JIS H 8451:2008 遮熱コーティングの耐はく離性試験方法 | ページ 2

4
H 8451 : 2007
5.2.1 加熱・冷却装置 加熱・冷却装置は,次による。
a) 外気から遮へいした高温槽及び低温槽を備えたものとする。
b) 試験片が高温槽と低温槽との間を往復する構造とする。ただし,試験片を固定し,高温槽と低温槽と
が往復する構造でもよい。
5.2.2 温度調節装置 温度調節装置は,温度制御器及び熱電対で構成し,次による。
a) 温度制御器 温度制御器は,測定温度の全範囲にわたって,試験片温度が表1の許容範囲にあること
を保証するのに十分なものとする。
表1−試験片表面温度の許容範囲
単位 K
温度範囲 許容範囲
常温から 873 以下 ±3
873 を超え 1 073 以下 ±4
1 073 を超え 1 273 以下 ±5
1 273Kを超える温度における許容範囲は,受渡当事
者間の協議による。
b) 熱電対 熱電対は,表1の許容範囲を満たすものを用いる。
なお,熱電対と同等以上の性能をもつ放射温度計を用いてもよい。

5.3 試験片

  試験片は,次による。
a) 試験片は,製品から長さ2050 mm,幅2050 mmの大きさに切り出したものとする。
なお,試験片の切出しは,精密切断機を用い,湿式でTBC側から緩やかに切断する。
b) )によって試験片の切出しが困難な場合には,製品と同質の基材に製品と同一条件でTBCを施して試
験片を作製する。この場合,試験片の形状及び寸法は,次による。
1) 試験片は,基材全面を被覆した平板状[図3 a)],円板状[図4 a)]又は円柱状[図5 a)]とする。
2) 1)の試験片の作製が困難な場合には,片面を被覆した平板状[図3 b)]又は円板状[図4 b)],上下
両面を被覆した平板状[図3 c)]又は円板状[図4 c)],側面を被覆した円柱状[図5 b)]又は円筒
状(図6)のいずれかの試験片を用いてもよい。
3) 1)及び2)における試験片の選択は,受渡当事者間の協定による。
4) 基材の端部及び角部は,適切な方法で0.52 mmの曲率加工又は面取りを行う。また,試験片は,
取扱いを容易にするため,穴をあけてもよい。その位置及び大きさは,受渡当事者間の協定による。
c) BCの表面は,特に指定がない限り,被覆したままの状態とする。
d) 試験片の寸法は,JIS B 7502又はJIS B 7507に規定する測定器によって測り,JIS Z 8401の規則Aの
規定によって,0.1 mmのけたに丸める。
e) 試験片の質量は,0.1 mgのけたまで読み取れる測定器(例えば,電子はかり)を用いて量り,JIS Z 8401
の規則Aの規定によって,1 mgのけたに丸める。

――――― [JIS H 8451 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
H 8451 : 2007
単位 mm
a) 全面TBC b) 片面TBC c) 上下両面TBC
l : 長さ
b : 幅
T : 全厚
網掛け部 : 有効面
注a) 2050とする。
b) 2050とする。
c) 1.55.0とする。
図3−平板状試験片の形状・寸法
単位 mm
a) 全面TBC b) 片面TBC c) 上下両面TBC
D : 直径
T : 全厚
網掛け部 : 有効面
注a) 2040とする。
b) 1.55.0とする。
図4−円板状試験片の形状・寸法

――――― [JIS H 8451 pdf 7] ―――――

6
H 8451 : 2007
単位 mm
a) 全面TBC b) 側面TBC
D : 直径
H : 高さ
網掛け部 : 有効面
注a) 530とする。
b) 1030とする。
図5−円柱状試験片の形状・寸法
単位 mm
D : 外径
d : 内径
H : 高さ
網掛け部(側面) : 有効面
注a) 530とする。
b) 225とする。
c) 1030とする。
図6−円筒状試験片の形状・寸法

――――― [JIS H 8451 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
H 8451 : 2007

