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6.2 試験装置
6.2.1 試験機 プローブを取り付ける高電圧出力側端子及び試験対象金属素地に接続する接地側端子を
備え,外部電源又は内蔵電池によって直流,交流又はパルス電流の高電圧を発生する方式の乾式のピンホ
ール試験機とし,次による。
a) 出力波形のピーク電圧(試験電圧)を精度±10 %で表示できる電圧計を備えているもの。
b) 放電が生じた場合に,プローブから離れた場所でも試験者が欠陥の有無を判定できる検出器(ランプ
及び/又はブザー)を備えているもの。
c) 検出器は,一つの欠陥を検出した後,次の欠陥の検出に備えて,0.1秒間以内に検知可能な状態に復帰
できるもの。
d) 試験機の出力両端の短絡電流は,安全上2 mA以下とする。
備考 テスラーコイルによってプローブ先端で常時コロナ放電し,ピンホールがあると放電が集中す
る方式のピンホール試験機がある。この試験機は,放電電圧が絶えず変化するため検出の再現
性が低く,また,検出が試験者の手元でしか確認できないために,この規格の適用外とする。
6.2.2 プローブ 試験機本体に接続できる導電性の心棒の先端に,放電を生じさせる電極を装着したも
の。心棒の後部は,電気絶縁物質で巻いて,素手でつかめるようになっている。電極は,復元性のよい細
い針金を束ねたブラシ状のものを標準とする。ブラシ状電極は,毛並みがよくそろっているものを用いる。
使用中の形状復元性の点からは,直径0.06 mm程度のりん青銅製の針金が望ましいが,形状の復元に注意
しながら使用すれば,黄銅製の針金を用いてもよい。
なお,皮膜が軟質であることから,りん青銅又は黄銅製の針金では傷付きやすいなどの理由がある場合
は,電極に導電性ゴムで作製した平板などを用いてもよい。しかし,平板部及びその角部は,針金状電極
に比べて放電しにくいため,欠陥の検出感度が低下する。
6.2.3 導電ケーブル 電源,プローブ,試験対象金属素地及び試験機を結ぶケーブルで,試験機の製造業
者が指定するもの。
6.3 試験の準備
6.3.1 試験機の準備 試験機の準備は,次による。
a) ブラシ状電極を用いる場合は,毛並みを調べ,不ぞろいであれば毛並みをそろえる。また,電極が塗
料などで汚れている場合は,清掃する。毛ぞろえ及び清掃が困難な場合は,ブラシ状電極を取り替え
る。
b) 試験機本体の接地側端子を,金属素地の露出部に電気的に接続する。
6.3.2 試験機の出力電圧の設定
a) 試験機の出力電圧は,図1によって最小値を求める。
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図 1 ライニング皮膜の公称膜厚に対して推奨するパルス電流方式の試験機における
ピンホール試験電圧の最小値の参考例−金属面へのライニングの場合
b) 試験機の出力電圧は,a) によって求めた最小電圧以上とする。対象とするライニング皮膜の材質,膜
厚,使用条件,ピンホールの予想される状態(欠陥の微細構造,欠陥内壁の性質,欠陥の大きさ,湿
気など),試験機の出力特性(印加時及び放電時の電圧波形)及び電極の形状によって影響されるた
め,類似の条件の実績を参考にするとよい。また,対象とするライニング皮膜に,予想されるモデル
欠陥を作り,プローブを繰り返し走査して,確実に検出できる出力電圧を求めてもよい。この場合,
電極の種類,形状及び走査速度は,実際の測定と同一にする。
備考 試験機の出力電圧が高すぎると,たとえ,使用上問題のないライニング皮膜であっても絶縁破
壊を起こすことがある。特に交流式は高出力の試験機が多く,比較的大きな皮膜の損傷を伴っ
た絶縁破壊を起こすことがある。絶縁破壊を防ぐため,直流,交流又はパルスのいずれの方式
の試験機であっても,設定した出力電圧の1.5倍の電圧を,実際に用いる電極で,健全な皮膜
の同じ点に1分間かけ続け,皮膜が破壊されないことをあらかじめ確認しておくとよい。
c) 試験機の出力電圧を設定後,電極を,対象の素地の露出部に,接触しないように近付けて放電させ,
試験機の検出器が作動することを確認する。
