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(3) FRP積層板の表面及び裏面の差が試験結果に影響を及ぼすことがあるので,試験片の切出し時は,
表裏面が識別できるようにする。
6.3 試験片の数 同一条件で行う試験片の数は,5個以上とする。
備考 異常な結果を示した試験片の値は捨て,この分の試験片を追加する。
7. 操作 操作は,次のとおりとする。
(1) 試験片の寸法測定 試験片の厚さは,試験片の縁から25mm内側の4点で0.01mmまで測定し,平均
値として記録する。試験片の長さ及び幅は,試験片の中心及び近くの2点以上で0.05mmまで測定し,
平均値として記録する。
(2) 衝撃 試験片に与える衝撃は,次による。
(2.1) 試験片を図2に示すような支持ジグの所定位置に,試験片の中央と支持台の中央が一致するように
配置し,トグルクランプ,押さえ板などで固定する。
(2.2) 使用する衝撃エネルギーは,試験片の厚さ1mm当たり6.67J(3)とするか,又は受渡当事者間の協定
による。
エネルギーは,次の式(1)又は式(2)(4)によって算出する。
mgh
E (1)
t
mv2
E (2)
2t
ここに, E : 単位板厚当たりのエネルギー (J/mm)
m : 落錘の質量 (kg)
g : 重力の加速度 (m/s2)
h : 落下高さ (m)
t : 試験片の厚さ (mm)
v : 衝撃速さ(5) (m/s)
注(3) 試験片の厚さ1mm当たり6.67Jの衝撃エネルギーレベルは,目安であり,試験する材料によっ
て変える必要がある。
なお,試験材料の衝撃後圧縮特性を十分把握するためには,数点の衝撃エネルギーレベルで
試験することが望ましい。
(4) 式(2)の方法は,摩擦損失を考慮しているため,式(1)より好ましい。
(5) 衝撃速さは,ストライカが試験片を衝撃する直前に測定する。
衝撃速さの測定箇所と試験片の表面との間に行程があれば,速さの測定結果を補正しなけれ
ばならない。
(2.3) 5.の(1)に規定するストライカを用いて試験片の中央部に衝撃を与える。この場合,衝撃の二度打ち
は,避けるのが好ましい。
(3) 非破壊試験 衝撃を与えた試験片についてJIS K 7090に規定する超音波探傷試験を実施し,層間はく
離損傷の面積及びはく離損傷の最大径,幅などの一般的形状を計測する。超音波探傷試験による層間
はく離損傷の一例を,図5に示す。
備考 超音波探傷試験の結果から試験片の幅の半分以上が損傷する場合には,端面の影響が有意にな
る可能性がある。その場合は,衝撃エネルギーの引下げについて検討することが望ましい。
――――― [JIS K 7089 pdf 6] ―――――
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図5 超音波探傷試験による層間はく離の一例
(4) 圧縮試験 圧縮試験は,次による。
(4.1) 衝撃を与えて超音波探傷試験を終えた試験片の所定位置(図4参照)4か所にひずみゲージをはり
付ける。
(4.2) 圧縮試験は,試験片に圧縮荷重を与えるための圧縮試験ジグ(図3参照)を用いて,試験片を所定
位置に配置できるように調節した上で行う。
(4.3) 試験速度は,毎分1±0.5mmとする。
備考 試験速度は,試験中にクロスヘッドが移動する速度とする。この場合,クロスヘッドの移
動速度が,空運転か負荷運転に関係なく事実上変わらない試験機では,空運転時のクロス
ヘッドの移動速度を試験速度とみなしてもよい。
(4.4) 試験片に予想される衝撃後圧縮強さの10%程度の荷重を掛けて,4か所のひずみゲージの各部位で
のひずみを測定する。
(4.5) 4個のひずみ値がそれらのひずみ値の平均値から10%以上異なっていないことを確認して,圧縮荷
重の掛け方に偏心がないことを確かめた後,負荷を続行して圧縮試験を行う。
備考 4個のひずみゲージのひずみ値が,それらのひずみ値の平均値から10%以上異なっている
場合は,除荷して圧縮ジグの調整を行った後,再度,予想される衝撃後圧縮強さの10%程
度の荷重を掛けて,各4個のひずみ値を測定し,圧縮荷重の掛け方に偏りがないことを確
認する。
なお,試験片に大きな衝撃損傷がある場合は,この調整が困難であることがある。この
ような場合は,調整できる範囲でよい。
(4.6) 圧縮試験は,試験の目的に応じて次の測定を行う。
(a) 破壊に至るまでの荷重−ひずみ線図又は圧縮応力−ひずみ線図を連続的に若しくは適切なほぼ均等
なひずみ間隔で記録する。
(b) 最大荷重時の荷重及び4個のひずみゲージのひずみを記録する。
(c) 圧縮弾性率は,(a)で得られた荷重−ひずみ線図又は圧縮応力−ひずみ線図から求める。
8. 計算
8.1 衝撃後圧縮強さ 衝撃後圧縮強さは,次の式(3)によって算出する。
――――― [JIS K 7089 pdf 7] ―――――
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ULT P
(pdf 一覧ページ番号 )
bt
ここに, 衝撃後圧縮強さ (MPa)
P : 最大圧縮荷重 (N)
b : 試験片の幅 (mm)
t : 試験片の厚さ (mm)
8.2 衝撃後圧縮弾性率 衝撃後圧縮弾性率は,次の式(4)によって算出する。
P3 P1 3
EX 10 (4)
(ε3ε1 ) bt
ここに, EX : 衝撃後圧縮弾性率 (GPa)
P3 : ひずみが 攀 瞑 (N)
P1 : ひずみが 攀 瞑 (N)
攀 直線部分上部のひずみ
