この規格ページの目次
JIS K 8550:2006 規格概要
この規格 K8550は、試薬として用いる硝酸銀について規定。
JISK8550 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K8550
- 規格名称
- 硝酸銀(試薬)
- 規格名称英語訳
- Silver nitrate
- 制定年月日
- 1951年11月28日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 6353-2:1983(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 71.040.30
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 試薬 II 2020
- 改訂:履歴
- 1951-11-28 制定日, 1954-11-27 改正日, 1957-10-30 改正日, 1961-03-01 改正日, 1964-03-01 確認日, 1967-03-01 確認日, 1970-03-01 確認日, 1973-04-01 確認日, 1978-01-01 確認日, 1979-07-01 改正日, 1984-12-01 確認日, 1991-06-01 確認日, 1994-01-01 改正日, 2002-09-20 確認日, 2006-04-20 改正日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS K 8550:2006 PDF [9]
K 8550 : 2006
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS K 8550:1994は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格(日本産業規格)と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格(日本産業規格)の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis−Part 2: Specifications−First seriesを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 8550には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
(pdf 一覧ページ番号 1)
――――― [JIS K 8550 pdf 1] ―――――
K 8550 : 2006
pdf 目 次
ページ
- 序文・・・・[1]
- 1. 適用範囲・・・・[1]
- 2. 引用規格・・・・[1]
- 3. 一般事項・・・・[1]
- 4. 種類・・・・[1]
- 5. 性質・・・・[1]
- 5.1 性状・・・・[1]
- 5.2 定性方法・・・・[1]
- 6. 品質・・・・[2]
- 7. 試験方法・・・・[2]
- 7.1 試験条件及び試験結果・・・・[2]
- 7.2 純度(AgNO3)・・・・[2]
- 7.3 水溶状・・・・[2]
- 7.4 酸・・・・[2]
- 7.5 塩化物(Cl)・・・・[2]
- 7.6 硫酸塩(SO4)・・・・[2]
- 7.7 塩酸で沈殿しない物質(硫酸塩)・・・・[3]
- 7.8 銅(Cu)・・・・[3]
- 7.9 鉛(Pb)・・・・[3]
- 7.10 鉄(Fe)・・・・[3]
- 8. 容器・・・・[3]
- 9. 表示・・・・[3]
- 10. 取扱い上の注意事項・・・・[3]
- 附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表・・・・[4]
(pdf 一覧ページ番号 2)
――――― [JIS K 8550 pdf 2] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 8550 : 2006
硝酸銀(試薬)
Silver nitrate
AgNO3 FW:169.87
序文
この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Reagents for chemical analysis−Part 2:
Specifications−First seriesを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲
この規格は,試薬として用いる硝酸銀について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis−Part 2: Specifications−First series (MOD)
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8723 ニトロベンゼン(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
3. 一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類
種類は,特級とする。
5. 性質
5.1 性状
硝酸銀は,光沢のある結晶又は白い結晶性粉末で,水に極めて溶けやすく,エタノールにや
や溶けにくく,ジエチルエーテルに溶けにくい。
5.2 定性方法
定性方法は,次による。
a) 試料1 gに水20 mlを加えて溶かす(A液)。A液5 mlに硫酸5 mlを加え冷却した後,硫酸鉄(II)
溶液(100 g/l) 2 mlを積層させると,二つの液の境界面に褐色の輪帯が現れる。
b) 液5 mlに塩酸(2+1)1 mlを加えると白い沈殿が生じる。
――――― [JIS K 8550 pdf 3] ―――――
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K 8550 : 2006
6. 品質
品質は,7.によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表 1 品質
項目 規格値
純度(AgNO3) 質量分率 % 99.8以上
水溶状 試験適合
酸 試験適合
塩化物(Cl) 質量分率 % 0.001以下
硫酸塩(SO4) 質量分率 % 0.002以下
質量分率 %
塩酸で沈殿しない物質(硫酸塩) 0.01以下
銅(Cu) 質量分率 ppm 2以下
鉛(Pb) 質量分率 ppm 2以下
鉄(Fe) 質量分率 ppm 2以下
7. 試験方法
7.1 試験条件及び試験結果
JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は
必要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法によって行い,得られ
