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4.2 電気式温度測定装置
R 100
(1) 白金測温抵抗体 精密級で,公称抵抗値25.5 度,抵抗比
R 0
が1.392 50以上,温度測定範囲−190
500℃を有し,国際実用温度目盛 (IPTS-68) による定義定点又は二次基準点における抵抗値が確認
されているものを用いる(1)。
注(1) 使用する温度範囲により,次に示す温度定点を実測して目盛定めされていなければならない。
酸素の沸点 (−182.962℃)[又は,窒素の沸点 (−195.802℃)]
水の三重点 (0.01℃)[又は,氷点 (0℃)]
水の沸点 (100℃)[又はすずの凝固点 (231.9681℃)]
亜鉛の凝固点 (419.58℃)[又は硫黄の沸点 (444.674℃)]
(2) ブリッジ 測定範囲050 最小1目盛0.0001 地 するブリッジで,白金測温抵抗体との接続回路
を反転して導線抵抗及び浮遊起電力を消去できる機構を備えたもの。例えば,ミューラー形ブリッジ
が適当である。
備考 ブリッジは最初の校正後,定期的(例えば,23年ごと)に再校正を行わなければならない。
(3) 検流計 電圧感度0.1 一 しくは0.5 一 照形検流計,又はこれと同等以上の電圧感度を
有する指針形検流計を用いる。
備考 検流計の代わりにマイクロ電圧電流計を用いてもよい。
4.3 秒時計 分目盛及び秒(又は0.01分)目盛の両目盛を備えたものが望ましい。
4.4 高真空油ポンプ 凝固管ジャケット内を10分以内に0.13Pa [{0.001mmHg}] の圧力まで排気できるも
の。
4.5 結晶化誘導装置 図4に示すように,結晶化誘導棒,ジュワーびん,金属外管,試験管,かき混ぜ
棒,結晶化誘導棒保持管などからなり,試料が過度の過冷却状態になるのを防ぐのに用いる。
(1) 結晶化誘導 棒内径約3.2mm,長さ約35mmの洋銀管の一端に外径約3.2mm,長さ約300mmのベー
クライト棒を,他端には直径約1.2mmのニクロム線をそれぞれ接続したもので,ニクロム線部の先端
はらせん巻きにする。
(2) ジュワーびん 内径約70mm,深さ約185mmの二重壁ガラス製びんを用いる。
(3) 金属外管 側面及び底部に適当な穴をあけた黄銅製平底シリンダーで,試験管用は内径約22mm,長
さ約135mmの寸法のものとし,結晶化誘導棒用は内径約14mm,長さ約135mmの寸法のものとする。
両金属外管内の底部にはアスベスト円板を備える。
(4) 試験管 外径約18mm,長さ約150mmの耐熱ガラス製試験管を用いる。
(5) かき混ぜ棒 直径約1.63.2mmのニクロム線で,その先端を内径約10mmのらせん状にして35巻
きしたもの。
(6) 結晶化誘導棒保持管 外径約10mm,長さ約150mmの耐熱ガラス管で,その下端を封じたもの。
4.6 シリカゲル漏斗 図5に示すような形状・寸法の,内部にシリカゲルを詰めた耐熱ガラス製漏斗で,
試料中の水分を除去する必要が生じた場合に用いる。
――――― [JIS K 0518 pdf 6] ―――――
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図4 結晶化誘導装置(一例)
図5 シリカゲル漏斗
――――― [JIS K 0518 pdf 7] ―――――
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5. 冷媒及びシリカゲル
5.1 冷媒
(1) 二酸化炭素冷媒 JIS K 1508に固体の二酸化炭素(ドライアイス)を加えたもの。
備考 トリクロロエチレン以外の液体を用いる場合は,その液体の危険性及び毒性を十分に認識した
上で,取り扱う必要がある。
(2) 液体窒素
