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7. 臭化物・メチルトリオクチルアンモニウムブロミド抽出原子吸光分析方法
7.1 要旨 試料を塩酸と硝酸とで分解した後,硫酸を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させて塩酸及び
硝酸を除去する。臭化水素酸を加え,メチルトリオクチルアンモニウムブロミドを含む酢酸ブチルでビス
マスの臭化物錯体を抽出し,有機相を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光
度を測定する。
7.2 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸 (1+1)
b) 硝酸 (1+1)
c) 臭化水素酸 (1+8)
d) 硫酸 (1+1)
e) 混酸(ふっ化水素酸5,硝酸1,水5)
f) ニッケル溶液 ニッケル[99.9% (m/m) 以上]0.1gをはかり取ってビーカーに移し入れ,硝酸 (1+1)
10mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,水で液量を100mlとする。
g) 硫酸ナトリウム(無水)
h) 抽出溶媒 メチルトリオクチルアンモニウムクロリド6mlに酢酸ブチルを加えて液量を40mlとする。
この溶液を分液漏斗 (100ml) に移し入れ,臭化水素酸 (1+8) 40mlを加え,約5分間激しく振り混ぜ
る。静置して2層に分離した後,水相(下層)を捨てる。再び,有機相に臭化水素酸 (1+8) 40mlを
加え,約5分間激しく振り混ぜる。静置して2層に分離した後,水相(下層)を捨て,有機相に酢酸
ブチルを加えて液量を200mlとする。この抽出溶媒は,使用の都度調製する。
i) 酢酸ブチル
j) 標準ビスマス溶液 (5 最 椀一 ‰ スマス[99.9% (m/m) 以上]0.500gをはかり取ってビーカー (200m
に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 10mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却し
た後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500mlの全量フラス
コに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (1.00mgBi/ml) とする。この原液を使用の都度,
必要量だけ水で正しく200倍に薄めて標準ビスマス溶液とする。
7.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,0.20gとし,1mgのけたまではかる。
7.4 操作
7.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
7.4.1.1 ビスマス含有率0.003% (m/m) 以上0.03% (m/m) 未満の試料の場合
a) 試料をはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れる。
b) 時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 15mlを加え,穏やかに加熱して分解する(6)。この溶液に硝酸 (1+1) 2ml
を加え(7),加熱して試料を完全に分解する(8)。
c) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄して,時計皿を取り除く。
d) 硫酸 (1+1) 20mlを加え,加熱を続けて硫酸の白煙を十分に発生させる。放冷した後,ビーカーの内
壁を水約10mlで洗浄する。加熱して塩類を溶解し,更に加熱を続けて硫酸の白煙を十分に発生させ
る。
e) 放冷した後,水50mlを加え,加熱して塩類を溶解し,室温まで冷却する。
7.4.1.2 ビスマス含有率0.03% (m/m) 以上0.1% (m/m) 以下の試料の場合
a) 試料をはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れる。
b) 時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 15mlを加え,穏やかに加熱して分解する(6)。この溶液に硝酸 (1+1) 2ml
――――― [JIS H 1364 pdf 6] ―――――
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を加え(7),加熱して試料を完全に分解する(8)。
c) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄して,時計皿を取り除く。溶液を
100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
d) 正確に溶液20mlをビーカー (200ml) に分取し,硫酸 (1+1) 20mlを加え,加熱して硫酸の白煙を十分
に発生させる。放冷した後,ビーカーの内壁を水約10mlで洗浄する。再び加熱して硫酸の白煙を十
分に発生させる。
e) 放冷した後,水50mlを加え,加熱して塩類を溶解し,室温まで冷却する。
注(6) 試料が分解しにくい場合には,ニッケル溶液 [7.2f) ] 2mlを加える。
(7) 銅含有率が高い場合には,金属銅が残ることがあるので,更に硝酸 (1+1) を加える。
