JIS K 6766:2008 防食用樹脂ライニング皮膜の検査方法―ピンホール試験方法

JIS K 6766:2008 規格概要

この規格 K6766は、海水,腐食性のある流体,土壌,浸透液,排水などに長期間触れている部分の防食を主な目的として,海洋構造物,化学装置の機器・配管類,橋りょう(梁)及び大形槽,導水路などの土木構造物・設備において,金属面及びコンクリート面の上に被覆された樹脂ライニングの完成皮膜の湿式(電気抵抗式)及び乾式(放電式)によるピンホール試験方法について規定。

JISK6766 規格全文情報

規格番号
JIS K6766 
規格名称
防食用樹脂ライニング皮膜の検査方法―ピンホール試験方法
規格名称英語訳
Pinhole test method of lined films for corrosion prevention
制定年月日
1963年11月1日
最新改正日
2017年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

25.220.60, 83.080.20
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
塗料 2020
改訂:履歴
1963-11-01 制定日, 1967-03-01 確認日, 1970-02-01 確認日, 1973-06-01 確認日, 1977-05-01 改正日, 1980-10-01 確認日, 1986-01-01 確認日, 1994-09-01 確認日, 2002-01-20 確認日, 2008-01-20 改正日, 2012-10-22 確認日, 2017-10-20 確認
ページ
JIS K 6766:2008 PDF [13]
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まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人表面技術
協会(SFJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申
出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS K 6766:1977は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意すること。
− 氏名 : 株式会社サンコウ電子研究所
− 住所 : 神奈川県川崎市高津区久末1677
上記の特許権等の権利者は,非差別的,かつ,合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実
施を許諾等する意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対
しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。
この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ
る。
この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標
準調査会は,このような特許権等に係る確認について,責任はもたない。
なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新
案登録出願をいう。
JIS K 6766には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)ライニング皮膜の試験仕様書の例

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS K 6766 pdf 1] ―――――

K 6766 : 2008

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[1]
  •  3. 定義・・・・[1]
  •  4. 準備・・・・[2]
  •  5. 金属面上のライニング皮膜に対する湿式試験機によるピンホール試験方法・・・・[2]
  •  5.1 概要・・・・[2]
  •  5.2 試験装置及び試薬・・・・[2]
  •  5.3 試験の準備・・・・[3]
  •  5.4 試験の手順・・・・[3]
  •  5.5 結果の評価及び記録・・・・[3]
  •  6. 金属面上のライニング皮膜に対する乾式試験機によるピンホール試験方法・・・・[3]
  •  6.1 概要・・・・[3]
  •  6.2 試験装置・・・・[4]
  •  6.3 試験の準備・・・・[4]
  •  6.4 試験の手順・・・・[6]
  •  6.5 結果の表示及び記録・・・・[6]
  •  7. コンクリート面上のライニング皮膜に対する乾式試験機によるピンホール試験方法・・・・[6]
  •  7.1 概要・・・・[6]
  •  7.2 試験装置・・・・[6]
  •  7.3 試験の準備・・・・[7]
  •  7.4 試験の手順・・・・[10]
  •  7.5 結果の表示及び記録・・・・[10]
  •  附属書(参考)ライニング皮膜の試験仕様書の例・・・・[11]

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS K 6766 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 6766 : 2008

防食用樹脂ライニング皮膜の検査方法−ピンホール試験方法

Pinhole test method of lined films for corrosion prevention

序文

 この規格は,昭和38年に制定された“金属表面のポリエチレン皮膜試験方法”を,その後の改良技
術を基に改正した。対象をポリエチレン皮膜から防食用樹脂ライニング皮膜全般に広げるとともに,施工
現場において,金属面及びコンクリート面に施した完成皮膜の試験に用いる各種ピンホール試験方法を規
定した。