5.2 シリカゲル 粒度74590 いる。
使用に先立ち,シリカゲルを底の浅い容器に入れて150200℃で3時間乾燥し,シリカゲルがまだ熱い
うちにデシケーター中に移し,大気中の湿気に触れさせないようにしておく。
6. 白金測温抵抗体の点検 試験に用いる白金測温抵抗体の氷点における抵抗値を使用直前に測定し,得
られた値が白金測温抵抗体に付けられた確認値R0±0.001 地 かめる。この際,抵抗値の測定
操作は8.1(9)に準じて行い,氷点の実現法についてはJIS Z 8710の規定に従う。
氷点における抵抗値が確認値R0±0.001 地 識 は,白金測温抵抗体に変化が生じたと考えら
れるので,その校正(定義定点又は二次基準点における抵抗値の確認試験)を再び行わなければならない。
7. 試験の準備
(1) 凝固点試験装置を図1に示すように組み立て,乾燥空気供給管を通して,凝固管内に清浄・乾燥した
空気を毎分1020cm3の割合で流しておく。
(2) 凝固管ジャケット内に清浄・乾燥した空気を満たすため,ジャケット内の排気及び乾燥管を通した空
気の吸引を23回繰り返した後,凝固管ジャケットの停止コックを閉じる。
(3) 結晶化誘導装置を図4に示すように組み立て,ジュワーびんに適当な冷媒(2)を満たす。凝固管に試料
約5mlを入れ,かき混ぜ棒でときどきかき混ぜながら,試料の泥状結晶物を作り,これをコルクせん
を通して挿入した結晶化誘導棒の先端(らせん部)に付ける。次いで,結晶化の操作が必要となるま
で,結晶化誘導棒の先端が凝固管内容物(泥状結晶物)の表面に触れないようにコルクせんを用いて
保持する(3)。
注(2) 冷媒は,試料をその凝固点以下の温度に冷却できるものとする。
(3) 試料の結晶化操作に泥状結晶物を用いない場合は,結晶化誘導棒を結晶化誘導棒保持管内で冷
却・保持しておく。
8. 操作
8.1 凝固操作
(1) 冷却用ジュワーびんに適当な冷媒(2)を満たす。
(2) 凝固管のコルクせんを取り外し,ピペット又はメスシリンダーを用いて所定量の試料(通常50ml)を
これに入れる(4)。直ちにコルクせんをする。
注(4) 試料中の水分を除去する必要がある場合は,シリカゲル漏斗を用いて試料を凝固管に直接ろ過
する。
また,試料が常温で気体の場合(例えば,ブタン,1, 3−ブタジエン,イソプレンなど)は,
図6に示すような試料凝縮装置を用いて液状にし,これを凝縮温度以下の適当な温度にあらか
じめ冷却した凝固管に静かに流し入れる。
――――― [JIS K 0518 pdf 8] ―――――
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備考 室温で揮発性の高い試料(例えば,ペンタン,イソペンタンなど)の場合は,試料の蒸発損失
を最少にするため,凝固管及びピペット又はメスシリンダーを適当な温度にあらかじめ冷却し
ておく必要がある。
図6 試料凝縮装置(一例)
(3) 次いで,試験中,試料に湿気が入らないようにするため乾燥空気供給管を通して,凝固管内に清浄・
乾燥した空気を毎分1020cm3の割合で試験が終了するまで流す。
(4) かき混ぜ装置を始動し,試料を毎分120回の割合で上下にかき混ぜる。試料の温度が予期凝固点より
――――― [JIS K 0518 pdf 9] ―――――
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約15℃高い温度まで下がったならば,凝固管ジャケットの排気を始める。次いで,秒時計を始動する。
(5) 試料の温度が予期凝固点より約510℃高い温度に達するまでの間に,凝固管ジャケットの内圧を適
宜加減して,試料の冷却速度を調節する(5)。
注(5) 最適冷却速度は試料によって異なるが,通常,試料の温度が約13分間に1℃の速度で下がるよ
うに調節する。
