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K 5601-3-1 : 1999 (ISO 6503 : 1984)
5.5.1 試料 この操作は,2回繰り返す。試料を完全に混合し,直ちに約0.5gを400mlのビーカー(方法
A),又は250mlのケルダールフラスコ(方法B)に移す。試料は0.1mgのけたまではかる。
5.5.2 分解
5.5.2.1 方法A ドラフト内で,試料を入れたビーカーをホットプレート(5.3.1参照)上に載せる。すべ
ての揮発性溶剤を除去するために静かに加熱する。約5mlの硫酸(5.2.1参照)を加え,時計皿でビーカー
を覆い,約15分間,より高い温度で加熱する。有機物質を分解・炭化する。白煙が発生するまで加熱を継
続する。ビーカーをホットプレートから取り出し,約10分間冷却する。5mlのピペットを用いて,過酸化
水素溶液(5.2.2参照)を5mlずつ4回ゆっくりと加える。毎回の添加は,反応が静まるのを待って行う(警
告参照)。
警告 飛散の危険があるため,過酸化水素溶液の(4回の)添加の間は,ビーカーに,カバー(時計皿)
をしたままにしておく。
再び10分間加熱し,5分間冷却する。それから過酸化水素溶液5mlずつをさらに2回加える。5分間加
熱し,5分間冷却する。最後に,さらに過酸化水素溶液5mlを加える。残存している過酸化水素を分解す
るために,再び加熱する。時計皿を取り除き,注意深く水で底面を洗い落とす。洗液はビーカーに採取す
る。著しい白煙が発生するまでビーカーを加熱する。次いでその溶液が,ほとんど乾燥するまで蒸発させ
る。ホットプレートからビーカーを下ろし,冷却する。
5.5.2.2 方法B すべての揮発性溶剤を取り除くために,ケルダールフラスコとその内容物をブンゼンバ
ーナーで緩やかに加熱する。約5mlの硫酸(5.2.1)を加え,有機物質を分解,炭化させるために約10分間加
熱し,約10分間冷却する。5mlのピペットを用いて硝酸を(5.2.3)5mlずつを4回,ゆっくりと加える。毎
回の添加は反応が静まるのを待って行う。
再び約10分間加熱し,5分間冷却する。次いで硝酸を5mlずつをさらに2回加える。5分間加熱し,5
分間冷却する。最後に,さらに硝酸5mlを加える。すべての硝酸を分解するために,著しい白煙が発生す
るまで,再び加熱し,溶液がほとんど乾燥するまで蒸発させ,冷却する。最後の段階で炭化が起こってい
れば,注意しながら硝酸をさらに加え,加熱,白煙発生,冷却の操作を繰り返す。
5.5.3 抽出 ビーカー(方法A)又はケルダールフラスコ(方法B)に50mlのEDTA溶液(5.2.6),10ml
のアンモニア溶液(5.2.5),及び50mlの水を加える。静かに約15分間煮沸し,冷却する。もし必要ならば,
中程度の目の粗さのろ紙を使って250mlの全量フラスコ中に傾斜ろ過し,ろ紙及び残留物を水洗した洗液
を加え,標線まで水で希釈し,よく混合する。
5.5.4 表2に従って試料中の予想される鉛含有量から分取液を決め,それぞれの抽出液(5.5.3)から分取す
る。分取量は,表2に従って試料中の予想される鉛含有量から求める。
表2
予想される鉛含有量 分取量
%(重量) ml
0.5以下 100(無希釈)
0.51 75
12 50
備考 鉛含有量が2% (m/m) 以上であれば,
適切な分取液量を採取すべきである。
100mlの定量フラスコに,その分取液を入れ,水で標線まで希釈し,よく混合する。
5.5.5 試薬空試験 試料を除いて,5.5.2.1(A法)又は5.5.2.2(B法),5.5.3及び5.5.4の操作を繰り返す。
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6. 定量
6.1 原理 試験溶液をアセチレン/空気フレーム中に噴霧する。鉛用中空陰極ランプ又は鉛用放電ラン
プから放射される波長283.3nmの領域に選定されたスペクトル線の吸光度を測定する。
6.2 試薬及び材料 分析には,分析試薬級の試薬及び蒸留水,又は同等の純度の水を用いる。
6.2.1 アセチレン 鋼製円筒容器に入った市販のもの。
6.2.2 圧縮空気
6.3 装置 通常の実験室の装置
