JIS K 7115:1999 プラスチック―クリープ特性の試験方法―第1部:引張クリープ

JIS K 7115:1999 規格概要

この規格 K7115は、前処理,温度及び湿度が規定された条件のもとで,標準試験片によるプラスチックの引張クリープの試験方法について規定。

JISK7115 規格全文情報

規格番号
JIS K7115 
規格名称
プラスチック―クリープ特性の試験方法―第1部 : 引張クリープ
規格名称英語訳
Plastics -- Determination of creep behaviour -- Part 1:Tensile creep
制定年月日
1972年4月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 899-1:1993(MOD)
国際規格分類

ICS

83.080.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
プラスチック I(試験) 2021, プラスチック II(材料) 2021
改訂:履歴
1972-04-01 制定日, 1976-03-01 改正日, 1979-03-01 確認日, 1984-03-01 確認日, 1986-02-01 改正日, 1992-02-01 確認日, 1999-10-20 改正日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS K 7115:1999 PDF [17]
K 7115 : 1999

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS K 7115 : 1986は改正され,この規格に置き換えられる。
JIS K 7115には,次の附属書がある。
附属書A(参考) ポリマーのクリープにおける物理的エージング効果
附属書B(参考) 参考文献
附属書1(規定) 特殊試験片

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS K 7115 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 7115 : 1999

プラスチック−クリープ特性の試験方法−第1部 : 引張クリープ

Plastics−Determinaion of creep behaviour− Part 1 : Tensile creep

序文 この規格は,1993年に第1版として発行されたISO 899-1, Plastics−Determination of creep behaviour
−Part 1 : Tensile creepを元に作成した日本工業規格(日本産業規格)であり,附属書1を除いて,技術的内容及び規格票の
様式を変更することなく作成している。
附属書1には,従来,日本工業規格(日本産業規格)で規定していた試験片を規定した。
なお,この規格で下線(点線)を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
1.1 この規格は,前処理,温度及び湿度が規定された条件のもとで,標準試験片によるプラスチックの
引張クリープの試験方法について規定する。
1.2 この試験方法は,非強化の硬質及び半硬質プラスチック並びに充てん材入り及び繊維強化プラスチ
ック材料(JIS K 6900-1994参照)で,ダンベル形の試験片形状に直接成形したもの又はシート若しくは成
形品から切削加工されたものに適している。
1.3 この試験方法は設計及び研究開発に対してデータを提供するものである。
1.4 引張クリープは,試験片の調製及び寸法並びに試験環境の差で大きく変化する可能性がある。試験
片の熱履歴もまたクリープ特性に深く影響をもたらす可能性がある(附属書A参照)。したがって,正確
な相対的結果が要求されるときは,これらの要因を注意深く制御しなければならない。
1.5 引張クリープ特性を設計の目的に使用する場合には,応力,時間及び環境条件の広範囲にわたって
試験をすることが望ましい。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格
の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。
JIS K 6900-1994 プラスチック−用語
備考 ISO 472 : 1988 Plastics−Vocabularyが,この規格と同等である。
JIS K 7161-1994 プラスチック−引張特性の試験方法 第1部 : 通則
備考 ISO 527-1 : 1993 Plastics−Determination of tensile properties−Part 1: General principlesが,こ

――――― [JIS K 7115 pdf 2] ―――――

2
K 7115 : 1999
の規格と同等である。
JIS K 7162-1994 プラスチック−引張特性の試験方法 第2部 : 型成形,押出成形及び注型プラスチ
ックの試験条件
備考 ISO 527-2 : 1993 Plastics−Determination of tensile properties−Part 2 : Test conditions for
moulding and extrusion plasticsが,この規格と同等である。
ISO 291 : 1999 Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testing
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6900によるほか,次による。
3.1 クリープ (creep) 一定の応力が作用しているとき,時間とともに増加するひずみ。
3.2 初期応力 (initial stress) 片に作用する引張力を標線間の初期の断面積で除した値で,次の式
(1)によって算出する(単位 : MPa)。
F

