9
L 0207 : 2005
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2023 精練 scouring
繊維及び繊維製品に付着している天然不純物,紡糸・紡
績油剤,汚れなどを除いて清浄な状態にするための処理。
2024 洗じゅう scouring
毛織物の洗浄及び風合作りのために行う処理。目的とす
る風合に合わせて広幅洗じゅう機,連続洗じゅう機,ロ
ープ洗じゅう機などを使い分ける。
2025 脱塩素処理 dechlorination treatment
綿の漂白及び羊毛の防縮加工において,塩素系化合物を
用いた後,亜硫酸ソーダ,重亜硫酸ソーダなどを用いて
残留している塩素化合物を除く処理。
2026 タッキング tacking
しわ及び/又は染めむらが懸念される織編物をロープ状
で精練・染色する場合に,生地の両耳を互いに袋状に縫
い合わせる操作。袋縫いともいう。
2027 つり練り boiling in loop
絹糸及び絹織物を,さお(竿)につり下げた状態で行う
精練。
2028 練減り 絹を精練したときの質量減少量。 degumming loss
(ねりべり)
2029 のり抜き desizing
製織のためにたて糸にのり付けされた生機(きばた)上
ののりを除去する処理。
2030 バルキー加工 bulky finish
主にアクリル繊維の糸,編物などを熱処理してかさ(嵩)
高性を与える加工。かさ高加工ともいう。
2031 半練り half degumming
セリシンを半ば除去する絹の精練。本練りに対応する用
語で,このほか七分練り,三分練りなどの種類がある。
2032 漂白, bleaching
繊維に含まれる色素及び有色の不純物を酸化又は還元作
さら(晒)し 用によって分解除去し,繊維を白くする処理。
2033 プレセット pre-set
合成繊維織編物に,染色以前の段階で受けたひずみを取
り除き,染色時の収縮及びしわ発生を防ぐために行うヒ
ートセット。
2034 ホットマーセライ hot mercerization
70 ℃以上の高温か性ソーダで行うマーセライズ加工。こ
ジング れによって柔軟な風合のマーセライズ製品が得られる。
2035 本練り degumming
セリシンを完全に除去して絹本来の風合,光沢,絹鳴り
などの特性を発現させる処理。絹の精練法の一つ。
2036 マーセライズ加工, mercerization
綿糸又は綿織編物をか性ソーダの濃厚水溶液中で緊張処
シルケット加工 理して,染色性の向上,湿潤強力の増大,絹様の光沢な
どを与える加工。
2037 湯通し boiling off
織物を温湯に浸せきして製織用ののりを洗い落とし,外
観及び風合を改良する仕上げ加工。絹の場合は,精練浴
に少量の薬剤を入れ,布の表面をきれいにし白度を向上
させる加工。
2038 湯伸し crabbing
絹織物では,織物に蒸気を当てて布幅を固定しながらし
(ゆのし) わを伸ばし,風合を柔らかくする仕上げ。毛織物では,
精練工程での煮じゅう。
2039 リラックス処理 relaxation
織編物を,乾熱,湿熱,熱水などの熱エネルギーと物理
的もみ効果とで,かさ(嵩)高性及びしぼを発現させる
処理。
2040 ロープ精練 布のロープ状で行う精練。 scouring in rope form
c) 浸染
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3001 あい(藍)染め indigo dyeing
天然あいを用いる主として綿,絹の染色。あいの主成分
――――― [JIS L 0207 pdf 11] ―――――
10
L 0207 : 2005
はバット染料に属するインジゴ。
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3002 アフタークロム法 afterchrome process
羊毛などを酸性媒染染料で染色するとき,染料が染着し
た後にクロム酸塩で処理する方法。
3003 アルカリ染色 alkaline dyeing
分散染料を用いてアルカリ浴で行うポリエステル繊維の
染色。時間が短縮され,オリゴマー付着によるトラブル
が解消される。
3004 異色染め multicolor dyeing
混紡,交織などの複合素材を構成している繊維の異なる
色への染め分け。
3005 移染 染着した染料が繊維上の他の部分へ移行する現象。 migration
3006 一浴染色, one-bath dyeing
染色性の異なる2種以上の繊維からなる複合素材の一浴
同浴染色 で行う染色。
3007 一発率 ratio of right-first-time
総染色回数に対する,色修正なしで完了した染色回数の
比率。 dyeing
3008 糸染め yarn dyeing
糸の状態での染色。先染めともいう。コーン又はチーズ