6.3.1 フレーム原子吸光分析装置 波長283.3nmでの測定に適し,アセチレンと空気の燃焼バーナーを備
えたもの。
6.3.2 鉛用中空陰極ランプ又は鉛用放電ランプ
6.3.3 ビュレット 容量50ml,ISO 385-1の要求事項に適合するもの。
6.3.4 全量フラスコ 容量100ml,ISO 1042の要求事項に適合するもの。
6.4 操作
6.4.1 検量線の作成 次に示す検量線を作成するか,少なくとも同等の正確さ及び精度をもつ機器を用い
る。
6.4.1.1 標準検量溶液の調製 これらの溶液は使用する日に調製する。6個の100mlの全量フラスコ(6.3.4)
に,それぞれビュレット(6.3.3)を用いて,表3に示す量の標準鉛溶液(4.2.10又は5.2.8)をはかり取る。
10mlの塩酸(4.2.6)を加え,標線まで水で希釈し,よく混合する。
表3
標準検量溶液の番号 標準鉛溶液 標準検量溶液中の鉛の濃度
(4.2.10又は適切ならば5.2.8の容量)
ml 最一
0* 0 0
1 2 2
2 5 5
3 10 10
4 20 20
5 30 30
* ブランク検量溶液
6.4.1.2 分光測定 鉛用光源ランプ(6.3.2)を分光器(6.3.1)に取り付ける。鉛定量のための条件を最適化する。
装置を装置製造業者の手順書に従って調整し,最大の吸光度が得られるように,モノクロメーターを
283.3nmの領域に調節する。噴霧器及びバーナーの性質に従って,アセチレン(6.2.1)と空気(6.2.2)の流量を
調節し,点火してフレームを形成する。もし調整できるならば,標準検量溶液のNo.5(表3参照)におい
て吸光度がほぼフルスケールの値を示すように,スケールの拡大率を設定する。
それぞれの標準検量溶液(6.4.1.1)を,濃度の低い方から順にフレームの中に噴霧,測定し,装置が安定性
を保っていることを確認するために,標準検量溶液No.4を用いて測定を繰り返す。個々の測定の間には,
噴霧の状態を一定に保つように注意しながら,バーナーを通して水を噴霧する。
6.4.1.3 検量線 それぞれの標準検量溶液1ml中に含まれる鉛の量をマイクログラム単位でグラフの横座
標にとり,対応する吸光度からブランク検量溶液の吸光度を差し引いた値を縦座標にプロットする。
6.4.2 定量測定
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6.4.2.1 6.4.1.2の手順で,分光器(6.3.1)を調整した後,まずブランク試験溶液(4.5.6又は5.5.5)の吸光度
を測定する。次に個々の試験溶液(4.5.5又は5.5.4)の吸光度を3回ずつ測定し,再びブランク試験溶液の
吸光度を測定する。最後に,装置の応答状態が変わっていないことを確認するため,再度,標準検量溶液
No.4(表3参照)の吸光度を測定する。もし試験溶液の吸光度が最も高い鉛濃度をもつ標準検量溶液の吸
光度よりも高い場合は,試験溶液を適宜(希釈係数をFとする),既知量の水で希釈する。
6.4.2.2 一つの試験溶液について,(3回の)読取り値が2%以上異なるか,平均値より1%以上異なる場
合は,6.4.2.1の操作を繰り返す。
6.4.2.3 試薬の空試験値を補正し,吸光度から検量線を用いて個々の試験溶液中の鉛濃度cを求める。直
読式の測定装置によって自記された鉛濃度を記録する。
7. 結果の表し方
7.1 計算 塗料の全鉛含有量は,次の式によって算出する。
5.2 c F
a=
m V
ここに, a : 塗料中の全鉛含有量(質量%)
c : 検量グラフから得られた試験溶液中の鉛濃度 ( 最一
F : 6.4.2.1に示す希釈係数
m : 試料(4.5.2又は5.5.1)の質量 (g)
V : 4.5.5又は5.5.4において分取した抽出液の容量 (ml)
2個の測定値の平均を求める。
7.2 精度
備考 次の値は,得られた測定値を用い,ISO 5725に規定する計算法に基づいて求めたものである。
これらの値は,操作について経験を積んだ場合,修正されることがある。
7.2.1 繰返し精度 (r)同一の試料について,短時間内に同一の操作者が同一の実験室で同一の装置を用
いて,標準試験方法で行った2回の試験結果の差の絶対値が,95%の確率で存在すると期待される範囲の
限界値は次のとおりである。
