JIS K 7375:2008 プラスチック―全光線透過率及び全光線反射率の求め方 | ページ 2

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K 7375 : 2008
するまでとする。厚さ0.025 mm以下の試験片では16時間で十分であり,これを超える厚さのものでは40
時間以上が望ましい。
7.2 試験装置は,温度23 ℃±2 ℃,相対湿度(50±5)%の条件で使用する。

8 試験

8.1   全光線透過率の測定
全光線透過率は,次の手順によって測定する。
a) 開口b及び開口cに標準白色板を取り付けて,装置の指示が100となるように,基準入射光量 (τ1) を
調整する。
b) )の状態で,開口aに試験片を取り付けて透過光量 (τ2) を測定する。
c) 開口cに標準白色板を,また,開口bにライトトラップを取り付けて,ライトトラップ入射光量 (τ3)
を測定する。
d) ライトトラップ又は黒色フェルトを,入射光から見て背面に付けた試験片を開口cに取り付け,また,
開口bには標準白色板を取り付けて,反射光量 (τ4) を測定する。ただし,不透明な試験片の場合は,
ライトトラップ又は黒色フェルトは不要である。
8.2 全光線反射率の測定
全光線反射率は,次の手順によって測定する。
a) 開口b及び開口cに標準白色板を取り付けて,装置の指示が100となるように,基準入射光量 (τ1) を
調整する。
b) 開口cに標準白色板を,また,開口bにライトトラップを取り付けて,ライトトラップ入射光量 (τ3)
を測定する。
c) ライトトラップ又は黒色フェルトを,入射光から見て背面に付けた試験片を開口cに取り付け,また,
開口bには標準白色板を取り付けて,反射光量 (τ4) を測定する。ただし,不透明な試験片の場合は,
ライトトラップ又は黒色フェルトは不要である。

9 計算

  全光線透過率及び全光線反射率は,次の式によって算出する。
2
t 100
t
21 3 1 3 1
100
4
t 100
4
1 1 3 1
1
ここに, τt : 全光線透過率 (%)
ρt : 全光線反射率 (%)
τ1 : 基準入射光量
τ2 : 透過光量
τ3 : ライトトラップ入射光量
τ4 : 反射光量

10 精度

――――― [JIS K 7375 pdf 6] ―――――

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JIS Z 8402-2による精度を求めるための共同試験は実施していない。共同試験による精度が求まれば,
この箇条を置き換える。
全光線透過率及び全光線反射率の測定例を,附属書Aに示す。

11 結果の表し方

  全光線透過率及び全光線反射率は,小数点以下1けたまで求め,次の例のように表す。
例 60.2 (%), ρt=39.5 (%)

12 試験報告

  試験報告には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号
b) 試料の名称,種類,試験片の形状及び寸法
c) 全光線透過率測定と全光線反射率測定との区別
d) 各表面の表面形状が異なるなどで試験片の両面を測定した場合は,測定した面を示す表示(入射した
面)
e) 試験結果
f) 試験装置の形式及び製造業者名
g) この規格の規定から外れる事項のすべて
h) 試験年月日

――――― [JIS K 7375 pdf 7] ―――――

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附属書A
(参考)
全光線透過率及び全光線反射率の測定例