で染色する場合とかせ(綛)で染色する場合がある。
3009 色むら uneven shade
繊維上で,本来均一であるべき部分の色相が不均一であ
る現象。
3010 ウインス染色 winch dyeing
回転するリールなどによって布を染液中に送り込みなが
ら染色するウインス染色機を使用する染色。
3011 上掛け, topping
染色したものの色相が色見本と異なっていた場合に,染
トッピング 料を加えて色を修正する操作。
3012 液流染色 布をロープ状で染液流に乗せて搬送しながら行う染色。 jet dyeing
3013 エンディング ending
バッチ染色で,布の両反末間又は反末とその他の部分と
で濃度及び/又は色相が異なる染色欠点。
3014 オリゴマー除去 oligomer removal
ポリエステル繊維中に含まれるオリゴマーを高温アルカ
リ条件下で溶解して除去する処理。
なお,アルカリ染色では染色中に除去されやすい。
3015 過還元 over reduction
バット染料による染色で,規定のレベル以上に還元反応
が進み,酸化しても元に戻らない現象。濃度の低下及び
染め面の悪化の原因となる。
3016 かせ染め hank dyeing
かせの状態で行う糸染め。回転バック,噴射式かせ染め
機,パッケージ染色機などを用いる。
3017 気泡染色 foam dyeing
微細な泡を媒体とする染色。カーペットの連続染色に応
用されている。
3018 キャリアスポット carrier spot
キャリア染色のとき, キャリアが水蒸気蒸留され,染色
機の内壁に凝縮し染色物に落下して, その部分だけ濃く
染まったり色が抜けたりする現象。
3019 キャリア染色 carrier dyeing
キャリアを助剤として用いる染色。高温高圧下で染色す
ると損傷が激しい羊毛,アセテート繊維などとポリエス
テル繊維との複合素材などに用いる。
3020 吸尽染色 exhaustion dyeing
染料・薬剤を含む染浴に繊維を浸せきし,適正な温度で
行うバッチ式染色。
3021 気流染色 aerodynamic jet-dyeing
染液及び染色機内の空気を噴射して布を循環させる低浴
比の浸染。
3022 均染 被染物がむらなく均一に染まっている状態。 level dyeing
3023 草木染め 植物から採取した天然の色素を用いて行う染色,又は染
色されたもの。
――――― [JIS L 0207 pdf 12] ―――――
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L 0207 : 2005
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3024 クロス染め試験 test for colorfastness to
未染色繊維と先に染められた他繊維との混紡織物(片染
cross dyeing
め品)などで,未染色繊維を染色するのと同等の条件で
処理したときの,染色繊維の変退色及び未染色繊維への
汚染を評価する試験。
3025 クロミング chroming
酸性媒染染料とクロムとの間に錯塩を形成させる処理。
これにはクロム前処理の後,染色する方法(クロム媒染
法)と,染色後クロム処理する方法(アフタークロム法)
とがある。
3026 ケーク染色 cake dyeing
レーヨン長繊維糸の,巻き取られた糸の形状(ケーク)
のままで行う染色。
3027 高温高圧染色 high pressure dyeing
100 ℃を超える温度で行う染色。ポリエステル繊維のよ
うな難染性繊維を染色するには,高圧下100 ℃を超える
高温が必要で,密閉形の高圧染色機が用いられる。
3028 高温染色 high temperature dyeing
通常の染色温度よりも高温で行う染色。一般に合成繊維
の100 ℃を超える温度での染色であるが,綿の反応染料
による染色では70 ℃以上での染色を指すこともある。
3029 恒温染色 constant temperature
染色浴の温度をあらかじめ染色の最高温度まで昇温させ
た後,被染物を入れ一定温度で行う染色。 dyeing
3030 コーン染色 cone dyeing
多数の穴のあいた円すい状の管に糸を巻き取ったコーン
を染色機内に多数充てん(填)し,染液をコーン内に貫
流させて行う染色。
3031 先染め stock dyeing
織編以前の状態で行う染色。ばら毛,トウ,スライバー,
トップ,糸などの状態での染色。
3032 差し色, shading color
目標色に対して色相,濃度が異なる場合に染料追加及び
シェーディング /又は部分脱色した後,色修正する操作。
3033 サーモゾル染色 thermosol dyeing
ポリエステル繊維及びその複合素材に分散染料液をパデ
ィングし,短時間の乾熱処理をすることによってポリエ
