JIS K 7117-2:1999 プラスチック―液状,乳濁状又は分散状の樹脂―回転粘度計による定せん断速度での粘度の測定方法

JIS K 7117-2:1999 規格概要

この規格 K7117-2は、ポリマー分散液を含め,液状樹脂又は乳濁状若しくは分散状の樹脂の粘度を,標準的な形状の回転粘度計を用い,定せん断速度で測定する方法の一般原理について規定。

JISK7117-2 規格全文情報

規格番号
JIS K7117-2 
規格名称
プラスチック―液状,乳濁状又は分散状の樹脂―回転粘度計による定せん断速度での粘度の測定方法
規格名称英語訳
Plastics -- Polymers/resins in the liquid state or as emulsions or dispersions -- Determination of viscosity using a rotational viscometer with defined shear rate
制定年月日
1999年8月20日
最新改正日
2018年10月22日
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対応国際規格

ISO

ISO 3219:1993(MOD)
国際規格分類

ICS

83.080.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
プラスチック I(試験) 2021, プラスチック II(材料) 2021, 接着 2021
改訂:履歴
1999-08-20 制定日, 2003-11-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS K 7117-2:1999 PDF [10]
K 7117-2 : 1999

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
今回の制定では,国際規格との整合性を図るため,ISO 3219 : 1993を基礎として用いた。
JIS K 7117-2 : 1999には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) 共軸−二重円筒形粘度計
附属書B(規定) 円すい−平板システム

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS K 7117-2 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 7117-2 : 1999

プラスチック−液状,乳濁状又は分散状の樹脂−回転粘度計による定せん断速度での粘度の測定方法

Plastics−Polymers/resins in the liquid state or as emulsions ordispersions−Determination of viscosity using a rotational viscometerwith defined shear rate

序文 この規格は,1993年に第2版として発行されたISO 3219, Plastics−Polymers/resins in the liquid state or
as emulsions or dispersions−Determination of viscosity using a rotational viscometer with defined shear rateを元に,
対応する部分については技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)であるが,対応国際規格に
ついては規定されていない規定項目(定義)を日本工業規格(日本産業規格)として追加した。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,ポリマー分散液を含め,液状樹脂又は乳濁状若しくは分散状の樹脂の粘度を,
標準的な形状の回転粘度計を用い,定せん断速度で測定する方法の一般原理について規定する。
この規格による粘度測定方法は,せん断応力とせん断速度の間の関係を求めることから成る。この規格
を用いる場合,異なった計器で得た測定結果でも,相互に比較可能であり,せん断速度を調節する計器と
同じくせん断応力を調節する計器にも適用される。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・
追補には適用しない。
ISO 31-3 : 1992, Quantities and units−Part 3 : Mechanics
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) せん断速度 液体内の流動に直角方向の層流速度の変化割合。ずり速度,速度こう配ともいう。
b) せん断応力 液体内のずり流動面の単位面積に作用する接線力。ずり応力ともいう。
c) ニュートン性 せん断応力が,せん断速度に比例する性質。
d) 非ニュートン性 せん断応力が,せん断速度に比例しない性質。
e) 粘度 流体内部に生じる,流れに抵抗する性質で,せん断応力とせん断速度との比。
f) 見掛け粘度 非ニュートン性流体に作用したせん断応力とせん断速度との比。
g) 流動曲線 せん断速度とせん断応力との関係を示す曲線。

