JIS K 7211-2:2006 プラスチック―硬質プラスチックのパンクチャー衝撃試験方法―第2部:計装化衝撃試験 | ページ 3

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K 7211-2 : 2006 (ISO 6603-2 : 2000)
撃力−変位線図の解釈を困難にする(附属書A参照)。このような場合,測定に不確かさが
生じるかもしれないが,記録した衝撃力−時間線図全体又はその一部にローパスフィルタを
かけるとよい。
試験後にフィルタがけを施したとき,フィルタのタイプ及び基本的な特徴を試験報告書[10.
l) 参照]で報告する。
4. 試験片の振動(附属書A図A.3参照),試験装置の振動及び衝撃力−変位の軌跡上の一定の
ノイズによって,測定した最大衝撃力(3.5参照)に不確かさが生じる。しかし,実質上パン
クチャーエネルギー(3.9参照)に影響を及ぼさない。
5.2.2 変位検出器 変位検出器は,衝撃力−変位線図を作成するために,試験片の変位を求める電子変換
器からなる。多くの場合,試験装置間でトランジット(過渡)時間に差があるため,衝撃力−変位曲線に
オフセット時間が生じ,これは衝撃速度に比例して増加する。時間の軌跡は,このトランジット時間に見
合った時間差分を同調しなければならない。
慣性質量タイプ[落錘衝撃試験装置など]の装置を用いて,衝撃力−時間線図だけ測定すること及び8.2
に従って変位を計算することは,可能である。

5.3 厚さ計

 JIS K 7211-1の5.2による。

6. 試験片

6.1 形状及び寸法

 JIS K 7211-1の6.1による。

6.2 試験片の作製

 JIS K 7211-1の6.2による。

6.3 不均質な試験片

 JIS K 7211-1の6.3による。

6.4 試験片の観察

 JIS K 7211-1の6.4による。

6.5 試験片の数

 試験片の数は,一定の条件で試験を実施する場合,最低5個とする。受渡当事者間の
協定がある場合,必要であれば,10個とする。測定値を温度,相対湿度又はある他のパラメータの関数と
して用いるとき,試験片の数は,試験結果の統計的ばらつきに依存して減らしてもよい。
例えば,測定した量の温度依存性を決定する場合,多数の試験片が要求されるが,試験片の数は,統計
原理に従って選ぶ。

6.6 試験片の状態調節

 JIS K 7211-1の6.6による。

7. 操作

7.1 試験雰囲気

 JIS K 7211-1の7.1による。

7.2 厚さの測定

 JIS K 7211-1の7.2による。

7.3 試験片の固定(必要に応じて使用)

 JIS K 7211-1の7.3による。

7.4 潤滑剤

 JIS K 7211-1の7.4による。

7.5 パンクチャー試験操作

 試験片を支持台 (5.1.3) に置き,必要ならば,固定装置 (5.1.5) で固定する。
5.1.1で規定した衝撃速度でパンクチャー試験を行う。変位−時間軌跡を確認するか,エネルギーE*が
EPと等しいとして式 (1) 及び式 (2) を用いることによって,パンクチャー過程で速度が20 %以上変化し
ないことを保証する。

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8. 計算

8.1 結果の表示

 試験結果として衝撃力−時間線図又は衝撃力−変位線図を直接得る。これらのデータ
を用いて,他の結果を計算する。
通常の目的であって,当該材料のISO規格において他の条件がない場合,試験結果として次の特性値を
求める。
a) ΙM : 最大衝撃力時変位(3.6参照)(mm)
b) M : 最大衝撃力時エネルギー(3.7参照)(J)
c) M : 最大衝撃力(3.5参照)(N)
d) ΙP : パンクチャー変位(3.8参照)(mm)
e) P : パンクチャーエネルギー(3.9参照)(J)
それ以外に,3.10及び図1図4による破壊のタイプを報告する。YS及びYUの破壊のタイプについて,
大きい変位があるときは,摩擦力が衝撃力−変位線図に影響を及ぼしていないことを確認する(3.10の備
考参照)。複雑な挙動に対しては,附属書Aを参照する。

8.2 変位の計算

 試験結果が衝撃力−変位線図の形なら,最大衝撃力FM,最大衝撃力時変位ΙM及びパン
クチャー変位ΙPは直接グラフから読み取る。最大衝撃力時エネルギーEM及びパンクチャーエネルギーEP
(図14参照)は,プラニメータ,コンピュータ解析又は他の適当な方法で,衝撃力−変位線図の面積を
測定することによって求める。
衝撃時,見掛け上摩擦損失を示さない慣性質量タイプのエネルギーキャリヤ(5.1.1.2参照)については,
試験片の変位は,変位測定システムによって直接測定できない。この場合,衝撃力−時間軌跡から式 (5) を
用いて算出する。
1 t t1 1 2
Ι(t)
v0 t F t dt1dt gt (5)
MC 0 0 2
ここに, v0 : 衝撃速度(3.1参照)(m/s)
t : 変位を算出すべき衝撃後の時間 (s)
F (t) : 衝撃後の任意の経過時間での測定した衝撃力 (N)
Ι(t) : 変位(3.3参照)(m)
MC : エネルギーキャリヤの質量 (kg)
g : 試験場所の重力の加速度 (m/s2)
式 (5) の最後の項は,垂直に動いているエネルギーキャリヤに対してだけ有効であり,その相対的な寄
与は,衝撃速度(ストライカの落下高さ)が低下すれば,増加する。

