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K 0410-3-12 : 2000 (ISO 5667-12 : 1995)
4.3.1.2 はさみ−グラブ又は貝殻バケツ (clam-shell buckets)
4.3.1.2.1 適用 このシステムは物理,化学及び生物学的研究用に推奨される。
4.3.1.2.2 水底の種類 このシステムは,シルト及び/又は砂若しくは砂利で構成される水底のサンプリ
ングに最も適している。泥炭,粘土又は浅瀬 (riffle areas) の砂利床のサンプリングには適さない。
4.3.1.2.3 試料の正確さ はさみ−グラブで採取した試料は,常に乱されている。微細な部分の流失によ
る不正確さが伴う。各装置について侵入深度は不明であり,水底の性質によって異なる。例えば,グラブ
は薄いシルト層を通って沈下できるので,底質内のどの深度から試料が採取されたかは分からない。
4.3.1.2.4 海の状態 はさみ−グラブは,浅い又は深い水域,また,流れの速い又は遅い水域の両方で使
用できる。しかし,条件に合うように構造及び質量を適応させなければならない。同じような質量の物体
を用いて試行することを勧める。これによって,強い流れが試料の位置に影響するかどうかが分かる。必
要があれば,おもりを追加できる。安全上の理由からやむを得ず主ラインを放棄する場合の保障対策とし
て標識フロートを付けた第2ラインを付けることを勧める。これは回収に役立つ。
4.3.2 コアラーシステム コアラーシステムを用いるサンプリングは,沈降物がその中に押し上げられる
ように水底中に中空管を押し込む原理によっている。試料は,管を水底から引き上げると得られる。この
サンプリング原理は,いろいろな形で用いられる。システムは管(必要に応じてロッドで延長した)を手
動で,又は自重,振動機構で水底に押し込むシステムによって区分することができる。
4.3.2.1 適用 このシステムは,物理,化学及び限られた生物学的研究に推奨される。
4.3.2.2 水底の種類 ある種の砂床に適しているが,最初に試験してみることが必要である。粘土タイプ
及び軟らかい泥炭質もコアラに適している。泥炭ボーラー (peat borer) には特定の用途がある。
4.3.2.3 試料の正確さ 多くのコアラー試料は,比較的乱されず,層の確定に使用できよう。
4.3.2.4 海の状態
− 手動形は,小さいボートで速い流れ及び強風などの海洋制限下で扱うのに適している。これらは,ダ
イバーを用いない限り,一般に浅海での使用に限られる。
− ボートから機械装置を遠隔使用することもでき,これは悪天候下の使用に適している。海岸又は橋か
らの使用は勧められない。
4.3.2.5 その他の情報
− コアラーシステムではいわゆる“パイル作用”(3.2)が生じる。パイル作用の程度は,管の直径,水底
の組成及び侵入速度などの変数によって異なる。この現象がいつ起きるかを予見することは,各場所
が多様なので困難であり,解釈は注意深く行うことが望ましい。
− 証拠は,コアの中心の圧縮を示す層のねじれ,サンプリング中のコア周辺の動きの少なさを観察する
ことによって発見できる。一般に,試料の底から上に凹状の外見が目立つ。この現象の重要性は,出
現の理由及び試料の最終用途によって異なる。成層の研究はこの現象によって著しく阻害される。こ
の現象を克服する唯一の方法は,別の技術,例えば,より大口径のコア管の使用であろう。試料管の
内面の潤滑は,引き続きの試験を行う試験室の同意が得られたときにだけ使用する。
− 沈降物試料のコアは,引き続いての試験室分析及び解釈に便利なように,寸法的に正確なサブサンプ
リングがしばしば必要になる。押し出し装置には,簡単なピストン又はコア管を載せたいろいろな固
定垂直ピストンを用いた各種の装置 (fixture) がある。押し出された物質は,サンプリング管の頂部に
取り付けた装置で切断できる。試料は,スプーンで又は沈降物が十分硬いときはスパチュラで簡単に
取り出せる。コアラー及び切断装置の材料は,どのような化学分析でも問題を生じないものを選ぶこ
とが望ましい。
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4.3.2.6 手動サンプリング装置
− この装置では,管をロッドで水底に押し込む。侵入は水底の性質によるが,通常,最大2 mまでであ
る。砂利は,このサンプリング方法に適さない。継ぎ足しロッドを用いるので,4 mを超える距離を
ロッドで架橋しなければならない岸からの作業では,試料を得るのに問題を生じることがある。舟が
動くので,ボートからよい試料を得るのは困難なことが多い。しかし,水深約2 mから信頼できる試
