JIS H 7314:2013 超電導―給電装置―超電導機器へ給電する電流リードの特性試験に関する一般要求事項 | ページ 3

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る。
6.5.2.2 方法
電流リードに,電圧端子,必要箇所の温度計及びヒーターを取り付ける。電流リードに定格電流を通電
し,ヒーターを用いること又は冷媒の流れ若しくは冷凍機を停止することによって,高温超電導構成要素
に強制的に常電導部を発生させる。常電導部の拡大伝ぱ(クエンチ)が観察され,検出可能な電圧発生及
び熱暴走に至る直前の時間間隔を測定する。これによって,高温超電導電流リードの安全性の限界を評価
する。クエンチ試験における典型的な電圧上昇の時間依存性を図C.3に示す。
6.5.2.3 結果
試験結果は,仕様と照合し,報告しなければならない。
6.5.3 最大圧力試験
6.5.3.1 目的
この試験では,最大圧力条件下における電流リードの健全性を確認しなければならない。電流リードの
熱交換器は,通常動作のときより高い異常時の最大圧力にも耐えなければならない。
6.5.3.2 方法
電流リードは,露点の低いガスを使用して,室温において最大圧力まで加圧する。電流リードの健全性
は,目視検査及び気密試験で確認する。
必要に応じて,圧力計及びひずみゲージを電流リードに取り付ける。これらのセンサーの連続監視によ
って,ガスによる加圧の危険性を回避しなければならない。通常の耐圧試験は,安全上の理由で,水など
の液体を使用して行われる。ただし,電流リードなどの低温機器では,水分の残存による固化及び閉塞を
防ぐため,最大圧力試験は,ガスを使用して行う必要がある。
注記 対応国際規格の注記は,要求事項であるので,本文に移行することとした。
6.5.3.3 結果
試験結果は,仕様と照合し,報告しなければならない。

7 報告

  次のデータを報告しなければならない。
a) 電流リードの概要
b) 試験条件
c) 仕様と照合した特性試験の結果

8 予防措置

  特性試験の前に,関係している試験設計者及び担当者は,次の項目を再認識していることを確認する。
a) 電気的試験 室温における電気的試験及び低温における電気的試験を考慮に入れて,電気的障害を予
防するための手段及び対策をとらなければならない。
b) 寒剤及び発生ガス 低温試験では,ガスの置換,寒剤の注入,極低温での漏れ,寒剤との物理的接触
及び常に発生するガス並びに意図的に生成されるガスに関連して,障害を予防するための手段及び対
策をとらなければならない。
低温試験は,現地国の法規に適合しなければならない。

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附属書A
(参考)
箇条1から箇条8に関する補足情報
A.1 範囲
超電導電流リードに適用される材料として,この基準で規定される銅酸化物高温超電導体に加え,設計
温度に応じてMgB2,Nb3Sn,Nb-Tiなどの超電導体を適用してもよい。
A.2 電流リードの構造
A.2.1 常電導電流リード(従来形電流リード)
両端の追加接続端子又は補強材料を含め,この電流リードの電気伝導部分は,常電導材料でできている。
A.2.2 超電導電流リード
この電流リードの高温領域の電気伝導部分は,常電導材料で構成される。中間及び低温領域の電気伝導
構成要素は,超電導材料で構成され,設計温度の要求に応じて,高温超電導材料又は低温超電導材料を用
いる。
注記 温度領域の用語には,他の定義も考えられる。
A.3 応用できる材料
A.3.1 常電導材料
この規格で規定される電流リード用の常電導材料としては,銅,銅合金,アルミニウム又はアルミニウ
ム合金が一般的である。
また,電流リードに使用される常電導材料は,バルク,複合丸線,より(撚)線,複合平角線,管状線,
圧縮より線,複合テープ,積層テープなど,さまざまな形態をとり得る。
A.3.2 超電導材料
この規格において電流リードの一部に取り付けられる超電導材料として,低温超電導材料であるNb-Ti
合金超電導体,Nb3Sn金属間化合物超電導体,高温超電導材料であるBi系酸化物超電導体,Y,Gdなどの
希土類系酸化物超電導体,MgB2化合物超電導体が推奨される。
また,電流リードに使用される超電導材料は,バルク,複合丸線,より線,複合平角線,管状線,圧縮
より線,複合テープ,積層テープなど,さまざまな形態をとり得る。
A.3.3 関連材料
関連材料には次のものがある。
a) 抵抗性材料 アルミニウム合金,銀,銀合金,銅,銅合金(黄銅,ベリリウム青銅など),ステンレス
鋼など。
b) 補足材料 ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)など。
c) 電気絶縁材料 GFRP,セラミック,ポリイミドテープなど。
A.4 特性評価
電流リードの試験項目として,曲げ試験,引張試験,振動試験及び落下試験のような機械的試験,並び
に液体寒剤への急冷の耐久試験が行われる場合がある。これは,応用及び仕様によって決まる。

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附属書B
(参考)
典型的な電流リード
B.1 一般事項
この附属書の図に示されている概要図は,典型的な電流リードの理解を助けるために記載されている。
電流リードには対象とするシステムの常電導動作環境に応じてさまざまな構成があるため,これらの図で
は考えられる設計の代表例だけを取り上げている。
B.2 ガス冷却形電流リード
B.2.1 自己冷却形常電導電流リード
図B.1−自己冷却形常電導電流リードの概要図

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B.2.2 強制電流冷却形常電導電流リード
熱ふく(輻)射
シールド
図B.2−強制電流冷却形常電導電流リードの概要図

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B.2.3 真空環境における強制電流冷却形常電導部及び高温超電導部から成る電流リード
熱ふく(輻)射
シールド
~
図B.3−真空環境における強制電流冷却形常電導部及び高温超電導部から成る電流リードの概要図

――――― [JIS H 7314 pdf 15] ―――――

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JIS H 7314:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61788-14:2010(MOD)

JIS H 7314:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 7314:2013の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISH7005:2005
超電導関連用語