JIS K 0410-3-7:2000 水質―サンプリング―第7部:ボイラ施設の水及び蒸気のサンプリングの指針 | ページ 2

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K 0410-3-7 : 2000 (ISO 5667-7 : 1993)
− 試料は,なるべく流動系から採取することが望ましい。特に要求されない限り,滞留域は避ける(例
えば,満水保持のボイラ)。
− 起源及び組成の異なる水を混ぜ合わせたり,化学薬品を添加したとき,サンプリング地点は,それら
が完全混合した地点であることが望ましい。多くの場合,バルブ,ポンプ又は曲管のような乱流発生
部の下流側でサンプリングするとよい。
− 配管内を流れている水の粒子状物質の代表試料を得るのに必要なことは,次のとおりである。
a) 粒子状物質が配管内で均一に分布している場所で採取する
b) 多量の流体から代表試料を採取する
c) 粒子状物質の濃度,性質をなるべく変化させずに,サンプリングライン内を試料供給点まで試料を
輸送する
− 乱流を伴う系に対してこのような基準を満たすためには,サンプリング地点を垂直配管内に設け,等
速サンプリングを行うとよい。もし,これができないときは,サンプリング地点は水平配管で,バル
ブ,曲管のような乱流部から少なくとも配管の内径の10倍下流側に,又は5倍上流側に設置するとよ
い。サンプリング地点選択の指針を6.に示す。

5. サンプリング装置

5.1 材料

 附属品を含めてサンプリングプローブ用の材料及びプローブの取付けに使用する溶接材料は,
配管材料及び採取する流体と反応しないものが望ましい。溶接したジョイント及び溶接の設計,検査の手
順は適切,かつ,信頼できるジョイントを保証するすべての適用コードに対応したものであることが望ま
しい。また,サンプリングプローブの材料は,試料を汚染しないものを選ぶ。例えば,黄銅の部品を含む
システムは全銅の定量には好ましくない。

5.2 水のサンプリングプローブ

− 均質な水の採取には,図2に示すように流通 (off-take) 接続のものがよい。
− 粒子状物質を含む水の採取には,等速サンプリングを用いるのが理想である。
− 粒子状物質の代表試料の採取は重要である。例えば,系の腐食生成物の推定の場合である。
− 経験によれば,幾つかの事例では直管プローブ(off-take接続)で十分であった。ある場合は,指向性
プローブが必要である。直管か指向性かの選択は,両方について実験で確かめるのが最善である。サ
ンプリングプローブは,流れの方向に向き合わなければならない。指向性のサンプリングプローブは,
広範囲の粒子径の粒子状物質を含む試料を採取する場合に使用する。直管のサンプリングプローブは,
極めて微細な粒子状物質を含む水の試料を採取するときに考慮する。水を等速サンプリングするため
のサンプリングプローブの配置を図3に示す。
− 図4に示すのは,溶存物質と粒子状物質両方のサンプリングプローブをもつ実際のサンプリングシス
テムである。
備考1. 時には入口に穴のある指向性プローブを流れに背けて使用すると溶存種のサンプリングに適
することがある。この場合は,粒子の侵入が最少になり,サンプリングライン内の沈積,閉
そくの危険は減少する。これは特に,オンライン装置に試料輸送のための長いサンプリング
ラインを用いる場合に適用できる。

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図2 溶存種採取用の直管サンプリングプローブの例
図3 粒子状物質採取用の指向性サンプリングプローブの例
図4 溶存及び粒子状物質用サンプリングプローブの例