6.3.3 試験機の校正 試験機は,製造業者の推奨する方法及び頻度で校正する。
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6.4 試験の手順
6.4.1 ライニング皮膜面の確認 試験対象のライニング皮膜面は,目で見える汚れがなく,十分乾燥して
いなければならない。試験をする前に,試験するライニング皮膜の外観を目視で観察し,割れ,膨れ,異
物,汚れなどの有無を確認し,その部位,大きさ及び個数を記録する。
6.4.2 試験の実施 ライニング皮膜にプローブの電極の先端を軽く触れるようにし,秒速30 cm以下の速
さでプローブを一方向に動かして走査する。平面部において隣接部を走査するときは,先に走査した範囲
と3 cm程度の幅で重なるように走査する。使用環境が塩酸酸性など特に厳しい場合は,同一皮膜面を繰り
返し走査してもよい。
警告 試験実施中は,高電圧又はライニング皮膜などへ帯電した静電気によって感電しないようにす
る。試験機の接続端子,電極など,電気的な露出部に触れるほど近付いてはいけない。
備考 パルス式試験機は,直流及び交流式試験機に比べて,ライニング皮膜面の帯電量が少なく,ま
た高電圧によって直接に感電したときの衝撃が少ない。
6.4.3 ライニング皮膜の損傷及び補修 放電によってライニング皮膜が損傷した場合には,その損傷部を
除去し,試験仕様書に従って補修する。
6.4.4 試験中の確認 6.3.2 c) によって検出器の作動状況及びプローブの点検を行う。
6.5 結果の表示及び記録
試験中,試験機の検出器が作動したとき,ピンホールを検出したと評価する。
検出した場合は,ライニング皮膜の上にマーキングするとともに,検出した位置を記録する。
7. コンクリート面上のライニング皮膜に対する乾式試験機によるピンホール試験方法
7.1 概要
通電性表示器によって,コンクリート素地の通電性を確かめた後,試験機の高電圧出力側端
子をプローブに,接地側端子を試験対象のコンクリート素地に接続し,ライニング皮膜をプローブで走査
し,皮膜欠陥部に向けて生じる放電電流を検出することによって,ピンホールの有無を試験する。
7.2 試験装置
7.2.1 試験機 高電圧出力側端子及び試験対象コンクリート素地に接続する接地側端子を備え,外部電源
又は内蔵電池によって直流の高電圧を発生させる方式の乾式ピンホール試験機とし,次による。
a) 最大出力電圧を印加した場合,外部抵抗が40 MΩでも放電できるもの。
b) 出力波形のピーク電圧(試験電圧)を精度±10 %で表示できる電圧計を備えるもの。
c) 放電が生じた場合に,プローブから離れた場所でも試験者が欠陥の有無を判定できる検出器(ランプ
及び/又はブザー)を備えているもの。
d) 検出器は,一つの欠陥を検出した後,次の欠陥の検出に備えて,0.1秒間以内に検知可能な状態に復帰
できるもの。
e) 試験機の出力両端の短絡電流は,安全上2 mA以下とする。
7.2.2 プローブ 試験機本体に接続できる導電性の心棒の先端に,放電を生じさせる電極を装着したも
の。心棒の後部は,電気絶縁物質で巻いて,素手でつかめるようになっている。電極は,復元性のよい細
い針金を束ねたブラシ状のものを標準とする。ブラシ状電極は,毛並みがよくそろっているものを用いる。
使用中の形状復元性の点からは,直径0.06 mm程度のりん青銅製の針金が望ましいが,形状の復元に注意
しながら使用すれば,黄銅製の針金を用いてもよい。
なお,皮膜が軟質であることから,りん青銅又は黄銅製の針金では傷付きやすいなどの理由がある場合
は,電極に導電性ゴムで作製した平板などを用いてもよい。しかし,平板部及びその角部は,針金状電極
に比べて放電しにくいため,欠陥の検出感度が低下する。
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7.2.3 導電ケーブル 電源,プローブ,試験対象コンクリート素地及び試験機を結ぶケーブルで,試験機
の製造業者が指定するもの。
7.2.4 通電性表示器 コンクリート素地のライニング皮膜の上に押し当てたプローブによって,コンクリ