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                            A
ここに, F : 引張力 (N)
A : 試験片の初期断面積 (mm2)
3.3 伸び (extension) ( 線間距離の増加分 (mm) で,次の式(2)によって算出する。
( Lt−L0 (2)
ここに, Lt : 試験中,所定の時間tにおける標線間距離 (mm)
L0 : 負荷に先立ち,予備荷重を与えたときの初期標線間距離 (mm)
3.4 攀‰
引張クリープひずみ (tensile-creep strain) リープ試験中,初期標線間距離に対する負荷によって
生じた所定の時間tにおける伸びの比で,式(3)(単位は無次元)又は式(4)(単位は%)によって算出する。
(Lt )
εt (3)
L0
(Lt )
εt 100 (4)
L0
3.5 引張クリープ弾性率 (tensile-creep modulus) Et 初期応力と引張クリープひずみとの比。7.1に示す式
で算出する(単位 : MPa)。
3.6 等時応力−ひずみ線図 (isochronous stress-strain curve) 負荷後規定された時間における応力対ひず
みの関係を直交座標に描いた線図 (Cartesian plot)。
3.7 破壊時間 (time to rupture) 試験荷重を加えてから試験片が破壊するまでの時間[単位 : s(秒)]。
3.8 クリープ強さ限界 (creep-strength limit) 所定の温度及び湿度の下で,規定された時間tに,破壊が
生じる初期応力 ( 又は規定されたひずみが生じる初期応力 ( 攀
3.9 クリープ回復 (recovery from creep) 荷重を除いた後,所定の時間が経過した後のひずみを,荷重を
除く直前のひずみから差し引いたひずみ(単位 : %)。
4. 装置

――――― [JIS K 7115 pdf 3] ―――――

                                                                                              3
K 7115 : 1999
4.1 つかみ具 つかみ具は,試験片に加えられる荷重方向が試験片の長軸と可能な限り厳密に一致する
ように保持できるもの。これは,試験片が単純応力を受け,かつ,試験片の荷重を受けた断面の応力が,
加えた荷重方向に対して垂直な断面で均一な分布をすると仮定できる保証となる。
備考 使用するつかみ具は,負荷前に試験片を正確に調整された位置に固定することができるものを
推奨する。荷重が増加したとき,試験片が動くような自動ロック式つかみ具は,この測定に不
適切である。
4.2 負荷装置 負荷装置は,負荷時に過渡的な過負荷を起こすことなく滑らかに荷重を加えられるよう
にし,試験荷重の±1 %に保持できるものとする。クリープ破壊試験の場合,破壊時に生じるいかなる衝
撃も隣接する負荷装置に伝わるのを防ぐように作られていなければならない。荷重機構は迅速に,円滑,
かつ,再現性のある負荷が可能でなければならない。
4.3 伸び測定装置 伸び測定装置は,荷重下における試験片の伸びを接触又は非接触式で測定できるも
のとする。この場合,機械的影響(例えば,望ましくない変形,ノッチなど),他の物理的影響(例えば,
試験片の加熱)又は化学的影響によって試験片へ影響を及ぼさないようにする。伸びを非接触(光学的)
で測定する場合,試験片の長軸は,測定装置の光軸に直角でなければならない。伸び測定装置は±0.01 mm
の正確さで測定できなければならない。
クリープ破壊試験の場合,伸びの測定は,カセトメータの原理で作動する非接触光学式装置によること
を推奨する。破壊時間の表示は,自動表示が最も望ましい。試験片上の標線マークは,標線マークの刻ま
れた(金属の)留め具を取り付けるか,不活性な熱安定性塗料で線を引く。
電気抵抗線形ひずみゲージは,試験する材料がひずみゲージをはることによって影響を受けない場合,
又は試験中接着剤が変質しない場合だけに適している。
4.4 時間測定装置 時間測定装置は,経過時間の0.1 %以内で測定できるもの。
4.5 マイクロメータ マイクロメータは,試験片の厚さ及び幅を測定するもので,0.01 mm又はこれと
同等以上の読み取りができるもの。
5. 試験片 引張特性の試験方法(JIS K 7162参照)に規定するものと同一形状及び寸法の試験片を使用
する。ただし,過去のデータとの整合性など,何らかの理由で上記試験片を使用することができない場合,
2003年4月1日までは附属書1(規定)に規定する試験片を使用してもよい。
6. 手順
6.1 状態調節及び試験雰囲気 試験片は,国際規格で規定された方法によって状態調節を行う。他に情
報がなく,受渡当事者間の協定もない場合は,ISO 291の中の最も適した条件を選んで行う。
備考 クリープ挙動は,試験中の試験片の熱履歴ばかりでなく,状態調節に使用した温度及び湿度(当
てはまる条件がある場合)にも影響されるであろう。
試験は,状態調節に使用した雰囲気中で行う。ただし,高温又は低温での試験のように受渡当事者間で
協定した場合は,この限りではない。
試験期間中の温度の変動は±2 ℃とする。
6.2 試験片寸法の測定 状態調節した試験片の寸法をJIS K 7161の9.2(試験片の寸法)に従って測定す
る。
6.3 試験片の装着 状態調節及び寸法測定をした試験片をつかみ具に取り付け,伸び測定装置を装備す
る。

