JIS K 7199:1999 プラスチック―キャピラリーレオメータ及びスリットダイレオメータによるプラスチックの流れ特性試験方法

JIS K 7199:1999 規格概要

この規格 K7199は、プラスチック成形加工時の条件に近い速度や温度において,せん断応力の影響を受ける溶融プラスチックの流れ特性の試験方法を規定。

JISK7199 規格全文情報

規格番号
JIS K7199 
規格名称
プラスチック―キャピラリーレオメータ及びスリットダイレオメータによるプラスチックの流れ特性試験方法
規格名称英語訳
Plastics -- Determination of the fluidity of plastics using capillary and slit-die rheometers
制定年月日
1991年11月1日
最新改正日
2015年10月20日
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‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 11443:1995(IDT)
国際規格分類

ICS

83.080.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
プラスチック I(試験) 2021, プラスチック II(材料) 2021
改訂:履歴
1991-11-01 制定日, 1999-10-20 改正日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS K 7199:1999 PDF [27]
K 7199 : 1999 (ISO 11443 : 1995)

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS K 7199 : 1991は廃止され,この規格に置き換えられる。今回の改正
では,国際規格との整合性を図るため,ISO 11443 : 1995を基礎として用いた。
JIS K 7199には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) H/B比が見掛けのせん断速度 最愀瀰歓 ぼす影響を補正する方法
附属書B(参考) 測定誤差
附属書C(参考) 流れ条件が測定精度に及ぼす影響
附属書D(参考) 参考文献

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS K 7199 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 7199 : 1999
(ISO 11443 : 1995)

プラスチック−キャピラリーレオメータ及びスリットダイレオメータによるプラスチックの流れ特性試験方法

Plastics−Determination of the fluidity of plastics using capillary and slit-die rheometers

序文 この規格は,1995年に第1版として発行されたISO 11443, Plastics−Determination of the fluidity of
plastics using capillary and slit-die rheometersを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作
成した日本工業規格(日本産業規格)である。
1. 適用範囲 この規格は,プラスチック成形加工時の条件に近い速度や温度において,せん断応力の影
響を受ける溶融プラスチックの流れ特性の試験方法を規定する。溶融プラスチックの流れ特性は,一般的
に単に温度だけでなく他のパラメータ,特にせん断速度とせん断応力に依存するので,この方法に従った
溶融プラスチックの試験が必要である。
ダイ入口における伸長効果によって,押出物がダイ出口で膨張するために,押出物の膨張を評価する試
験方法もこの規格に含めた。
この規格で規定するレオロジー的手法は,壁面付着性の熱可塑性プラスチックのキャラクタリゼーショ
ンに限定されるものではなく,例えば,“スリップ”効果[1], [2]を示す熱可塑性プラスチック及び熱硬化性プ
ラスチックにも適用できる。せん断速度及びせん断粘度の測定に用いるこの方法は,壁面付着性のない材
料に対しては適用できない。しかし,所定のダイ形状におけるレオロジー挙動を特定するのに用いること
はできる。
押出レオメータで生じるせん断速度は,1106s−1の範囲にある。この規格で規定する方法は,圧力トラ
ンスデューサ及び/又は応力トランスデューサの測定範囲並びにレオメータの機械的及び物理的特性にも
よるが,10107Pa・sの溶融粘度の測定に有用である。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・
追補には適用しない。
ISO 468 : 1982 Surface roughness−Parameters, their values and general rules for specifying requirements
ISO 6507-1 : 1982 Metallic materials−Hardness test−Vickers test−Part 1 : HV 5 to HV 100

――――― [JIS K 7199 pdf 2] ―――――

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K 7199 : 1999 (ISO 11443 : 1995)
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 ニュートン流体 (Newtonian Fluid)粘度が,せん断速度と時間に依存しない流体。
3.2 粘度が,せん断速度及び/又は時間によって変化する流
非ニュートン流体 (non−Newtonian fluid)
体。この規格では,粘度がせん断速度だけに依存する流体と定義する。
3.3 愀‰
見掛けのせん断応力 (apparent shear stress), イ壁面に接した溶融試料が受ける,仮想的なせん
断応力。試験圧力とダイ断面積/ダイ壁面積の積として計算される。 (Pa)
3.4 見掛けのせん断速度 (apparent shear rate),愀‰ ュートン流れ特性を示す溶融試料が,観測される
体積流量で,ダイ壁面において生じる見掛けのせん断速度。 (s−1)
3.5 ‰
真のせん断応力 (true shear stress), イ壁面に接した溶融試料が受ける,実際のせん断応力。入口
と出口の圧力損失を補正した試験圧力Pから推定するか,(ダイの)細管内の溶融圧力こう配から直接求
める。 (Pa)
3.6 真のせん断速度 (true shear rate), な補正アルゴリズム(備考20.参照)によって,ニュート
ン挙動からのずれを考慮に入れ,見掛けのせん断速度愀瀰 嬰 速度。 (s−1)
備考1. 表記上,真の値には添字のない表示を用いる。
3.7 粘度 (viscosity), 嬰 応力 真のせん断速度 湫 される,定常せん断流動
における粘度。 (Pa・s)

