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K 2180-3 : 2013
W1
W= 4
W2 10
ここに, W : 測定試料に含まれる水分(質量分率%)
W1 : 滴定された水分量(μg)
W2 : 注入した測定試料の質量(g)
6 容量滴定法
6.1 試薬
試薬は,次による。
6.1.1 カールフィッシャー試薬 ピリジンを含まないカールフィッシャー試薬を用いる。この試薬は,湿
気及び光を遮り,温度変化の小さい20 ℃以下の場所に保存する。カールフィッシャー試薬は少なくとも
日に1回の頻度で力価の標定を行う。市販のカールフィッシャー試薬を用いてもよい。カールフィッシャ
ー試薬を調製する場合は,JIS K 0113に規定された方法による。
6.1.2 脱水溶剤 JIS K 8891に規定するメタノールで,かつ,水分が質量分率0.05 %以下のものを用いる。
メタノールの脱水方法は,JIS K 0113による。市販の脱水溶剤を用いてもよい。
6.1.3 水 JIS K 0557に規定するA3のもの。
6.1.4 水−メタノール標準液 力価0.52.0 mg/mLのもの。市販のカールフィッシャー用水−メタノー
ル標準液を用いてもよい。
6.1.5 乾燥剤 5.1.2に規定するもの。
6.2 装置及び器具
装置及び器具は,次による。
6.2.1 容量滴定装置 容量滴定装置は,滴定部,制御部及び表示・記録部で構成する自動滴定装置とする。
滴定装置は,JIS K 0068及びJIS K 0113による。
6.2.2 耐圧シリンダ 5.2.2に規定するもの。
6.2.3 注射針 5.2.3に規定するもの。
6.2.4 電子天びん 5.2.4に規定するもの。
6.2.5 マイクロシリンジ 5.2.5に規定するもの。
6.2.6 ビュレット 目盛0.02 mL以下のもの。
6.3 カールフィッシャー試薬の力価の標定
カールフィッシャー試薬は,測定前にあらかじめ次によって力価の標定を行う。2回の滴定結果から算
出した力価から平均力価を算出する。
a) 水を用いる方法 次の手順で力価の標定を行う。
1) 脱水溶剤約50 mLを滴定フラスコに入れ,カールフィッシャー試薬で終点まで滴定し,滴定フラス
コ内を無水状態にする。このときの滴定量は,読み取る必要はない。
なお,終点は,カールフィッシャー試薬1滴の滴下で,分極電圧の急激な低下が一定時間(30
60秒間)持続したときとする。
2) 水を満たしたマイクロシリンジの質量を0.1 mgの桁まではかり,水を1滴(約20 mg)滴定フラス
コに加え,マイクロシリンジの質量を0.1 mgの桁まで再度はかる。マイクロシリンジの水を加える
前後の質量の差から加えた水の質量を算出し,記録する。
3) 1)に規定する方法で再び終点まで滴定し,この滴定に要したカールフィッシャー試薬の量を0.01 mL
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の桁まで読み取る。
4) 次の式を用いてカールフィッシャー試薬の力価を算出し,有効数字3桁に丸める。
A1
F=
V1
ここに, F : カールフィッシャー試薬の力価(mg/mL)
A1 : 加えた水の質量(mg)
V1 : 加えた水の滴定に要したカールフィッシャー試薬の容
量(mL)
b) 水−メタノール標準液を用いる方法 次の手順で力価の標定を行う。
1) ) 1)と同様に滴定フラスコ内を無水状態にする。
2) 滴定フラスコに水−メタノール標準液を510 mLビュレットから滴下し,その量を0.01 mLの桁ま
で読み取る。
3) 1)に規定する方法で再び終点まで滴定し,この滴定に要したカールフィッシャー試薬の量を0.01 mL
の桁まで読み取る。
4) 次の式を用いてカールフィッシャー試薬の力価を算出し,有効数字3桁に丸める。
P A2
F=
V2
ここに, F : カールフィッシャー試薬の力価(mg/mL)
P : 水−メタノール標準液の力価(mg/mL)
A2 : 水−メタノール標準液の量(mL)
V2 : 加えた水−メタノール標準液の滴定に要したカールフ
ィッシャー試薬の容量(mL)
なお,水−メタノール標準液の力価は,保存中に大気からの吸湿によって変化することがあるため,
長期間使用していなかった場合は,水を用いる方法で滴定したカールフィッシャー試薬を用いて,そ
の力価を確認する。
c) 力価の繰返し値は,2 %相対値以内でなければならない。もし,2回の滴定結果から算出した力価の偏
差が相対値2 %を超えた場合は,a) 1)又はb) 1)からの手順を更に2回繰り返す。もし,この追加した
