JIS K 7160:1996 プラスチック―引張衝撃強さの試験方法 | ページ 3

                                                                                             11
K 7160-1996 (ISO 8256 : 1990)
係数を計算する。すべての計算値を有効数字二けたまで報告
する。
9. 精度 この試験方法の精度は,試験室間のデータがないので不明である。精度は,そのデータが得ら
れた時点で,次の改正版に追加される。
10. 試験報告 試験報告には次の事項を記録する。
(a) 規格番号
(b) 使用した試験方法(A法又はB法)
(c) 試験材料の特定に必要なすべての事項 製造番号,材料の品種,形状
(d) 試験片の形状及び寸法
(e) 試験片の作製方法
(f) 型成形試験片についてはその厚さ,また,板についてはその厚さ及び板の方向(成形方向など)に
対する試験片の長軸方向
(g) 状態調節及び試験条件の詳細
(h) 使用した振り子の最大エネルギー
(i) 使用したクロスヘッドの質量
(j) ノッチ付き又はノッチなし試験片の引張衝撃強さE (kJ/m2) 又はEn (kJ/m2) の平均値
(k) 要求のある場合,個々の試験結果
(l) 要求のある場合,試験結果の標準偏差及び変動係数
(m) 試験片の破壊の様相

――――― [JIS K 7160 pdf 11] ―――――

12
K 7160-1996 (ISO 8256 : 1990)
附属書A
(規定)
跳ね返り補正値の決め方
打撃の後,クロスヘッドの跳ね返りが起きた場合,試験片は二つの動いている物体,振り子とクロスヘ
ッドによって引っ張られる。振り子は0.5MV2,クロスヘッドは0.5mv2のエネルギーをもっている。試験片
が破断したとき,目盛盤に示されるエネルギーは,振り子による損失だけである。したがって,試験片の
破壊に要した真のエネルギーを得るためには,クロスヘッドが関与したエネルギーを加算しなければなら
ない。補正値(ここではクロスヘッドが関与したエネルギー増加分)は,次の式によって算出する。
定義によって
1 2
E M V2 V2 (A.1)
2
及び
1 2 2
e mv1 v2 (A.2)
2
ここに, M : 振り子の質量 (kg)
m : クロスヘッドの質量 (kg)
V : 振り子の衝撃中心の最大速度 (m/s)
V2 : 試験片破壊時の振り子の衝撃中心の速度 (m/s)
v1 : 跳ね返り直後の振り子の衝撃中心の速度 (m/s)
v2 : 試験片破壊時のクロスヘッドの速度 (m/s)
E : 目盛盤で読みとられるエネルギー (J)
e : クロスヘッドによるエネルギー寄与分,すなわち振り子の読
みに加算する跳ね返り補正値 (J)
クロスヘッドが跳ね返った場合,この系の水平方向の運動量は一定に保たれる。垂直成分を無視すると,
衝撃の運動量は,次の式で表す。
MV−mv=MV2−mv2 (A.3)
式(A.1),式(A.2)及び式(A.3)をまとめて,次の式(A.4)を得る。
2
1 2 M 2 2E
e m v1 v1 V V (A.4)
2 m M
V, M, m及びv1の一定値に対して,eの値をEの関数としてプロットすると,eは0から増加し,最大値
(0.5mv12) を通過した後減少に転じ,負になる前に再び0を通過する。この曲線の最初の部分,すなわち最
初のe=0とe=0.5mv12の間の部分は,合理的に正確に解析されている。いったんクロスヘッドの運動方向
が逆になると補正の意味を失う。クロスヘッドがアンビルと2度目の接触を起こすと,補正は更に困難に
なる。したがって,補正を簡単にするために,eが最大値に達したとき,補正値は0.5mv12の一定値を保つ
ものと仮定する。図A.1の中で,eが一定値である場合,正確な補正ではない。しかしEの値が大きい場
合は,この補正値の役割は,比較的重要でなくなる。最大の補正値を0.5mv12と仮定しても,全体の正確さ
は損なわれない。

――――― [JIS K 7160 pdf 12] ―――――

                                                                                             13
K 7160-1996 (ISO 8256 : 1990)
図A.1 代表的な試験片付きクロスヘッド引張衝撃試験機の単一跳ね返り補正値

――――― [JIS K 7160 pdf 13] ―――――

14
K 7160-1996 (ISO 8256 : 1990)
附属書B
(規定)
B法における空気抵抗及び摩擦についての
補正図の作成とその使い方の手引
B.1 補正図は,摩擦損失と空気抵抗損失が振り子の角度に比例するという仮定に基づいて,作成及び使用
する。図B.1は,仮定エネルギー損失に対する振り子の位置(すなわち,振動中の振り子の角度)をプロ
ットしたものとする。補正図は,実質的には図B.1の左半分だけでよい。
B.2 補正図(図B.2)を作成する。まず,横軸に振り子の位置を適切な等間隔目盛でとる。自由つり下げ
位置を右端とし,左に向かって角変位が増加するようにする。これをCスケールと呼ぶことにする。角変
位は等間隔目盛の横軸で表すが,試験機の目盛盤で読みとられるエネルギーで表すと,より便利である。
したがって,この目盛は右に向かってエネルギーが増加する非等間隔目盛となる。
B.3 次に,右側の縦軸には,等間隔目盛のスケールBを作る。このスケールは下端が0で,上端は予想さ
れる最大摩擦及び空気抵抗値とする。
B.4 左側の縦軸には,等間隔目盛のスケールDを作る。このスケールは下端0からスケールB上のデータ
の最大値の1.2倍までとなるが,スケールB上端の2倍のスケールにする。
B.5 スケールDに隣接して,曲線OAを引く。この曲線は,スケールDのエネルギー補正値とスケールC
に示されるエネルギーが等しい点の軌跡である。この曲線をスケールAと呼び,スケールDと同一目盛り
の数値を使用する。
B.6 補正図は次のように使用する。
B.6.1 指示針を自由つり位置又は最大エネルギー指示位置に置き,振り子を空振りさせる。そのときのエ
ネルギーの読みAをスケールA上に記入する。
B.6.2 指示針とともに振り子を数回自由振動させ,指示針が目盛盤の指示エネルギー0の位置近くまで押し
上げたときのエネルギー目盛の読みBをスケールB上に記入する。
B.6.3 2点を直線で結ぶ。
B.6.4 スケールCの衝撃エネルギー指示値をB.6.3で引いた線まで上に投影し,交点で左に折れ,スケー
ルDで空気抵抗と摩擦の補正値を読みとる。
B.6.5 衝撃エネルギー指示値の読みから,上記補正値を差し引いて試験片の破壊に必要なエネルギーを求
める(7.7参照)。

――――― [JIS K 7160 pdf 14] ―――――

                                                                                             15
K 7160-1996 (ISO 8256 : 1990)
図B.1 空気抵抗及び摩擦の補正方法
図B.2 空気抵抗及び摩擦の補正図の例

――――― [JIS K 7160 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS K 7151:1995の国際規格 ICS 分類一覧