ートの表面から30 mm程度の深さまでの素地の通電性を表示できるもの。通電性表示器の仕様は,次によ
る。
a) 高周波誘電率式とする。
b) 周波数は,2.5 MHzのもの。
c) 検出限界は,ライニング皮膜の表面から垂直方向に30 mm程度の深さまで測定できるもの。
d) 目盛は,100等分(刻み2)とする。
e) 校正用テストピースをもつもの。
通電性表示器の電極部の構成及び寸法は,図2による。
1測定電極 1測定電極 50×5 mm R2.75
4本体 2アース電極 130×60 mm
5皮膜 3絶縁板 58×34 mm
6コンクリート素地
図 2 通電性表示器の電極部の構成及び寸法
7.2.5 導電性パッド 7.3.3 c) において用いる導電性パッドは,柔軟で,導電性ペーストを裏面[コンク
リートには(貼)り付ける面]に塗布した薄い金属板とする。パッドの電気抵抗は,金属に付着させたと
き,1枚当たり30 kΩ以下とする。低周波治療用健康器具に用いる有効面積15 cm2以上の導電性密着パッ
ドを利用してもよい。
7.3 試験の準備
7.3.1 ライニング皮膜面の確認 試験対象のライニング皮膜面は,目で見える汚れがなく,十分乾燥して
いなければならない。試験をする前に,試験するライニング皮膜の外観を目視で観察し,割れ,膨れ,異
物,汚れなどの有無を確認し,その部位,大きさ及び個数を記録する。
7.3.2 予備試験 コンクリート素地の通電性を確認するため,次の手順で予備試験を行う。
a) 試験対象部分のライニング皮膜の公称膜厚を確認する。
b) 通電性表示器を作動させ,0点及びフルスケールを調節する。また,試験機に附属する校正用テスト
ピースによって表示値を校正する。
c) 通電性表示器の測定電極をライニング皮膜面に静かに押し当て,表示器の数値を測定する。ライニン
グ施工面の中で乾燥程度がほぼ同じ位置から,一辺が約30 cm角の測定部位を選び,その四隅を各1
回ずつ測定し,平均値をその部位の通電性表示値とする。この場合,四隅のいずれかの測定値が,平
均値から20 %以上異なっていた場合は,近接する別の測定部位を選び,改めて同様の測定を行う。
d) 通電性の表示値が,ライニング皮膜の公称膜厚に対応する特性曲線よりも上部にある場合は,ピンホ
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ール試験が可能であると評価する(図3)。
e) 通電性の測定を行ってピンホール試験が可能とした場合,その測定部位の周辺のピンホール試験が可
能な範囲は,素地のコンクリートの乾燥程度が同等と見なされる範囲とする。このような考えに基づ
き,現場の状況を考慮して全ライニング施工面の中でピンホール試験の測定部位を決定する。
図 3 ライニング皮膜の公称膜厚−通電性表示値特性曲線
7.3.3 試験機の準備 試験機は,7.2.1の直流高電圧方式の試験機を用いる。
a) ブラシ状電極を用いる場合は,毛並みを調べ,不ぞろいであれば毛並みをそろえる。また,電極が塗
料などで汚れている場合は,清掃する。毛ぞろえ及び清掃が困難な場合は,ブラシ状電極を新しいも
のに取り替える。
b) 試験機本体は,安全のため,必ず大地に接地する。大地への接地は,社団法人日本電気協会の内線規
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JIS K 6766:2008の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.080 : プラスチック > 83.080.20 : 熱可塑性材料
- 25 : 生産工学 > 25.220 : 表面処理及び被覆加工 > 25.220.60 : 有機被覆
JIS K 6766:2008の関連規格と引用規格一覧
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- JISK3370:2019
- 台所用合成洗剤
- JISK8102:2012
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