1. 適用範囲

 この規格は,海水,腐食性のある流体,土壌,浸透液,排水などに長期間触れている部分
の防食を主な目的として,海洋構造物,化学装置の機器・配管類,橋りょう(梁)及び大形槽,導水路な
どの土木構造物・設備において,金属面及びコンクリート面の上に被覆された樹脂ライニングの完成皮膜
の湿式(電気抵抗式)及び乾式(放電式)によるピンホール試験方法について規定する。
適用する皮膜は,次による。
a) 試験は,工事完了直後の,硬化した清浄な新しい皮膜に適用する。使用中の皮膜には,適用しない。
b) 湿式は,膜厚が500 μm程度以下の皮膜に適用し,乾式は,膜厚が10 mm程度以下の皮膜に適用する。
c) ライニング皮膜が導電性をもつ場合には適用しない。
d) 大気中での防せい(錆)を目的とする塗装には,適用しない。
e) 皮膜の表面が著しく汚染している場合は,適用しない。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 3370 台所用合成洗剤
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8891 メタノール(試薬)

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は次による。
a) ライニング 海水,腐食性のある流体,土壌,排水,浸透液などに対する長期間の防食を主な目的と
して使用され,プラスチックが主要構成材料となっている被覆。膜厚が通常200 μm程度以下の薄い
皮膜の名称であるコーティングを含む。
備考 コーティングは,500 μm以下までを対象とすることもある。
b) 試験仕様書 ライニング工事を実施するときに,材質及び使用環境に応じた試験条件,試験方法など
を記載した文書。

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c) 浸透液 構造部材表面の構造材の間を伝わって,内部に浸透した液体。
d) 素地 腐食から保護するためにライニングで被覆される部材。
e) 膜厚 硬化し乾燥しているライニングの皮膜の厚さ。
f) 公称膜厚 試験仕様書に指定した呼び膜厚。
g) 微小欠陥 ライニング皮膜に存在し,肉眼では認めにくい大きさの,気泡の抜け跡,割れ,異物,局
部的薄膜部などの小さな欠陥。
h) ピンホール 電気的試験方法で検出できる微小欠陥の総称。
備考 アメリカ合衆国などでは,ライニング皮膜に存在する微小欠陥をholiday又はdiscontinuityと総
称し,その一分類として,針でついたような欠陥(気泡の抜け跡など)をpinholeと呼んでいる。
i) 試験液 湿式のピンホール試験において,電極に含ませる導電性の水溶液。
j) 通電性 ライニング皮膜施工したコンクリート素地において,含有水分などによって生じる放電電流
の流れやすさ。
k) 通電性表示器 ピンホール試験の可否について,ライニング皮膜施工したコンクリートの通電性を試
験前に調べるための機器。

4. 準備

 試験をする前に,試験するライニング皮膜の状態,試験方法,試験条件,試験後の処置などに
ついて,試験仕様書,工事要領書などを用いてあらかじめ確認することが望ましい。試験仕様書の例を附
属書(参考)に示す。

5. 金属面上のライニング皮膜に対する湿式試験機によるピンホール試験方法

5.1 概要

 試験機の高電圧出力側端子をプローブに,接地側端子を試験対象の金属素地に接続し,プロ
ーブ先端の電極に試験液を含ませてライニング皮膜上を走査し,プローブから皮膜のピンホール内部に浸
透した試験液を通じて流れる電流を検出することによって,ピンホールの有無を試験する。

5.2 試験装置及び試薬

5.2.1  試験機 試験機は,次による。
a) プローブを取り付ける電圧出力側端子及び試験対象金属素地に接続する接地側端子を備え,外部電源
又は内蔵電池によって直流を発生する湿式(電気抵抗式)のピンホール試験機。
b) 外部抵抗が80 kΩ以下ならば検知し,100 kΩ以上ならば検知しないように設定されたランプ及び/又
はブザーによる検出器を備えているもの。
c) 検出器は,プローブから離れた場所でも,試験者が欠陥有無の判定を行えるものとし,一つの欠陥を
検出した後,次の欠陥の検出に備えて,0.1秒間以内に検知可能な状態に復帰できるもの。
d) プローブは,試験機本体に接続できる導電性の心棒の先端に,水にぬれやすく柔軟で形状復元性に優
れた電極を装着したもの。心棒の後部は,電気絶縁物質で巻いて,素手でつかめるようになっている。
電極を試験液でぬらしたとき,実用上無視できる程度の低い電気抵抗で,試験機本体と電気的に通じ
ていなければならない。
備考 電極の材質は,試験液の含浸及び形状復元性の点で,海綿又はウールローラーが適している。
試験液の含浸に注意すれば独立気泡が少ないスポンジゴム,又は形状の復元に注意すれば綿製
のものを使用してもよい。
5.2.2 試薬 試薬は,次による。
a) 水 上水道水又はより純度の高い水。