料を得ることができる。これを超えるときはダイバーを用いる必要がある。
− 同じ原理に基づいたいろいろな種類の手動コアラーが使用されている。幾つかの種類のコアラーシス
テムの特徴及び推奨する代表的な適用を4.3.2.6.14.3.2.6.5に示す。
4.3.2.6.1 ピストンドリル このピストンドリルは物理,化学及び生物学的研究に勧められる。これは,
硬いシルトからなる水底のサンプリング及び/又は泥炭への使用に適している。底部が閉じていないので,
試料がコア管の底から失われる可能性があり,細かい砂状又はシルト状物質の底質には不適切である。
4.3.2.6.2 ダイバーを併用するコアラーシステム
− このシステムでは,ダイバーがコア管を沈降物に押し込む。必要があれば,試料をより容易に管中に
取り込むために真空ポンプを併用する。最大侵入は2 mである。
− このダイバコア管は,化学,物理及び限られた生物学的研究に適用できる。
4.3.2.6.3 ビーカー (Beeker) コアサンプラー(附属書D参照) 管は,沈降物から引き上げるとき,試
料が管から落下するのを防ぐための膨らますことのできるじゃばら(蛇腹)を備えたカッターヘッドに載
っている。
4.3.2.6.4 密閉コアサンプラー(附属書E参照)
− プラスチック内部スリーブを備えたステンレス鋼管は,沈降物から管を取り出すとき試料が落下しな
いように膨らんだ二つの小さいじゃばら(一つは管の頂部に,一つはカッターヘッド内にある)で密
閉されている。
− その限界を考慮すると,密閉コアサンプラーは化学,物理及び限られた生物学的研究に使用できる。
これは,シルト状及びかなり軟らかい水底に適しており,(小さい)舟,又は岸[例えば,桟橋,ふ(埠)
頭及び橋]から操作できる。
備考2. ソフト及びハード用語(この規格で使用する)は多分に任意的なもので,特定の物理的沈降
物特性へのサンプラーの適応性の評価では,ある種の試行錯誤を用いなければならない。
− 管の頂部及び底部を遮断できるので,試料は乱れずに採取できる。密閉コーンサンプラーによく取り
付けられている試料離脱装置を使用するといろいろな層を正確に採取できる。
注意事項 固化したシルト (consolidated silt) では“パイル作用”を生じやすい。この場合,侵入深
度はコア管中の試料の圧縮層の深さより大きい。このことは,サンプリング操作及びコ
アの解釈において心にとめておくことが望ましい。
ボートを使用する場合,コア管を水底に押し込んだとき,舟が押し退けられないように
定位置にとどまることが重要である。舟が風又は流れによってロッドに対して移動する可
能性がある。これはサンプリング装置及びボートの破損を避けるために防止することが望
ましい。
− 主に水底の硬さ (consistency) によってサンプリング結果が決まる。その構造上(空気及び圧力ホース),
装置は水深約3 mまでのシルト状のかなり軟らかい水底にだけ使用できる。
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4.3.2.6.5 ヴリウイット (Vrijwit) ドリル又はくさびコアラー(附属書F参照) くさびコア管は最大侵入
深度1.50 mである。くさびの一つの側面は,開いたままで沈降物中に押し込む。コア管の開いた側面をス
ライダーで閉じ,試料を沈降物から取り出す。
4.3.3 機械操作のサンプリング装置 多くの種類及び改良形が用いられている。4.3.3.14.3.3.8には幾つ
かの普及形の特徴及び推奨される代表的適用,併せて各種沈降物への適性について述べる。
4.3.3.1 落下ボムコアサンプラー(附属書G参照) コア管は,おもりを付けたホルダーに取り付けてあ
り,ホルダーは船から自由に落下して沈降物中に侵入する。この方法は,船を係留する必要がないので,
迅速,かつ,効率的である。この方法は,固化していない沈降物には適さない。
4.3.3.2 ジェンキンス (Jenkins) 泥サンプラーコアサンプラー(附属書H参照)
− コアラーはフレームに取り付けられ,その大きな質量によって水底に侵入する。つり下げケーブルを
十分に緩めると閉鎖機構が働いてちょうつがいのついたアームで試料を閉じ込める。
− ジェンキンス泥サンプラーは,極めて軟らかい水底の表層の物理,化学及び限られた生物学的研究に
適している。硬い底質には不適切である。油圧装置を用いてバルブを静かに閉じることによって沈降
物の軟らかい表層の非じょう乱試料を得ることができる。
− 水底は,硬いと抵抗によってバルブがよく閉じず,また,コア管が侵入しないので,軟らかいことが
必要である。試料は深い水底からも採取できる。
