JIS K 7115:1999 プラスチック―クリープ特性の試験方法―第1部:引張クリープ | ページ 2

                                                                                              5
K 7115 : 1999
F : 試験荷重 (N)
L0 : 初期標線間距離 (mm)
A : 試験片の初期断面積 (mm2)
( 時間tにおける伸び (mm)
7.2 結果の表し方
7.2.1 クリープ線図 クリープ線図は,可能ならば生データを用いて,経過時間の対数に対して引張ひず
みをプロットし,初期応力ごとに,点を結んで描かれた曲線群であり,クリープ曲線のシリーズとして表
示するのが望ましい(図1参照)。異なった温度で試験を行った場合は,各温度ごとに表示するのが望まし
い。
特定の用途を目的としての情報を要求される場合は,例えば,7.2.2及び7.2.3に示されるように,別の
方法で表示してもよい。
図1 クリープ線図
7.2.2 クリープ弾性率−時間線図 クリープ弾性率−時間線図は,7.1で示した式によって算出した引張
クリープ弾性率を経過時間の対数に対して,各初期応力ごとに,点を結んで描かれた曲線群である(図2
参照)。
異なった温度で試験を行った場合は,各温度ごとに曲線のシリーズとして表示する。

――――― [JIS K 7115 pdf 6] ―――――

6
K 7115 : 1999
図2 クリープ弾性率−時間線図
7.2.3 等時応力−ひずみ線図 等時応力−ひずみ線図は,負荷後規定された時点で,ひずみが作用した荷
重に対してどのように依存するかを示す直交座標に描いた線図 (Cartesian plot) である。通常,1 h, 10 h, 100
h, 1 000 h及び10 000 hの負荷時間に相当した幾つかの曲線を描く。一つのクリープ曲線からは1点だけし
か得られないので,等時曲線を得るためには少なくても三つの応力レベル,望ましくはそれより多くの異
なった応力レベルで試験を行うことが必要である。
図1に示すクリープ線図から特定の負荷時間(例えば,10時間)の等時応力−ひずみ線図を得るために
は,各クリープ曲線から10時間におけるひずみを読み取り,相当する応力(y軸)に対して読み取ったひ
ずみ(x軸)をプロットする。等時線図を得るためには,他の時間についてもこの操作を繰り返す(図3
参照)。
異なった温度で試験を行った場合,各温度ごとに曲線のシリーズとして表示する。
図3 等時応力−ひずみ線図

――――― [JIS K 7115 pdf 7] ―――――

                                                                                              7
K 7115 : 1999
7.2.4 三次元表示 クリープ試験生データから導かれる異なったタイプの曲線(図13参照)の間には
曲面 f (t, ‰ 係式が存在する。この関係は,三次元空間の曲面で表示できる[附属書Bの参考文献 (1)
参照]。
クリープ試験生データから導かれるすべての曲線は,この曲面の一部を形成する。個々の測定値に内在
する実験誤差のため,通常,測定値は曲線上から少し外れる。
曲面 f (t, ‰ それを形成している幾つかの曲線を誘導することで得られるが,通常は何らかの方
法でスムージング操作が必要である。コンピュータ技術は迅速,かつ,確実にこれを可能にする。
7.2.5 クリープ破壊線図 クリープ破壊線図は,ある応力で破壊する時間の予測を可能にする。クリープ
破壊線図は,時間の対数に対して応力が描かれる(図4参照)。応力は,応力の対数で表してもよい。
備考 応力は対数目盛でもよい。
図4 クリープ破壊線図
7.3 精度 この試験方法の精度は,試験室間の共同実験のデータがないので不明である。精度は,その
データが得られた時点で,次の改正版に追加される。
8. 報告 試験報告には,次の事項を含める。
a) 規格番号
b) 試験材料の特定に必要なすべての事項 : 組成,調製,製造業者,商品名,コード番号,製造日,成形
方法及びアニーリングの方法を含む
c) 試験片の寸法
d) 試験片の作製方法
e) 板の面又は材料の既知若しくは推測される配向方向に対する試験片の主軸の方向
f) 状態調節及び試験に用いた温度,湿度などの雰囲気の詳細
g) 試験を行った各温度での,7.2に規定する一つ又はそれ以上のグラフ形式若しくは表形式のクリープ試
験データ
h) クリープ回復(1)を測定したときは,試験片から荷重を除いた後の時間依存−ひずみ
注(1) 6.9の注参照。