冷却速度を増したい場合は,凝固管ジャケット内に清浄・乾燥した空気を吸引させてジャケ
ットの内圧を増し,冷却速度を遅くしたい場合は,逆にジャケット内を排気して,その内圧を
減じる。このようにして試料の最適冷却速度が得られたならば,凝固管ジャケットの停止コッ
クを注意深く閉じる。
(6) 試料の温度が予期凝固点より約5℃高い温度に達したならば,白金測温抵抗体の抵抗値が0.1 は
0.05 化するごとに,その経過時間を1秒(又は0.01分)単位まで測定し,記録する。
(7) 試料の温度が予期凝固点以下になったならば(6),過度の過冷却になるのを防ぐため,7.(3)で準備した
結晶化誘導棒(その先端に試料の泥状結晶物の付着の有無に関係なく)を凝固管のコルクせんに設け
た穴を通して,試料中に約2秒間浸没し,結晶化を行う。この操作は試料の温度降下が止まるまで,2
3分ごとに繰り返す。
注(6) 試料の凝固は,通常,その凝固点よりいくらか低い温度まで過冷した後に始まることが多い。
(8) 試料の温度降下が止まり,過冷却状態の回復(7)が始まったならば,約1分ごとに試料の抵抗値を
0.00001 地 定し(8),経過時間と共に記録する。
注(7) 過冷却状態の回復は,試料の温度が上昇し始めることで確認できる。
(8) 0.000 1 満の抵抗値は,検流計(又はマイクロ電圧電流計)によって測定する。
(9) 試料の結晶化が進み,かき混ぜ棒の動きが鈍くなったならば,かき混ぜ装置を止める。
試料の抵抗値がほとんど変化しない状態(平衡状態)になったならば,約1分ごとに試料の抵抗値
を次のようにして求め,経過時間と共に記録する。この操作は3040分間続ける。
ブリッジと白金測温抵抗体との接続回路を反転させて,それぞれの位置における試料の抵抗値を
0.00001 地 定し(8),それらを平均する。
8.2 融解操作
(1) 7.及び8.1(1)(8)に従って,試料を凝固させる。かき混ぜ棒の動きが鈍くなったならば,かき混ぜ装
置を動かしたまま,8.1(9)と同様の方法で試料の抵抗値の測定を行い,経過時間と共に記録する。
(2) かき混ぜ棒の動きが著しく鈍くなったとき,次のいずれかの方法で試料に融解エネルギーを供給する。
(a) 冷却用ジュワーびんを加温用ジュワーびんに換え,これに温水を満たす。凝固管ジャケット内を3
10分間排気した後,凝固管ジャケットの停止コックを注意深く閉じる。
(b) 冷却用ジュワーびんを取り外したままか,又は加温用ジュワーびんに換えた後,試料の融解が完了
するまで凝固管ジャケット内を排気し続ける。この場合,凝固管ジャケット部の熱伝導度は非常に
小さくなるが,試料のかき混ぜによって導入されるエネルギーが融解エネルギーとなる。
(3) 試料の抵抗値を8.1(9)と同様の方法で測定し,経過時間と共に記録する。試料の融解がほとんど完了(9)
したならば,試料の抵抗値が0.05 化するごとに,その経過時間を測定し,記録する。
試料の温度が,凝固点より約510℃高い温度になったならば,試験を終了する。
注(9) 融解の完了は,試料の抵抗値が著しく変化し始めることで確認できる。
9. 凝固曲線及び融解曲線の作成と凝固点の求め方
9.1 凝固曲線の作成と凝固点の求め方
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JIS K 0518:1995の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 0518:1995の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK1508:1982
- トリクロロエチレン(トリクロルエチレン)
- JISZ8704:1993
- 温度測定方法―電気的方法
- JISZ8710:1993
- 温度測定方法通則