2回の滴定結果から算出した力価の偏差が相対値2 %を超えた場合は,カールフィッシャー試薬及び
脱水溶剤を新しい試薬と取り替え,標定の手順を繰り返す。
d) 2回の滴定結果から算出した力価の偏差が相対値2 %以内の場合は,2回の平均力価を算出して記録す
る。
6.4 試料採取
試料の採取は,JIS K 2180-1の附属書Aに従って行い,その全量を1回の測定に用いる。測定試料は,
1020 gとする。
6.5 測定の手順
容量滴定法の手順は,次による。
a) 注射針の共洗い
1) 注射針を耐圧シリンダに接続し,耐圧シリンダの注射針接続側のバルブを開け,注射針内を試料で
共洗いする。
2) 十分に共洗いを行った後,耐圧シリンダのバルブを閉め,針内に残っている試料を気化させる。注
射針の先端をシリコーンゴム栓に差し込み,注射針などについている水分を拭き取る。
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b) 試料の注入
1) 共洗いが終わった注射針が接続されている耐圧シリンダの質量を1 mgの桁まではかる。
2) 注射針の先端のシリコーンゴム栓を取り外し,耐圧シリンダに接続されている注射針を試料注入口
についているシリコーンゴム板を通じて図2に示すように滴定フラスコに差し入れ,注射針の先端
が脱水溶剤の液面から3.0 cm以上下方になるように耐圧シリンダを固定する。このとき,結露によ
って発生する水滴が滴定フラスコ内に入ることを防止するため,注射針の回りに吸湿性の紙(ティ
シュペーパーなど)を巻くか,又は別のシリコーンゴム板に注射針を通して滴定フラスコに差し入
れる。
a) 垂直注入 b) 傾斜注入
1 耐圧シリンダ 2 試料注入口
3 滴定フラスコ 4 脱水溶剤
図2−容量滴定法の試料注入操作
3) 耐圧シリンダの注射針接続側のバルブを開け,測定試料の流量を0.52.0 g/minに調整し,脱水溶
剤中に測定試料を注入する。
4) 試料注入を終えた後,バルブを閉め,注射針ごと試料注入口から抜き取る。注射針の外側について
いる脱水溶剤,耐圧シリンダについている水分などを拭き取る。
5) 注射針の先端をシリコーンゴム栓に差し込み,耐圧シリンダの質量を1 mgの桁まではかり,試料注
入前の質量との差を試料の質量とする。
c) カールフィッシャー試薬の量の読取り 脱水溶剤の水分をカールフィッシャー試薬で終点まで滴定
し,そのときのカールフィッシャー試薬の量を0.01 mLの桁まで記録する。
6.6 算出
水分量Wは,次の式を用いて算出し,JIS Z 8401によって小数点以下3桁に丸める。
C F
W=
10WS
ここに, W : 測定試料に含まれる水分(質量分率%)
C : 測定試料の水分を滴定するために要したカールフィッ
シャー試薬の容量(mL)
F : カールフィッシャー試薬の平均力価(mg/mL)
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WS : 測定試料の質量(g)
10 : パーセントへ換算するための係数
7 精度
この測定方法によって得られた測定結果の許容差(確率0.95)は,次による。測定結果が許容差を外れ
た場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一装置で,引き続き短時間内に同一試料を2回測定
したとき,測定結果の差の許容差を表1に示す。
b) 室間再現精度 異なる2試験室において,別人が別の装置で,同一試料をそれぞれ1回ずつ測定した
とき,2個の測定結果の差の許容差を表1に示す。
表1−精度
単位 質量分率%
成分名 範囲 室内併行許容差 室間再現許容差
水分 00.030 0.023 X 0.047 X
注記 Xは,測定結果の平均値
8 測定結果報告書
測定結果報告書は,次の事項を記載する。
a) 試料名,試料採取場所,採取年月日及びロット番号
b) 規格番号(JIS K 2180-3)
c) 5.6又は6.6によって得られた結果
d) 特記事項
JIS K 2180-3:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2180-3:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0068:2001
- 化学製品の水分測定方法
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK2180-1:2013
- 燃料用ジメチルエーテル(DME)―第1部:品質
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方