(8) 不溶解物を認めた場合には,JIS P 3801に規定したろ紙(5種B)を用いてこし分け,温水で洗
浄する。未分解残さを少量の水を用いてポリ四ふっ化エチレンビーカー (100ml) に吹き戻し,
混酸20mlと硫酸 (1+1) 1mlとを加え,加熱して硫酸の白煙を発生させ,室温まで冷却した後,
主液に合わせる。
7.4.2 ビスマス錯体の抽出 ビスマス錯体の抽出は,次の手順によって行う。
a) 7.4.1.1e)又は7.4.1.2e)で得た溶液を分液漏斗 (200ml) に水を用いて移し入れ,臭化水素酸 (1+8) 5ml
を加え,水で液量を約100mlとする(9)。
b) 抽出溶媒 [7.2h) ] を正しく10ml加え,約5分間激しく振り混ぜる。静置して2相に分離した後,水相
(下層)を捨てる。
c) 有機相を乾いたろ紙又は脱脂綿を通して,試験管 (1520ml) に移し入れ,酢酸ブチルを加えて液量
を10mlの目盛に合わせ,硫酸ナトリウム(無水)約1gを加え脱水する。
注(9) あらかじめ,100mlの位置に目盛を付けておく。
7.4.3 吸光度の測定 7.4.2c)で得た溶液の一部を,酢酸ブチルを用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計
の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長223.1nmにおける吸光度を測定する。
7.5 空試験 試料を用いないで7.4.17.4.3の操作を試料と並行して行う。
7.6 検量線の作成 硫酸 (1+1) 20ml及び臭化水素酸 (1+8) 5mlを数個の分液漏斗 (100ml) に取り,標
準ビスマス溶液 [7.2j) ] 012.0ml(ビスマスとして060 柿 を段階的に加え,水でそれぞれの液量を約
100mlとする。以下,7.4.2h)7.4.3の手順に従って試料と並行して操作し,得た吸光度と加えたビスマス
量との関係線を作成し,その関係線が原点を通るように平行移動して検量線とする。
7.7 計算 計算は,次のいずれかによる。
a) 7.4.1.1の操作を行った場合 7.4.3で得た吸光度から7.5で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と
7.6で作成した検量線とからビスマス量を求め,試料中のビスマス含有率を,次の式によって算出する。
A
Bi= 100
m
ここに, Bi : 試料中のビスマス含有率 [% (m/m) ]
A : 分取した試料溶液中のビスマス検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
b) 7.4.1.2の操作を行った場合 7.4.3で得た吸光度から7.5で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と
7.6で作成した検量線とからビスマス量を求め,試料中のビスマス含有率を,次の式によって算出する。
――――― [JIS H 1364 pdf 7] ―――――
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A
Bi= 20 100
m
100
ここに, Bi : 試料中のビスマス含有率 [% (m/m) ]
A : 分取した試料溶液中のビスマス検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
8. 原子吸光分析方法 原子吸光分析方法は,JIS H 1306の規定による。
9. 誘導結合プラズマ発光分光分析方法 誘導結合プラズマ発光分光分析方法は,JIS H 1307の規定によ
る。
付図1 円筒状白金電極 付図2 半円形時計皿
――――― [JIS H 1364 pdf 8] ―――――
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JIS改正原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 河 田 秀 俊 株式会社日軽分析センター
村 上 徹 朗 工学院大学
藤 沼 弘 東洋大学
大河内 春 乃 東京理科大学
塚 本 修 経済産業省製造産業局非鉄金属課
穐 山 貞 治 経済産業省産業技術環境局標準課産業基盤標準化推進室
井 川 洋 志 昭和電工株式会社
久留須 一 彦 古河電気工業株式会社
泉 巌 日本軽金属株式会社
鈴 木 通 中央工産株式会社
川 口 修 スカイアルミニウム株式会社
坂 巻 博 新日軽株式会社
豊 嶋 雅 康 住友軽金属工業株式会社
吉 本 栄 治 昭和アルミニウム株式会社(現 昭和電工株式会社)
勝間田 一 宏 三菱アルミニウム株式会社
井 上 義 一 東洋アルミニウム株式会社
船 渡 好 人 株式会社島津製作所
本 田 和 人 株式会社パーキンエルマージャパン
(事務局) 井 波 隆 夫 社団法人日本アルミニウム協会
JIS H 1364:2002の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.10 : アルミニウム及びアルミニウム合金
JIS H 1364:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH1306:1999
- アルミニウム及びアルミニウム合金の原子吸光分析方法
- JISH1307:1993
- アルミニウム及びアルミニウム合金の誘導結合プラズマ発光分光分析方法
- JISH1351:1972
- アルミニウム及びアルミニウム合金の分析方法通則
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)