JIS K 7252-3:2016 プラスチック―サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方―第3部:常温付近での方法 | ページ 2

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K 7252-3 : 2016 (ISO 16014-3 : 2012)
装置又は各機器を組み合わせた装置のいずれかを用いることが可能である。

6.2 溶離液槽

 JIS K 7252-1の6.2(溶離液槽)による。溶離液槽は,必ずしもカラムと同一の温度にす
る必要はない。

6.3 ポンプ

 JIS K 7252-1の6.3(ポンプ)による。流量正確さを±0.3 %以内に保つために,ポンプは,
一定の温度に制御しなければならない。ポンプの設定温度は,必ずしもカラムと同一の温度にする必要は
ない。

6.4 試料導入装置

 JIS K 7252-1の6.4(試料導入装置)による。流量正確さを保つために,試料導入装
置の温度制御装置は,設定温度の±1 ℃以内に保つ性能が必要である。試料導入装置の設定温度は,必ず
しもカラムと同一の温度にする必要はない。

6.5 カラム

 JIS K 7252-1の6.5(カラム)による。有機系又は無機系の充剤の使用が可能である。粒
子径及び形状は,限定しない。用いるカラムは,総理論段数が15 000段以上であり,かつ,試料ピーク近
傍における分離度が1.5以上のものを使用する。シンメトリー係数は,1.00±0.15の範囲内の性能が必要で
ある。さらに,求める分子量範囲全体を包含しており,校正曲線はできる限り直線(相関係数は,1)に近
いことが必要である。理論段数,分離度及びシンメトリー係数は,JIS K 7252-1の6.5に規定する方法に
よって求める。
カラムの温度制御装置は,結果の適切な再現性を保証するために設定温度の±0.5 ℃の範囲内に保つ性
能が必要である。

6.6 検出器

 JIS K 7252-1の6.6(検出器)による。流量の安定性及びベースラインの安定性(感度)が
規定に合致するために,検出器の温度制御装置は,設定温度±1 ℃の範囲内に保つ性能が必要である。カ
ラム及び検出器は,同一温度に保つことが望ましい。
注記 示差屈折率検出器の場合は,屈折率として10−8程度の変動を検出するため,より高精度な温度
制御を用いるとよい。

6.7 配管

 JIS K 7252-1の6.7(配管)による。カラムの性能が必要な条件を満たすために,配管は,一
定の温度に保つ必要がある。ただし,配管は,必ずしもカラムと同じ温度に保つ必要はない。

6.8 温度制御装置

 それぞれの構成要素が一定の温度に保たれていることは,SEC装置の重要な条件の
一つである。すなわち,正確な温度制御装置は,SEC測定に必要とされる要件を満たすために不可欠であ
る。

6.9 記録計及びプリンタ

 JIS K 7252-1の6.9(記録計及びプリンタ)による。

6.10 データ処理システム

 JIS K 7252-1の6.10(データ処理システム)による。

6.11 その他の構成要素

 JIS K 7252-1の6.11(その他の構成要素)による。

7 操作

7.1 分子量標準物質溶液の調製

  校正曲線の作成に用いる分子量標準物質は,分析対象高分子の分子量範囲を包含し,かつ,分子量1桁
当たりの範囲に少なくとも二つの分子量標準物質を含むことが望ましい。二つ以上の分子量標準物質を含
む溶液を調製してもよいが,クロマトグラム上で標準物質が互いに完全分離している必要がある。
分子量1 000 000を超える分子量標準物質溶液は,高粘度になるため,溶出が遅れたりピーク形状が崩れ
たりする。このような場合,高分子量の標準物質は別々に調製しなければならない。
分析対象高分子と同じ化学構造をもつ分子量標準物質が使用できない場合には,化学構造が異なる分子
量標準物質によって作成した標準校正曲線又はユニバーサルキャリブレーション曲線を用いてもよい(JIS

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K 7252-3 : 2016 (ISO 16014-3 : 2012)
K 7252-2参照)。
分子量標準物質の溶解を促進するために,緩やかに振とう,かくはん,若しくは加熱,又はそれらの組
合せを用いるが,高分子鎖の切断を避けるためにできるだけ短時間で行う。
カラムの目詰まり防止のため,分子量標準物質溶液をろ過することが望ましい。ろ過する場合には,0.2
1 μmの孔径をもつメンブレンフィルタ又は焼結金属フィルタを用いる。フィルタ上に溶解していない固
形物が観察された場合には,溶解過程を繰り返す。メンブレンフィルタを用いる場合,メンブレン及びそ
の支持体は,用いる溶媒に対して不活性でなければならない。
一般的に,分子量標準物質溶液は,調製後48時間以内に用いる。ただし,分子量標準物質溶液を冷暗所
で高分子の分解及び溶媒の蒸発がないように保存した場合,より長期間の保管が可能となる。
望ましい分子量標準物質溶液の濃度を,次に示す。
Mp<5×104 0.4 mg/cm3
5×104≦Mp<1×106 0.2 mg/cm3
1×106≦Mp 0.1 mg/cm3
ここに, Mp : ピークの最高点での分子量
粘度検出器を用いる場合,低分子量領域では,高濃度の分子量標準物質溶液が必要となる。ただし,試
料は,より低い濃度の溶液で測定することが望ましい。

