JIS K 0114:2012 ガスクロマトグラフィー通則 | ページ 8

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入口ゴム栓からの溶出成分などに起因するピーク(ゴーストピーク)の出現によって精確なデータが得ら
れない場合がある。このため,同条件で試料を導入せず空昇温をし,ブランクを測定しゴーストピークの
有無を確認する。ゴーストピークが出る場合は,注入口ライナーの交換,セプタムのコンディショニング,
カラムのコンディショニングなどの適切な処置を施す。また,試料気化室内又はカラムに残留した試料成
分若しくはカラム固定相の分解などで検出器のベースラインが変化したり試料成分の分解・吸着などが生
じる可能性がある。これらの確認のためにも,空昇温又は溶媒だけを注入し,ベースラインの変化又はゴ
ーストピークの有無を確認し記録することは重要である。

12.7 定期的な装置性能の点検

  装置の性能点検のため,定期的に濃度既知の標準物質又は検量線用標準物質を用意し,規定の感度,規
定の分離及び保持時間,良好なクロマトグラムが得られることを確認する。装置性能の点検記録は操作条
件とともに文書にして保管する。

12.8 クロマトグラムのピーク形状及び分離の確認

  クロマトグラムのピーク形状には正常な対象ピークのほかに,リーディングピーク,テーリングピーク
がある。試料成分と固定相間とで相平衡関係が成り立ち,濃度依存性がなく直線関係であれば対称なピー
クとなる。濃度依存性があると,正常な対称ピークのようでもピーク頂点から垂線を下ろしたときに前後
の対称性が異なる。これをピークの非対象性といいアシンメトリー係数(S)で表す。Sはピーク頂点から
ベースラインに垂線を下ろし,ベースラインから1/20の所(0.05 h)で垂線前後のピーク幅を測定して図
12に示すb/aで表す。S>1 : テーリングピーク,S<1 : リーディングピークと呼ばれる。テーリングピー
クでは,この数値がカラムの劣化,試料による汚染などで変化するので記録しておくことが望ましい。リ
ーディングピークは定量に差し支えない。テーリングピークは一般的に濃度が低くなると徐々に検量線の
直線部分から外れ,ある程度のところで応答しなくなるので定量下限を求めるときには正しく評価しなけ
ればならない。
定量分析の場合,クロマトグラムのピーク形状と合わせてピーク面積処理,ベースラインの引き方,不
分離ピークの場合のピーク分割方法などを目視で確認することが必要である。
図12−アシンメトリー係数

13 個別規格でガスクロマトグラフィーを分析法として取り入れる際に記載すべき事項

  ガスクロマトグラフによる分析方法を規定するに当たっては,次のうち必要な項目について記述する。
個別のクロマトグラムについては,9.3を参照。

――――― [JIS K 0114 pdf 36] ―――――

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a) 一般的な事項
1) 測定日付
2) ガスクロマトグラフの製造業者名及び型式記号,附属装置を用いる場合は製造業者名,及び型式記

3) 試料名,対象成分及びその濃度範囲
4) 試料採取場所,採集方法及び試料前処理,並びに保存方法
5) 検出器の種類,付加ガスの種類及び流量並びに操作条件
6) 定性及び定量方法
b) 操作条件
1) キャピラリーカラムの場合
1.1) 固定相の種類(名称,膜厚など),化学結合の有無,製造業者名及び型式記号
1.2) カラム用キャピラリーの材料,内径及び長さ
1.3) 温度(カラム槽,検出器槽及び試料気化室。昇温分析を用いる場合は,初期温度,初期ホールド
時間,昇温速度,最終温度,最終ホールド時間など)
1.4) キャリヤーガス制御方式
1.5) キャリヤーガスの種類,流量,カラム入口圧力など
1.6) 試料量及び試料導入方法(試料注入口の種類)
1.7) 検出器の操作条件(検出器用ガスの流量又は圧力,増幅器の表示値,減衰器の表示値など)
2) 充カラムの場合
2.1) 吸着形,多孔性高分子形充剤の場合はカラム充剤の種類及び粒径範囲。分配形充剤の場合
は,担体名,処理方法,固定相液体名及び保持量
2.2) カラム用管の材料,内径及び長さ
2.3) 温度(カラム槽,検出器槽及び試料気化室。昇温分析を用いる場合は,初期温度,初期ホールド
時間,昇温速度,最終温度,最終ホールド時間など)
2.4) キャリヤーガス制御方式
2.5) キャリヤーガスの種類及び流量
2.6) 試料量及び試料導入方法
2.7) 検出器の操作条件(検出器用ガスの流量又は圧力,増幅器の表示値,減衰器の表示値など)
c) 成分の確認方法 代表的なクロマトグラム例を示す。
なお,クロマトグラムには操作条件,ピークの成分名及び保持時間を記入する。
d) 定量法
1) ピーク面積又は高さの測定方法
2) 定量方法の種別19)及び分析回数
3) 分析種の純物質,内標準物質(種類,純度),分析種純物質の混合物の場合には,組成,濃度範囲及
び調製方法
注19) 相対補正係数を用いる場合には,その値を例示することが望ましい。
e) 分析結果の表示
f) 附属装置の操作条件 附属装置固有の操作条件を明記する。

――――― [JIS K 0114 pdf 37] ―――――

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参考文献 JIS K 0123 ガスクロマトグラフィー質量分析通則
JIS K 0512 水素
JIS K 1101 酸素
JIS K 1105 アルゴン
JIS K 1107 窒素

JIS K 0114:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0114:2012の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK8251:2020
ガラスウール(試薬)