――――― [JIS K 7115 pdf 8] ―――――

8
K 7115 : 1999
附属書A(参考) ポリマーのクリープにおける物理的エージング効果
1. 概括 物理的エージングは,分子の易動度が高い高温から,低い温度での貯蔵時間に比較して分子運
動の緩和時間が長い低温に冷却した場合に起こる。このような環境下で,低い温度で平衡構造状態に近づ
くときに,分子(形状及びパッキング)の再配列を伴った構造変化が長い時間にわたって起こる。この結
果,作用した応力によって生じるクリープ変形は,ポリマーを貯蔵した期間に依存し,長時間貯蔵した材
料のクリープ速度は減少する可能性がある。
異なった貯蔵時間でのPVC試験片のクリープコンプライアンス曲線を附属書A図1に示す。各試験片
を85 ℃(Tgに近い温度)から急速に冷却し,負荷前に試験温度の23 ℃で異なった時間 (te) で貯蔵した。
試験片の物理的年齢(貯蔵時間)をteとした場合,物理的年齢の高い試験片ほど時間軸の方向に移動する
ことが分かる。
附属書A図1 85 ℃から23 ℃に試験片を急冷した後,異なる貯蔵時間te
で得られた23 ℃におけるPVCのクリープ線図

――――― [JIS K 7115 pdf 9] ―――――

                                                                                              9
K 7115 : 1999
2. 高温でのクリープ 低い(環境)温度で貯蔵した後,高温で測定を行った場合,物理的エージングに
よってクリープ挙動はより複雑となる。低い温度で貯蔵している間に起こる物理的エージングは,試験片
を試験温度で加熱したときに一時的に逆転する。温度が上昇したとき,この現象が起こる程度は,温度変
化の大きさや試験片の貯蔵期間に依存する。貯蔵期間に基づく試験片の見掛け上(又は実際)の収縮の後,
物理的エージングは高い温度で回復する。さらに,これが起こることのタイムスケールは,試験条件に依
存する。温度上昇によって生じる貯蔵期間の状態変化の一つの結論として,高温でのクリープ挙動は,負
荷前に試験温度と同じ温度で保持した時間に依存する。
熱履歴がクリープコンプライアンスに影響を及ぼした典型的な例を附属書A図2及び附属書A図3に示
す。附属書A図2は,23 ℃の温度で200時間の期間te1貯蔵した試験片を,負荷前に44 ℃の試験雰囲気
内で異なった時間te2保持した後のクリープ線図を示す。低い温度で比較的に長い期間te1貯蔵したにもか
かわらず,高温でのクリープ挙動は,試験温度で保持した時間te2に強い依存性を示した。
附属書A図2 23 ℃から44 ℃に加熱後,異なった時間te2に保持したときの44 ℃での
PVCのクリープ線図(試験片を加熱前に23 ℃で200時間貯蔵した)
附属書A図3は,試験温度に加熱する前に23 ℃で1年以上の貯蔵期間te1を保った以外は附属書A図2
と同一条件で行われたクリープ試験の結果を示す。クリープ挙動の漸次的な減少は,保持時間がより短い
クリープ時間軸へ曲線がシフトしていくのが観察され,加熱前に試験片に生じた物理的エージングによる
構造変化よりも大きな構造変化から生じている。

――――― [JIS K 7115 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS K 7115:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 899-1:1993(MOD)

JIS K 7115:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 7115:1999の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称