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H 8451 : 2021
b) 横型
図2−熱サイクル試験装置の基本構成の例(続き)
5.2.1 加熱·冷却装置 加熱·冷却装置は,次による。
a) 加熱·冷却装置には,高温槽及び低温槽を備える。槽内の雰囲気は,大気とする。
b) 試験片が高温槽と低温槽との間を往復する構造とする。ただし,試験片を固定し,高温槽と低温槽と
が往復する構造でもよい。
c) 試験片を高温槽から,低温槽の代わりに槽外へ直接移動させ,強制冷却してもよい。
5.2.2 温度調節装置 温度調節装置は,試験片を所定の温度まで再現性良く加熱し,保持可能な装置とす
る。
5.3 試験片
試験片は,次による。
a) 試験片は,片面を被覆した四角形状又は円板状とする(図3参照)。
b) 試験片の寸法は,図3による。
c) 基材の端部及び角部は,適切な方法で曲率加工又は面取りを行う。
d) 試験片の形状及び図3に示す範囲内の具体的な寸法の選択は,受渡当事者間の協定による。
――――― [JIS H 8451 pdf 6] ―――――
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a) 四角形状 b) 円板状
単位 mm
記号 記号の説明 寸法
l 長さ 20 ≦ l ≦ 50
b 幅 20 ≦ b ≦ 50
D 直径 20 ≦ D ≦ 40
T 全厚 1.5 ≦ T ≦ 5.0
図3−熱サイクル試験片の形状及び寸法
5.4 試験方法
5.4.1 試験片の寸法測定
試験片の寸法は,JIS B 7507に規定するノギスによって測り,JIS Z 8401の規則Aによって,0.1 mmの
桁に丸める。
5.4.2 加熱方法及び冷却方法
加熱及び冷却の方法は,次による。
a) 試験片の温度は,あらかじめ高温域及び低温域において,試験片に熱電対を取り付けて測定する。高
温槽における試験片の温度を高温域温度とし,低温槽における試験片の温度を低温域温度とする。熱
サイクル試験においては,高温域温度及び低温域温度が,目標の温度となるように,高温槽及び低温
槽の温度を制御する。
b) 試験片を低温槽に設置した後,あらかじめ所定の温度に維持した高温槽へ移動させて加熱する。
c) 高温槽で試験片を所定の時間に保持した後,低温槽へ再移動させて冷却する。
d) 熱サイクルは,昇温−高温域保持−降温−低温域保持を1サイクルとし,この熱サイクルを繰り返す。
熱サイクルの例を,図4に示す。
――――― [JIS H 8451 pdf 7] ―――――
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図4−熱サイクルの例
5.4.3 加熱及び冷却の条件
加熱及び冷却の条件は,次による。
a) 高温域温度の下限は900 ℃,低温域温度の上限は200 ℃とする。
なお,高温域温度の上限は,受渡当事者間の協定による。
b) 1サイクル時間は60分とし,昇温時間は10分,高温域温度の保持時間は30分,降温時間は15分及
び低温域温度の保持時間は5分とする。
なお,各時間は,受渡当事者間の協定によって変更してもよい。
c) 試験雰囲気は,大気とする。
d) 試験の効率を高めるために,複数の試験片を同時に試験してもよい。
5.4.4 熱サイクル試験中の離状況の観察
熱サイクル試験中の離状況の観察は,次による。
a) 観察は,受渡当事者間の協定によって定めた熱サイクルの繰返し数ごとに試験を中断し,試験片を
200 ℃以下まで冷却してから取り出して行う。ただし,あらかじめTBCの離繰返し数が予測可能な
場合には,その回数の直前まで連続して試験してもよい。
b) 試験片の観察は,目視によるか又は拡大鏡を用いて,TBCの離の有無を確認する。
c) BCに離を確認した場合は,その状況の外観写真を撮影する。
5.4.5 離面積率の測定
TBCの離面積は,5.4.4 c) によって撮影した試験片表面の外観写真に基づき,画像解析などによって
算出する。離箇所が複数ある場合には,離面積の総和とする。TBCの離形態及び離面積の計測対
象領域の例を,図5に示す。
――――― [JIS H 8451 pdf 8] ―――――
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a) 試験片表面の模式図 b) 中央部の断面模式図
図5−TBCの離形態及び離面積の計測対象領域の例
5.4.6 離繰返し数の測定
離繰返し数の測定は,次による。
a) 熱サイクルの繰返し数と離面積率との関係図(図6参照)を試験片ごとに作成する。この場合,
離面積率は百分率で表し,数値はJIS Z 8401の規則Aによって小数点以下第1位の桁に丸めた値をプ
ロットする。
b) 離面積率が30 %に達する熱サイクルの繰返し数を内挿によって求める。この繰返し数を,離繰返
し数とする。
c) 1回の熱サイクルで離面積率が30 %を超えて離した場合は,離繰返し数は,1回とする。
d) 同一試験条件につき,3個以上の試験片を用い,試験片ごとに求めた離繰返し数の平均値を,平均
離繰返し数とする。
e) 試験の終了は,次のいずれかとする。
1) 離面積率が30 %を超えた時点とする。
2) 受渡当事者間の協定によって定めた熱サイクルの繰返し数に達した時点とする。ただし,離面積
率が30 %を超えていない場合,離繰返し数は,与えた熱サイクルの繰返し数以上とする。
――――― [JIS H 8451 pdf 9] ―――――
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図6−熱サイクルの繰返し数と離面積率との関係図の例
5.4.7 熱サイクル試験終了後の損傷観察
熱サイクル試験終了後の試験片の表面及び断面の観察は,次による。
a) 試験片表面の観察は,5.4.4 のb) 及びc) による。
b) 試験片断面の組織観察は,TBCの組織を明確に識別することが可能な顕微鏡を用いて適切な倍率で行
い,組織写真を撮影する。
6 熱衝撃試験
6.1 一般
熱衝撃試験は,試験片を加熱後に水冷してTBCに熱衝撃を与え,TBCの離が生じていないかを目視
で確認し,離が生じていない試験片について,密着強さを測定する[1][2]。
6.2 試験装置
試験装置は,加熱装置,温度調節装置及び冷却水槽で構成し,次による。試験装置の基本構成の例を,
図7に示す。
6.2.1 加熱装置 加熱装置は,温度調節装置及び加熱炉で構成し,外気の流通が可能な試験室をもつ構造
とする。
なお,マッフル電気抵抗炉を用いてもよい。
6.2.2 温度調節装置 温度調節装置は,5.2.2による。
6.2.3 冷却水槽 冷却水槽は,次による。
a) 水温を測定する温度計及びかくはん機を備える。
b) 試験片全体を急冷することが可能となるように,十分な容積をもつ。
――――― [JIS H 8451 pdf 10] ―――――
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JIS H 8451:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 14188:2012(MOD)
JIS H 8451:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.220 : 表面処理及び被覆加工 > 25.220.99 : その他の被覆及び処理
JIS H 8451:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISH8402:2004
- 溶射皮膜の引張密着強さ試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方