4.3.3.3 クレイブ (Craib) コアラーサンプラー(附属書J参照) クレイブコアラーは,フレームに取り
付けたコア管で構成される。コア管を沈降層から引き上げるとき,まず,コア管の頂部をバルブで閉じる。
底部が水底から離れると直ちにボールによって閉じる。
4.3.3.4 簡易形 (Easy All) コアサンプラー 簡易形は,その質量を約110 kgまで増加できるコアラーであ
る。試料採取後,コア管はバルブでその頂部及び底部を閉じる。充てんしたコア管は積み込んだ後,ホル
ダーから完全に取り外すことができる。また,管壁の小さな側口に電極を差し込んで,コア物質から直接
に読取りを行うこともできる。温度及び酸化還元電位などの測定項目は容易に調べることができる。
4.3.3.5 振動コアラーサンプラー ポリ塩化ビニル管を入れたケーシングを,おもり及び振動機構によっ
て水底に押し込む。ピストンが試料を管中へ容易に移動させる。コア管が所定深度に達したら,水底から
取り出す。コアキャッチャー及びピストンがコア管からの試料の脱落を防止する。各種の振動コアラの侵
入深度は1.26 mである。全質量は約850 kg。振動コアラーを使用する場合は少なくとも1 000 kgのつり
上げ能力がある船を用いる必要がある。この種類のサンプラーは,極めて特殊な装置が必要であり,その
使用はこの規格の適用範囲を越えるものと考えられる。
4.3.3.6 ピストンコアラーサンプラー(附属書K参照) ピストンコアラーは,その頂部におもりを付け,
安定性を増すための羽根を備えたコア管で構成される。作動は自由落下の原理による。
4.3.3.7 泥炭ボーラー この装置は,通常,飽和又は部分脱水された泥炭沈降物からコアを切り出すよう
に特別に設計されたハンドオーガーから成っている。ポーランド泥炭協会 (Polish Peat Institute) の二,三
の例を附属書Lに示す。
4.3.3.8 冷却指 (cold finger) 技術 これは冷凍した装置を沈降物中に挿入してその周辺の一部を凍結さ
せ,層位抽出及び分離を可能にするものである。詳細を知るには附属書Mに引用した文献を参照するとよ
い。
5. サンプリング手順
5.1 サンプリング現場の選択
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− 必要な試料を採取する正確な地点を選ぶには,次の二つの視点が通常必要である。
a) サンプリング現場(すなわち,水塊の底におけるサンプリング断面の場所)の選定
b) サンプリング現場における正確な地点の確認
− サンプリングの目的によっては,正確なサンプリング現場の確定が必要である(特定の放流点からの
たい積の研究の場合のように)が,場合によっては河川デルタの物質の質と種類の特性調査のように
サンプリング場所の大体の確定でよいこともある。
− 一つのサンプリング局用のサンプリング現場の選択は,比較的容易である。例えば,沈降物の質のベ
ースライン記録のためのモニタリング局には適切な橋でも,上流の排水放流点でも,又はステーショ
ン前の横方向によく混合した支流でもよい。
− サンプリング前に,適切な質の水底地域の探査を助けるために低周波の音響測深機を考慮するとよい。
− 選択基準には次も含まれる。
− その場所への繰返し接近の容易さ。例えば,潮せき(汐)の影響。
− 例えば,はん(氾)濫の問題のように,安全に関係する季節的利用性 (availability)。
− 海上交通の影響,例えば,サンプリング地点は交通のあるところは避ける必要がある。
5.2 サンプリング地点の選択
− これは,ボートの大きさ,水深などの物理的制約に影響されるが,正確な地点は主に研究目的によっ
て決まる。例えば,地球物理的地図作成だけが目的の場合,選択は流れの条件だけが問題であろう。
一方,化学組成/汚染の研究ではサンプリング地点は水底地域の地球物理的条件に主に依存するであ
ろう。例えば,多量の金属による汚染は,流れのある浅瀬ではふち(淵)よりも発見しにくい。サン
プリング地点の選択には計画の事前検討によるのが望ましいが,正確な場所は現地で必ず修正される
ことになろう。
− 場所は水の出口付近,流れの混合の影響及び植物の生育のようなその他の要因を反映させる必要があ
る。
5.3 サンプリング方法の選択
− サンプリング方法の選択は,次の二つの要因によって大きく制限される。
a) 層位図形 (stratigraphical delineration) 用の大きくは乱されていない試料の要求。
b) 一般地形学 (general morphology) 的又は化学的調査用として水底表面付近から採取されたじょう乱
試料の容認。
− これらの要因は,計画策定段階で決定されよう。幾つかの種類の化学的パラメーターに対してはピス