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b) 塩化ナトリウム JIS K 8150に規定するもの,又は同等の市販品。
c) 界面活性剤 JIS K 3370に規定する台所用合成洗剤,又は安全衛生に配慮した上で,JIS K 8891に規
定するメタノール若しくはJIS K 8102に規定するエタノール(95)を用いてもよい。

5.3 試験の準備

5.3.1  ライニング皮膜面の確認 試験対象のライニング皮膜面は,目で見える汚れがなく,十分乾燥して
いなければならない。試験をする前に,試験するライニング皮膜の外観を目視で観察し,割れ,膨れ,異
物,汚れなどの有無を確認し,その部位,大きさ及び個数を記録する。
5.3.2 試験液の調製 水に塩化ナトリウム及び界面活性剤を加え,均一になるようにかき混ぜて電解質の
試験液を調製する。塩化ナトリウム水溶液の濃度は,質量分率で約3 %が望ましい。界面活性剤は,混入
かくはん後の液が,容器の壁面近傍だけにわずかな泡を残す程度に混入することが望ましい。
ライニング皮膜を汚染させたくない場合は,塩化ナトリウムの濃度をさらに低下させるか,質量分率
0 %としてもよい。この場合,試験機が検知できる外部抵抗値を大きくし,感度を上げないと,小さなピ
ンホールを見逃しやすくなる一方で,検出器の感度を上げると,ピンホールがなくても,ライニング皮膜
表面に吸着している水分によって検出器が作動してしまうことがありうる。あらかじめ,対象とするライ
ニング皮膜に,予想されるモデル欠陥を作り,プローブを繰り返し走査して,ピンホールが検出できる出
力電圧を確認しておくとよい。
5.3.3 試験機の接続 試験機本体の電圧出力側端子にプローブを接続し,試験機本体の接地側端子を,金
属素地の露出部に電気的に接続する。
5.3.4 試験機の校正 試験機は,製造業者の推奨する方法及び頻度で校正する。
5.3.5 試験液の含浸 電極に試験液を,流れ落ちない程度の量で,しかも心棒にまで達するように,含ま
せる。

5.4 試験の手順

5.4.1  導通の確認 試験機の電源を入れてから,接続した試験対象の金属素地の露出部分に電極を軽く
触れて,試験機の検出器が作動することを確認する。
5.4.2 試験の実施 電極に含ませた試験液でライニング皮膜の表面を軽く濡らすようにしながら,秒速
30 cm以下の速さでプローブを一方向に動かして走査する。平面部において隣接部を走査する際は,先に
走査した範囲と3 cm程度の幅で重なるように走査する。使用環境が塩酸酸性など特に厳しい場合は,同一
皮膜面を繰り返し走査してもよい。
5.4.3 試験液の含浸確認 試験中,電極への試験液の含浸量が十分かどうかを点検するため,対象面の走
査距離20 mごとに,5.4.1による導通の確認を行う。
5.4.4 試験後の洗浄 試験液として塩化ナトリウム水溶液を使用するため,試験後は,対象表面に塩分が
残らないように十分に水で洗浄する。特に,補修が必要と判定されたピンホールについては,欠陥の内部
に塩分が残留しないように,欠陥部のライニング皮膜を除去して洗浄後,補修する。

5.5 結果の評価及び記録

 試験中,試験機の検出器が作動したとき,ピンホールを検出したと評価する。
検出した場合は,検出したライニング皮膜の上にマーキングするとともに,検出した位置を記録する。

6. 金属面上のライニング皮膜に対する乾式試験機によるピンホール試験方法

6.1 概要

 試験機の高電圧出力側端子をプローブに,接地側端子を試験対象の金属素地に接続し,ライ
ニング皮膜上をプローブで走査し,皮膜欠陥部に向けて生じる放電電流を検出することによってピンホー
ルの有無を試験する。

――――― [JIS K 6766 pdf 5] ―――――

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JIS K 6766:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 6766:2008の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK3370:2019
台所用合成洗剤
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8150:2006
塩化ナトリウム(試薬)
JISK8891:2006
メタノール(試薬)