7.2 試料溶液の調製

  10250 mgの試料を容量1050 cm3のフラスコに正確にはかりとり,必要ならば溶出時間を監視する内
部標準物質を加えて,分子量標準物質溶液の調製(7.1参照)と同様の方法で30分以内に溶離液で溶解す
る。
一般に105を超える分子量の試料は,溶解速度が遅いため,完全に溶解するためには,30分以上を必要
とする。カラムの目詰まり防止のため,試料溶液は,ろ過することが望ましい。
試料溶液の濃度は,次に示す濃度を超えてはならない。
Mw<1×105 5.0 mg/cm3
1×105≦Mw<1×106 2.0 mg/cm3
1×106≦Mw 0.5 mg/cm3
ここに, Mw : 質量平均分子量

7.3 カラム性能評価用溶液の調製

  カラムの理論段数,シンメトリー係数及び分離度を求めるために,適切な低分子量化合物を溶離液で溶
解し,濃度10 mg/cm3以下の溶液を調製する。

7.4 装置の設定

  SEC測定に必要な量の溶離液を溶離液槽に入れて脱気する。カラムを除く全てのSEC構成装置を新しい
溶離液で置換する。カラムを装置に接続し,測定条件下で接続部に漏れがないことを確認する。
測定条件(例えば,流量,検出感度及び温度)で運転し,ドリフト及びノイズがない平たんなベースラ
インとなるまで保持する。

7.5 測定条件

7.5.1  流量
長さ30 cm,内径8 mm程度の高性能カラムを2本又は3本直列に接続した場合,約1 cm3/minの流量が
望ましい。高分子及び/又は切断されやすい試料の場合,高分子の分子鎖切断が起こらないように流量を
少なくすることが望ましい。

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K 7252-3 : 2016 (ISO 16014-3 : 2012)
7.5.2 注入量及び注入体積
試料の注入量及び試料溶液の注入体積は,カラムサイズ及び検出感度に依存する。最適の注入量は,空
カラム(充剤なし)の1 cm3当たり約0.005 mgであることが実験的に見いだされている。最大注入量は,
空カラムの1 cm3当たり0.05 mg未満にしなければならない。
試料溶液の最適注入体積は,空カラム(充剤なし)の1 cm3当たり0.005 cm3であることが実験的に見
いだされている。最大注入体積は,空カラムの1 cm3当たり0.01 cm3未満にしなければならない。
分子量標準物質溶液の注入体積は,試料溶液と同じにしなければならない。ただし,低分子量化合物溶
液の注入体積は,空カラムの1 cm3当たり0.005 cm3未満にしなければならない。
7.5.3 カラム温度
カラム温度は,試料の溶解性,溶離液の粘度及び沸点並びに周辺の温度に基づいて選択しなければなら
ない。
7.5.4 検出感度
シグナル強度は,注入した試料量及び示差屈折率検出器に対しては,屈折率増分dn/dcに依存し,紫外
検出器に対しては,単位質量濃度当たりの吸光度に依存する。検出感度は,正確なデータ処理をするため
試料の強いピークシグナルを得るように設定することが望ましい。
注記 “屈折率増分”とは,濃度変化に対する屈折率の変化率を意味する。
検出感度を同一条件に設定して,濃度とピーク高さとの関係を直線に保たなければならない。屈折率検
出器に対しては,フルスケールで1×10−59×10−4 RI単位程度,紫外検出器に対しては,フルスケール
で0.10.9吸光度単位程度であることが望ましい。

7.6 測定回数

  少なくとも2回分析を行い,クロマトグラムのピーク位置及び形状の再現性を確認する。流速の誤差が
±0.3 %を超える場合,Mnの誤差が±3 %を超える場合及びMwの誤差が±2 %を超える場合には,再測定
を行う。
ここに, Mn : 数平均分子量