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5.3 蒸気のサンプリングプローブ

− 蒸気の性質の多相性によって飽和蒸気,過熱蒸気の二つとも指向性サンプリングプローブを用いて,
等速サンプリング(8.参照)することが望ましい。蒸気のサンプリングには,単口又は多口プローブ
のいずれも利用できる。
− ボイラドラム又はヘッダ付近の流通接続の配管からの蒸気の採取には,単口ノズルを勧める(図5に
例を示す。)。プローブの先端は流れの方向に向ける。
− 飽和蒸気及び過熱蒸気の両方を大きな管路で採取するには,多口プローブを勧める(図6参照)。条件
に適合するように特別に設計されたこのプローブは,配管の壁から挿入し,配管の中心を通って伸ば
す。
− 蒸気口は,配管の流れの上流側に向け,穴は配管断面の等しい面積からそれぞれが試料を採取できる
ような間隔にする(図7参照)。
− 過熱蒸気のサンプリングには,小口径の管から,又は蒸気の均一混合が想定される大口径の管からの
場合は,多口サンプラよりも図5に示すような単口サンプラが好ましい。一つのプローブから採取し
た試料が不足な場合は幾つかのプローブを併用し,それらを集めて一つの試料としてもよい。
図5 飽和蒸気サンプリング用サンプリングプローブの例
図6 蒸気サンプリングプローブ(多口形)の例

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備考 多孔サンプリングプローブの各孔は,それが配置された配管内の面積に対応する主蒸気を取り
出さなければならない。等しい大きさの穴に要求されるのは,管の断面の等しい面積から等し
い試料を取り出すように穴を配置することである。穴の配置は図6から求めることができる。
理想的には各サンプリング孔について等しい圧力低下が生じるようにする。この条件を助長
するには,全孔の面積をプローブの内部断面積の2/3より小さくするとよい。プローブの孔の
直径は,蒸気中の水分の補そくを確実にするために十分に大きくすることが望ましい。
全体の穴の面積の割合は,蒸気流量に対する試料流量の比に等しくなるようにする。この条
件では,プローブに入る蒸気の速度は配管を流れる蒸気の速度になり,等速流量を示すことに
なる(表1参照)。
図7 円形の管を等しい環状面積に分割するための円の半径

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表1 各種の蒸気圧についてサンプリングプローブを通過する推奨最小質量流量
蒸気圧 kPa 質量流量 kg/s・m2
500 13
1 000 20
2 000 26
3 000 31
4 000 35
5 000 38
6 000 40
7 500 43
10 000 46
12 500 48
15 000 49
17 500 49
20 000 49

5.4 サンプリングライン

− サンプリングラインは,試料の遅れ時間及び代表試料に求められる粒子状物質の沈積を最少にするた
めにできるだけ短くすることが望ましい。
− さらに,粒子状物質の沈積を最少にするには次が必要である。
a) 長い水平配管を避ける。
b) レイノルズ数>4 000の乱流条件で試料が移送されるのを確実にするために,十分に小口径の配管を
用いる。
c) バルブ自体に粒子状物質の沈積を最少にするように設計された試料調節弁,試料分岐弁を選ぶ。滞
留域,複雑流を生じる部品は避ける。

5.5 バルブ類

− バルブ類は試料の分離,試料の減圧及び流量調節のために,サンプリングラインに取り付ける。
− 試料の分離には,直列に2個のバルブが必要である。バルブは,サンプリングプローブのできるだけ
近くに設置する。バルブの構成と等級は系の圧力に適し,その国の安全基準に適合しなければならな
い。調節弁,例えば,サンプリングラインの出口にあるニードル弁は流量調節に用いる。高圧の場合
は,試料分岐弁と流量調節弁の間に減圧弁を設置することになる。冷却器が必要な場合は(5.6参照),
減圧弁は冷却器の下流側に設置するとよい。試料を採取する場合は,試料分岐弁は全開にしておく。
流量はニードル弁で調節する。したがって,冷却器を含めた全サンプリングラインは,採取系の全圧
に耐える十分な強度のものでなければならない。代表的なサンプリング配置を図1に示す。

5.6 試料冷却

− 一般に50℃を超える温度で運転している系から試料を採取する場合は冷却を行う。冷却温度は引き続
く分析によって異なる。冷却器の寸法,冷却水の温度及び速度は使用目的に応じて選択する。最終の
試料温度は2530℃が一般的である。
− 冷却器は,ステンレス鋼又は適切な材料で製作する。冷却器を納めた外筒 (shell) には安全弁を取り
付ける(図1参照)。
− 冷却器の冷却管(コイル)は,試料を採取する装置及び配管のすべての稼働状態の温度,圧力に耐え
得るように設計,製作する。
− 冷却水は,冷却器内で沈積又は腐食が生じないような水質で,構造材に左右されないものであること

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  • ISO 5667-7:1993(IDT)

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