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K 0147-2 : 2017 (ISO 18115-2 : 2013)
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5.50 平面度 表面を平行な2平面で挟んだときの2平面間の最小距離。 flatness
注記1 ボウ(5.16)及びワープ(5.173)参照。
注記2 この用語は,平たんでない,ボウ又はワープの規定より
更に複雑な平たんでない表面に適用される。平たんでな
い表面は,周辺部にはない多くの突き出た表面をもつ。
5.51 屈曲誘起ゆがみ flexing-induced
走査中に探針先端(5.120)又は探針シャンク(5.113)の屈曲に
よって誘起される走査トレースのゆがみ。 distortion
5.52 蛍光 〈NSOM,SNOM〉物質による特定波長光の吸収に引き続いて fluorescence
起こる,それより長い波長の光を放射する現象。
注記 多光子蛍光の場合,放射された光は,より短い波長であ
る場合がある。
5.53 蛍光消光 〈NSOM,SNOM〉非放射性緩和メカニズムを経るエネルギー fluorescence
移動によって蛍光(5.52)放射の強度を減少させる過程。 quenching
5.54 蛍光共鳴エネルギ 〈NSOM,SNOM〉互いに極めて近接した供与体分子と受容体 fluorescence
ー移動, resonant energy
分子との間,又は同一分子の異なる部分の間でのエネルギー交
FRET 換によって発生する蛍光(5.52)。 transfer,
FRET
注記 極めて近接とは波長の範囲内で,一般的には10 nm未満
である。
5.55 蛍光標識 標的分子への蛍光分子の化学的付着。 fluorescent tagging,
fluorescent labelling
注記1 これによって,標的分子の配向,構造,分布,又は運動
を光学的に分析できる。
注記2 蛍光分子は,フルオロフォア(7.11)と呼ばれる。
5.56 力−距離曲線, force-distance curve,
〈AFM〉探針を固定の(x,y)位置にセットし,探針先端(5.120)
力−変位曲線, force-displacement
を表面に近づける又は遠ざける制御をしながら,力を測定した
力−たわみ曲線 ときの力と探針移動距離との関係。 curve,
(非推奨), force-deflection curve
注記 通常,カンチレバー(5.18)のたわみによって,力が求め
力−伸び曲線(非 られる。 (deprecated),
推奨) force-extension curve
(deprecated)
5.57 力センサ 探針(5.109)に印加された力を検出するセンサ。 force sensor
5.58 力分光法, force spectroscopy,
探針−試料間距離又は探針−試料間バイアス電圧のような制御
FS FS
パラメーターを関数とした,探針先端(5.120)と表面との間の
相互作用力測定。
5.59 フォースボリュー force-volume mode
〈AFM〉表面上をn×mに分割し,各点で力−距離曲線(5.56)
ムモード を測定しながら探針(5.109)を走査するモード。
注記 パルスフォースモード(5.125)参照。
5.60 周波数変調検出, frequency
〈AFM〉画像化及び探針先端と試料表面との間の距離の制御に
FM検出 modulation
振動周波数の変化が使用される,ダイナミックモードAFM(3.6)
における検出法。 detection,
注記 この検出法は,参考文献[14]で初めて記載された。 FM detection
5.61 動摩擦 dynamic friction
外力が作用する接した二つの固体間で,滑りが生じた場合に起
こる現象。滑りを引き起こす外力に抗した力が働き,これによ
ってエネルギーの散逸(5.41)が起こる。
注記1 静止摩擦力を超える外力が負荷されれば,滑りが生じ,
動摩擦になる。滑りが生じない場合は,静止摩擦である。
静止状態における最大摩擦力は,動的摩擦力より大き
い。
注記2 表面が等方性でない場合,摩擦力は外力の逆方向に働か
ないこともある。動摩擦状態では,外力方向と一定の角
度をなす方向に動くことがあり得る。
――――― [JIS K 0147-2 pdf 21] ―――――
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K 0147-2 : 2017 (ISO 18115-2 : 2013)
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5.62 摩擦力 friction force
〈AFM〉探針先端(5.120)と試料との間の水平方向の動きによ