る計算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2 純度(AgNO3) 試料2.5 gを0.1 mgのけたまではかりとり,全量フラスコ250 mlにとる。水を加
えて溶かした後,更に水を標線まで加える。その50 mlを正確にとり,硝酸(1+2)10 ml,硫酸アンモニ
ウム鉄(III)溶液5 ml及びJIS K 8723に規定するニトロベンゼン10 mlを加えた後,よく振り混ぜながら
0.1 mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液で滴定する。終点は液の色が褐色となる点とする。この場合,0.1
mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液1 mlは,0.016 987 gのAgNO3に相当する。
7.3 水溶状
JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は10 g,濁りの程度の適合限度標準は(a)
(澄明)を用いる。
7.4 酸
試料1 gに二酸化炭素を含まない水10 mlを加え,これにメチルレッド溶液1滴を加えたとき,
赤が現れないこと。
7.5 塩化物(Cl) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水を加えて溶かし20 mlとし,これに硝酸(1+2)5 mlを加える。この場合,
標準側溶液のろ過が終了してから試料側溶液の調製を行う。
b) 標準側溶液 試料2.0 gに水を加えて溶かし10 mlとし,硝酸(1+2)5 mlを加え15分間放置した後,
洗浄ろ紙(5種C)でろ過し,ろ紙を水5 mlで洗浄し,ろ液に洗液を加えたものに塩化物標準液(Cl :
0.01 mg/ml)2.0 mlを加える。
c) 操作 試料側溶液及び標準側溶液に水を加えて30 mlとし,暗所に10分間放置したとき,試料側の濁
りは標準側の濁りより濃くないこと。
7.6 硫酸塩(SO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料5.0 gに水90 mlを加え沸騰するまで加熱した後,かき混ぜながら塩酸(2+1)5 ml
を加え,更に水浴上で30分間加熱する。冷却後水を加えて100 mlとし,ろ紙(5種C)でろ過し,ろ
液50 ml(試料量2.5 g)に塩化ナトリウム溶液(100 g/l)1 mlを加え,水浴上で蒸発乾固した後,塩
酸(2+1)0.3 ml及び水を加えて25 mlにする。
b) 標準側溶液 塩酸(2+1)2.5 mlに塩化ナトリウム溶液(100 g/l)1 mlを加え,水浴上で蒸発乾固し,
硫酸塩標準液(SO4 : 0.01 mg/ml)5.0 ml,塩酸(2+1)0.3 ml及び水を加えて25 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.15[硫酸塩(SO4)](1)(比濁法)(c)による。
――――― [JIS K 8550 pdf 4] ―――――
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K 8550 : 2006
7.7 塩酸で沈殿しない物質(硫酸塩)
試料30 gに水250 mlを加え沸騰するまで加熱する。かき混ぜな
がら塩酸(2+1)を少量ずつ沈殿が析出しなくなるまで加えた後,時々かき混ぜながら水浴上で30分間加
熱する。冷却後,ろ紙(5種C)でろ過し,ろ紙及び沈でんを塩酸(1+100)で洗い,ろ液と洗液を合わ
せた後,水を加えて300 mlにする(B液)(B液は7.8の試験にも用いる。)。B液100 ml(試料量10 g)を,
磁性の蒸発皿(あらかじめ恒量にして0.1 mgのけたまで質量をはかる。)に取り,水浴上で蒸発乾固した
後,塩酸(2+1)0.1 ml及び水10 mlを加える(必要ならばろ過を行う。)。更にJIS K 8951に規定する硫
酸を1滴加え,加熱板上で蒸発乾固した後に強熱する。これをデシケーター中で冷却し,再び0.1 mgのけ
たまで質量をはかる。
7.8 銅(Cu) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.7のB液125 ml(試料量12.5 g)をとり,水浴上で約15 mlまで濃縮した後,冷却し,
水を加えて25 mlにする(S液)。S液10 ml(試料量5 g)に水を加え20 mlにする(X液)(X液は,
7.9及び7.10の試験にも用いる。)。
b) 標準側溶液 S液10 mlに銅標準液(Cu : 0.01 mg/ml)1.0 ml,鉛標準液(Pb : 0.01 mg/ml)1.0 ml,鉄
標準液(Fe : 0.01 mg/ml)1.0 ml及び水を加えて20 mlにする(Y液)(Y液は,7.9及び7.10の試験に
も用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。
7.9 鉛(Pb) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.8のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.8のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。
7.10 鉄(Fe) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.8のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.8のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。
8. 容器
容器は,遮光した気密容器とする。
9. 表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 名称 “硝酸銀”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f) 製造番号
g) 製造業者名又はその略号
10. 取扱い上の注意事項
硝酸銀は劇物なので,粘膜及び皮膚に付着しないようにする。
――――― [JIS K 8550 pdf 5] ―――――
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JIS K 8550:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6353-2:1983(MOD)
JIS K 8550:2006の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 8550:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8723:2019
- ニトロベンゼン(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)