序文

  この附属書は,本体について補足するものであって,規定の一部ではない。
A.1 この試験方法の特徴
照明カバーなどに使用される半透明プラスチック板(乳半板)などの光拡散性試料の全光線透過率をJIS
K 7361-1の方法で測定する場合には,積分球の効率及び試験片端部からの散逸光(エッジロス)の影響に
よって測定値が低くなることがある。この規格は,積分球の効率を最大限にし,エッジロスを最小限に抑
えることを目指す試験方法である。
積分球の効率は,積分球の開口率(積分球内面積に対する開口部面積の比率)が小さいほどよい。
実用上,積分球は直径150 mm300 mmのものが入手でき,使用されている。
エッジロスは,試験片の大きさ,厚さ,光学特性(光透過性及び光拡散性)及び測定光束の大きさの比
によって異なる。測定光束の大きさを一定とすれば,試験片の大きさが大きいほど,また,厚さが薄いほ
どエッジロスが小さくなる。エッジロスは,試験片への入射光が試験片内部を拡散・透過して試験片端部
から散逸する現象であり,光透過性及び/又は光拡散性が高い試料ほどエッジロスが大きくなる。したが
って,試験片の大きさに対して入射光束の大きさを小さくすると,入射光束から試験片端部までの距離が
長くなるので試験片内部を透過・拡散して試験片端部から散逸する光が少なくなり,エッジロスが小さく
なる。
A.2 全光線透過率及び全光線反射率の測定例
各種プラスチック材料の測定値の例を,表A.1に示す。
PMMA乳半板では可視光線領域の光の吸収がほとんどないため,全光線透過率と全光線反射率との和が
理論値100 %に近い値となっている。
ここに示す測定例は,試験片の厚さが6 mmまでの値(表A.1及び表A.2)である。これらの結果では,
試験片の厚さ/試験片の大きさ=1/8以下で実用上の値が得られている。

――――― [JIS K 7375 pdf 8] ―――――

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表A.1−全光線透過率及び全光線反射率の例
材質 色調 厚さ 全光線反射率 (ρt)
全光線透過率 (τt) (τt+ρt )
mm % % %
PMMA 透明 3 92.6 7.4 100.0
PMMA 白 2 9.8 89.4 99.2
PMMA 乳半(高透過A) 5 71.6 26.8 98.4
PMMA 乳半(高透過B) 2 75.2 27.7 102.9
PMMA 乳半(中透過A) 5 56.0 42.6 98.6
PMMA 乳半(中透過B) 5 41.7 57.7 99.4
PMMA 乳半(低透過A) 5 22.9 78.1 101.0
PMMA 乳半(低透過B) 3 30.4 70.9 101.3
PC 乳半(低透過) 2 34.8 59.5 94.3
PC 乳半(低透過) 5 30.3 61.0 91.3
PVC 乳半(中透過) 2 54.4 44.4 98.8
PVC 乳半(中透過) 3 47.9 47.4 95.3
PVC 乳半(中透過) 5 41.5 47.1 88.6
フィルムa) 1 半透明 23 b) 89.8 8.4 98.2
フィルムa) 2 半透明 35 b) 73.8 24.6 98.4
注a) 廃棄物収集用
b)
A.3 求め方の相違による全光線透過率の例
この規格の方法及びJIS K 7361-1の方法で同一サンプルの全光線透過率を求めた例を,表A.2に示す。
透明材料又は厚さの比較的薄いPMMA(2 mm程度)乳半板では,この規格の方法とJIS K 7361-1の方
法とで近い値が求められたが,厚い (6 mm) 乳半板では測定値の差が大きくなる傾向にある。
特に光線透過率の比較的高い乳半板の場合,試験片中心部付近に入射した光が試験片内部で拡散し,試
験片端部まで届く割合が高く,エッジロスの影響を受けやすくなる。
表A.2−求め方の相違による全光線透過率の例
測定法 材質 色調 厚さ 全光線透過率 (τt )
mm %
JIS K 7375 92.6
PMMA 透明 3
JIS K 7361-1 92.6
JIS K 7375 9.8
PMMA 白 2
JIS K 7361-1 9.8
JIS K 7375 75.2
PMMA 乳半(高透過B) 2
JIS K 7361-1 73.4
JIS K 7375 30.4
PMMA 乳半(低透過B) 3
JIS K 7361-1 30.1
JIS K 7375 74.7
PMMA 乳半(高透過B) 6
JIS K 7361-1 68.1
JIS K 7375 18.2
PMMA 乳半(低透過B) 6
JIS K 7361-1 16.5

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