JIS K 0062:1992 化学製品の屈折率測定方法 | ページ 2

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は必要に応じて副プリズムを取り外し,主プリズム面の延長線上の位置に白色光源を設置する。
(2) 試料の研磨面に12 湎 間液を付け,主プリズムの中央に完全に密着させる。このときもう一つの
研磨面(端面)を光源に向ける。
(3) 温度計が規定の温度を示すことを確かめる。光源を確認し接眼鏡をのぞいて十字線に焦点を合わせ,
測定ハンドルを回転して屈折視野に明るい部分と暗い部分がほぼ半々になるところで測定ハンドルを
止める。
(4) 視野の明暗の境界線付近の色を色消しつまみを回転して完全に消すことによって,明りょうな境界線
が得られる(7)。
(5) 再び測定ハンドルを徐々に回転し,境界線を十字線の交点に一致させる。このときの目盛を0.000 1
のけたまで読み取る(8)。
注(7) 試料が着色していると明部全体が一様な試料の色になるが,この色を消すことはできない。
(8) 最後のけたは目測による。
備考1. 試料面とプリズム面の密着状態が悪いときは,境界線が不明りょうになったり,だぶったり
する。このようなときは試料面をよく点検して不備があったときは修正する。
2. 中間液を密着面の外へはみ出すほど付けると誤差の原因となり,少なすぎて密着面に気泡が
あるときも明りょうな境界線が得られない。微細なごみがあるときも気泡を生じるため,プ
リズム面と試料を清浄にしてやり直す。
3. 境界線視野が暗いときは光源の位置を調節する。
4. 固体の場合は温度係数が小さいので一般に2.2.1の環境条件を守ると誤差は無視できる程度
になるが,光源の熱の影響などによって規定の条件を外れる場合は恒温水槽による調節が必
要である。
参考 主な固体の屈折率の温度による影響を参考表3に示す。
参考表3 固体の温度係数の例
dn
dt 10 4
固体試料名 温度係数 (℃−1)
ほうけいクラウンガラス (BK7) 0.029
フリントガラス (F2) 0.039
重フリントガラス (SF3) 0.075
ポリカーボネート (PC) 0.91.4
ポリメタクリル酸メチル (PMMA) 0.851.1
6. フィルム試料の測定方法
6.1 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(1) 屈折計 アッベ屈折計を用いる。
(2) 光源 白色光源又はナトリウムランプ。
(3) 温度計 屈折計に附属しているもの。
(4) ガラス片 テストピース又はそれと形状及び仕上げが同等である高屈折率のガラス片。試料よりも屈
折率が高いもの。
備考 フィルム試料はその薄さのため,屈折境界線を形成する主プリズム面に添った光の量が減少す
る。したがって,固体の測定方法では測定できないのでガラス片をフィルムの上に重ねて光量
を補って測定する。
6.2 中間液 中間液は,5.2による。

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6.3 試料 フィルムは面のきれいな透明なもので,2 上の厚さのもの。試料は8×25mm切ったもの
を3枚準備する。この場合,定規などを用いてカッターで真っすぐに切る。
備考 試料は操作中に汚したり破損する場合も考慮して,数枚余分に用意しておくとよい。
6.4 操作 操作は,次のとおり行う。
(1) 5.4(1)によって,アッベ屈折計に白色光源を設置する。
(2) プリズム面に中間液を微小量付け,フィルムの長手方向とプリズムの長手方向を合わせて密着する。
ガラス片の面などを用いてフィルムを軽く押さえ,余分な中間液をフィルムの外へ押し出し,ろ紙片
の端などで吸わせて除く。
(3) 更に,フィルムの上に微小量の中間液を滴下し,フィルムの中央に上からガラス片を重ねる。フィル
ムの測定の一例を図4に示す。
備考1. プリズムとフィルムの間及びフィルムとガラス片の間は,完全に密着していなければならな
い。
2. 気泡が入ったときは,プリズム面を清浄にし,新しいフィルムを用いてセットし直す。
3. 5.2の備考1.5.による。
(4) 白色光源の光をガラス片の入射面に投射して測定する。
(5) 温度計が規定の温度を示すことを確かめる。光源を確認し接眼鏡をのぞいて十字線に焦点を合わせ,
測定ハンドルを回転して屈折視野に明るい部分と暗い部分がほぼ半々になるところで測定ハンドルを
止める。
(6) 視野の明暗の境界線付近の色を色消しつまみを回転して完全に消すことによって明りょうな境界線が
得られる(9)。
注(9) 試料が着色していると,明部全体が一様な試料の色になるが,この色を消すことはできない。
(7) 再び測定ハンドルを慎重に回転し,境界線を十字線の交点に一致させる。このときの目盛を0.000 1
のけたまで読み取る。ただし,最後のけたは目測による。
図4 フィルムの測定の例
備考1. 延伸フィルムでは延伸方向,その直角方向及び厚み方向でそれぞれ屈折率の異なる複屈折を
生じる。複屈折の測定は,アッベ屈折計の接眼鏡に偏光板を重ねて設置することによって可
能である。
2. 延伸フィルムの延伸方向とプリズムの長手方向を合わせて密着させる場合とこのフィルムを
90度向きを変えて密着する場合,及び偏光板の偏光方向を測定者から見て縦に置く場合と90
度向きを変えて置く場合,合わせて4とおりの組合せ (2×2) で屈折率を求める。偏光板が
縦のときは,フィルムの方向に関係なく同じ屈折率(厚み方向)が得られるので,結果的に
三つの屈折率が得られる。
7. 測定回数と計算