5% 4.5.4.1に記載した,乾式灰化法における,平均値に対する相対%。
10% 4.5.4.2に記載した,アンチモンを含有する製品を対象にした,乾式灰化後アセチレン抽出方法
における,平均値に対する相対%。
5% 4.5.2.1に記載した,湿式酸化法における,平均値に対する相対%(7.2.2の備考2.参照。)。
7.2.2 再現精度 (R) 同一の試料について,異なった試験室で,異なった操作者が,標準化試験方法で
行った2回の試験結果間の差の絶対値が,95%の確率で存在すると期待される範囲の限界値は次のとおり
である。
15% 4.5.4.1に記載した,乾式灰化方法における,平均値に対する相対%。
30% 4.5.4.2に記載した,アンチモンを含有する製品を対象にした,乾式灰化後アセチレン抽出方法
における,平均値に対する相対%。
15% 4.5.2.1に記載した,湿式酸化法における,平均値に対する相対%(備考参照)。
備考1. 5.5.2.1(A法)で述べた湿式酸化法について提供された精度データは,単一の塗料試料に関
するものである。
2. 5.5.2.2(B法)で述べた湿式酸化法については,データが得られていない。
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8. 試験報告 試験報告には,少なくとも次の事項を含んでいなければならない。
a) 試験した製品の種別及びその明細
b) この規格の適用
c) 製品中の鉛を抽出するために用いた前処理法(乾式灰化又は湿式酸化),湿式酸化法を用いた場合,利
用した分解法(A法又はB法)を記録
d) 4.5.2に従って実施した,いずれかの予備処理法
e) 試験結果
f) 受渡当事者間の協定又は別の方法によって,規定した試験手順を変更した場合,その内容
g) 試験年月日
塗料分野の国際整合化調査研究委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 増 子 昇 千葉工業大学
(委員) 西 出 徹 雄 通商産業省基礎産業局
大 嶋 清 治 工業技術院標準部
鴨志田 直 史 工業技術院標準部
橋 本 繁 晴 財団法人日本規格協会
本 橋 健 司 建設省建築研究所
坪 田 実 職業能力開発大学校
武 井 昇 職業能力開発大学校
鈴 木 雅 洋 東京都立産業技術研究所
吉 田 豊 彦 社団法人色材協会
高 橋 孝 治 社団法人日本塗装工業会
青 木 茂 サンコウ電子研究所
福 島 稔 社団法人日本鋼橋塗装専門会
近 藤 照 夫 清水建設株式会社
(主査) 岩 井 弘 財団法人日本検査協会
堀 江 建 治 関西ペイント株式会社
山 田 俊 幸 神東塗料株式会社
中 東 昭 憲 神東塗料株式会社
住 田 光 正 大日本塗料株式会社
上 寺 孝 明 中国塗料株式会社
松 井 繁 武 株式会社トウペ
更 谷 浩 日本特殊塗料株式会社
曽 我 元 昭 日本ペイント株式会社
大 澤 晃 日本油脂株式会社
高 橋 真 ロックペイント株式会社
長 尾 進 専門技術者
鈴 木 幹 夫 専門技術者
松 平 忠 志 松平技術士事務所
伊 藤 義 人 専門技術者
小 島 務 財団法人日本検査協会
常 田 和 義 大日本塗料株式会社
筒 井 晃 一 日本ペイント株式会社
(事務局) 内 田 幹 雄 社団法人日本塗料工業会
山 崎 不二雄 社団法人日本塗料工業会
文責 松井繁武
JIS K 5601-3-1:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6503:1984(IDT)
JIS K 5601-3-1:1999の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 5601-3-1:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK5600-1-2:2002
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第2節:サンプリング
- JISK5600-1-3:2015
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第3節:試験用試料の検分及び調製