トン又はチューブタイプの採取装置に不活性な内張りを使用する必要がある。例えば,低レベルの殺
虫剤の調査における四ふっ化エチレン樹脂の内張りである。
− サンプリング方法の選択に関するその他の要因としては,沈降物の状態に対する当該装置の適用性が
ある。様式を表1に要約する。
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5.4 サンプリングの頻度及び時期
サンプリング計画の分析結果は,計画の目的に規定された許容範囲
内で必要な情報の見積もりを提示することを要する。目的が許容誤差の限界を含んでいないときは,統計
学に基づいたサンプリング計画は不可能である。沈降物組成の経時変化は,水における変化の検出よりも
はるかに長い観測時間を要することを覚えておいた方がよい。例えば,沿岸水では金属濃度の日間 (diurnal)
変化が検出されるが,対応する沈降物は,もっと長いサンプリング期間にわたってばらつきを示すにすぎ
ない。系統サンプリングを用いる場合,サンプリング頻度が系に存在する自然のサイクルと同調していな
いことを確かめることが不可欠である。沈降物の場合,これは季節的変動であろう。ある場合,例えば,
間げき水の栄養塩の監視には,何らかの季節的変動を観察するためにサンプリング頻度を増す必要があろ
う。沈降物サンプリングの頻度は,大きな沈降速度が予期される場合だけ,結果の解釈に大きな影響を及
ぼしそうである。例えば,放流点の下流の河底の週ごとのサンプリングは,本質的な変動を除けば沈降物
の半年間隔のサンプリングからと異なったデータを示しそうもない。特別なプロジェクトの要求によるサ
ンプリングの理由では,それ自身によってサンプリング頻度が決まる。サンプリング頻度に対する統計学
の適用の詳細は,JIS K 0410-3-1 (ISO 5667-1) を参照。
5.5 現場条件
− サンプリング位置の諸条件は,正確なサンプリングを実行するために極めて重要である。これらの条
件の多くはサンプリング開始前に分かっており,作業の準備を行い,また,使用する装置を選ぶとき
に考慮することが望ましい。
− 次の条件が重要である。
− 気候学的
− 水文学的
− 地質学的
− 海運/航海
5.5.1 気候学的条件
− 温度,風向及び風力は,サンプリングを行う場合の制限要因になる。例えば,サンプリング場所が極
めて波の影響の大きい地域にある場合,いつ実行を計画するか,いつ装置を使用するかを考慮してお
くことが望ましい。気候に関する制限は附属書に各種の装置について詳細に示してある。
− 寒冷な気候の国々では湖の氷結面上の作業がよく行われる。しかしながら,安全は常に最優先であり,
地域規制に従うことが望ましい。装置は暖めたテントの中で凍結から守ることができる。
− サンプリングへの要求は,気候条件によって左右される安全要因に対して判断されるべきである。さ
らに,あらしの条件が底質を乱し,物質が流失してしまえばサンプリングは実行不能又は無意味なも
のになる。
5.5.2 水文学的条件
5.5.2.1 感潮水域
− 感潮水域では,水深,海流の速度及び方向の変化に注意することが望ましい。特に,海流が変化すれ
ば使用装置の選択は制限を受ける。速い流れの場所では大きな装置は使用できない。この種の装置を
用いるサンプリングは,サンプリング船への影響によって,低流速のときに限定するとよい。
− 感潮水域では,水深が変化するので,サンプリングは低潮位のとき実施するとよい。例えば,乾き上
がった砂州で,ここでは手ごろなすき又は同様な道具による手動サンプリングができ,安全対策の見
地からも正当な評価を与えるものである。各サンプリングの時期は,地域的条件及び地域的潮せきの
経験によって判断するとよい。
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JIS K 0410-3-12:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 5667-12:1995(IDT)
JIS K 0410-3-12:2000の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.060 : 水質 > 13.060.01 : 水質一般
JIS K 0410-3-12:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0410-3-1:2000
- 水質―サンプリング―第1部:サンプリング計画策定の指針
- JISK0410-3-3:2000
- 水質―サンプリング―第3部:試料の保存及び取扱いの指針