――――― [JIS K 7115 pdf 4] ―――――

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6.4 応力の選択 応力は,試験材料及び試験目的に適したものを選択する。応力は試験片に加えられた
荷重を用いて3.2に示す式(1)によって算出する。
参考 応力レベルの数は,クリープ破壊線図を描くことを目的とするときは,7個以上が望ましい。
クリープ線図を描くことを目的とする場合,線型粘弾性領域の大きな材料では3個以上,そう
でないときは5個以上が望ましい。
6.5 負荷手順
6.5.1 予備負荷 負荷する前に,試験機の機械部分のあそびや伸び測定装置によって生じる試験片の不安
定さなどの影響を除くために,試験片へ予備荷重を加える必要がある場合は,予備荷重が試験結果に影響
を及ぼさないように注意する。(試験機にセットした)試験片の温度と湿度が,試験雰囲気と一致するまで
に予備荷重を加えてはならない。
予備荷重を加えた後,標線間距離を測定する。
予備荷重は,試験期間中加えておかなければならない。
6.5.2 負荷 試験片への負荷は,連続的に行うものとし,負荷開始から全負荷が終了するまでの時間は,
1秒5秒とする。同一材料のシリーズを試験する場合,試験片への負荷速度は,同じにする。
全荷重(予備荷重を含む。)が,試験荷重となるようにする。
6.6 伸び測定のスケジュール 試験片への全負荷が終わった瞬間をt=0として,伸びの記録を開始する。
伸びを自動記録及び/又は連続記録しない場合は,試験中の材料から得られるクリープ曲線の関数として
必要な測定時間を選ぶ。次の測定スケジュールを使用することが望ましい。
1 min, 3 min, 6 min, 12 min, 30 min, 1 h, 2 h, 5 h, 10 h, 20 h, 50 h, 100 h, 200 h, 500 h, 1 000 hなど。
もし,時間に対するクリープひずみのプロットにおいて不連続が予測されるか,又は不連続になった場
合は,上記で推奨した測定スケジュールよりも,もっと頻繁に読み取りを行う。
6.7 時間測定 各クリープ測定において,経過時間をその±0.1 %又は±2秒(どちらか許容範囲差の小
さい方)で測定する。
6.8 温度及び湿度の制御 温度及び湿度(当てはまる場合)を自動記録しない場合は,試験開始時及び
初期は,少なくとも1日に3回測定し,記録する。温度及び湿度が規定された範囲内に安定していること
が明らかになった場合には,少ない頻度で記録してもよい。
参考 伸び測定と同時に,雰囲気を記録することが望ましい。
6.9 クリープ回復(1)の測定(自由選択) 破壊なしに試験期間を完了したとき,迅速,かつ,滑らかに
除荷し,例えば,クリープ測定に使用したのと同様の測定スケジュールでクリープ回復を測定する。
注(1) 原国際規格には“recovery rate”とあるが,これは定義されていないため,定義にある“クリー
プ回復 (recovery from creep)”に訂正した。
7. 結果の表示
7.1 計算方法 時間tにおける引張クリープ弾性率は,初期応力を測定時間におけるひずみで除し,次の
式(5)によって算出する。
F L0
Et (5)
εt A (L) t
ここに, Et : 引張クリープ弾性率 (MPa)
初期応力 (MPa)
攀 時間tにおけるひずみ

――――― [JIS K 7115 pdf 5] ―――――

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