5.4 試験

5.4.1  加熱及び冷却
加熱及び冷却は,次の手順によって行う。
a) 試験片を低温槽に設置した後,あらかじめ所定の温度に維持した高温槽へ移動させて加熱する。
b) 高温槽で試験片を所定の時間保持した後,低温槽へ再移動させて冷却する。
c) 熱サイクルは,昇温−高温域保持−降温―低温域保持を1サイクルとし,この熱サイクルを繰り返す。
熱サイクルの例を,図7に示す。
なお,熱サイクルの繰返し数は受渡当事者間の協定による。
高温域温度は,高温槽における試験片の温度を,低温域温度は,低温槽における試験片の温度を表す。
高温域及び低温域の温度は,あらかじめ試験片に熱電対を取り付けて測定し,このときの高温槽及び
低温槽の温度制御条件を用いて熱サイクル試験を行う。
図7−熱サイクルの例
5.4.2 加熱及び冷却条件
加熱及び冷却の条件は,次による。
a) 高温域温度の下限は1 173 K,低温域温度の上限は473 Kとする。
なお,高温域温度の上限は,受渡当事者間の協定による。
b) 1サイクル時間は60分とし,昇温時間は10分,高温域温度の保持時間は30分,降温時間は15分及
び低温域温度の保持時間は5分とする。
なお,各時間は,受渡当事者間の協定によって変更してもよい。
c) 試験雰囲気は,受渡当事者間の協定がない場合は,空気中とする。
d) 試験の効率を高めるために,複数の試験片を同時に試験してもよい。ただし,各試験片は均一に加熱
又は冷却されるようにする。
5.4.3 熱サイクル試験中のはく離状況の観察
熱サイクル試験中のはく離状況の観察は,次による。
a) 観察は,受渡当事者間の協定で決めた熱サイクルの繰返し数ごとに試験を中断し,試験片を473 K以
下まで冷却してから取り出して行う。ただし,あらかじめTBCのはく離繰返し数が予測できる場合に
は,その回数の直前まで連続して試験してもよい。
b) 試験片の観察は,目視又は拡大鏡を用いてTBCの割れ及びはく離の有無を確認する。

――――― [JIS H 8451 pdf 9] ―――――

8
H 8451 : 2007
c) BCにはく離を確認した場合は,その状況の外観写真を実物大で撮影する。
5.4.4 はく離面積率の測定
TBCのはく離面積は,5.4.3 c)で撮影した試験片表面の外観写真に基づき,画像解析などによって算出す
る。はく離箇所が複数ある場合には,はく離面積の総和とする。TBCのはく離形態及びはく離面積の計測
対象領域の例を,図8に示す。
試験中に酸化が特に問題となる場合には,試験片の質量変化も測定することが望ましい。試験片の質量
測定は,5.3 e) による。
はく離領域 TGO
トップコート ボンドコート
基材
a) 試験片表面の模式図 b) 中央部の断面模式図
注記1 図は,片面TBCの例。
注記2 斜線部は,はく離面積計測対象領域を表す。
図8−TBCのはく離形態及びはく離面積の計測対象領域の例
5.4.5 はく離繰返し数の測定
はく離繰返し数の測定は,次による。
a) 熱サイクルの繰返し数とはく離面積率との関係図(図9)を試験片ごとに作成する。この場合,はく
離面積率は百分率で表記し,数字はJIS Z 8401の規則Aに従って少数点以下第1位のけたに丸める。
b) はく離繰返し数は,はく離面積率が30 %を超える直前の熱サイクルの繰返し数とする。
c) 1回の熱サイクルでTBC全面がはく離した場合は,はく離繰返し数は,1回とする。
d) 同一試験条件につき,3個以上の試験片を用い,試験片ごとに,はく離繰返し数を求める。
e) 試験の終了は,はく離面積率が30 %を超えた時点又は5.4.1 c)に規定する熱サイクルの繰返し数に達
した時点とする。

――――― [JIS H 8451 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS H 8451:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 8451:2008の関連規格と引用規格一覧