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7.1 測定は新しい試料を用いて3回行う。連続した3回の測定値の最大値と最小値の差が,目標とする
精度の2倍を超えたときは測定し直す。
備考 最大値と最小値の差が縮まらないときは,測定条件の不備,試料の材質むら,固体及びフィル
ムの場合は面精度の不適当などの要因を検討する。
7.2 3回の測定値の平均値を小数点以下第4位に丸めて屈折率とする。
8. 記録
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8.1 測定値は光の波長及び温度を付記し,“ nD ”とともに屈折率を記録する。
8.2 湿度その他の環境条件を記録し,操作中に測定に影響したと思われる事項などを記録する。
9. 化学製品を取り扱うときの注意事項 化学製品を取り扱うときには,まずその物質の名称を確認し,
その安全性について確認する。その物質の物性など情報が不十分で安全性の確認ができないときは,事前
に調査を行い,十分な安全性の対策を施したうえで取り扱う。
危険性,有害性,放射性などに関し法規上の規制があるものについては,十分な準備と対策を施した後,
関連する法令・規則によって取り扱わなければならない。
付表1 引用規格
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS Z 8120 光学用語
JIS Z 8401 数値の丸め方

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化学製品一般試験方法 JIS改正原案作成委員会 構成表
氏名 所属 JIS委員会 小委員会 第1分科会
(委員長) 荒 木 峻 東京都立大学 ○
細 川 幹 夫 工業技術院標準部 ○
寺 西 大三郎 通商産業省基礎産業局 ○
主査
三 井 清 人 通商産業省計量研究所 ○ ○ ○
川瀬 晃 通商産業省科学技術研究所 ○ ○
平 井 信 次 通商産業省通商産業検査所 ○ ○
武田 寧 厚生省国立衛生試験所 ○
栗原 力 財団法人化学品検査協会 ○
岩 見 妙 晴 社団法人日本化学会 ○
(旭化成工業株式会社)
大 森 道 昭 日本化学機器団体連合会 ○ ○ ○
(株式会社離合社)
加 藤 幸 雄 日本理化硝子機器工業会 ○
(柴田科学器械工業株式会社)
坂田 衞 日本分析機器工業会 ○
(株式会社島津製作所)
辻 洋 典 石油化学工業協会 ○
猪 瀬 太 郎 社団法人日本芳香族工業会 ○ ○
竹 内 幸 夫 日本試薬連合会 ○ ○ ○
(和光純薬工業株式会社)
池 田 順 一 財団法人日本規格協会 ○
西 川 光 一 社団法人日本化学工業協会 ○
幹事
桑 田 真 一 三菱化成株式会社総合研究所 ○ ○
前 川 正 和 株式会社住化分析センター ○ ○
鈴 木 正 儀 昭和電工株式会社川崎工場 ○ ○
幹事
三 浦 一 清 三井東圧科学株式会社総合研究所 ○ ○ ○
吉 田 敏 昭 通商産業省通商産業検査所 ○
小 野 一 郎 味の素株式会社中央研究所分析研究所 ○
川 澄 英 明 株式会社アタゴ ○
丸山 博 京都電子工業株式会社 ○
和 田 明 生 日本分光工業株式会社 ○
田 坂 勝 芳 工業技術院標準部 ○ ○
(事務局) 吉 田 千 秋 社団法人日本化学工業協会 ○ ○

JIS K 0062:1992の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0062:1992の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0211:2013
分析化学用語(基礎部門)
JISZ8120:2001
光学用語
JISZ8401:2019
数値の丸め方