って発生する摩擦に起因した水平力(5.77)。
注記1 水平方向の力によって引き起こされるカンチレバー
(5.18)のねじれは,光学的又は他のセンサで検出され
る。
注記2 このモードの顕微鏡は摩擦力顕微鏡(FFM)(3.11)と
呼ばれる。
5.63 静摩擦 static friction
外力が作用する接した二つの固体間において,いかなる移動も
生じない場合に起こる現象。外力と逆方向に力が働くが,静摩
擦がなければ固体間で滑りが生じる。
注記 摩擦力を超える力が与えられれば滑りが生じ,動摩擦に
なる。滑りが生じない場合は,静摩擦である。静止状態
における最大摩擦力は動摩擦力に勝る。
5.64 機能性探針 特定の官能基をもった探針(5.120)。 functionalized
probe,
注記 一般に,特定の分子の単層を探針(5.120)表面に接合さ
functionalized tip
せることによって,機能化される。例えば,試料表面上
の特定の化学基の存在は,その化学基と探針に接合され
た分子間に働く固有の引力によって検出することができ
る。特性を発揮する材料で探針先端を作製することによ
っても機能化することができる。本来は機能化していな
いと考えられる場合であっても,意図せずに現れた機能
化が測定に寄与することがある。
5.65 高さ追従モード, height tracking
あらじめ決定された表面形状によって定義された表面の上方を
形状追従モード mode,
探針先端(5.120)が所定の高さで1ラインごとにトレースし,
データが記録されるモード。 topography tracking
注記1 平面差引モード(5.107)参照。 mode
注記2 このモードはライン走査での表面形状の影響を取り除
くために使用される。記録される代表的なデータは,一
般に磁気力(5.80)のようなパッチ場などにおける力で
ある。
注記3 このモードは装置メーカによってリフトオフモード,リ
フトモード又はパスモードとも呼ばれる。
5.66 ヘルツ接触 弾性域にある弾性体同士の接触状態。 Hertzian contact
注記 ヘルツ接触では,いかなる表面力及び凝着ヒステリシス
も無視することができ,表面力が存在しないような大き
な荷重を一般的に適用する。
5.67 照射モード illumination mode
〈NSOM,SNOM〉装置の光学分解能(5.94)を規定できるよう
に光学的励起(光照射)が限定されている光学走査型プローブ
(顕微鏡)装置の操作モード。
注記1 光学分解能は,例えば,光ファイバによる光学的励起の
伝達によって規定できる。
注記2 このモードは,開口(5.5)型SNOMシステムの一般的
な操作モードである。
――――― [JIS K 0147-2 pdf 22] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
5.68 照射−集光モード 〈NSOM,SNOM〉光学的励起(光照射)及び励起(光照射) illumination-
collection mode
に対する光学的な応答信号が同じ探針(5.120)で伝達される光
学走査型プローブ(顕微鏡)装置の操作モード。
注記1 SNOMでは,照射−集光モードは,照射光又は集光の
どちらか一方が小さな近接場領域に制限されたときに
起こる励起状態又は電荷キャリアのドリフトによる分
解能劣化を抑制する。
注記2 実際には,光学的応答は一般にフォトルミネセンスであ
り,探針先端は主に延伸された光ファイバである。
5.69 画像, image,
試料表面の二次元,又は三次元の表示。表示の各点の情報は,
マップ, map
明るさ,色,又は高さとして与えられ,検出器からの出力信号
像, 又はソフトウェアで処理された強度情報に関係している。
イメージ 注記 マップの強度は,例えば,白及び黒,又はカラースケー
ル上で設定された最大及び最小の信号強度をもつ規格化
した様式で示すことができる。コントラストのスケール
を定義することが望ましい。
5.70 テーパ半角, included half-angle,
〈AFM探針〉探針(5.109)表面と円すい状探針対称軸との開き
円すい半角, 角。 cone half-angle,
half tip angle
探針半角(非推奨),注記 非対称な探針では,異なる方位角でテーパ半角は同じで
半頂角(非推奨) はない。テーパ半角は定義された方位角で指定する必要(deprecated),
semi-vertical angle
があり,通常は,カンチレバー(5.18)軸方向及び法線方
向に対して指定する。 (deprecated)
5.71 非弾性トンネル inelastic tunnelling
〈STM〉電子のエネルギー損失を伴う量子力学的トンネル効果
(5.169)を含む過程。
5.72 界面エネルギー interfacial energy
