水で洗って時計皿を取
り除く。
3) 硫酸(1+1)10 mLを加え,加熱して硫酸の白煙を発生させる。硫酸の減少を避けるため,硫酸の
白煙が発生し始めたときに直ちに加熱を中止する。約5分間放冷した後,少量の水を用いてビーカ
ーの内壁を洗浄し,再び硫酸の白煙が発生するまで,加熱する。
4) 室温まで放冷した後,少量の水を加える。さらに,塩酸(1+1)30 mLを加え加熱して塩類を溶解
――――― [JIS H 1074 pdf 6] ―――――
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する。
5) 常温まで放冷した後,100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
b) 耐ふっ化水素酸試料導入系をもつICP発光分光分析装置を用いる場合 耐ふっ化水素酸試料導入系を
もつICP発光分光分析装置を用いる場合の手順は,次による。
1) 試料をはかりとって,ふっ素樹脂製ビーカー(200 mL)に移し入れる。
2) 混酸(6.2.1)30 mL及びふっ化水素酸2 mLを加え,ふっ素樹脂製時計皿で覆い,穏やかに加熱して
分解する。常温まで放冷した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を少量の水で洗って時計皿を取
り除く。
3) 溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめ,直ちに溶液を乾いた
共栓付きの樹脂製瓶に移し入れる。また,JIS K 0050の附属書Iによって校正を行った樹脂製全量
フラスコを使用してもよい。浸食による分析値への影響がない場合は,ほかの材質の全量フラスコ
も使用してもよい。
6.5.2 発光強度の測定
6.5.1で得た溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長343.823 nm,
339.198 nm又は349.621 nmのうち,いずれかの発光強度を測定する。
高次のスペクトル線が使用可能な装置では,そのスペクトル線を用いてもよく,バックグラウンド補正
機構をもつ装置では,その補正機構を用いてもよい。
6.6 空試験
6.7の検量線の作成において得られるジルコニウム標準液(6.2.6)を添加しない溶液の発光強度を,空試
験の発光強度とする。
6.7 検量線の作成
検量線の作成は,次の手順によって行う。
a) 耐ふっ化水素酸試料導入系をもたないICP発光分光分析装置を用いる場合 耐ふっ化水素酸試料導入
系をもたないICP発光分光分析装置を用いる場合の手順は,次による。
1) 数個のふっ素樹脂製ビーカー(200 mL)を準備し,それぞれに銅(6.2.5)0.50 gをはかりとって移
し入れる。
2) 6.5.1 a) 2)の操作をした後,ジルコニウム量として02 000 μgの範囲で段階的となるよう,それぞ
れのビーカーにジルコニウム標準液(6.2.6)を加える。
3) 6.5.1 a) 3) 及び6.5.1 a) 4)の操作をした後,常温まで放冷し,溶液を100 mLの全量フラスコに水を
用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
4) 溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長343.823 nm,339.198 nm
又は349.621 nmのうち,いずれかの発光強度を測定し,得た発光強度とジルコニウム量との関係線
を作成し,検量線とする。高次のスペクトル線が使用可能な装置では,そのスペクトル線を用いて
もよく,バックグラウンド補正機構をもつ装置では,その補正機構を用いてもよい。
b) 耐ふっ化水素酸試料導入系をもつICP発光分光分析装置を用いる場合 耐ふっ化水素酸試料導入系を
もつICP発光分光分析装置を用いる場合の手順は,次による。
1) 数個のふっ素樹脂製ビーカー(200 mL)を準備し,それぞれに銅(6.2.5)0.50 gをはかりとって移
し入れる。
2) 6.5.1 b) 2)の操作をした後,ジルコニウム量として02 000 μgの範囲で段階的となるよう,それぞ
れのビーカーにジルコニウム標準液(6.2.6)を加える。
――――― [JIS H 1074 pdf 7] ―――――
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H 1074 : 2020
3) 溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめ,直ちに溶液を乾いた
共栓付きの樹脂製瓶に移し入れる。また,JIS K 0050の附属書Iによって校正を行った樹脂製全量
フラスコを使用してもよい。浸食による分析値への影響がない場合は,ほかの材質の全量フラスコ
も使用できる。
4) 溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長343.823 nm,339.198 nm
又は349.621 nmのうち,いずれかの発光強度を測定し,得た発光強度とジルコニウム量との関係線
を作成し,検量線とする。高次のスペクトル線が使用可能な装置では,そのスペクトル線を用いて
もよく,バックグラウンド補正機構をもつ装置では,その補正機構を用いてもよい。
6.8 計算
6.5.2及び6.6で得た発光強度並びに6.7で作成した検量線によってジルコニウム量を求め,試料中のジ
ルコニウム含有率を,次の式によって算出する。
A1 ( A2 A3 )
Zr 100
m
ここに, Zr : 試料中のジルコニウム含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中のジルコニウム検出量(g)
A2 : 空試験のジルコニウム検出量(g)
A3 : 6.7 a) 1)又は6.7 b) 1)によってはかりとった銅(6.2.5)中のジ
ルコニウム量(g)
ただし,銅(6.2.5)中のジルコニウム含有率(質量分率)が
0.001 %未満であることが保証されている場合は,ジルコニウ
ム量を0とする。
m : 試料はかりとり量(g)
参考文献 JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS H 3300 銅及び銅合金の継目無管
JIS H 1074:2020の国際規格 ICS 分類一覧
JIS H 1074:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH1012:2001
- 銅及び銅合金の分析方法通則
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方