3.8 見掛けの粘度 (apparent viscosity), 嬰 応力 愀瀰 嬰 速度 愀瀰湫 愀
(Pa・s)
3.9 体積流量 (volume flow rate), Q 単位時間にダイを通して流れる溶融試料の体積。 (mm3/s)
3.10 ダイスウェル比(室温) (swell ratio at room temperature), Sa 室温で測定した,キャピラリーダイか
ら押し出された試料の直径とキャピラリーの内径との比。
3.11 ダイスウェル比(試験温度) (swell ratio at the test temperature), ST 試験温度で測定した,キャピラ
リーダイから押し出された試料の直径と,キャピラリーの内径との比。
3.12 ダイスウェルパーセント(室温) (percent swell at room temperature), sa 室温で測定した,キャピラ
リーダイから押し出された試料の直径とキャピラリーの内径との差を,キャピラリー内径の百分率として
表したもの。
3.13 ダイスウェルパーセント(試験温度) (percent swell at the test temperature), sT 試験温度で測定した,
キャピラリーダイから押し出された試料の直径とキャピラリーの内径との差を,キャピラリー内径の百分
率として表したもの。
備考2. スリットダイから押し出された試料の厚さとスリットダイのすき間との比に関して,同様の
ダイスウェルの測定を行うことができる。
3.14 予熱時間 (preheating time) 試料をシリンダに充てんしてから,測定を始めるまでの時間。
3.15 滞留時間 (dwell time) 充てんの終了から,測定の終了までの時間。
備考3. 特殊なケースとして,1回のシリンダ充てんで複数の測定を行う場合,各々の測定終了時の滞
留時間を記録しておく必要がある。
所定のせん断速度に対する測定期間に相当する時間。
3.16 押出し時間 (extrusion time)
次のどれかが発生した場合の,キャピラリー壁でのせん断応
3.17 臨界せん断応力 (critical shear stress)
力の値。 (Pa)
− 流量又はせん断速度に対する,せん断応力の曲線プロットにおける不連続性。
− ダイ出口での,押出物表面の流れ(波打ち)。

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K 7199 : 1999 (ISO 11443 : 1995)
臨界せん断応力に対応するせん断速度。 (s−1)
3.18 臨界せん断速度 (critical shear rate)
4. 原理 寸法既知のキャピラリーダイ又はスリットダイを通して,溶融プラスチックを押し出す。2種
類の主要な方法がある。一定試験圧力Pの下における体積流量Qを測定する(方法1)か,又は一定体積
流量Qにおける試験圧力Pを測定する(方法2)。これらの方法は,キャピラリーダイ(方法A)及びス
リットダイ(方法B)と組み合わせて用いることができる。試験方法の選び方を指定して,表1に示す。
表1 試験方法の指定
ダイの断面形状 設定パラメータ
試験圧力 P 体積流量 Q
円形 A1 A2
(キャピラリーダイ)
長方形 B1 B2
(スリットダイ)
ある範囲の設定パラメータ(方法1における試験圧力又は方法2における体積流量)値を用いて測定で
きる。
スリットダイの長さ方向に沿って圧力トランスデューサを配置すると,入口と出口の圧力損失を求める
ことができる。内径が等しく長さの異なるキャピラリーダイを用いると,入口と出口の圧力損失の和が求
められる。
圧力トランスデューサを長さ方向に沿って設置したスリットダイは,特にオンラインコンピュータによ
る自動化測定に適している。
備考4. スリットダイのすき間Hと幅Bのアスペクト比H/Bを小さくするか,そうでない場合には
H/Bに関する補正(附属書A参照)が必要である。後者の場合,計算される量は,用いる補
正式を導くときの仮定,特に弾性効果が無関係という仮定が正しいことを前提とする。
5. 装置
5.1 試験装置
5.1.1 一般 試験装置は,内孔の底に取替え可能なキャピラリー又はスリットダイを設置したヒータ付き
シリンダから成る。シリンダに充てんした溶融試料には,ピストン,スクリュー又はガスで試験圧力を加
える。図1及び図2に実例を示す(別な寸法のものも使用できる)。
5.1.2 レオメータシリンダ シリンダは,加熱システムの最高温度まで摩耗及び腐食に耐える材質で構成
する。シリンダは,キャピラリーダイ又はスリットダイの入口に近接して,圧力トランスデューサを挿入
する横孔をもつ。
シリンダの長さ方向に対する平均口径の偏差の許容値は±0.007mm以内とする。
内孔は,少なくとも800HV 30(ISO 6507-1参照)のビッカース硬さをもち,表面粗さは,Ra=0.25
(平均高低差,ISO 468参照)以下とする。
備考5. 400℃までの温度では,窒化鋼がシリンダの材料に適している。ビッカース硬さが規定値以下
でも,腐食と摩耗に十分耐久性のある材料であれば,シリンダやダイの製作に使用してよい。
6. シリンダ口径を増加すると1回の充てんで行う測定の回数が増加し,装置のせん断速度範囲
が広がる。口径の大きいシリンダを用いる場合の欠点は,多量の試料を必要とすること,及
び試料全体が熱平衡に達するまでに必要な時間が増加することである。市販のレオメータの