熱力学的平衡状態において界面の面積を増加するために必要な
エネルギー。
注記 この用語は,より正確には単位面積当たりの界面エネル
ギーと呼ぶ方が望ましい。この用語の次元が単位面積当
たりのエネルギーになっているからである。しかし,文
献では,界面エネルギーという省略形用語が一般に用い
られている。
5.73 間欠接触モード, intermittent contact
z変位方向の正弦波変調を探針(5.109)に印加し,正弦波振動
タッピングモード mode,
の一部分で探針先端(5.120)と試料とが接触するようにする走
査モード。 tapping mode
注記1 接触モード(5.35)及び非接触モード(5.90)参照。
注記2 このモードでは,間欠接触によって生じる振動振幅の変
化によって試料と探針との間の相対距離を制御するこ
とで走査像(5.69)を得る。
注記3 TappingModeはビーコ社(現ブルカー社)の商標として
登録されている。
5.74 I-V分光法 I-V spectroscopy
〈STM〉STM探針先端を一定位置に固定し,その間にバイアス
電圧Vを変化させトンネル(5.169)電流Iの変化を記録する技
術。
注記 I-V分光法は,I/V分光法,I(V)分光法又はIV分光法とも
呼ばれる。
5.75 I-Z分光法 〈STM〉STM探針先端に一定のバイアス電圧Iを印加し,そのI-Z spectroscopy
間に探針の高さZを変化させトンネル(5.169)電流の変化を記
録する技術。
注記 I-Z分光法は,I/Z分光法,I(Z)分光法又はIZ分光法とも
呼ばれる。
――――― [JIS K 0147-2 pdf 23] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
5.76 ケルビンプローブ Kelvin probe
ダイナミックモードを利用し,かつ,試料と導電性探針(5.120)
との間の交流電流を0にするように探針バイアス(5.159)を決
定することによって,試料と探針との間の相対的ポテンシャル
を測定するために設計された探針(5.109)。
注記 ケルビンプローブは,非接触状態で動作させる。
5.77 水平力 lateral force
〈AFM〉試料表面方向でかつカンチレバー(5.18)とは直角方
向へ探針先端(5.120)にかかる力。
注記 AFM(3.2)では水平方向が試料表面内にあり,鉛直方向
が表面と垂直方向であると定義されている。実際には,
試料の鉛直方向が水平方向になるようにSPM(3.30)を
設置することも可能であり,したがって,これらの用語
はあくまでも試料表面に対するもので実験室の床面に対
するものではないことに留意する。
5.78 水平ばね定数, lateral spring
カンチレバー(5.18)上の探針先端(5.120)位置においてカン
kx, ky, constant,
チレバーにかかる水平力(5.77)とその位置におけるカンチレバ
探針水平剛性(非 ーの横方向の反り量との比率。 kx, ky,
推奨) probe lateral
注記1 垂直ばね定数(5.92)及びねじればね定数(5.166)参
照。 stiffness
注記2 kx及びkyの記号は,それぞれカンチレバー長軸に垂直 (deprecated)
方向及び平行方向の水平移動に対する水平ばね定数で
ある。
注記3 水平力顕微鏡(3.13)では,その測定の解釈に必要なの
は,ねじればね定数であり,水平ばね定数ではない。
5.79 リンカ分子, linker molecule,
対象となる分子又は粒子を試料表面に化学結合によって付着さ
テザ(非推奨) せるための分子。 tether (deprecated)
5.80 磁気力 磁場中で磁気双極子同士に働く力。 magnetic force
注記 SPM(3.30)では通常,磁気双極子は探針先端(5.120)
の強磁性体であり,試料由来の磁場が測定される。
5.81 メニスカス力 meniscus force
探針先端(5.120)及び試料に接触している凝結した液体層の存
在によって生じる探針先端と試料との間に働く力。
5.82 分子伸長, molecular pulling,
結合力又は(タンパク質の)折り畳みに関する性質を調べるた
機械的伸長 force pulling
めに,分子,粒子,又は表面に結合したある分子に張力を印加
すること。
5.83 多重周波数モード 一種類以上の周波数の振動をAFMカンチレバーに印加する方multi-frequency
法。 mode
注記 印加する周波数は,主に基本周波数の高調波が使われる。
5.84 ナノアンテナ 〈NSOM,SNOM〉ナノメートルサイズのアンテナで,遠距離 nano-antenna
場光から近接場(5.88)光への結合又はその逆の方向の結合を行
うもの。
注記 ナノアンテナは,金属探針(5.120)若しくはリソグラフ