攀 直線部分下部のひずみ
b : 試験片の幅 (mm)
t : 試験片の厚さ (mm)
攀
備考 ひずみは,4個のひずみゲージ全部の平均値とする。
0.003, 攀 0.001とする。
なお,この代わりに記録のほぼ直線とみなせる部分の上下
限に近い値を取ってもよい。
8.3 衝撃後最大圧縮ひずみ 衝撃後最大圧縮ひずみは,最大荷重時の4個のひずみゲージの平均値とす
る。
8.4 試験結果の丸め方 各試験結果及びその平均値は,JIS Z 8401によって有効数字3けたに丸める。
8.5 標準偏差及び変動係数 標準偏差及び変動係数を必要とするときは,次の式(5)及び式(6)によって算
出し,JIS Z 8401によって有効数字2けたに丸める。
(x x) 2
s (5)
n 1
CV 100 (6)
ここに, s : 標準偏差
CV : 変動係数 (%)
x : 個々の測定値
x : 測定値の平均値
n : 測定値の数
9. 報告 報告には,必要に応じて,次の事項を記録する。
(1) 材料の種類,等級及び製造業者名
(2) 試料の成形方法,試料の種類,構成,炭素繊維の体積又は質量含有率
(3) 試験片の形状,寸法,作製方法及び採取方法
(4) 試験した試験片の数
(5) 試験片の試験前の状態調節の温度,湿度及び時間
(6) 試験室の温度及び湿度
(7) 衝撃及び圧縮試験装置の形式及び容量(非破壊試験を行った場合は,超音波探傷装置の形式及び探傷
方法)
――――― [JIS K 7089 pdf 8] ―――――
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(8) 試験方法(衝撃エネルギー,衝撃速さ,衝撃エネルギー又は衝撃速さの校正の有無,衝撃負荷を与え
た試験片面の識別,衝撃を二度以上与えたか否か,損傷領域及び損傷領域の形状の判定に使用した方
法,圧縮試験速さなど)
(9) 衝撃後圧縮強さ,個々の数値,平均値,標準偏差及び変動係数
(10) 衝撃後圧縮弾性率,個々の数値,平均値,標準偏差及び変動係数
(11) 衝撃後最大圧縮ひずみ,個々の数値,平均値,標準偏差及び変動係数
(12) 衝撃損傷の面積,最大径,幅などの衝撃損傷に関する情報,圧縮破壊モード
(13) 試験年月日
(14) その他特記すべき事項
関連規格 JIS K 7076 炭素繊維強化プラスチックの面内圧縮試験方法
JIS K 7085 炭素繊維強化プラスチックの多軸衝撃試験方法
――――― [JIS K 7089 pdf 9] ―――――
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参考 小形試験片による炭素繊維強化プラスチックの
衝撃後圧縮試験方法
序文 この参考は,本体の規定に関する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
1. 適用範囲 この参考は,炭素繊維強化プラスチックの衝撃後圧縮試験を小型試験片を用いて実施する
際の方法について記述する。
備考1. この方法は,本体に規定される方法に比較して少量の材料で衝撃後圧縮試験を行うものであ
る。材料研究や破壊現象研究の促進化のために適しているもので,参考として記述する。
2. この方法によって得られる衝撃後圧縮強さは,本来,本体の規定に従った場合に得られるも
のとは別のものである。本体によって得られる衝撃後圧縮強さの代用として用いることはで
E(E : 衝撃エネルギー,t : 試験片の板厚,w : 試験片
きない。ただし,本体による場合とtw
の幅)を同一とし場合,衝撃後圧縮強さは本体による場合とほぼ等しいレベルになることが
経験的に得られている。
3. この参考は,本体と異なる部分について記述する。
2. 試験ジグ 衝撃試験時の試験片支持ジグの例を,参考図1に示す。これは鋼製のジグで,円形の穴の
ある鋼板で試験片を上下から拘束する。圧縮試験のジグの例を参考図2に示す。この圧縮試験ジグは,鋼
製で,基本的に本体の規定に定められるものとほぼ相似のものである。
3. 試験片の形状及び寸法 試験片の形状と寸法を,参考図3に示す。厚さは,2.5±0.3mmを目安とする。
本体に規定されたものの81程度の体積となっている。
参考 積層数は,本体による場合の21となる。
――――― [JIS K 7089 pdf 10] ―――――
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JIS K 7089:1996の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.120 : 強化プラスチック
JIS K 7089:1996の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISB7733:1997
- 圧縮試験機 ― 力の検証方法
- JISB7756:1993
- 高分子材料用衝撃試験機 ― 計装化装置
- JISK6900:1994
- プラスチック―用語
- JISK7072:1991
- 炭素繊維強化プラスチックの試料の作製方法
- JISK7075:1991
- 炭素繊維強化プラスチックの繊維含有率及び空洞率試験方法
- JISK7090:1996
- 炭素繊維強化プラスチック板の超音波探傷試験方法
- JISK7100:1999
- プラスチック―状態調節及び試験のための標準雰囲気
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方