ステル繊維に染着させる連続染色。
3034 下染め bottoming
複合素材染色の二浴法における最初の染色。また草木染
めでは濃色又は深みのある色相を得るため,同色又は異
色を何度も重ね染めする際の最初の染め。
3035 ジッガ染色 jigger dyeing
布を広げた状態で染液中のガイドロールを通して,2本
のローラ間で交互に巻き取りながら染色するジッガ染色
機を使用する染色。
3036 絞り染め tie dyeing
染め残す部分を糸でくくったり,板などで強く絞って物
理的に防染するようにして染料液の中に浸して染める模
様染め。
3037 徐冷 slow cooling
熱可塑性繊維品の染色で,風合が硬くなったり,しわが
固定しないように, 染色の終わりに徐々に冷却する操
作。
3038 浸染 dyeing
染色方法のうち,被染物を染液に浸して行う染色。広義
にはバッチ式と連続式とを含むが,狭義にはバッチ式だ
けを指す。
3039 スキッタリー skitteriness
近接する単繊維間,若しくは1本の単繊維内で色の濃さ
及び/又は色相に差が生じた現象。合成繊維又は羊毛で
見られる。
3040 製品染め garment dyeing
縫製品の形にした後に行う染色。消費者に最も近い段階
での染色であるため,クイックレスポンスに対応しやす
い。
――――― [JIS L 0207 pdf 13] ―――――
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L 0207 : 2005
3041 染液 染色を行うために,染料,助剤などを溶解・分散した液。 dyeing liquor
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3042 染色 dyeing
染料・顔料で繊維などを堅ろうに着色すること。通常,
均一に着色することを染色といい,模様を表すことは特
にな染といって区別する。繊維の形状によって綿(わた)
状で染色するばら染め,糸で染色する糸染め,布で染色
する反染め,縫製品で染色する製品染めなどがある。
3043 染色速度 染浴中の染料が繊維に吸尽される速さ。染め足ともいう。 rate of dyeing
3044 染色プログラム dyeing program
染色工程において,時間の経過に対応する温度・薬液注入
などの設定を組み込んだプログラム。染色の自動化に使
用される。
3045 染着平衡 dyeing equilibrium
染色工程の最終段階で,染料が液相から繊維相に移行す
る速度と,繊維相から液相に移行する速度とが等しくな
る状態。
3046 染着率 degree of exhaustion
染色に用いた染料の中で繊維に染着した染料の質量分率
(%)。
3047 染浴 dye bath
染色に必要な染料・薬剤の所要量を含む,バッチ式染色の
ための浴。
3048 染めしわ wrinkle by dyeing
布の染色工程で生じるしわ。ロープ状での染色で発生し
やすい。
3049 染めむら uneven dyeing
均一に染色されていない状態。原因として,染色前の原
料繊維,織編構造,前処理などの不均一,染色工程での
染料の選択,染色条件設定,工程管理などの不適切があ
げられる。
3050 ターリング tarring
染色時に染料が分散破壊,塩析などによって凝集・析出
してタール状の物質となる現象。染色布の汚染の原因と
なる。
3051 反染め, 織編物の状態で行う染色。 piece dyeing
後染め,
布染め
3052 タンニン媒染 mordanting with tannin
綿及び絹の染色の際に,染色性を向上させたり,染色堅
ろう度を向上させる目的で行うタンニンを使用する処
理。
3053 チーズ染色 cheese dyeing
多数の穴のあいた平行ボビンに糸を巻き取ったチーズを
染色機内に多数充てん(填)し,染液をチーズ内に貫流
させて行う染色。コーン形状で染色するコーン染色も含
めて広義にも使用される。
3054 チッピー染色 tippy dyeing
羊毛の染色において,繊維の毛先と根元とで濃度及び/
又は色相差が生じた現象。
3055 中希 listing
反染めにおいて両耳部と中央部との間で濃度及び/又は
色相差がある染色欠点。
3056 超臨界染色 超臨界状態の媒体を使用する完全に非水系の染色。 super critical fluid dyeing
3057 直接性 substantivity
染色において染料が繊維基質に選択的に吸着される性
質。
3058 低温染色 low temperature dyeing
通常用いられる染色温度よりも低い温度で行う染色。
3059 低浴比染色 low liquor ratio dyeing
被染物に対する染色液の割合(浴比)の低い染色。通常の
浴比 1 : 151 : 20 に対して 1 : 51 : 8 程度のものを
