JIS H 7801:2005 金属のレーザフラッシュ法による熱拡散率の測定方法 | ページ 3

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H 7801 : 2005
附属書1(規定)レーザ発光装置特性の評価方法
測定に使用する装置のレーザ光の均一性,レーザの発光時間及びレーザ強度の特性評価は,それぞれ次
による。
1. 均一性 均一性は,レーザビームの空間エネルギー分布を赤外CCDカメラを用いて定量的に測定す
ることによって確認できる。簡便法として,感光紙又は黒色紙の熱吸収による変色を観察することで定性
的に確認できるが,レーザ強度が強い場合には飽和して分布情報が得られない場合があるので,フィルタ
などで弱める必要がある。
2. 発光時間 レーザの発光時間は光検出素子を用いて計測する。レーザを発光させ,光検出素子を用い
て計測し,観測されたレーザパルスの時間軸上におけるエネルギーの重心を求め,解析時間原点とする。
3. レーザ強度 試料表面に照射されるレーザ強度は,試料と同一径の開口の絞りを通した後,レーザパ
ワーメータで計測するか又は表面を黒化した比熱容量が既知の試料の温度上昇から算定する。
温度上昇は,熱電対を試料裏面に接着するか温度校正された赤外放射温度計によって測定する。

――――― [JIS H 7801 pdf 11] ―――――

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H 7801 : 2005
附属書2(規定)等面積法による熱拡散率の算出方法
等面積法による熱拡散率の算出は,附属書2図1に示すように,最初に,温度上昇曲線の降温領域に対
して,最小二乗法によって定常温度に収束する指数関数をフィットさせて冷却の時定数を決定する。次い
で,固定された時間範囲(t1 < t < t2)において,観測された温度上昇曲線の下側の面積とモデル関数の下
側の面積とが等しくなるように熱拡散率を決定する。このとき,ビオ数も同時に定まる。
指数関数
ΔText1
Tmax
ΔTm
温度上昇
等面積
最小二乗法
Tmax/2
ΔTm/ 2
0
t1 t1/2 t2 t3 t4
-100 0 100 200 300 400
時間/ms
附属書2図 1 等面積法による熱拡散率算出の原理図

――――― [JIS H 7801 pdf 12] ―――――

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H 7801 : 2005
附属書3(規定)不均一加熱に対する補正係数の算出方法
不均一加熱に対する補正係数の求め方には種々の方法がある。ここでは,その中で比較的適用が容易な
方法について規定する。これ以外の方法によって補正係数を算出した場合にはその算出方法について報告
しなければならない。
試料との熱接触が小さい構造の試料ホルダに真空中で保持された試料の室温において測定された温度上
昇曲線に対して,最小二乗法又は等面積法によって次の式(1)を適合させ,不均一加熱の相対振幅x,熱
0 0
及び歛譎 均一加熱の時定数nuh nuh 0
拡散の特性時間 の比 nuh を求める。
t 2 t
T(t) T 1 x exp 1 2 ( )1 n exp n (1)
nuh0 n 0
とすると,不
測定された温度上昇曲線に対してハーフタイム法を適用して算出したハーフタイムを /1t 2
均一加熱に対する補正係数nuh
k は,次の式(2)で与えられる。
t/1 2
knuh (2)
.013880
ここに, T(t) : パルス加熱後、時間t経過時における試料
裏面の温度上昇
T : 断熱温度上昇、温度上昇曲線において試料
からの熱損失がないなどの理想的な条件
下での最高温度上昇

――――― [JIS H 7801 pdf 13] ―――――

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H 7801 : 2005
附属書4(規定)熱損失に対する補正係数の算出方法
熱損失に対する補正係数の求め方には種々の方法がある。ここでは,その中で比較的適用が容易な方法
について規定する。これ以外の方法によって補正係数を算出した場合には,その算出方法について報告し
なければならない。
ハーフタイム法で求める熱拡散率に対する熱損失補正係数 kは,温度上昇曲線から得られるハーフタ
rhl
イム(t1/2)と冷却の時定数(τc)との比(γrhl=t1/2/τc)を用いて,次の式によって算出する。
2 3 4
krhl a0 a1 rhl a2 rhl a3 rhl a4 rhl
ここに, a0 .100
a1 .279
a2 .986
a3 23.22
a4 20.21

――――― [JIS H 7801 pdf 14] ―――――

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H 7801 : 2005
附属書5(規定)表面処理(黒化処理)に対する補正係数の算出方法
試料に黒化膜などの表面処理を施して測定する場合,表面処理による影響が生じる。その影響が無視で
きない場合には,試料と表面処理材の熱特性及び試料の厚さに応じた補正を行う。
黒化薄膜の影響に対する補正係数の求め方には種々の方法がある。ここでは,その中で比較的適用が容
易な方法について規定する。これ以外の方法によって補正係数を算出した場合には,その算出方法につい
て報告しなければならない。
温度上昇曲線の形状が均質単層試料の試料裏面温度変化の形からあまりずれていない場合には,黒化薄
膜の影響に対する補正係数は,次の式で与えられる。
kbc 1 3 f 3 r 2rf 2rr
ここに, kbc : 黒化処理に対する補正係数
f f s
r r s
cf
rf
cs
cr
rr
cs
2
lf : 表面側黒化膜の膜厚方向の熱拡散の特性時間
f
bc (s)
2
ls : 試料の厚さ方向の熱拡散の特性時間(s)
s
2
lr : 裏面側黒化膜の膜厚方向の熱拡散の特性時間
r
bc (s)
fl : 表面側黒化膜の厚さ(m)
sl : 試料の厚さ(m)
rl : 裏面側黒化膜の厚さ(m)
bc懿 黒化膜の熱拡散率(m2s-1)
懿 試料の熱拡散率(m2s-1)
c : f 表面側黒化膜の単位面積当たりの熱容量(JK-1)
sc : 試料の単位面積当たりの熱容量(JK-1)
rc : 裏面側黒化膜の単位面積当たりの熱容量(JK-1)

JIS H 7801:2005の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 7801:2005の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7502:2016
マイクロメータ
JISB7506:2004
ブロックゲージ
JISC1602:2015
熱電対