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K 2247-2 : 2021
附属書JC
(規定)
ICP-OES法(灰化法による前処理)による微量成分
(Al,Ca,Cr,Cu,Fe,K,Mg,Na,Ni及びZn)濃度の定量
JC.1 一般
この試験方法は,高周波プラズマ発光分析法による微量成分(アルミニウム,カルシウム,クロム,銅,
鉄,カリウム,マグネシウム,ナトリウム,ニッケル及び亜鉛)濃度の定量方法のうち,前処理に灰化法
を使用する場合に適用する。
JC.2 原理
微量成分の濃度は,高周波プラズマ発光分析装置[Inductively Coupled Plasma−Optical Emission
Spectrometer (ICP-OES)]を用いて定量する。この方法は,各成分に対して検量線を必要とする。
試料の前処理については,ホットプレート又はマイクロ波マッフル炉を用いて,尿素溶液の乾燥及び灰
化を行う。
JC.3 装置
JC.3.1 灰化用装置
JC.3.1.1 メスフラスコ 公称容量100 mL,クラスA又はクラスBのメスフラスコ。
樹脂製又は石英ガラス製のメスフラスコを用いる。ほうけい酸ガラスを用いてはならない。
JC.3.1.2 マッフル炉 温調器は,温度をプログラムできるようになっていることが望ましい。また,マッ
フル炉は,ガス排出口を備えたものであることが望ましい。ガス排出口がない場合には,ブンゼンバーナ
による処理を追加する必要がある。
JC.3.1.3 ブンゼンバーナ
注記 灰化温度が高すぎると,アルカリ元素が蒸発する。
JC.3.1.4 ホットプレート 500 ℃まで加熱が可能なホットプレート。代わりに,ガス排出口が付いていて,
試料の上方に石英ガラスのあるマイクロ波マッフル炉を用いてもよい。
JC.3.1.5 化学天びん 分解能0.1 g又はそれよりよいもの。
JC.3.1.6 石英ガラス皿 公称容積100 mLのもの。プラチナ皿は,測定結果を小さくする可能性があるの
で,用いてはならない。
JC.3.2 測定装置(ICP-OES) 高塩濃度でもエアロゾルに変換することのできるネブライザシステム(ク
ロスフロー,V溝又は類似品)を用いなければならない。ICPガス(アルゴン)を加湿することが望まし
い。
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オートサンプラを用いる場合には,容器,ニードル及び発光分析装置につながる供給ホースは,高分子
材料(高密度ポリエチレン,高密度ポリプロピレン,ポリテトラフルオロエチレンなど)で作られたもの
でなければならない。ほうけい酸ガラス容器を用いてはならない。
JC.4 薬品類
JC.4.1 一般 特に規定していない限り,少なくとも分析等級の純度レベルに対応する薬品類及び蒸留水/
脱イオン水(ISO 3696の3級に対応する導電率0.5 mS/m未満のもの)を用いなければならない。
測定は,1種類の酸だけを用いて実施する。
JC.4.2 薬品類
− 質量分率が最小65 %の硝酸,又はその代替品として,質量分率が最大37 %の塩酸。
− ICP標準溶液,各成分とも1.000 g/L,混合成分でもよい。
注記 濃度が保証されたICP標準溶液であれば,市販品でも使用可能。
JC.5 手順
JC.5.1 干渉
灰化中に試料が飛散する,又はブンゼンバーナの上若しくはマッフル炉の中で予備的に灰化していると
きの温度が高すぎる(特に,K及びNaの場合)ことによって,測定結果が低めに出ることがある。無機成
分の混入(例えば,炉の断熱材の混入)によって,測定結果が高めに出ることもある。適切な処置を施し
てこれらの誤差を防がなければならない。
灰化法の前処理では,りん成分は定量不能である。なぜなら,ポリりん酸塩が灰化中に生成されて,そ
れは後の工程で溶解しないからである。
定量対象の微量成分が,樹脂製容器(試料瓶,メスフラスコなど)の内面に付着している可能性もある。
それゆえに,内面は使用前に酸(HCl,HNO3)で常に洗浄しておかなければならない。
JC.5.2 試料の前処理
試料100 gを0.1 gの誤差範囲内でひょう量し,石英ガラス皿に入れる。ホットプレートの上でゆっくり
蒸発させながら濃縮し,最終的に乾燥させる。試料が飛散しなくなるまで乾燥したら,その試料をマッフ
ル炉の中に入れ,350 ℃から開始して2時間以内に700 ℃まで上昇させ,完全に灰化させる。少なくとも
30分間は,700 ℃を維持する。
ガス排出口のある温度制御可能なマッフル炉がない場合には,試料をブンゼンバーナ(ドラフト中で)
で大部分を灰化しておき,その後にマッフル炉の中で700 ℃で灰化する。
マイクロ波マッフル炉を用いて灰化する場合には,次の作業手順に従わなければならない。
− 室温から開始する。
− 30分間以内に,200 ℃まで直線的に昇温させる。
− 200 ℃で,10分間保持する。
− 120分間以内に,700 ℃まで直線的に昇温させる。
――――― [JIS K 2247-2 pdf 52] ―――――
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− 700 ℃で,30分間以上保持する。
試料が室温まで冷えるのを待って,5 mLの硝酸(又は塩酸)及び約20 mLの水を用いて,加熱しながら
残留物を溶解する。その溶液を全て,100 mLのメスフラスコに移す。このメスフラスコが室温まで冷える
のを待って,標線まで水を加えてよく振る。
JC.5.3 検量線の作成
検量線作成の頻度は,用いるICP-OES(装置製造業者の仕様及びガイドライン)による。検量線を点検
し,そのドリフトを修正するために,作業日ごとに最低濃度及び最高濃度の標準溶液を測定することが望
ましい。表JC.1に規定する成分濃度を用いることが望ましい。
個々の成分の発光強度は,(通常は,ICPコンピュータソフトの助けを借りて)検量線を用いて変換され
る。
表JC.1−検量線作成用溶液
溶液 各成分濃度 酸添加量
mg/L mL/L
0 0 50
1 0.010
2 0.030
3 0.100
4 0.300
5 1.000
6 5.000
JC.5.4 試料の測定
発光強度測定に当たっては,表JC.2に規定する波長を用いなければならない。
表JC.2−測定波長
単位 nm
成分 波長
Al 396.15,394.40又は167.08
Ca 396.85,317.93又は393.37
