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K 6300-3 : 2019
附属書A
(参考)
可塑度残留指数(PRI)測定のための恒温槽の空気置換
A.1 概要
空気置換は,PRI測定のための恒温槽の条件の一つである。最適なエアフローは,良好な温度分布を保
証し,サンプルを均一に老化させる。既存のエアフロー条件の代案を決める研究をISO 2930に記載された
手順を用いて2016年に実施した。この試験の主な目的は,使用者が恒温槽の空気置換を制御するために実
用的な選択肢を提供することであった。試験は,異なる可塑度残留指数(PRI)をもつ4種類の材料を用
いて行った。試験結果は,10個の繰返し測定の平均として2日間実施して採取した。それぞれの繰返し測
定のために,可塑度の中央値は,3個の加熱していない試験片と3個の加熱した試験片とから計算した。
3種類の条件が,空気を1時間に10回置換する条件に対する代案として調査した。恒温槽のエアフラッ
プの開閉は,次のように行った。
a) 完全閉
b) 完全開
c) 半分開
上記の条件から得た結果を,空気を1時間に10回の空気置換を行って取得した結果と比較した。結果は,
それらの平均PRI値及び条件間に有意差があるかどうか判定するためにt検定を用いて分析した。
A.2 結果
A.2.1 一般
試験された4種類の材料に関して,PRIの平均及び分析結果を表A.1に示す。
半分開による恒温槽のエアフラップの条件は,空気を1時間に10回置換した結果に相当することが判明
し, PRIの結果は半分開と10回置換との結果に有意差はなかった。p値及びα水準の説明をA.2.2及び
A.2.3に示す。
表A.1−恒温槽の空気置換制御試験の平均PRI及びp値
材料 恒温槽の空気置換条件
空気を1 恒温槽のエアフラップ条件
時間に10 完全閉 完全開 半分開
回置換
平均PRI 平均PRI p値 平均PRI p値 平均PRI p値
C 61 53 0.013 3 55 1.98×10−5 61 0.131 0
D 68 62 0.012 5 64 9.67×10−8 69 0.664 8
E 61 55 0.031 8 57 1.04×10−5 62 0.327 6
F 70 63 0.026 7 65 4.04×10−4 68 0.382 8
A.2.2 p値
p値は,帰無仮説が正しいと想定した場合の確率である。p値がα以下であるとき,帰無仮説は棄却さ
れ対立仮説が採択される。しかしながら,p値がαより大きい場合には,帰無仮説は棄却されない。帰無
仮説は,特定の母集団間における有意差がないという仮説である。対立仮説は,帰無仮説に反する仮説検
――――― [JIS K 6300-3 pdf 11] ―――――
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定に用いられた仮説である。
A.2.3 α水準
α水準は,帰無仮説が正しい場合にそれを棄却する確率である。α水準は,有意水準ともいわれ,仮説
検定で用いられる。
――――― [JIS K 6300-3 pdf 12] ―――――
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附属書B
(参考)
可塑度残留指数(PRI)の試験精度
B.1 概要
この規格に記載された方法の精度を測定する試験室間試験プログラム(Interlaboratory test programme,以
下,ITPという。)を,ISO/TR 9272:2005に記載された手順及びガイドラインを用いて,2014年に行った。
ITPは,2種類の異なる可塑度残留指数(PRI)をもつ材料に関して行った。
12か所の試験室がITPに参加して,タイプ1精度を評価した。試験結果は,2日間に分けて,それぞれ
5回の繰返し測定の平均を取得し,精度計算にはこれらの平均値(各試験日のもの)を使用した。各繰返
し測定において,可塑度の中央値は3個の加熱していない試験片と3個の加熱した試験片とを用いて計算
した。このITPによって求めた精度を無条件に材料又は製品の合否試験に用いてはならない。
注記 ISO/TR 9272:2005[1]は廃止され,ISO 19983:2017[2]へ移行されている。
B.2 精度結果
B.2.1 一般
試験を行った2種類の各材料に関して,試験精度結果を表B.1に示す。
精度結果を使用するための基準をB.2.2及びB.2.3に示す。
表B.1−可塑度残留指数(PRI)の精度
材料 平均PRI 試験室内繰返し精度 試験室間再現精度 試験室の数
sr r (r) sR R (R)
A 76 0.78 2.22 2.91 1.99 5.64 7.39 12
B 81 0.79 2.23 2.76 1.77 5.01 6.21 12
sr : 測定単位で表した試験室内繰返し精度の標準偏差
r : 測定単位で表した試験室内繰返し精度
(r) : 百分率で表した試験室内繰返し精度
sR : 測定単位で表した試験室間再現精度の標準偏差
R : 測定単位で表した試験室間再現精度
(R) : 百分率で表した試験室間再現精度
B.2.2 試験室内繰返し精度
同一の試験室内で得られた二つの平均試験結果の差が表B.1に示すr又は(r)の値以上である場合は,
母集団が異なっていたなどの疑いがあり,適切な処置を講ずる必要がある。
B.2.3 試験室間再現精度
異なる試験室間で得られた二つの平均試験結果の差が表B.1に示すR又は(R)の値以上である場合は,
母集団が異なっていたなどの疑いがあり,適切な処置を講ずる必要がある。
B.2.4 偏り
偏りは,測定された試験結果の平均と基準又は問題となる測定の真値との間の差である。
基準値は,この試験方法には存在せず,偏りは決定できない。
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参考文献
[1] ISO/TR 9272:2005,Rubber and rubber products−Determination of precision for test method standards
[2] ISO 19983:2017,Rubber−Determination of precision of test methods
――――― [JIS K 6300-3 pdf 14] ―――――
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
ISO 2007:2018,Rubber, unvulcanized−Determination of plasticity−Rapid-plastimeter
JIS K 6300-3:2019 未加硫ゴム−物理特性−第3部 : ラピッドプラストメータに
よる可塑度及び可塑度残留指数(PRI)の求め方 method
ISO 2930:2017,Rubber, raw natural−Determination of plasticity retention index (PRI)
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
3 用語及び − − 追加 JIS K 6200を追加した。 JISとして必要なため追加した。
定義 技術的差異はない。
4 試験の種 − − 追加 JISは,同じ試験装置を用いて行う −
類 2種類のISO規格を1種類の規格に
まとめたため,試験の種類の項目を
追加した。
6 天然ゴム 6.2 原理 ISO 2930 1 PRIの原理について説 変更 ISO規格では,PRIが熱酸化に対す 分かりやすくするための追加で,
の可塑度残 明 る原料天然ゴムの耐性の基準であ 技術的差異はない。
留 指 数 るとの記載があったが,熱酸化では
(PRI)試 なく老化が適切との意見もあり,熱
験 酸化に関しては記載せず,JISでは,
PRIは加熱劣化後の天然ゴムの可
塑度の絶対値ではないことを記載
した。
6.8 試験結果のまと− − − 追加 有効桁数の規定を追加。 JISとして必要なため追加した。
め方 技術的差異はない。
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JIS K 6299:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.060 : ゴム