いう。
3060 テーリング tailing
パディング法による連続染色で,染色物の長さ方向に濃
度及び/又は色相が連続的に変化していく染色欠点。
3061 同色染め 複合素材を,その構成繊維が同色になるようにする染色。 solid dyeing
――――― [JIS L 0207 pdf 14] ―――――
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L 0207 : 2005
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3062 トウ染色 tow dyeing
合成繊維のトウの状態での染色。一般にはパッケージ染
色機によるバッチ方式で行われる。
3063 トップ染め top dyeing
羊毛のトップの状態での染色。品位の高い染色効果が得
られ,また,染色後,種々の色のトップを混ぜて糸にす
ることができることから高級品を対象にした染色に使用
される。
3064 二浴染色 two-bath dyeing
複合素材を染色する場合,それぞれの繊維に応じた染法
で別々に行う染色。
3065 媒染 mordanting
染料が,染めようとする繊維に十分な染着性をもたない
とき,又は,染色堅ろう度を向上させたいときに行う処
理又はその処理を伴う染色。この目的で用いる助剤を媒
染剤といい金属塩などが使用される。染色に先立ち行う
前媒染と染色後に行う後媒染がある。
3066 パッケージ染色 package dyeing
ばら毛,トウ,糸などを染色機に充てん(填)して,ポ
ンプで染液を循環させて行う染色。
3067 バッチ染色 非連続的なバッチ式で行う染色。狭義の浸染に相当する。 batch dyeing
3068 パッドジッグ法 染液などをパディングしたあとジッガで処理する方法。 pad-jig process
3069 パッドスチーム染 pad-steam dyeing
連続染色の一つで,染液をパディングしたあと蒸熱して
色 染料を固着する染色。
3070 パッド染色 pad dyeing
拡布状の布に連続的に染料液をパディングし,その後の
処理で染料の固着,ソーピング,水洗及び乾燥を行う染
色。
3071 ばら染め loose fiber dyeing
ばら毛の状態で行う染色。一般に堅ろう度のよい染料が
使用される。
3072 ピグメント染色 pigment dyeing
布に顔料とバインダー樹脂液とをパディングし,キュア
リングによって固着させる染色。
3073 ピグメントパッド pigment pad process
バット染料,硫化染料など水不溶性染料の水分散液を布
法 にパディングし,次いで染料を可溶化して固着させる方
法。
3074 ビーム染色 beam dyeing
布又は糸を多孔円筒状のビームに巻き上げ,染液をビー
ムの内から外へ貫流させて行う染色。
3075 表面染着 surface dyeing
染料が糸及び織編物の内部に行きわたらず,繊維表面に
集中して染着する現象。
3076 ブロッキング blocking
染着座席数が限定されている繊維を,二つ以上の染料を
混合して染色する場合,染料間で染着座席の争奪が行わ
れ,親和力の大きい染料が優先的に染着し,親和力の小
さい染料の染着を阻止する現象。
3077 マフ染色 muff dyeing
糸を円筒中空状に巻き上げたマフを,パッケージ染色機
に充てん(填)して行う染色。
3078 無地染め 織編物などへの単一色相染色。 solid dyeing
3079 むら染め uneven dyeing
染色が均一に行われず,被染物上に濃度及び/又は色相
差が見られる状態。
3080 ラピッド染色 rapid dyeing
ポリエステル繊維などのバッチ式染色において,均染性
を保ちながら染色時間を可能な限り短縮した染色。
3081 リング染色 ring dyeing
単繊維断面の外側だけがリング状に染色された状態。親
和力の高い染料で染色したとき,初期の段階で起こる現
象。
――――― [JIS L 0207 pdf 15] ―――――
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JIS L 0207:2005の国際規格 ICS 分類一覧
- 59 : 繊維及び皮革技術 > 59.120 : 繊維機械 > 59.120.50 : 染色及び仕上加工設備
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.59 : 繊維及び皮革技術(用語)
JIS L 0207:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISL0803:2011
- 染色堅ろう度試験用添付白布
- JISZ8721:1993
- 色の表示方法―三属性による表示