――――― [JIS K 7117-2 pdf 2] ―――――

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K 7117-2 : 1999
h) チクソトロピー性 非ニュートン性の物質で,時間に依存した流動特性をもち,一定のせん断速度状
態において見掛け粘度が時間とともに減少し,せん断応力を除くと徐々に復元する性質。
i) レオペキシー性 流体に一定速度のせん断応力を加えた場合に,見掛け粘度が時間とともに増大し,
応力を除くと見掛け粘度が減少する性質。
4. 原理 所定の特性をもち,せん断速度とせん断応力を同時に測定できる回転粘度計によって,流体試
料の粘度を測定する。
粘度は,次の式によって算出する。
γ&
ここに, 粘度 (Pa・s)
せん断応力 (Pa)
最 せん断速度 (s−1)
粘度のSI単位は,Pa・sである。
1 Pa・s=1 N・s/m2
備考1. 記号は,ISO 31-3 : 1992, Quantities and units−Part 3 : Mechanicsによる。
2. 粘度がせん断速度に依存する場合,すなわち, f( 最 ‰ 識 に,流体は,非ニュート
ン性挙動を示すという。これに対し,粘度がせん断速度に無関係な流体は,ニュートン性挙
動を示すという。
5. 装置
5.1 回転粘度計
5.1.1 測定システム 測定システムは,対称的で同じ軸を共有する二つの面から成り,その間に粘度を測
定する流体を入れる。一方の面が静止し,他方の面が一定の角速度で回転する。測定システムは,測定の
たびにせん断速度を定めることができるものとする。
トルク測定装置を,面の一方に取り付け,流体の粘性抵抗に打ち勝つのに必要なトルクが求められるよ
うにする。
適切な測定システムとしては,共軸−二重円筒システム及び円すい−平板システムがある。
測定システムの寸法は,附属書A及び附属書Bに規定した条件を満たすように決める。その条件は,あ
らゆる種類の測定及び通常のあらゆる形式の基本的な計器に対して,幾何学的に相似な流れが得られるよ
うに設計されている。
5.1.2 基本的な計器 基本的な計器は,ある範囲で回転数の設計を段階的又は連続的に変えることができ,
それに伴うトルクの測定又はその逆(すなわち,所定のトルクに設定とそれに伴う回転数の測定)が行え
るように,別のロータ及びステータに交換できるように設計すべきである。
装置のトルク測定の精確さは,フルスケール読み値の2%以内とする。通常の計器動作範囲内では,回
転数測定の精確さは,測定値の2%以内とする。粘度測定の併行精度は±2%でなければならない。
備考 異なる測定システム及び回転数を用いることによって,大部分の市販計器で10−2Pa・s103Pa・s
の粘度範囲の測定をカバーできる。
せん断速度の範囲は,装置が異なると大きく変化する。特殊な基本的計器及び関連する測定システムを
選ぶときは,粘度及びせん断速度の測定範囲を考慮して選ぶ必要がある。

――――― [JIS K 7117-2 pdf 3] ―――――

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5.2 温度調節装置 恒温槽の循環液温度又は電気加熱した壁面温度は,0℃50℃の温度範囲では,±
0.2℃以内で一定に保ち,それ以上の温度では±0.5℃以内に保つものとする。
もっと厳密な測定には,より厳しい許容差(例えば,±0.1℃)が必要な場合がある。
5.3 温度計 温度計の正確さは,±0.05℃とする。
6. 試料の採取 試料の調製と粘度計への導入に関する特殊な方法を含め,試料の採取方法は,その材料
の試験規格に規定されたものとする。
試料には,目に見える不純物又は気泡を含んでいてはならない。
試料が吸湿性であるか又は揮発性の成分を含む場合には,試料容器を密閉して,粘度への影響をできる
限り少なくする。
7. 試験条件
7.1 校正 粘度計は,例えば,トルク特性を測定したり,粘度が分かっている標準液(ニュートン性流
体)を用いて,定期的に校正する。標準液での測定点に最も近似するように引いた直線が,その方向の精
度限界内で座標の原点を通らない場合には,装置製作者の説明書によって,測定手順及び装置をさらに点
検する必要がある。
校正に用いる標準液の粘度は,測定試料の粘度と同じ範囲にならなければならない。
参考 JIS Z 8809(粘度計校正用標準液)に規定する標準液を用いるのが望ましい。
7.2 試験温度 通常,粘度は温度に依存するので,比較のための測定は同じ温度で行う。周囲温度で測
定する必要がある場合には,23.0℃±0.2℃の温度が望ましい。
その他の詳細事項は,その材料の試験規格に規定したものを用いる。
備考 測定の間に,熱は試料中に放散する。ニュートン性液体を断熱条件下で試験する場合には,単
最 W/m3) で与えられ,試料の温度上昇の原因になる場合がある。
位時間当たりの発熱量は, 2
7.3 せん断速度の選択 測定は,その計器で可能な回転数(定せん断応力の計器の場合にはトルク)の
設定又はプログラムに基づいて,できる限り多くのせん断速度(4種類以上)で行い,また,粘度とせん
断速度について広範囲のグラフが書けるように,広く異なったせん断速度で行うのが,すべてのニュート
ン性試料の場合に有利であり,非ニュートン性試料の場合には特に推奨される。
その材料の試験規格がある場合には,せん断速度は,その試験規格に規定すべきである。
異なる計器によって測定した粘度を比較するために,せん断速度 (s−1) は,次の値から成る一連の組か
ら選ぶことを推奨する。
1.00s−1, 2.50s−1, 6.30s−1, 16.0s−1, 40.0s−1, 100s−1, 250s−1;
又は
1.00s−1, 2.50s−1, 5.00s−1, 10.0s−1, 25.0s−1, 50.0s−1, 100s−1;
及びこれらの値を100倍した値又は100で除した値。
使用する計器でこれらの値を選択できない場合には,せん断速度の値は,粘度曲線から選ぶものとする。
非ニュートン性流体の場合には,せん断速度を増やす方向で測定を始める。すなわち,最大速度に到達
するまでは回転速度を増やし,次に速度を減らして,せん断速度を減らしながら以後の測定を行う。
備考 こうして定性的ではあるが,チクソトロピー性とレオペキシー性が評価できる。
チクソトロピー性とレオペキシー性の液体の場合には,その材料の試験規格に試験条件を規定する必要
がある。