8.3 エネルギーの計算

 衝撃中の同一時間での衝撃力及び変位が分かれば,特定の時間tjまでに費やさ
れたエネルギーは,式 (6) に従って衝撃力−変位線図の面積を求めることによって計算する(備考1参照)。
Ij
Ej F(l) dl (6)
0
ここに, F (l) : 変位lにおける衝撃力 (N)
Ι : 変位 (m)
j : 次の点の一つを示す添字
M=最大
P=パンクチャー
E : エネルギー (J)
備考1. グラフの代わりに又はそれと関連して,衝撃力及びその結果生じる変位は,電気的に記録で
きる。電気的に積分することによって,最大衝撃力に対するエネルギー及びパンクチャーエ

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ネルギーを求める。
摩擦がないエネルギーキャリヤを水平に衝撃する場合,時間から変位への展開なしに,式 (7) 及び式 (8)
で計算できる。
Eja
Ej 1
Eja・ (7)
4EC
tj
Eja v0 F t1dt1 (8)
0
ここに, Eja : 一定の速度 定して計算した,およそのエネルギー (J)
EC : 衝撃直前のエネルギーキャリヤのエネルギー (J)
F (t1) : 時間t1における衝撃力 (N)
2. 式 (7) は,重力の影響を省き,エネルギー及び運動量の保存則に基づいている。もし,エネ
ルギーキャリヤの容量に対し測定された最大エネルギーの比E*/ECが0.2未満であるならば,
括弧内の第2項は5 %未満である。

8.4 統計的パラメータ

 各試験シリーズにおいて,8.1で規定した特性の平均値,標準偏差[ISO 2602(JIS
Z 9041-1参照)]及び変動係数を求める。

8.5 有効数字

 計算平均値は,有効数字2けたで報告する。

9. 精度

 この試験方法の精度は,試験室間のデータがないので不明である。精度は,そのデータが得ら
れた時点で,次の改正版に追加する。

10. 報告

 試験報告には,次の事項を記載する。
a) この規格番号
b) 次の試験パラメータ
− 支持台の内径40 mm(又は100 mm)
− ストライカの直径20 mm(又は10 mm)
− 試験片を固定C(又は非固定U)
− 衝撃速度4.4 m/s(又は他の速度)
例えば,“計装パンクチャー試験JIS K 7211-2/40/20/C/4.4”のように表す。
c) 材料の種類,製造業者名,試料の受領日並びにコーティング,織り方及び織物の方向など試験材料に
係る他の関連データ
d) 試験片の形状及び寸法
e) 試験片の作製方法
f) 7.2によって測定した試験片の平均厚さ
g) 試験条件及び状態調節の手順
h) 試験した試験片の数
i) 試験後の試験片の損傷の状態(必要に応じて使用)
j) 3.8で規定したものと異なる場合,受渡当事者間の協定で事前合意した衝撃−破壊の判定基準
k) 衝撃力測定装置の固有振動数
l) 記録した衝撃力−時間線図にフィルタをかけた場合には,フィルタのタイプ及び基本的な特徴

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m) 次の特性値についての,個々の試験結果,算術平均,標準偏差又はこれらの平均値の変動係数,もし
要求されるなら,95 %信頼限界
− 最大衝撃力FM (N)
− 最大衝撃力時変位ΙM (mm)
− 最大衝撃力時エネルギーEM (J)
− パンクチャーエネルギーEP (J)
− パンクチャー変位ΙP (mm)
n) 破壊のタイプ(3.10参照)
o) 衝撃力−変位線図又は衝撃力−時間線図
p) 試験年月日

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附属書A(参考)複雑な衝撃力−変位線図の解説
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
多くの衝撃試験で,衝撃力−変位線図は,本体の図14に示したものよりいっそう複雑である。そのよ
うな場合,損傷点Dは,規格の手順を用いて衝撃力−変位線図から単純に導き出せない。しかし,試験し
た結果の衝撃力−変位線図の的確な比較によって,多くの場合,損傷点について信頼できる合意は可能で
ある。実際上は,慣性質量システムを用いて,より低いエネルギー(落下高さ)で,及び油圧駆動システ
ムを用いて,より遅い試験速度で,それぞれ試験する。最初の場合は,利用可能なエネルギーは,想定す
るパンクチャーエネルギーより少し大きめを選ぶ。
この方法は,特にぜい性材料又は繊維強化複合材料の試験に用いることが望ましい。これらの場合,衝
撃力−変位線図の上昇域において急激に低下するところが,最初の損傷Dを示すことが分かっている(図
A.1参照)。ぜい性材料及び繊維充てん材料については,最大衝撃力は,通常,き裂発生開始の衝撃力と一
致しているが,非常にしばしば,ストライカの貫通に必要なき裂の形成のために,2番目のピークが発生
する(図A.1及び図A.2参照)。衝撃力−変位線図においての多くのピークは,共振によって起こる(図
A.3参照)。試験装置の固有振動数において,本体の5.2.1で規定した条件を満たしていても,そのような
図の解釈は,非常に困難である。
その場合,壊れた試験片の目視評価が,衝撃下での破壊挙動を説明する唯一の方法となる。

パンクチャー (P) 近傍にある最初の損傷 (D),ここに 時間軌跡での最初の損傷の事象時間(最初に損
傷が起こったときから再び同じ衝撃力になるまでの時間)及び衝撃速度
図A.1 パンクチャー近傍にある最初の損傷を示しているぜい性又は
繊維強化複合材料の衝撃力−変位線図の概略図

――――― [JIS K 7211-2 pdf 15] ―――――

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  • ISO 6603-2:2000(IDT)

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