8 データ収集及び解析

  JIS K 7252-1の箇条8(データ収集及び解析)による。

9 結果の表示

  JIS K 7252-1の箇条9(結果の表示)による。

10 精度

10.1 一般

  この試験法の精度は,ISO 5725-1[2]及びISO 5725-2[3]に従って,1995年1998年にかけて行った数回
の共同実験によって決定した。

10.2 試験条件

  3種類のポリスチレン,1種類のポリメタクリル酸メチル及び1種類のポリアクリロニトリルの試料並び
に分子量分布が狭い分子量標準物質を参加機関に配布した。
第1回共同実験(1995)
高分子試料(3試料) ポリスチレン PS-1

――――― [JIS K 7252-3 pdf 8] ―――――

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K 7252-3 : 2016 (ISO 16014-3 : 2012)
ポリスチレン PS-2
ポリスチレン PS-3
分子量標準物質 14種類のポリスチレン標準物質
カラム ポリスチレン系カラム
溶離液 テトラヒドロフラン
カラム温度 40 ℃
参加機関数 13
第2回共同実験(1996)
高分子試料 ポリメタクリル酸メチル(PMMA)
分子量標準物質 14種類のポリスチレン標準物質,又は
ポリメタクリル酸メチル標準物質
カラム ポリスチレン系カラム
溶離液 テトラヒドロフラン
カラム温度 40 ℃
参加機関数 14
第3回共同実験(19971998)
高分子試料 ポリアクリロニトリル(PAN)
分子量標準物質 14種類のポリスチレン標準物質,又は
14種類のポリエチレングリコール及びポリエチレンオキシド
標準物質
カラム a) ポリスチレン系カラム
b) ポリビニルアルコール系カラム
溶離液 N,N-ジメチルホルムアミド(20 mmol/L LiBrを添加)
カラム温度 40 ℃
参加機関数 a) ポリスチレン系カラム 8
b) ポリビニルアルコール系カラム 10

10.3 共同実験の結果

  併行精度及び再現精度の結果を,表1に示す。また,データを,附属書Cに示す。
注記 再現精度の結果は,この試験方法を標準試験方法とすることに対し十分である。ただし,第3
回共同実験に見られるように,ポリスチレン系カラムを用いて,20 mmol/LのLiBrを添加した
N,N-ジメチルホルムアミドを溶離液としたSEC条件での測定を除く。この共同実験では,sRの
大きなずれは,ポリスチレン系カラムと高分子試料との相互作用及び/又は校正に用いた分子
量標準物質との相互作用によっている。したがって,この試験方法は,高分子の充剤への吸
着又は高分子と充剤との反発のような明らかな二次的効果が認められるポリマーには,適用
できない。

――――― [JIS K 7252-3 pdf 9] ―――――

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K 7252-3 : 2016 (ISO 16014-3 : 2012)
表1−共同実験の結果
高分子試料 数平均分子量Mn及 再現精度,sR a)
併行精度,sr a) 共同実験
び質量平均分子量
Mwの平均値a) % %
PS-1 b) Mn= 137 000 3.1 8.0 第1回
Mw= 373 000 1.3 8.1
PS-2 b) Mn= 70 400 3.1 5.6 第1回
Mw= 226 000 2.1 6.1
PS-3 b) Mn= 38 000 2.8 6.9 第1回
Mw= 157 000 2.4 4.9
PMMA b) Mn= 163 000 2.1 9.0 第2回
Mw= 617 000 1.7 7.8
PMMA c) Mn= 215 000 2.4 5.7 第2回
Mw= 834 000 1.4 8.4
PAN d) Mn= 202 000 2.3 28.2 第3回
Mw= 467 000 0.7 19.8
PAN e) Mn= 79 200 3.2 18.7 第3回
Mw= 208 000 1.1 8.2
PAN f) Mn= 126 000 2.3 5.8 第3回
Mw= 418 000 0.4 5.1
PAN g) Mn= 77 800 1.9 6.4 第3回
Mw= 468 000 0.7 6.6
注a) 異常値は,Grubbs及びCochranの方法によって除いた(参考文献[1]及び[3]参
照)。
b) 分子量標準物質 : ポリスチレン標準物質
c) 分子量標準物質 : ポリメタクリル酸メチル標準物質
d) カラム
: ポリスチレン系カラム
分子量標準物質 : ポリスチレン標準物質
e) カラム
: ポリスチレン系カラム
分子量標準物質 : ポリエチレングリコール標準物質 及び
ポリエチレンオキシド標準物質
f) カラム
: ポリビニルアルコール系カラム
分子量標準物質 : ポリスチレン標準物質
g) カラム
: ポリビニルアルコール系カラム
分子量標準物質 : ポリエチレングリコール標準物質 及び
ポリエチレンオキシド標準物質

11 試験報告書

  JIS K 7252-1の箇条11(試験報告書)による。

――――― [JIS K 7252-3 pdf 10] ―――――

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  • ISO 16014-3:2012(IDT)

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