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K 7211-2 : 2006 (ISO 6603-2 : 2000)
d) Y 降伏しない挙動。
備考 図2及び図3の比較によって,破壊タイプYS及びYUに対しパンクチャー変位lP及びパンク
チャーエネルギーEPは同一であることを示す。図4に示すように,最大及びパンクチャーでの
同じ値は,破壊タイプYUの場合においてエネルギーだけでなく変位に対しても見られる。複
雑な挙動の場合は,附属書Aを参照する。
図 1 深絞りによって起こる降伏(最大衝撃力において傾斜がゼロ)による破壊
に対する衝撃力−変位線図の一例及び試験後の試験片の代表的な外観(潤滑剤あり)
図 2 安定き裂成長によって起こる降伏(最大衝撃力において傾斜がゼロ)による破壊
に対する衝撃力−変位線図の一例及び試験後の試験片の代表的な外観(潤滑剤あり)
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備考 力検出器での固有振動は,不安定き裂の後に見られる(ストライカ及
びロードセル)。
図 3 不安定き裂成長によって起こる降伏(最大衝撃力において傾斜がゼロ)による破壊
に対する衝撃力−変位線図の一例及び試験後の試験片の代表的な外観(潤滑剤あり)
図 4 不安定き裂成長によって起こる降伏しない破壊に対する
衝撃力−変位線図の一例及び試験後の試験片の代表的な外観(潤滑剤あり)
――――― [JIS K 7211-2 pdf 7] ―――――
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4. 原理
潤滑剤を塗布したストライカを用いて,公称等速で,試験片表面に垂直に,その中央に衝突さ
せる方法である。結果として生じる衝撃力−変位線図は,電子的に記録される。試験片は,試験中その位
置に固定してもよい。
これらの試験で得られる衝撃力−変位線図は,試験片の衝撃挙動の記録であり,これによって材料の衝
撃特性が推定できる。
5. 装置
5.1 試験装置
試験装置は,次の基本構成とする。
− 慣性質量タイプ又は油圧タイプのエネルギーキャリヤ(エネルギー搬送装置)(5.1.1参照)。
− 潤滑剤を塗布したストライカ
− 推奨する固定装置を付けた試験片支持台
試験装置は,試験片中央で,その表面に垂直に公称等速でストライカを衝突させる。試験片に加わる衝
撃方向の力及び試験片中央の衝撃方向の変位は,直接計測するか又は計算で求める。
5.1.1 エネルギーキャリヤ エネルギーキャリヤの衝撃速度は,4.4±0.2 m/sとする(3.1及び3.1の備考
参照)。衝撃を受ける材料の粘弾性的な性質のために材料間の比較ができない結果とならないようにするた
め,試験の衝撃時の速度低下は,20 %以下とする。
備考 ぜい性材料については,振動及びノイズのレベルを小さくし,衝撃力−変位線図を改善するた
めに,衝撃速度1 m/sが,適切であることが分かっている[附属書A(参考)参照]。
5.1.1.1 油圧タイプ 油圧タイプは,適切な附属装置を取り付けた高速試験機で構成する。
衝撃時の,支持台に対するストライカの速度ずれは,例えば,変位−時間曲線を記録し,その線図の傾
斜から修正する。
5.1.1.2 慣性質量タイプ 慣性質量タイプは,重力,スプリング又は空気によってキャリヤを加速する。
落錘装置が適切な装置である。
重力で加速の質量で摩擦損失を無視する場合,衝撃速度 エネルギーキャリヤを1.0±0.1 mの落下
高さH0から落とせばよい。
すべての慣性質量タイプのエネルギーキャリヤについて,衝撃速度は,衝撃点の近傍に設置した速度計
測センサによって測定する。衝撃時の速度の最大低下は,式 (1) 及び式 (2) によって,エネルギーキャリ
ヤの最小質量Mcとして表せる(備考参照)。
MC≧6E*/ (1)
MC≧0.31E* ( 4.4 m/sのとき) (2)
ここに, MC : エネルギーキャリヤの質量 (kg)
E* : 最大パンクチャーエネルギー (J)(3.9参照)
衝撃速度 (4.4 m/s)(3.1参照)
備考 多くの場合,エネルギーキャリヤは,より大きなストライカについては,全質量20 kgの積載,
より小さなストライカについては,全質量5 kgの積載で十分であることが分かっている(5.1.2
参照)。
5.1.2 ストライカ ストライカは,直径 20.0±0.2 mmの磨いた半球状の打撃面をもつことが望ましい。
直径 10.0±0.1 mmの半球状の打撃面のものを用いてもよい。
備考1. ストライカの大きさ及び諸寸法並びに表面の状態は,衝撃結果に影響を及ぼす。
ストライカは,十分な耐摩耗性があり,塑性変形しない高強度の材料で作製する。実際上,
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焼き入れ鋼又はより低い密度の材料(すなわちチタニウム)が使用可能である。
ストライカの半球状の表面に,ストライカと試験片との摩擦を低減させるために潤滑剤を
塗る(備考2. 及び附属書Bを参照)。
2. ストライカに潤滑剤を塗った場合と塗らない場合とでは,試験結果に違いがある。低温で状
態調節し,標準雰囲気又は室温で試験を行った場合,水分が凝縮して潤滑剤を塗ったように
作用する。
ロードセルの位置は,ストライカ先端からストライカの直径以内の距離とする。すなわち,すべての外