Cr 205.56又は267.72
Cu 324.75又は327.39
Fe 259.94又は239.56
K 766.49又は769.90
Mg 279.55又は285.21
Na 588.99又は589.59
Ni 352.45,231.60,227.07又は221.65
Zn 213.85,206.20又は202.55
前処理した各溶液の測定は,少なくとも3回繰り返して行うものとするが,試料交換の都度十分な洗浄
時間を確保しなければならない。中間の洗浄については,質量分率3 %の硝酸(又は塩酸)溶液を用いる
とよい。
――――― [JIS K 2247-2 pdf 53] ―――――
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JC.6 結果
JC.6.1 計算
測定値がmg/Lの単位で出力される場合には,後で対応する試料の濃度(mg/kg)に変換する。
JC.6.2 結果の表示
成分ごとの結果は,全測定値の算術平均値とする。その結果は,正確に有効数字2桁まで表示する。
JC.7 試験報告書
報告書は,次のデータを含まなければならない。
a) 試験に供した製品のタイプ及び名称
b) この規格の規格番号
c) 用いた試料採取方法
d) 試験結果(JC.6参照)
e) この規格で規定した測定方法からの逸脱事項
f) 観察された異常事項
g) 試験日
参考文献
[1] JIS K 9901 高純度試薬−硝酸
[2] ISO 5661,Petroleum products−Hydrocarbon liquids−Determination of refractive index
[3] ISO 5667-3,Water quality−Sampling−Part 3: Preservation and handling of water samples
[4] ISO 11402,Phenolic, amino and condensation resins−Determination of free-formaldehyde content
[5] Official Methods of Analysis of the Association of Official Analytical Chemists (AOAC) nternational, Method
Nr. 20062
――――― [JIS K 2247-2 pdf 54] ―――――
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附属書JD
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 2247-2 ISO 22241-2:2019,(MOD)
a) ISの箇 b) 対応国際 c) 箇条ご d) ISと対応国際規格との技術的差異のe) ISと対応国際規格
条番号 規格の対 との評 内容及び理由 との技術的差異に対
応する箇 価 する今後の対策
条番号
1 1 追加 NOx還元剤AUS 32をAUS 32と略称する 技術的差異がないので,
ことを,注記として追加した。 このままとする。
2 2 追加 附属書JAで引用しているJIS K 0133を追日本独自の附属書であり
加した。 対応の必要はない。
附属書C Annex C 変更 JISでは屈折率の分解能を小数点以下5桁機会を捉えて,国際規格
の修正を提案する。
とし,計算結果を小数点以下4桁に丸める
とした。対応国際規格より,一桁分解能は
悪いが,分解能が小数点以下4桁でも,濃
度換算時の有効桁数は確保可能である。
D.4.3 D.4.3 変更 国内で市販されている標準緩衝液のpH 技術的に差はないのでこ
は,小数点以下2桁なので2桁にした。 のままとする。
D.5.2 D.5.2 変更 国内で市販されている標準緩衝液のpH 技術的に差はないのでこ
は,小数点以下2桁なので2桁にした。 のままとする。
E.5.5 E.5.5 追加 JISでは,E.5.5の試料調製の場合,標準酸
機会を捉えて,国際規格
でpH 7.0に中和するのはアンモニア濃度への追加を提案する。
が500 mg/kgの場合と追記した。
J.4 J.4 追加 図J.1及び図J.2が本文から参照されてい機会を捉えて,国際規格
ないため,参照文を追加した。 への追加を提案する。
附属書JA − 選択 ICP-MS法を規定した。ICP-MS法は,国内機会を捉えて,国際規格
で一般的に用いられている。 への追加を提案する。
附属書JB − 選択 機会を捉えて,国際規格
炎光光度法を規定した。炎光光度法は,国
内で一般的に用いられている。 への追加を提案する。
附属書JC − 選択 前処理に灰化法を適用するICP-OES法が,
国際規格から,削除され
ISOの改正によって削除されたが,国内で
た内容であり,当面この
ままとする。
一般的に用いられているため,追加した。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味を,次に示す。
− 追加 : 対応国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 : 対応国際規格の規定内容又は構成を変更している。
− 選択 : 対応国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしてい
る。
注記2 JISと対応国際規格との対応の程度の全体評価の記号の意味を,次に示す。
− MOD : 対応国際規格を修正している。
JIS K 2247-2:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 22241-2:2019(MOD)
JIS K 2247-2:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.50 : 交通機関からの排気ガス
JIS K 2247-2:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0133:2007
- 高周波プラズマ質量分析通則
- JISK2247-1:2009
- ディーゼル機関―NOx還元剤AUS 32―第1部:品質要件
- JISK2247-1:2021
- ディーゼル機関―NOx還元剤AUS 32-第1部:品質要件
- JISK2249-1:2011
- 原油及び石油製品―密度の求め方―第1部:振動法