――――― [JIS K 7117-2 pdf 4] ―――――

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K 7117-2 : 1999
測定に入る前に,粘度計内の試料がチクソトロピー構造を回復するのに十分な時間を与える必要がある。
この時間は,試料の種類によって変わる。
せん断速度の増加時と減少時との計器の読みの差が,ばらつく場合には,両者の平均値を取る。チクソ
トロピー系の場合のようにその差が一定の場合には,両方の値を報告する。
7.4 手順 その材料の試験規格に特に規定がない場合には,新しい試料を用い,関連する附属書A又は
附属書Bによって3回の測定を行う。粘度測定値の評価については,附属書A及び附属書Bを参照する。
特定試料の粘度を異なった温度で測定する必要がある場合には,選択した測定システムの大きさが適切
である限り(温度によって粘度が変化するので,測定システムを変える必要のある場合がある。),同じ試
料を用いて各温度での粘度曲線を求める。
測定の繰り返しごとに,可能な場合には,新しい試料を用い,温度を上げながら粘度の測定を始め,続
いて温度を下げながら測定する。
測定の前に,粘度計の試料が必要な温度に到達するために十分な時間を与える必要がある。
8. 結果の表し方 装置説明書にある関係式又は装置に附属した表,若しくはノモグラフを用いて,粘度
Pa・s) を算出する。3回の測定の平均値を求める。
粘度の値を表す場合には,括弧の中に粘度を測定した温度とせん断速度を示す。
例えば,
23℃,1600s−1) =4.25 Pa・s
異なる温度及びせん断速度で粘度を測定する場合には,それらの関係を示すために曲線にプロットする。
9. 試験報告書 試験報告書には,必要に応じて,次の事項を記入する。
a) この規格番号及び発行年
b) 試験材料の識別に必要なすべての詳細事項
c) 試料採取日
d) 試験温度(単位,℃)
e) 試料調製方法の詳細
f) 粘度測定システムについての記載
g) せん断応力 Pa) 及びせん断速度 最 s−1) の対応するすべての値からプロットした粘度曲線
h) 単点データの測定の場合には,測定に用いた温度及びせん断速度を含めて,その粘度(7.参照)
i) チクソトロピー性及びレオペキシー性の液体の場合には,その条件(例えば,立ち上がり時間や全せ
ん断力)
j) 測定時間(求めるせん断速度に到達した後,データを読み取るまでに経過した時間)
k) 個々の粘度測定結果(単位Pa・s又はmPa・s)及びそれらの平均値
l) この規格によらないで当事者が協定した試験条件,例えば,寸法の異なる測定システムの採用
m) 試験年月日

――――― [JIS K 7117-2 pdf 5] ―――――

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