ィ又はFIB法によってSPM探針上に形成されたアンテナ
構造の場合もある。
5.85 ナノインデンテー nanoindentation
押し込み深さ又は塑性変形の深さが100 nm以下の表面への押
ション し込み(インデンテーション)。
5.86 ナノ力学 nanomechanics
100 nmよりも小さなスケールで生じる,力場又は応力場におけ
る顕著な不均一性が生じる場合の材料の力学的解析。
注記 この用語は,100 nm以下の内部不均一構造をもつ材料の
場合,100 nm以下のサイズの探針(5.109)で材料を力学
的に調べる場合,単一分子を調べる場合など,様々な状
況に対して同程度に使われている。
――――― [JIS K 0147-2 pdf 24] ―――――
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K 0147-2 : 2017 (ISO 18115-2 : 2013)
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5.87 ナノ粒子 nanoparticle
一つの次元又はそれ以上の次元で100 nmオーダー又はそれ以
下のサイズをもつ粒子。
5.88 近接場 〈NSOM,SNOM〉電磁放射(典型的には光)源から波長一つ near field
分程度の領域。
注記1 ヘルツ型の双極子では,rを双極子からの距離とする
と,近接場内では磁場はr−3,電場はr−2の依存性をも
つ。rが波長一つ分に対して十分大きいような遠距離場
では,電場も磁場もr−1の振る舞いをみせる。したがっ
て,波長より短いサイズをもつ光源に十分近い領域で
は,電場強度及び磁場強度はそれらの近接場成分が支配
的である。
注記2 上記の帰結として,遠距離場の測定又は結像に比して,
近接場でのサンプリングは,単に光学分解能(5.94)を
向上させる以上に,より豊富な情報が得られる可能性が
ある。
5.89 近接場ラマン顕微 〈NSOM,SNOM〉近接場光源を用いて試料を励起し,微小な near-field Raman
鏡 領域からラマン分光スペクトルを得る顕微鏡。 microscopy
注記 無開口型ラマン顕微鏡(3.1)参照。
5.90 非接触モード non-contact mode
〈AFM〉探針(5.109)と試料との間に常に引力が働いている状
態で走査する走査モードの一つ。
注記1 接触モード(5.35),間欠接触モード(5.73)及びタッ
ピングモード(5.73)参照。
注記2 このモードでは,例えば,高さ一定モード又は力一定モ
ードにできる。
注記3 スタティックな非接触モードAFM(3.2)で得られる空
間分解能は,一般に接触モードのそれに劣る。
注記4 超高真空環境でのダイナミック又は周波数変調(FM)
方式の非接触モードでは,原子分解能を達成可能であ
る。
5.91 垂直力 normal force
〈AFM〉試料表面に対して垂直の方向に,探針先端(5.120)に
かかる力。
注記 状況に依存するが,この力は平均表面に対して垂直な力
ともその表面の小さな要素に対して垂直な力とも捉えら
れる。
5.92 垂直ばね定数, normal spring
〈AFM〉探針先端に印加された垂直力(5.91)を,探針先端(5.120)
ばね定数, constant,
の位置で測定された垂直方向のカンチレバー(5.18)のたわみ量
力定数, で除した商。 spring constant,
カンチレバー剛性 force constant,
注記1 水平ばね定数(5.78)及びねじればね定数(5.166)参
(非推奨), 照。 cantilever stiffness
kz (deprecated),
注記2 垂直ばね定数は,通常,ばね定数と呼ばれる。垂直ばね
kz
定数の用語は,水平ばね定数と区別する必要がある場合
に用いられる。
注記3 垂直方向の力定数kzを算出又は測定するためには,カ
ンチレバーの面に対して垂直な方向に力を加える。実際
の応用では,AFM(3.2)のカンチレバーは,試料表面
の面内方向と,試料に対して探針先端が接近する方向に
垂直な面内方向の間に,角度θで傾斜されていることが
ある。この角度は,AFM測定において垂直ばね定数を
適用する場合に重要である。
――――― [JIS K 0147-2 pdf 25] ―――――
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JIS K 0147-2:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 18115-2:2013(IDT)
JIS K 0147-2:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.71 : 化学技術(用語集)