部の力を最小限とし,周波数応答要件を満足するためにできる限り先端の近くに取り付ける(5.2参照)。
一例を図5に示す。
5.1.3 支持台(図5及び図6参照) 支持台は,堅固な基盤の上に取り付け,スプリング効果を避けるた
めに,試験片の下に空気が閉じこめられないように設計する。支持台の下方に,ストライカが試験片を貫
通した後に,ストライカが移動するのに十分な空間があるようにする。支持台は,最小高さ12 mmとし,
内径 40±2 mm,又は代替として 100±5 mmの孔があいたものが望ましい。
5.1.4 試験装置の基盤 試験装置の基盤(図5参照)は,支持台のたわみをできるだけ小さくするために,
十分な剛性となるように堅固な構造体に強固に取り付ける。
加速した質量の動力学から変位を計算する場合,基盤の質量 (MB) とエネルギーキャリヤの質量 (MC)
との間の最小質量比MB/MCは10とする。これは,基盤が試験の終わりで衝撃速度の1 %以上加速される
ことを防止する。変位を直接測定する場合,この最小質量比を推奨する。この原理の詳細については,ISO
179-2 : 1997のAnnex B(参考文献の[5])を参照する。
1 試験片 5 試験片支持台
2 半球状のストライカ先端 6 押さえ板(必要に応じ使用)
3 ロードセル(選択した位置) 7 基盤
4 シャフト 8 振動防止(必要に応じ使用)
図 5 試験装置の一例
5.1.5 固定装置(必要に応じて使用) 試験片支持台及び押さえ板の二つの部分からなる試験片環状固定
装置を用いる(図6参照)。押さえ装置は,内径40±2 mm又は100±5 mmとする。試験片を固定すると
き,力の押さえ方又は加え方によって,試験片に悪影響を及ぼす可能性がある。力を加える場合,固定力
は3 kNを推奨する。
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備考 固定は,圧縮空気による方法又はねじによる方法とし,いずれでもよい。固定試験片及び非固
定試験片での試験結果は,異なる場合がある(附属書C参照)。
単位 mm
試験片 正方形の一辺
タイプ 又は円形の直径
60 140
D2 40±2 100±5
D3 60 140
D4 ≧90 ≧200
H 12 12
R 1 1
2 試験片支持台
1 押さえ板(必要に応じ使用)
図 6 固定装置(概略図)
5.2 衝撃力及び変位の計測装置
5.2.1 衝撃力計測システム 衝撃力計測システムは,試験片に及ぼす衝撃力を測定する。ストライカは,
ストライカ先端近傍に取り付けたひずみゲージ式又は圧電式ロードセルをもつ。他に衝撃力を測定するの
に適切な方法であれば,それを用いてもよい。計測システムは,該当するピーク力の1 %以内又はそれと
同等の正確さで衝撃力を記録できるものとする。
衝撃力計測システムは,測定準備のためのセットアップ時に既に校正されているものとする。校正は,
静的に(例えば,既知の荷重をストライカに加えることによって)又は動的に(例えば,参考文献[4]参照)
行う。校正後の衝撃力測定の誤差は,校正に用いた力の±0.5 %以内にする。
試験時間が非常に短いので,高い固有振動数をもった電子式ロードセルだけが使用できる(備考1. 参照)。
試験機器(ストライカ及びロードセル)の固有振動数fnは,式 (3) の条件を満たさなければならない。
fn≧6 kHz (3)
複雑な衝撃力−変位線図の解釈のためには,いっそう高い固有振動数fnが必要である(附属書A参照)。
附属書A図A.2の最初の損傷を検出するには,固有振動数は式 (4) の条件による(備考2. 参照)。
fn≧5/ (4)
ここに, fn : 固有振動数 (kHz)
衝撃力−変位線図の細部の適切な事象時間 (ms)(附属書A図
A.1参照)
固有振動数は,ぜい性又はさく裂破壊の後に起こる振動を検討することで確認できる(図3参照)。増幅
器(直流又は搬送周波数増幅器)のバンド幅については,バンド幅の下限は 0 Hzとする。試験のサンプ
リング周波数が100 kHz以上であることを考慮し,上限は,100 kHzとする(備考3. 及び備考4. 参照)。
備考1. 計測器の例として,圧電式ロードセルを用い,ストライカ及びシャフトの間に取り付け,チ
ャージ増幅器に接続する(図5参照)。
2. 例として,衝撃速度4.4 m/sにおいて,事象期間(附属書A図A.1参照)の変位 湘
加が1 mm (10−3 m) の場合,事象時間は, [{(10−3 m)/(4.4 m/s)}]=2×10−4 sとなり,その
結果,fn≧[{5/(2×10−4 s)}]=25 kHzの最小固有振動数となる。
3. 非常にもろい製品を試験する場合,弾性衝撃は共振を起こすかもしれない。したがって,衝
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- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.080 : プラスチック > 83.080.01 : プラスチック一般
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- 規格番号
- 規格名称
- JISK7211-1:2006
- プラスチック―硬質プラスチックのパンクチャー衝撃試験方法―第1部:非計装化衝撃試験