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K 7199 : 1999 (ISO 11443 : 1995)
シリンダ口径は,6.35mm25mmの範囲にある。
5.1.3 キャピラリーダイ(方法A)
5.1.3.1 キャピラリー管内壁の,内径 (D) の仕上げ精度は±0.007mm,長さ (L) の精度は±0.025mmと
する(図1参照)。
キャピラリーの内面は滑らかで,最大粗さはRa=0.25 平均高低差,ISO 468参照)に相当するもの
とする。
キャピラリーの開口部は,目に見える加工こん(痕)や偏心があってはならない。
ダイは,ビッカース硬さで少なくとも800 HV 30(ISO 6507-1参照)の硬さをもつものとする(備考5.
参照)。
備考7. 通常用いるキャピラリーダイは,内径が0.5mm2mmの範囲で,望ましいL/D比を得るため
にいろいろな長さのものがある。充てん物を含む材料には,大きい内径のものが必要となる
場合がある。
8. 最も一般的なダイの材質は,焼入鋼,タングステンカーバイド,ステライト,硬化ステンレ
ス鋼などである。
9. 測定可能なキャピラリーの寸法精度は,キャピラリーの内径と長さに依存する。内径が
1.25mm以下のキャピラリーでは,規定された精度 (±0.007mm) での測定は難しい。流れ測
定の結果は,キャピラリーの寸法に極めて敏感に影響されるので,キャピラリーの寸法とそ
の測定精度を把握し,かつ,報告することが最も重要である。このことはスリットダイの寸
法(すき間,幅及び長さ)に関しても当てはまる(5.1.4参照)。
5.1.3.2 見掛けのせん断速度 最愀瀰 嬰 応力 愀瀰 一つのキャピラリーで決定するためには,
関連規格に特に規定がない場合には,キャピラリーダイの長さLと内径Dの比L/Dを20以上に,流入角
を180°とする。流入角 (±1°),長さ (±0.025mm) 及び内径 (±0.007mm) が同一のキャピラリーから得
たデータだけを比較するものとする。流入角は,図1に示す。
備考10. 所定の見掛けせん断速度値において,溶融試料のせん断発熱効果は,内径の小さいキャピラ
リーダイを用いると減少する。
真のせん断速度 柿 と真のせん断応力 騰 次の条件下のものは除いて,同じ内径
5.1.3.3
(±0.007mm) 及び流入角 (±1°) で,L/D=5, 10, 20, 30, 40(8.4.2参照)から選んだ,少なくとも三つの異
なるL/D比をもつキャピラリーダイが必要である。
直線から少ししか外れないバーグレープロットが得られる試験条件(この試験条件は,各種の試料に対
し8.4に従ってあらかじめ確立されている。)では,L/D≦5とL/D≧20の範囲の,同じ内径 (±0.007mm) と
同じ流入角 (±1 ) の二つのダイだけが使用できる。

――――― [JIS K 7199 pdf 5] ―――――

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